No.631339

超次元ゲイムネプテューヌ 未知なる魔神 ルウィー編

さん

その12

2013-10-25 22:58:51 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:549   閲覧ユーザー数:534

女性という生き物は、本当に良くわからない。

疲れた体によくここまで働いてくれたと感謝の言葉を胸の内で言いながら、ベットに倒れ込んだ。

あの後、目的である情報収集をしようとしたが、ネプテューヌが美味しい匂いにあっさりと折れて、あちらこちらへ俺の腕を引っ張る。一緒に居たコンパにも協力してほしかったが、本人も楽しんでいるようで俺だけではネプテューヌの暴走を止めれず結局たくさんの買い物をしただけで終わってしまった。女性ってあんなに物を買うとは恐れ入った。ベール?あいつは買う物は、基本薄い本かゲームなどで除外。ケイブ先輩は必要以上の物は買わないからこれも別。あぁ、そういえばチカはこれぐらい買い物には量と時間が掛かったな。

 

『お疲れー』

 

「眠い…」

 

ふぁーとため息一つ。因みに今日買った物の大半はコンパの実家に送るらしい。

窓から見える空は真っ暗で所々に星が輝いている。外は恐らく昼と比べて更に極寒だと思うが、隣に空いたベットには空いたままだった

 

「…あいつ、大丈夫か?」

 

空は結局帰ってくることは無かった。仕方なく晩飯は食堂で済ませたが、はやり昨日空が用意してくれた絶品の数々が思い浮かび物足りなさが口に残るほど空の造る飯は美味かった。昨日は横で童話で描かれる眠り姫のように眠っていた空の事を思い出して、少し不安になる。

 

『あいつなら、大丈夫。それこそナイアーラトホテップとガチで争わない限りは…ね』

 

「ナイアーラトホテップ?」

 

「君がニャル男って呼んでいた奴だよ」

 

……あ、最初から名乗れた時から偽名だと思っていたが、やっぱり偽名だったのか。

 

『正確な名前は分からないけどね。あいつの呼び名はいくらでもあるから』

 

「どのくらいあるんだ?」

 

『僕が知っている中じゃ這い寄る混沌、闇に棲むもの、顔のない黒いスフィンクス、膨れ女、チクタクマン……とかかな?千の貌を持つ邪神として知られているから、他にもいっぱいあるよ』

 

「邪神……かぁ」

 

聞くだけで身震いしてしまいそうなその単語。ゲイムギョウ界では邪神なんて存在は一切聞かない、むしろ女神と対極となる存在すら聞いたことがない。まるで空想で描いた存在が何の手違いが存在して、どんな気まぐれかは知らないが、この世界にやってきてしまった感じだ。

 

『破壊神はナイアーラトホテップが犯人だと分かっているから。だから、君達の元を離れて独自調査に走ったんじゃないかな』

 

「へぇ………ん?」

 

なんだか、とんでもない事をこいつは喋ったぞ。

 

「なぁ、デペア」

 

『なにかな?』

 

「もしかしてだけど……空って最初から全部知っていた?」

 

『うん。君たちの調査をずっと生暖かそうな目で見ていたもん』

 

あの野郎!思わずのことに力任せに枕に拳を叩き込んだ。

全部知った上で、あいつは行動を共にしていたんだ!確かにあいつは『入り込み過ぎるな』とか、言っていたよな!あれって客観的に見れば、既に全部分かった上で警告を呼びかけているようなものだよな!

 

「ちっ、ネプテューヌ達もこのことを話す。帰ってきたら全員でちゃんと話し合う!」

 

『はいはーい』

 

ベットから立ち上がり荒々しく部屋から出た。隣の部屋がネプテューヌ、コンパ、アイエフの三人部屋なはずだ。ちょうどアイエフからも今日得れた情報を聞きたかったことだ。俺は、何も言わなかった空に対して怒りを煮え滾られ、ドアノブを掴みネプテューヌ達の部屋のドアを開けた。

 

「聞いてくれ!さっき、デペアからとんでもなーー………」

 

「えっ?」

 

「ふぇ?」

 

「なっ!?」

 

『我が世の春が広がっている……グット!!最高だぜ!!』

 

そこには寝間着に着替え途中のネプテューヌ達がいた。三人ともほぼ半裸に近い姿で個々の下着が丸見えであった。

全身に巡っていた血が暴走して、一気に脂汗が吹きだしていく。ネプテューヌ達は目を二、三度まばたきをして一斉に耳まで赤く染まった。

 

「あ、こ、これには、南緯47度9分 西経126度43分に沈んでいる非ユークリッド幾何学的な外形を持つ多くの建造物がある遺跡より複雑な事情が……!」

 

「へ、へんたい!」

 

アイエフが服を掴んで体を隠した。

 

「きゃぁぁぁぁあ!!!」

 

甲高い声でコンパも自分の服で前を隠した。そしてーーー

 

「紅夜、大事な用件の前に済ませたいことがあるのだけどいいかしら?いいわよね」

 

鬼神の如く怒りのオーラを纏った女神化したパープルハート様が降臨。

その手には、紫の太刀が握られていた。足が震えて言うことを聞かない。もう逃げられない。

 

 

 

 

「ネプテューヌーーーブレイクゥゥゥ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

\ピチャーーン/

 

 

 

 

 

「着替え中の幼気な少女達の部屋に突入とか……やるね紅夜」

 

「褒めるな!あと突くのやめろ!」

 

肩を痙攣させて、目下に涙を貯めて必死で笑いを抑えながら空は肘で横腹を突いてくる。幾ら人離れした純美の美貌を持ち、家事全般、出来ないことを探す方が困難だと思えるほどの完璧人だが、人をおちょくり楽しむ小悪魔のような性格が一番の欠点だと俺は思うな!あのあと、ネプテューヌにボコボコにされて簀巻き状態で

部屋に放り投げられ、抜けずに困っている所を助けてくれたことに関してありがたく思っているけど。

顔を真っ赤に機嫌を悪くしたネプテューヌは一夜寝れば、少しは収まったようで、今は朝食を終わらせて一息ついたところだ。

 

「紅夜、ノックはしなさい常識的に考えて」

 

「その事に関しては、本当にすいませんでした」

 

両手を机に置いて、頭を下げた。もう少し冷静になるべきだった。

 

「素直に謝る所は紅夜らしいね」

 

「そうね。だけど、流石にあれは不意打ちって言うか……」

 

「もうお嫁にいけないです…!」

 

「思わず、必殺技を使っちゃった。でもあれはこぅちゃんが悪いんだからね!」

 

『やれやれ、紅夜は覚えていないかもしれないけど全裸丸々見ちゃっているのに』

 

吹いた。全裸?丸々見た?嘘だろおい。ネプテューヌ達はまた見る見るうちに耳が真っ赤になっていき、三人とも武器を構え始めた!?

 

「ちょ?え、えぇ!?」

 

「暴走を解除するために強烈な刺激が必要でね。うん、この子達を服を斬って全裸姿を見た君は鼻血出して気絶したよ」

 

その時の事を思い出したのか爆笑する空に人を殺せそうな危ない眼光が、標的を俺から空に移動した。

 

「お、お前ら?ここは公共の場だぞ…?」

 

「いいじゃん、紅夜。例え襲ってきても、僕にとっては蠅が群がって来た程度だよ」

 

そこで何故、ネプテューヌ達を煽るような発言をするんだ!?。顔が正に血色まで染まって爆発する寸前の爆弾のようになっているぞ!?

 

「クスクスクス、処女共やるか?」

 

「「「上等!!!」」」

 

あーもうだめだー。「クリティカルエッジ!」「ほい」「お箸で受け止めた!?」宿屋の壁をぶっ壊してネプテューヌ達と「超圧縮弾行くです!」「キャッハァー!!当たらなければどうといこうことないんだよー!!」空が暴れ始めた。「火炎刃・鸚鵡!」「うわぁ!?くっ、変身!!」「ソウルズコンビネーション!!」炎獄の太刀を手に楽しそうな顔で空は「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァア!!!!」「回復するです!」笑っていた「助かったわ。これが私の必殺技ーネプテューヌブレイク!!」「無塵連撃舞!!」「きゃぁぁ!?」「ネプ子の必殺を真正面から打ち負かした!?」「チートです。やっぱりチートですぅ!!」「勝てば良かろうなのだぁぁ!!!「くっ、このままじゃ……」「まとめて吹き飛べ!ヴァルヴァトス《神獣形態》!!」「なにそのドラゴンの形をした魔弾は!?」「これが…絶望…」「私の物語は…」「「「きゃぁぁぁぁぁ!?!?!?」」」

 

 

 

 

 

「ふぅ、スッキリした♪」

 

「「「きゅ~~ん」」」

 

ネプテューヌ達と空との戦いは五分も終わらず終った。奇跡的に壊れた物と言えば、地面と宿屋の壁くらいだった。積み重なった状態で目を回しているネプテューヌ達とは別に空は一仕事終えた様に清々しい顔で額に流れる汗を袖で拭いた。

 

「やっぱり、深きものども(ディープ・ワン)やら喰屍鬼(グール)やらムーン=ビーストと戦うよりは、可愛い女の子と戦った方が百倍楽しいね!」

 

「もしかして、ネプテューヌ達を煽ったのはお前のストレス発散に付き合わせる為か?」

 

「何故わかった!?っていうか、紅夜も一緒に来てくれると思ったのに」

 

確かに混ざろうと思ったが、お前らが暴れるから周囲の被害を防ぐために大急ぎだったんだぞ?追尾機能があるアフーム=ザーはめちゃ便利。

 

「紅夜、女のケツ見ながら、戦闘解説する奴なんて死ねばいいと僕は思うんだ」

 

「はいはい」

 

感慨深そうに腕を組んで空は頷く。せっかくの美貌も、お前の口調で残念美人だ。そして、お前は俺達を虐めたかっただけだろ。

 

「破壊神というより、お前は悪魔の類だな。というより邪神?」

 

「僕はSだからね。誰かが悔しがったり、憤慨している顔を見るのが、だーいすき。あと一応旧神という善なる神の隷属だから、立場的には天使だね」

 

甘い蜜のような声で空は顔を微かに赤くして俺を見た。ゾクッと背中を舐められたような感覚に教わって空から一、二歩下がった。空は、面白い物を見た様に笑うとコンパとアイエフを抱えて壊れた壁の前でトンっと地面を足で叩くと、地面に落ちていた壁の破片が集まって何事もなかったように壁が修復された。後片付けもちゃんとする辺り、空らしいと思うが……お前のような天使がいるか!!

 

「……やっぱ、あいつは苦手かも」

 

『同感』

 

俺も目を回しているネプテューヌを背負って宿に戻った。

 

 

 


 
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