突然現れたのは管理者『否定穏便派』の左慈と于吉………

この二人の介入により危機は免れた

何故なら…………

奴を……響窃を封印した者達全員が集結したからだ！

　十節　〜封の五呪印‥第四石・同盟の宝玉〜

左慈「さっさと出て来い!!響窃!!」

于吉「左慈、少し乱暴ではないですか？

少しは落ち着きましょうよ」

左慈「落ち着けると思うか!?

あの響窃が今目の前の瓦礫の山にいるんだぞ!!」

貂蝉「それに関しては私も同意見よう」

左慈「お前と同意見にはなりたくなかったんだがな………」

卑弥呼「凹んでおる場合ではないぞ………」

ｶﾞﾗﾗﾗﾗｯ!!

愛紗「っ!!?」

瓦礫の山から響窃が現れた

その表情はなんとも清々しい顔をしている

響窃「何とも懐かしい面々だな………

なぁ？左慈……于吉……」

于吉「そうですね………

響窃、貴方は私が封印したはずだったのですが

なぜこの外史にいるのですか？」

響窃「この身体を貸してくれた北郷一刀のお陰だ………

こ奴のお陰でこの響窃は魂だけ蘇ったのだ………

そして今は………」

左慈「身体を取り戻す………そうだろ？」

響窃「的を得て射る……」

すると、左慈という男は

左慈「聞いたか于吉！

やはり俺の言った通りだったろ!?」

と言った

言った通りとはどういう事だ？

于吉「いやいや、そこ迄してはいけませんよ

ましてやこの方々の目の前で言うのは余り良くないですよ？」

凪「……？？」

真桜「何の話やろ？」

左慈「そこ迄しなければこういう事にはならなかったんだぞ!?

やはりあの時……

北郷一刀がこの外史に降り立った時に息の根を止めておいた方が良かったんだ!!

行動に移していれば響窃は蘇ることはなかったんだ!!」

全員「「「「っ!!?」」」」

我々は驚きと怒りが混じり合い感情がわからなくなっていた

ご主人様を殺す………？

そんなことは私は許さない!!

私は気づけば無言で左慈を睨み続けていた

左慈「なのに…………卑弥呼!!貂蝉!!

貴様等が尽く邪魔をしたからだぞ!!」

貂蝉「ご主人様を殺させる訳にはいかないのよん！」

卑弥呼「ご主人様を貴様等の魔の手から守るのが我々の任務でもあるのだからな」

于吉「お参方、言い争ってる場合ではないですよ……

今は響窃が先でしょう」

卑弥呼「そうじゃな………」

左慈「貴様等の事は後回しだ!!

今はこの死に損ないをもう一度復活出来ないよう徹底的に痛みつけてやる!!」

響窃「ふむ………死に損ないとは言ってくれたものだな……左慈よ……

だがな……………」

貂蝉「？？何かしらん響窃ちゃん？」

響窃「ひとまず今回は引かせてもらおうと思ってな…………」

ｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞｯ!!

左慈「なっ!?響窃、お前何で『闇行』を!?」

響窃「そこの管理者共に聞くがいい………」

于吉「待ちなさい！響窃！」

響窃はあっという間に『闇行』の中に消えていった…………

左慈「くそっ!!逃げられたか！」

左慈は悔しそうに地団駄を踏んでいた

于吉「貂蝉…卑弥呼、どういう事ですか？

なぜ響窃が『闇行』を使えるのですか？あれは私達管理者にしか使えないはずですよ」

卑弥呼「于吉よ、説明は後だ

今はまず…………

『同盟の宝玉』の元へ………

成都へ向かうぞ！」

…………卑弥呼殿達の『闇行』で移動して半日…………

現在我々は成都にいる

今は…………大方予想がつくと思うが待機中だ

桃香様と雪蓮殿、華琳殿が四つ目の『封の五呪印』である『同盟の宝玉』を取りに行っているためだ

『同盟の宝玉』は国宝保管庫に厳重に保管されており、その扉は三国の王が所持している鍵とご主人様が所持している紋章を嵌めなければならないからだ

幸いにもご主人様の紋章は、ご主人様のお部屋に置いてあったので拝借して来た為、問題はない

問題は……………

左慈「何だ!!俺の言っていることに何か文句があるのか!!?」

春蘭「大有りだ!!北郷を……一刀を殺すだと!!?そんなことは絶対にさせんぞ!!」

秋蘭「姉者の言う通りだ！

一刀を死なせはしない!!」

左慈「何度言えば理解するんだ!!

北郷の身体を消し去らなければ響窃は倒せないんだぞ!!

そうなればこの外史はおろか正史まで破壊されてしまうだ！」

春蘭「外史だか猪々子だか知らんがそんなことはさせんと言っているのだ！」

猪々子「あ、姉さん!?

アタイカンケーないぜ!?」

…………ご覧の通り左慈は春蘭を筆頭に秋蘭や霞、凪達……………と言うよりも武将全員と言い争っていたのだ

無論私も例外ではない

逆に軍師達はというと………

冥琳「何故この外史に響窃を封印したのだ!?」

稟「それなりの事を述べてもらわなければ納得がしませんよ！」

于吉「軍師の方々、先程から仰った通りです

これ以上噛み砕いて説明するのは無理ですよ……」

朱里「偶々が重なったなんて理解できませんよ！」

雛里「他の外史ではなくなぜ此処に集中砲火したんでしゅか!?

響窃だけでなく『封の五呪印』まで………何ででしゅか!?」

于吉「落ち着いて下さい、鳳統さん

興奮しすぎて噛んでますよ？

痛くありませんか？」

雛里「私は落ち着いてますし、興奮しなくても噛んでましゅよ!!」

于吉を問い詰めていたのだ

正直私も手に負えない

貂蝉殿と卑弥呼殿も桃香様に付いて行ってしまったのでこの場は収まらないのだ

愛紗「皆、落ち着いたらどうなんだ？

桃香様や雪蓮殿、華琳殿がそろそろお戻りになる

見苦しい姿を見せたくないだろう？」

春蘭「愛紗よ!!お前は平気でいられるのか!?

左慈や于吉に一刀を殺されるかもしれないんだぞ!?」

翠「そんなのを黙って見ているなんてあたしは出来ない！」

愛紗「私だって分かっている………

だが今こういう状態こそ冷静に対応するのではないのか!?」

華琳「愛紗の言う通りね」

そこへ『同盟の宝玉』を抱えた華琳殿や雪蓮殿が戻ってきた

『同盟の宝玉』は太陽の光を浴びると七色の光を放つ美しい玉で

三国同盟に相応しいものとして保管されていたのだ

雪蓮「冥琳、思春、一回落ち着いて

ほら、深呼吸して………」

冥琳「ふっ…………そうだな……

私としたことが無様な姿を見せてしまったな……」

思春「お恥ずかしい姿をお見せしました……

申し訳ございません、雪蓮様」

華琳「春蘭、秋蘭、貴方達も一度冷静になりなさい

一刀を想っていることはいい事だけどね♪」

春蘭「か、華琳様！わ、私は別に一刀のことなど!!」

秋蘭「姉者、顔が真っ赤だぞ」

春蘭「うぇ！？あっ………つっ……/////」

桃香「紫苑さんも翠ちゃんも、ねっ？」

紫苑「そうですわね

私としたことが大人気がなかったですわね」

翠「そうだな……ちょっと情けなかったな……」

貂蝉「流石三国を束ねる王達ねん」

卑弥呼「天晴じゃ」

霞「あれ？そういや華佗は何処行ったん？」

月「白蓮さんの腕の様子を見に行かれましたよ」

詠「大分良くなってきたそうだけど

まだ安心出来ないそうよ」

于吉「そういえば聞きましたよ

公孫賛が腕を失くされたとか………」

卑弥呼「響窃の『死の鎌鼬』を諸に喰らってしまったのだよ」

左慈「『死の鎌鼬』？そんな技、50年前にあったか？」

貂蝉「ご主人様の影響よん

それにより技の威力、種類が大幅に増えちゃったんだわん」

左慈「また北郷か!!全く………」

于吉「まぁまぁ落ち着いて下さい、左慈」

すると………

華佗「待たせたな」

華佗が白蓮殿の検診を終えたのか戻ってきた

月「お疲れ様です、華佗さん

白蓮さんは様子は如何でしたか？」

華佗「容態は良くなってきたが、まだ無理をする時ではないな」

華佗からの報告を受けた我々だったが

于吉「…………おや？？」

左慈と于吉の発言によりまた新たな『疑問』が浮かび上がることになる………

左慈「お前…………『呀猟』か………？」

愛紗「っ!?」

『呀猟』…………この名は響窃と管理者達にどれだけ関係しているのだろうか………？

　　　　　　　　　　　……終……