No.635079

第十一章 叫び

Minosawaさん

まさか前回がかなりのコメントの量に驚きました。それほど見て期待しているとなるとプレッシャーがかかります(笑)

相変わらずの駄文ですが…どうぞ~

2013-11-07 22:58:29 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1063   閲覧ユーザー数:987

「来たわ…」

 

「ああ…」

 

アキラが自分に向けて歩いて来るのを見る華琳と一刀。

 

「どうやら劉備のところより少しは歯応えがありそうだなぁ?」

 

アキラが曹操軍を見て少し笑みを浮かべ、少し険しい顔になった。

 

『あの女はどうやら下がっているみたいだが…引きずり出してやる!』

 

月から貰ったお守りを春蘭にズタズタにされた事を根に持つアキラは心中怒っていた。するとアキラの前に季衣と流琉がアキラの前に立ちふさがった。

 

「ここから先は行かせないよ」

 

「あなたを止めます」

 

「俺は子供でも容赦しないぞ…」

 

季衣と流琉にアキラは冷たく言い放つ。そしてアキラが一歩踏み出した瞬間、季衣と流琉が同時に動き出した。

 

「とりゃぁぁ!!」

 

季衣は大きい鉄球をアキラに放つとアキラは未だに鞘に納まっている剣で鉄球を弾いた。だが、反動で少し足元をふらついてしまった。

 

「もらった!」

 

流琉は巨大ヨーヨーらしき物をアキラ目掛けて放った。だが、アキラはヨーヨーに勘付いて剣を地面に刺して自身の腕を黒く変化させて弾き返した。

 

「はぁぁぁ!!」

 

アキラの横に凪が自身の拳に気を纏わせてアキラの顔面目掛けて放とうとしたが…

 

『バシィィィン!』

 

凪の拳はアキラの手の平によって防がれた。しかも黒く変化させた手ではなく素手で止めたのだ。

 

「なっ!!」

 

「その拳で俺に敵うとでも思ったかこのアマがぁぁ!!」

 

アキラは凪に向かって拳と蹴りの連撃をお見舞いする。凪は辛うじてガードしているが徐々に劣勢になる。

 

「軟弱!軟弱ゥ!!」

 

アキラの一発の蹴りが凪のガードを崩した。アキラは直ぐに次を当てようとしたその瞬間、一本の矢がアキラの背後に飛んできた。

 

「ちっ!」

 

アキラは凪への追撃をする寸前に凪の横に矢が飛んできて、アキラは指と指の間に挟んで止めた。矢が飛んできたほうを見るとそこには弓を構えた秋蘭が立っていた。

 

「弓兵風情が間に入るとはいい度胸だなぁ!!」

 

アキラは直ぐに刺している雷帝剣を抜いて秋蘭に向けて走った。

 

「させるかぁぁ!!」

 

秋蘭の背後から復帰した春蘭がアキラ目掛けて突貫してきた。だがアキラは止まらない。

 

「もらったぁぁ!!!」

 

春蘭が剣を振り落とそうとした瞬間、アキラはジャンプして春蘭の顔面を踏んでさらに前へ高く飛んだ。

 

 

その先には…華琳と桂花と一刀がいた。

 

「先にお前が倒れろ!曹操ォ!!」

 

アキラは華琳目掛けて攻撃しようとした。華琳も自らの武器を構えた。だが、華琳の前に一刀が立ち、アキラの剣を剣で防いだ。

 

「一刀!?」

 

「2人とも!一旦離れろ!!」

 

防ぎながら華琳を見て一刀が言い放った。だが…その瞬間をアキラは見逃していなかった。

 

「フン!!」

 

「グッ!?」

 

アキラは瞬時に一刀の横腹に蹴りをくらわして一刀は腹を抑えた。そしてアキラは一刀のある事に気づいた。

 

「貴様…この時代の人間じゃないな?」

 

「ああ…あんたら2人と同じ天の遣いの北郷一刀だ」

 

「俺達とは違って曹操の犬になるとはなぁ?」

 

「俺はこの虎牢関で負ける董卓の犬になるあんたらを疑うよ?」

 

一刀の言葉にアキラは少し笑った。

 

「貴様も知っているだろ?パラレルワールドを?」

 

「ああ…言葉では聞いた事ある」

 

「この世界がそうだ…三国志の武将全てが女の世界だ。一つや二つの食い違いがあってもおかしくない、違うか?」

 

「つまりこの三国志の董卓は悪逆非道じゃないっていうのか?」

 

「ああ、そうじゃなかったら…」

 

「でも俺は反董卓連合の曹操軍につく!」

 

アキラが言いかけたその時一刀が言い放った。

 

「確かにこの世界と俺の知っている三国志とは食い違いがあるかもしれない…けど!歴史を変えてしまったら全て狂ってしまうかもしれない!」

 

「だから歴史の通りに董卓を討つと…」

 

「それに…この時代にいる限り俺は曹操の覇道を見届けたい!!」

 

アキラは一刀の言葉に目を閉じて無言で聞いて、ゆっくり目を開けて改めて一刀を見る。

 

「じゃあ…ここで曹操の覇道…途絶えても文句は無いなぁ?」

 

「途絶えさせはしない!絶対に!!」

 

「そうか…じゃあ…」

 

言い終えた瞬間、アキラが走り出した。それを見た一刀も走り出した。2人が対峙したその瞬間だった。

 

 

 

『ザクッ!!』

 

 

 

「!?」

 

アキラの表情は驚いた顔に変わり、アキラは立ち止まって自身の左肩を見た。

 

そこには一本の矢が刺さっていた。アキラは飛んで来た方を振り向いた。そこには弓矢を構えた秋蘭が立っていた。

 

『ザクッ!!』

 

次にアキラの脚に刺さり、ついに膝をついたアキラ。一刀は突然のことに驚いて足を止めていた。

 

「蒼き戦人ぉ!これで終わりだぁぁ!!」

 

膝をついたアキラに向かって春蘭が走り出した。

 

『毒か?身体が痺れて…』

 

秋蘭が放った矢には軽い神経毒が塗ってあり、致死量はないが相手の動きを封じる事は出来るものだった。

 

『ここで終わるのか?俺が…』

 

そう思ったアキラの脳裏に月の言葉が脳裏に浮かんだ。

 

 

 

 

 

「私は‥‥‥みんなと一緒にいたい‥‥‥みんなと一緒に‥‥‥生きたい」

 

 

 

『彼女は生きたいと言った…それなのに俺は…』

 

 

 

 

「これ以上彼女を悲しませてたまるかぁーーーーーーーーーーー!!」

 

アキラは叫んだ瞬間、脚に刺さっている矢をおもいっきり抜いた。

 

「ウグッ!!」

 

あまりの痛さにアキラは苦痛の顔を浮かべて剣を杖代わりにして立ち上がった。

 

「立ったとして何が出来る!」

 

「動いてくれよ…俺の腕」

 

春蘭は剣を振り落とした瞬間、アキラは左手を黒く変化させ春蘭の剣を指で白羽取りした。

 

そしてアキラは矢を強く握って春蘭の…

 

『ザクッ!!』

 

左目を刺した。

 

「グワァァァァァァ!!」

 

激痛に春蘭は倒れこみ、左目から出血していた。

 

「姉者ァァ!!」

 

「春蘭様!?」

 

「春蘭!!」

 

曹操軍全員が驚き、秋蘭は姉のもとに駆けつける。

 

「ハァ…ハァ…ハァ…」

 

息を切らせながらアキラは春蘭を見ていた。アキラの顔には春蘭の返り血が付いていた。アキラが曹操に向かって歩き出した時だった。

 

「ま…待て…」

 

アキラが声がした方を振り向くとそこには自力で立っているのがやっとな様子の春蘭がいた。すると彼女は刺さっている矢を自ら抜いたのだ。矢はしっかりと眼球が刺さっていた。

 

そして彼女は自身の眼球を食らった。

 

「華琳様の…覇道のため…なら…片目などくれてやるわ!!」

 

春蘭は声高らかにアキラに向かって叫んだ。だがアキラは剣を手にして鞘から剣を抜いた。

 

白く、蒼く輝いていた雷帝剣がどす黒く、そして蒼い部分が不気味な紫色に変わっていた。それを見た曹操軍の将達はまるで蛇ににらまれた蛙の様に動けなくなった。

 

「殺す…全員殺してヤる…董卓を討トうとしてイる連合軍ヲ…月を悲しマセル奴を…俺ガ…殺ス」

 

そう言いながら春蘭に向かってゆっくり歩き出すアキラ。まるで人殺しを始めようとする機械のようだった。すると春蘭と秋蘭の前に一刀が立ちふさがった。

 

「秋蘭、春蘭を連れて逃げろ!!」

 

「邪魔するな!!」

 

アキラの雷帝剣の一振りで一刀の剣をバラバラにしてさらに凶悪に変化した左手で一刀の首を強く掴み、雷帝剣で一刀を突き刺そうと構えるアキラ。

 

「曹操の覇道を見ずにここで死ねーーーーーーーーーーー!!」

 

「一刀ぉーーーーーーーーーーーー!!」

 

アキラが叫び、華琳が一刀の名を叫んだ。

 

その時…アキラの顔の前に剣がアキラの行動を止めるかのように出てきた。それは…アキラが見慣れている紅い剣だった。

 

アキラがゆっくりとその剣を持つ自分がよく知る男の顔を見た。

 

「何の真似だ…兄貴」

 

「止めろ…アキラ」

 

そこには険しい顔をしている兄、ミノルだった。

 

 

 


 
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