第2章 拠点ー冥琳編 『 十乱符(トランプ) 』
今日は春も近づき、大陸の南に位置するここ建業でも、漸く日差しに温もりが感じられるようになった穏やかな晴れの日
そんな穏やかに時が流れる日は、ここまで緊急の事態に駆り出されるという事もなく
安穏とした一日を最後まで過ごせそうな、そんな嬉しい予感すらあったそんな日の午後の出来事である
平時はいつも忙しい冥琳とても、この日は例外ではなかったらしく、急に出来た暇を持て余し気味だった事もあり
昼食を終えた現在、一足先に春を感じてみるのも悪くない
そう思い至った冥琳は、散歩がてらに城内にある庭園へと足を運んでいたのだった
すると見覚えのある人物達が、冥琳が何事かと見つめている様子に一向に気付く様子もなく
一心不乱に作業を行っている様子に興味を示した冥琳は散歩を取りやめ、邪魔しないようそっと彼らに近づいていくのでありました
「北郷と琥珀・・・それに桜もか? ここで何をやっているんだ?」
ちょっと声を張って大きめの声を出し驚かせようとしてみた冥琳であったが、皆は声をかけて来た主にすぐに思い至ったのであろう
琥珀と桜は作業から視線を移さず、作業をしている態勢を維持しながら、冥琳に手を瞬時にあげて応え
自身の作業へと没頭すべく再び作業に集中するのであった・・・
何をしているか?と疑問に思い、再度問いかけようとしたちょうどその時
竹簡に文字を懸命に走らせていた一刀が、冥琳の疑問に漸く応えてくれたのだった
「ん? ああ 冥琳か 今日はちょっと暇だったんでな
ひまぁ~~まぁひぃ~って訳の分らん言葉を発して、雪蓮に五月蝿くせがまれてさ~
試しにと俺の世界で流行っていた遊び道具で、『トランプ』という遊び道具をね ここで琥珀に再現してもらってたんだよ
・・・ただ俺と琥珀に絵心が全く無くてだな?
困り果ててた処に・・・通りかかった桜にも急遽、応援要請をしてみたという訳なんだよ」
「とらんぷ? ほう? 絵柄ねぇ? それは一体どういった遊びに使う道具なのだ?」
「頭脳戦、精神戦、戦略性といった所を主にした遊び道具さ」
「なに!? それは誠か? 北郷! それは実に楽しそうだな 私も少し暇が出来て困っていた処なんだ
良ければ混ぜてもらっても構わないだろうか?」
好奇心で射抜かれそうな程、眩しい冥琳の輝いた眼差しを向けられては、誰が断れようか? そう誰も断れる筈もなかったのである
「ああ それは大丈夫だよ 遊び方によって少人数から大人数まで遊べる代物だからな」
冥琳の心配も他所に、一刀は大丈夫だと寧ろ参加を歓迎してくれている節があり、安堵の表情をみせる冥琳でありました
ほっと一安心した処で、製作していた遊び道具の方に興味が移ったのであろう
疑問に抱いた事を次々と言葉に表わして一刀へ問いかけていくのであった
「ふむ 益々、知的好奇心をそそられてしまうな うん? しかしこれはなんだ?
見たことのない文字?と菱形? 他にも見たことのない印や数字、模様が描かれているようだが?」
「ああ 冥琳が手にしている手札は・・・手札のことを別名”カード”とも言うんだけど
それはダイヤのエースと呼ばれる手札で、Aという文字は数字の1を表しているのさ」
「だいやのえーす? ほう? この文字は数字の1をね 4種類の模様? 絵柄? 形?があるということは・・・」
「それぞれスペード、ダイヤ、ハート、クラブの1を表している
それぞれの由来は、スペードは剣や軍隊、ダイヤはお金や財産といった商人
ハートは聖なる杯や僧侶、クラブは棒で平和といった農民を表してたはずだよ・・・たしか・・・
大陸西方の職業をそれぞれ表している記号らしいよ」
「ほう? 記号とな? それは実に興味深い このような小さな手札に、それだけの意味が込めてられているとは恐れ入る
これが遊びなのだから、少々勿体無い気もするがな それにしても絵柄からは全く想像できんな
これが剣なのか? なんというか私には葉っぱに見えるのだが・・・」
「ああ~~ そうだな この記号は冥琳の言う通り、間違いなく葉っぱさ こっちはクローバーと呼ばれる植物だしな
春、夏、秋、冬といった四つの季節を表しているなんて事も言われてたりする」
一刀の説明に知的好奇心が刺激され満たされたのであろう、冥琳は一刀の説明に一々頷き、次々と記憶していっているようであった
「それで植物の記号だったという訳なのか 奥が深い それにしても・・・今、桜が今描いているのは人のような・・・
こっこれはもしかして桜! わっ私なのか!? こっちは北郷に・・・ もしかして雪蓮か!?」
ふと視線を桜が書いている事に視線を移すと、どうみても見覚えのある人物ばかりだった為、つい声が漏れてしまったのだった
「おぉ~~ 冥琳! 眼鏡で判ったのかな? 良く当てたでごじゃるな~」
「ちょちょっと待て! なんで私や北郷達が手札に描かれているんだ?」
桜は大きな胸をぶるんと一度大きく震わせ胸を張り、自身の絵への自信がヒシヒシと伝わってくるようであった
冥琳の疑問には、今もしきりに竹簡に筆を走らせている一刀が、再び対応するようであった
「それはね 11~13の数字の手札を表しているんだよ
11のジャックは家来・家臣 12のクイーンは女王 13のキングは王様を表してる
それぞれに実在の人物12人を模して描かれていたんだよ
それで俺達が桜の手によって手札に描かれているって訳
桜にはもう2枚、ジョーカーの人物を描いてもらう予定ではいるんだけど、その手札には紅さんが予定されている
まぁ 絵柄の人選を決めたのは雪蓮なんだけどね ちなみにジョーカーは道化師を表している」
「道化師ねぇ? これだけ異質な手札だな ふむふむ フッ なんとまぁ~当然と言えば当然と言えるか
そういえば、あやつの駄々から生まれたのだったかな? あやつも駄々も時には大いに役に立つとはな
少しは感謝せねばなるまい だがホント抜け目のない奴だ」
・・・と少々呆れ顔を覗かせる冥琳に、同意の意味を示しつつ
その時の雪蓮の駄々をこねた時の情景を思い出したのであろう、笑い声をあげる一刀であった
「アハハ まぁ 絵心に関して俺と琥珀は残念すぎるんでな 器用な桜に応援を頼んでいたという訳なんだよ」
「なるほどな~ すると計4種類、数字のカードが52枚にジョーカーと呼ばれる2枚が加わって54枚か」
「いやジョーカーは通常1枚だけ使用するんだ」
「すると53枚か ふむふむ・・・」
全部のカードの枚数を確認し終えた処で、一刀がJ・Q・Kに描かれた人物像について感想を述べてきた
「それにしてもこれ俺と雪蓮、冥琳、紅さんなんだぜ? 上手く特徴捉えてるよな~
「さすが桜だな 良く特徴を捉えてる 一目で誰か判るのかがすごい
一刀と冥琳に褒められると同時に、琥珀も同意を示し頷いていたのだった
ちなみにこの『十乱符』であるが、後々魏・蜀勢力でも盛んに遊ばれた為、魏版・蜀版が出回っていたりする
纏めると各勢力における絵柄の人選は以下の通りである
J Q K J
◎呉版 一刀 雪蓮 冥琳 紅
(明命)(王林)(思春)(蓮華)
◎魏版 春蘭 華琳 秋蘭 風
(桂花) (稟)
◎蜀版 愛紗 桃香 朱里 星
(焔耶)
各勢力の『十乱符』の面白い違いを挙げるとするならば・・・
1つ目に最上位はキングにも関らず、孫呉の絵柄の影響からなのだろうか? クイーンに各勢力のTOPを据えている点
2つ目にキングが各勢力の影の支配者ともいえる右腕的人物が宛がわれた事
3つ目の最後にジョーカーに描かれた人物達がいずれも”曲者”と呼ばれる人選であった事が挙げられる
ジャックは・・・というと家臣や家来というよりも・・・
クイーンの使用人? 小間遣い? 下僕? 奴隷?といったパシリ的要素が相応しい人物が選ばれたようである・・・
また()内の人選による特殊なカードも、少数ではあるが存在し発見されているようである
あと・・・呉における()内の人選において、もちろん雪蓮の作為的な決定によるものであったという事を付け加えておくことにする
絵柄に関する説明はこれくらいにして・・・話を元に戻す事にする
「こっこれくらい・・・ 朝飯前でごっごじゃる!」
一刀、冥琳、琥珀の3人に、自身が描いた絵柄を褒められたことに、耳まで真っ赤に染めて恥かしがり”かみかみ”口調となる桜
そんな照れて微笑ましい桜から、視線をカードへと再び向け、しばし考え込んでいる様子の冥琳であった
冥琳の思考を少し覗きみてみると・・・
赤と黒の二色で統一された色で4つの模様か ふむふむ
スペード・ダイヤ・ハート・クラブ
それぞれ剣・貨幣・聖杯・棍棒を表しており
ジャック・クイーン・キング・ジョーカー
北郷・雪蓮・私・紅が描かれているという事だったな
この絵柄の人選・・・きっと雪蓮がゴリ押ししただろう・・・アイツめ
どうみても雪蓮からみた力関係であろうが!
キング・クラブは本来男性を表わすのだろうに・・・何で私なんだ!!とは思うが・・・
後であやつを問い詰めるのも悪くないが、今はまぁ よかろう
それにしても桜は本当に手先が器用だな 裁縫も得意だし 絵心まであるとは・・・恐れ入る
・・・こういった内容の思考をしていた冥琳でありました
「今ここにいる人達と・・・あとは雪蓮が合流する予定だけどね
ちなみにシャオも混ざりたがっていたけれど
勉強していなかった点を王林に突っ込まれ、首根っこを掴まれ何処かへ連行されていったよ」
「はぁ~小蓮様は・・・ まぁ あまり今は多くを語るまい それにしても北郷 雪蓮を混ぜて大丈夫なのか?」
「そうだね 運や勝負勘が左右するゲームだから 雪蓮が有利に働くだろうけどね
まぁ試しも兼ねてる遊びだし そんなに気にしないで遊べればいいでしょ」
「北郷の言う通りか 今、緋蓮様と蓮華様、祭殿の3人は、今頃、柴桑へ移動なされていて、建業を留守にされておられるしな
楓・珊瑚・子虎・藍里の4人は、廬江の袁術軍に睨みを利かせて留守だし 他に来れそうな者は紅くらいか」
「だけど、紅さん全然見かけないしねぇ? 誰か知ってる?
冥琳を含めてた皆が首を振る始末に、しょうがない 見つけたら誘うって事であそぼっかと会話をを進める一刀
「それじゃ ”ババ抜きか”ジジ抜き””七並べ”のどれかをしてカードの種類が全部揃っているかを確かめようと思う」
「ババ抜き・・・なんという負の言葉を纏った響きであろうか・・・ 絶対に負けてはいけない・・・そんな気がするぞ!!
それにしてもこれだけのカードで3つのゲームとやらが出来るのか 優秀だな」
冥琳・・・”ババ”という言葉に神経質になりすぎだろうとは思いつつも、その事を突っ込めずにいる一刀、琥珀、桜の3人でありました
「冥琳 3つだけなんて事はないさ 遊べる数ならもっとたくさんあるよ
子供の頃に良く遊んだのは、ポーカー・ブラックジャック・大富豪・スピード・ダウト・神経衰弱・ページワンかな
コントラクトブリッジ、ジンは、ポーカーも含めて3大カードゲームとして多くの愛好家の人々に親しまれているゲームだよ
その他にも占い・マジック・ピラミッドとかちょっと違った別の趣のある遊び方まで存在するからね
その辺りも時間があったら見せるよ
「なんとまぁ~ そんなに多くのゲームがこのカードで出来るのか なんと奥深い遊びなんだ・・・」
「そういえば・・・冥琳 今ちょっと思いついた事があるんだが、将来的に”カジノ”という合法的に出来る博打場もありかもな
冥琳の頭の隅に”カジノ”って言葉を残しておいてくれ」
「かじの? うむ 良く判らんが・・・お前の思いつきは、孫呉の益となる事が多いしな
それに私の知的好奇心を大いにくすぐる事が多いからな
いいだろう 片隅で良ければ憶えておこう」
「だが 冥琳 あまりこうした賭博にのめり込まれては、庶人の心象も悪くなり、最悪、国家そのものが傾きかねんでござるぞ?」
懸念が湧いた桜が、一刀と冥琳の2人の会話に割って入ってきた
「桜のいう通り、加減が難しいんだよね 自制できる人なんてそうそういないしね 人は欲望・誘惑には滅法弱いからね
だけど大半の人は、自分の儲け・お財布から出せる範囲で遊んでいる人達も多いんだよ
そうした人達がいる影で、人生を棒に振っちゃうまで注ぎ込んじゃう人もいるのも事実だしね
そういえば他にも競馬・競艇・競輪、パチンコなんてモノもあったね
今の思いついた中では競馬と競艇はいけそうかな」
「名前から察するに、馬と船の速さの優劣を競わせるといったところか 確かに面白そうな案の候補かな
合法的にする為にも、我々が胴元として管理・運営に参画したらいいんじゃないかな?
得た利益を軍の運営に回したりするとか? 冥琳はどう思う?」
「うむ 琥珀の言には一理あるな 騎馬隊の馬の維持費はホント馬鹿にならんからな
船に関しては、港から動かさなければ経費はかからんが、造船するときと修繕費用を賄えるというのであれば有りだな
まぁ 競馬の方はなんとか話を進める事が出来そうだが、水軍を管理、運営している思春と意見交換と調整し合わん事には無理だろうしな
ただ、どちらもそれが庶人が楽しめ、かつ経費が軽くなるのであったら、国庫の負担も楽になる
庶人の娯楽として定着するのなら、一石二鳥といった所とだろう」
「やはり、負の面は中毒性と治安の悪化・・・が懸念される材料でござろうな どうせガラの悪い連中が幅を利かせたがるでござろう」
「そうだね 桜の言に対する対策としては、先程も言っていたけど、まず真似させないように国が一元管理し管理下に置くこと
真似されたら即、取り潰したり、出入り禁止にと締め出したり取り締まるなどの対応が必要だろうね
後は警備の兵を置き、開催中にガラの悪い連中に脅されたり、誤魔化したり、そうした悪事を働かないように取り締まる
こういうのは胴元、管理した者が儲かるように出来ているからね ちょっと違うけど、宝くじとかもそうかな」
「皆が言う通り、それくらい厳しく管理せんと悪事を働く者達が後を絶たんか」
「美味しいモノほどすぐ群がり、利益をむさぼろうと群がってくるでござるから」
「だろうな それにしても北郷 やけにカジノとやらに詳しいな」
「ああ 爺ちゃんがね 下手の横好きでね・・・ 賭け事はすっごい弱いんだけど好きで止められないって意味なんだけどさ
昔一度ね 母さんが福引で旅行券引き当てて、家族総出でカジノで遊ぶ為に、わざわざ旅行しに行った事があったんだよ」
「ほう?」
「その頃のおれや妹の和葉は、年齢制限にひっかかってて、本格的に賭博場では遊ぶことは出来なかったんだけどな
その時、母さんが余りにも勝ちすぎたんで、とっととここから逃げるわよ 私の勘が危ないと警鐘を鳴らしているわ
なぁ~んて言って、早々に賭博場から逃げ出した記憶あるなぁ~
まぁ それでも演劇の舞台とか映画とか他のTVゲームとか色々あって、幼かった俺と妹が暇・・・なんてことは全然なかったけどね」
「北郷の母君は強運の持ち主でござるな それに賭け事にお強いようでござるし なんだかうちの緋蓮様や雪蓮と同じような存在でござるか
そういえば・・・母君と緋蓮様は瓜二つとも以前に言っていたでござるし まさかでごじゃるな・・・
あとは分らない言葉も多々あるが、我々でいう所の山越のような都市なのは分ったでごじゃる・・・」
「ああ~ 桜 ゴメン 冥琳には話してたんで、その辺りの説明を失念していた
桜の言った通りで、遊びや娯楽に関しては飽きさせない街って意味だよ」
「庶人に娯楽を提供し、かつ制御しつつ、多額の税収をも得るか 今日は実に興味深い話を聞いたな
競馬といい・・・その辺りの知識、また後日詳しく教えてもらうぞ?」
「ああ 構わないよ」
「・・・・・・・・それと・・・紅よ? お前もやりたいのならば、そこの空いている席にちゃんと座ってやればよかろう?」
「あら! バレちゃいましたね」
「あら! バレちゃいましたね じゃないだろう・・・ こちらは先刻からお前の好奇心に満ちた視線で、ずっと射抜かれていたんだぞ?
ずっと好奇心に溢れた視線に射抜かれるこっちの身にもなってみろ ぶつぶつ・・・」
「だってぇ~ すっっごく楽しそうな事をしようとしているのだもの・・・ 誘ってくださらないかしら・・・
私も混ぜて欲しいわぁ~という想いが溢れてしまいして、ずっと想いのこもった視線を投げかけてましたの・・・」
「私もつい先程混ぜてもらったばかりなんだ 紅ももったいつけず遠慮なく混ざればよかろうが」
「冥琳もこう言ってくれてますし 参加させてもらいますね」
にこやかな表情をした紅はそう皆に宣言し、空いていた席に静かに移動し座り終える
冥琳を御し完全に誘導されてしまったような感が、ヒシヒシと一刀達にも伝わってきたのでありました
そうした緊張感も雪蓮の登場で、あっという間にぶち壊したのである
「おっまたせぇ~ あら! 冥琳や紅も居たのね!」
「楽しそうだったので、混ぜてもらうことにした」
「冥琳と同じく」
「いや~ 桜、琥珀 見事な再現力だな 恐れ入ったよ 絵柄が孫呉風に変更を加えられているが うん これも悪くないな
カードを裏表を交互に詳細に見つめながらの一刀の褒め言葉に、琥珀と桜は互いに視線を合わせ
ぱぁんと一度、小気味良い手を叩き合わせた音を響かせて、にんまりと満面の笑みを浮かべ合っていたのでありました
「・・・ウフフ 腕が鳴るわ! いいでしょ! 全員まとめて掛かって来なさい!」
こうして戦いの火蓋が切って落とされたのである
先ずはカードが全部揃っているのか確認するために、ジョーカー2枚を除いた7並べをすることになった
ルールに関しては、予め琥珀や桜が製作に取り掛かっていた時に、一刀が竹簡に書き認めていたようで
皆その竹簡に目を通しし記憶してから、ゲーム開始となった
一刀の手によって参加者である冥琳、雪蓮、紅、琥珀、桜、そして一刀自身へとカードを順々に配ってゆく
最初に手札から7を出した後、一刀から時計回りに順々に並べられていくのであった
順調に皆がカードを並べていく中、皆に比べて・・・1人だけ手札が一向に減らず、う~んう~んと唸る人物がいた
そう最初の勢いは何処へやら・・・雪蓮 その人であった・・・
雪蓮の手持ちのカードは、中央の7付近の数字はなく
11・12・13といった大きい数字か、2・3・4といった数字と極端に分かれてしまっていたのだ
当然の事ながら相手がどの手札を持っているのか?なんて分るはずもない
雪蓮にそれだけ端のカードが集まってしまったのも成り行きに他ならない
だが、いつまで経ってもカードを出せない理由、それはいつまで経っても一向に前の数字が出てこないからだ
前の数字を止めていた人物こそ、何を隠そう一刀その人であった
一刀は最初宣言した通り、カードの確認をする為に7並べを始めた訳なのだが、ただ並べるだけでは面白くも無い
そういえば・・・昔と思いにふけった一刀は、場を暫し眺めた後に数字を出すのを意図的に止めたのだった
雪蓮を意図的に追い詰めた訳なのではないのだが、一刀の思いつきの犠牲者となったのが雪蓮なのである
雪蓮の余り具合をみて、冥琳や紅や琥珀も、この時瞬時に悟ったのである
手札を並べるだけと思い油断していたが、戦いはすでに始っていたという事を・・・
何も知らず桜は口笛を暢気に吹いて気軽にカードを出しているが
負けず嫌いの意地が、突然遽激しく火花を散らしぶつかり合った瞬間であった
流石は稀代の軍師がここに名を連ねているだけあった
それからは互いの思惑がぶつかり合い皆が互いを牽制し合って、各所で出すカードが停滞しだしたのだった・・・
冥琳と紅は順調、琥珀と一刀が少し苦戦、桜と雪蓮が脱落しそうな中・・・
互いにパスを2回宣言し後がない状況に追い込まれていたのだった
次は雪蓮の番でここでパスをすれば、一番先に敗北し先程までの面目丸潰れ状態となりそうな処まで追い詰められていたのだった
「手札がさっきから全然っ減らないから、何かいやぁ~な予感がしたと思ったら・・・ 停滞させた犯人は一刀だったのね!
きぃーーーーーーーーー 一刀のいぢわる! そんないぢわるな事するなら、閨での暴露話をここで披露するわよ!」
と勝負とは全く関係のないことで一刀に脅しをかける雪蓮に対して
「雪蓮・・・閨でのことって言うなら、それは雪蓮にも当てはまらないのか?」
と一刀に呆れられながら問われると・・・うん 私にとっても恥かしいことよねと瞬時に覚った雪蓮は・・・
「あっ! うぅーーーーーーーーいいわよ 最後でぶぅぶぅ~~~~~ パスよ パ・ス!
ああぁぁぁーーーーーー最初に負けちゃったぢゃな~い! 旦那様がこんな陰険な人だとは思ってもいなかったわ!!」
と悔し紛れに一刀を罵りつつも、ついに一番手で降参を申し出たのであったが
雪蓮も変わらん似た者夫婦だということだろう? そんな追従する声が聞こえてきそうな皆の苦笑だった
「雪蓮よ 私達にとってお前達夫婦の痴話は今後の笑い話の種となるが
それを周りに囁かれるような真似は・・・極力控えるべきではないかな?
孫呉の皇族の品位が問われると思うのだが?」
「そうよね 一刀くんの皇后に相応しくないかもしれないわね 正式な地位には私めがなりましょうか?」
冥琳と紅の冗談めいた追求に、どこまで本気にとったのか知らないが・・・
「そんなの絶対に認めないし認められないから!」
冥琳と紅をビシッと指差して断言した 人を指差すのはダメだろう雪蓮と少々呆れ顔になる一刀でありました
「冥琳も紅殿もあまり雪蓮をからかうものでないでござるよ 首ちょんぱされるでござるぞ?」
首元近くで手をヒラヒラと横に振って、首が斬られることをアピールする桜
桜もすこし悪のりしたのであろう 日頃から雪蓮と争う間柄だからか この時とばかりにからかう言葉を投げかけたようである
「夫婦痴話で孫呉崩壊ですか それはしかと後世に残されましょう くっくっく」
琥珀も桜に追従したのか 笑い声まであげて雪蓮を挑発するのでありました
「皆して馬鹿にしてぇ! あとで覚えてなさいよ!」
そう皆に向かってまたも指差し、頬を染めたまま、恥かしさ故なのか?それとも怒り故なのか?分らぬまま
席からおもむろに立ち上がり、急ぎ足で城内へと去っていく雪蓮でありました
この後7並べは、更に陰湿極まる戦いとなり、結果、紅、冥琳、一刀、琥珀、桜、雪蓮の順で幕を下ろすこととなった
次に雪蓮が抜けた5人で大富豪をする事になったのだが・・・ 7並べの順とはうって変わり・・・
最初に大富豪=一刀、富豪=琥珀、平民=桜、貧民=紅、大貧民=冥琳と決まったのだが
何回やろうとも冥琳が大貧民から抜け出せず、紅は平民と貧民のどちらかをうろうろ、桜は富豪~貧民をいったりきたりで
終始安定していたのが、大富豪であった一刀だけだったのである
「ほっ北郷よ まっまて 冷静に話し合おうではないか! この状況で上位2枚を搾取するのは少し大人気ないと思うのだが?
出来れば軽減税率の適応を申請したいのだが?」
「琥珀・・・ 酷すぎるわ 私達孫呉を盛りたてる仲間じゃない?
そんなに良いカードを持ちながら・・・私からまだ奪おうとでもいうの!?」
一刀や琥珀の支配者階級からの容赦ない取立てに、場は困窮・悲嘆の度合いを深め紛糾するばかり・・・
平民であった桜は下位にいた2人を横目に、涙を浮かべながら笑い転げているようである
遊びでこれほど世の不条理を感じたことは今まで一度もなかった・・・と後に冥琳と紅の2人はそう述懐している
「いや~ 随分あそんだけど、最後にカジノ関係のポーカーかブラックジャックのどちらかのゲームもしとこうか
次いつこうして集まって出来るか分らないしね」
「北郷よ カジノとやらでは、その2つだけなのか? 遊べるゲームの種類は?」
「いや 他にもルーレットと呼ばれるもの、これは回っている板に小さな球を投げ込み
球の入った数字と色にチップというお金の代替物賭けて当てるというものや
スロットと呼ばれる、メダルというお金の代替物を投入して
3X3のマスの中で絵柄や数字を揃えたりするゲームなんてものもあったけどね」
「その2つは再現できそうか? ルーレットの方は時間をかけたら出来そうだけど、スロットはちょっと再現不可能だろうね」
「ふむふむ カジノにはポーカー、ブラックジャック、ルーレットの3点だな」
「私達はした事もないし、どちらがより楽しいのか分らないし カードが多い方が良いというのなら観戦に回ろうかしら?」
「そうだね 一刀と冥琳、2人でやってみたら? その間に私達は役とか覚えておくし」
「それじゃ カードの枚数も限られているから、今回はポーカーの方がより楽しめるだろうし こちらににしよう
ブラックジャックは多人数で出来る分、胴元(ディーラー)の手持ちカードの枚数が多い方が、より楽しくていいから」
一刀の言に皆が同意し頷くのを確認した後、一刀はカードを上手にシャッフルし
皆に1枚ずつ慣れた手つきでカードを配り始めるのでありました
・
・
・
「うん? 北郷よ これはストレートという役で私の勝ち・・・ではないのか?」
ルールを良く知る一刀に、判りやすいように全ての手札をオープンにして問いかける冥琳に対し
すぐさま問題点を見つけた一刀は、冥琳に判りやすいように説明するべく口を開いた
「ああ~ それは注意点の1つと言えるかな その2を含んだ数字の配列だとストレートの役にはならない決まりなんだよね
10・J・Q・K・1か1・2・3・4・5とは出来るんだけど、J・Q・K・1・2とは繋げる事が出来ない決まりなんだよ
同様にQ・K・1・2・3、K・1・2・3・4なんて数字の配列もまた、ストレートという役にならないから注意が必要かな
ちなみに2・3・4・5・6とかは大丈夫なんだけどね 大きい数字との組み合わせ1を最後として切れると覚えておいた方がいい
最高の役であるロイヤルストレートフラッシュは絵柄と10・J・Q・K・1の組み合わせでないと呼ばれない
絵柄が同じでも数字が違えば、ストレートフラッシュって役になって少し降格しちゃうんだ
数字の2を含めちゃうと役としては、フラッシュという役にまで降格しちゃうんだ
同じ役であっても上位、下位もあるしね なんの役も出来なかった時でさえ、決着をつける方法は存在しているんだ
手札に持つ高い順にならべて、数字の高い方を持っている方が勝つ、ハイカードと呼ばれる存在がある 厳密には役と呼べないものだけど
数字の強弱は竹簡にも書いているが(強) A>K>Q>J>T>9>8>7>6>5>4>3>2 (弱)の通りだし
4つの絵柄の強弱はないけれど・・・
ポーカーと言っても色々なルールがあってそれぞれ呼び名が違う
ちなみに今しているのは”ドロー(クローズド)・ポーカー”と呼ばれているものさ
ポーカーというゲームの初期に出来たルールなんだけど、俺がいた時代の世界では廃れちゃってるけどね
ただルールによっては、認められたりするのもあるので、そこはまたその度に注意が必要なんだけどね
ゲームにも流行り廃りがあるから、どんどん時代に合ったように変遷していくんだよね
まぁ面倒臭いだろうけど、今回はすまないがそう覚えて貰う他ない」
一刀の説明を聞き、冥琳はより理解を深めたのだろう 一刀の説明に頷きながら・・・
「いや 構わん 全く問題はない ルールには従うさ それも楽しむ為の1つの材料にすぎんしな」
ルールを再確認出来てより楽しめるといった雰囲気を匂わせる冥琳でありました
「今回のポーカーというゲームは、ジョーカーが何にでも代わりを出来る役割が実に面白いですね」
「引き当てるかどうかで、役作りに一気にメリハリが生まれるからな 勝負の賭け捨て時も重要だしな」
紅の述べた感想に同意を示しつつ、冥琳は自身も感じた感想を素直に言葉のせていたのだった
「紅さんが参加するのね 琥珀と桜はどうする?」
「竹簡見ながらだが、参加させてもらうでござる」
「私も参加してみようかな」
一刀の問い掛けに対して、皆もゲームに関して興味が出たのであろう 桜と琥珀の2人も参加を表明した
「俺はインチキなんて器用な芸当はできないけどね 今回は皆へのカード配りに専念させてもらうよ」
一刀は皆にそう最初に宣言し、トランプを器用で慣れた手つきでシャッフルし出すのでした
ご存知であるとは思うが、念の為、簡単にポーカーの説明をしておくと・・・
役の強弱は次の通りである
(弱)ノーペア・ワンペア・ツーペア・スリーカード・ストレート・フラッシュ・フルハウス・
フォーカード・ストレートフラッシュ・ロイヤルストレートフラッシュ・ファイブカード(強)
◎ベット とは・・・チップを賭けるアクションの事を指し、負ければ賭けたチップは戻ってきません
◎コール とは・・・他のプレーヤーの賭けに乗り、同額のチップを賭けるアクションの事を指します
◎レイズ とは・・・他のプレーヤーが賭けた金額を、さらに高額に吊り上げるアクションの事を指します
◎フォールドとは・・・参加しているゲームから降りるアクションの事を指します
一刀がカードを配りだすと途端に、場から緊張感が伝わり始めてきたのだった
「それではベットするとしよう」
冥琳がチップを置き、ベット宣言するやいなや・・・
「コールする」
すぐさまコールする琥珀の声が響くものの・・・
「じゃ 私はレイズするわ」
琥珀がコールするのを待ち構えていたかのように、紅が賭けるチップ枚数を増やし掛け率をあげたのだった・・・
そうした相手の手の内を読みあう心理戦が展開される中で・・・
「ダメでござる フォールドするでござるよ」
十分な役が作れず勝つ自信がなかったのであろう 耐え切れず早々に桜が降りてしまったのであった
「桜は降りたか ならばコールしよう」
桜の降りた様子を見届けた冥琳は、紅が上げた掛け率に追随するようで、コールを宣言するのであった
冥琳がこの時揃えた役はフラッシュ(手札の絵柄が全て揃っている状態)であった為
場に様子見ムードが漂う内に、さっさと差を広げ自身の優位性を保ちたかったのであろう
強気にどんどん攻めてきていたのである
「これ以上のUPには、さすがにのれないな フォールドする」
冥琳の強気な姿勢に、スリーカードであった自身の手持ちの役が負ける事を恐れた琥珀は
まだ勝負は始ったばかりと気持ちをすぐに切り替え、次に備えるべくこの度の戦いに関して、早々に退散してしまったようである
「残りは冥琳とですか・・・ 勝負の時と参りましょう」
最初なのだ そんなに良い手がいきなり揃ったとは思えなかった冥琳は勝負に及んだのだが・・・
それでも少しも表情を変える様子もみせず、自身の手を1枚ずつもったいぶるように、静かにオープンしていく紅
「フルハウスだとっ!? まいった・・・ まんまとしてやられたか・・・」
思惑が見事外れ、紅に裏をかかれてしまい、瞳を瞑り天を仰ぐ冥琳でありました・・・
それからは紅が、場の主導権をずっと握り続けたのである
間髪入れずに、勢い良くどんどんと掛け率をあげる紅の自信に
皆、自身の役を信じきれず我慢し切れなかったのか 次々と降りていってしまう
「紅ってどんな役だったの?って・・・これ・・・役無しのぶたじゃない!?」
「ええ そうみたいね」
「ええ そうみたいね! じゃ なぁ~いでござるよ! うわぁ~~もったいない!
ストレート出来てたのに、最初に降りちゃったでごじゃるよ・・・
紅に皆、見事に騙されてチップをふんだくられたというオチでごじゃるか・・・」
桜の言に冥琳と琥珀は眼を伏せ、それ以上何もいう事が出来ず、時折噛みながら桜は肩を落とし大層悔しがった・・・
「ほほほ 実に美味しかったわ」
大富豪の時とはうって変わり、紅は妖艶に満ち溢れた勝利者の笑顔を振りまいていただった
それからも・・・桜の悲鳴は後を絶たず・・・
「ギャーーー 今度はフルハウスでごじゃるか!? トホホ・・・でござる 紅にまたもや・・・まんまと一杯喰わされたでごじゃる」
「プギャーーーーーーー 紅! そなたの人としての有り方そのものを疑うでごじゃるぅ~~~~~ 」
といった具合に紅に良い様にあしらわれ、精神的に崩壊しそうになりつつある桜でありました
冥琳や琥珀も抵抗は示してはいるものの・・・ 積み上げられたチップが減った様子もなく、その成果が現れた様子は一向にみられなかった
そうしている内にも、最初に皆に均等に50枚づつのチップを渡されていた筈であったが・・・
冥琳を含めた桜や琥珀達は、良い様に紅の餌食となって振り回されたのであろう
今では手持ちの自身のチップを減らしていき寂しい状態となっており、逆に紅の手元にはどんどんチップが積まれてゆくのだった・・・
だが紅とて負けていないという訳でもなかった
勝つ時はチップを根こそぎ奪い取り、負けるときは最小限のチップ枚数というその大きな差が
紅の手元で次第に高くチップが順調に積まれていった最大の理由なのだから・・・
冥琳も琥珀もだが参謀・軍師という職業柄、相手を分析・攻略することにかけては一流である筈で
商人としての感覚を持っている琥珀のチップの賭け方を参考にして、冥琳自身も真似て初期の頃より調節していたのである
桜などは雪蓮と同じ似た者同士なのであろう 自身の感覚と直感に賭けてPLAYしているようである
そして琥珀はしきりに紅の表情を読み取ろうと、チップの細かい増減の調節をしていたのだが
紅の笑顔が変化することは全くなかったのである
足元を掬いたいと思ってはいたが、そんな生易しいモノではなく、変わらず淡々と賭けていく紅の様子に
冥琳としても全く打つ手なしの状況となっていたのだ
そんな冥琳と琥珀の焦りをみかねたのか 紅がゲームを進めながら2人に話を向けてきたのだった
「フフフ 冥琳、琥珀 どうすれば私のチップを減らせるの?ってそんな困った顔をしてますわね
そんな2人に”チップを奪い返す切欠”・・・となるか判りませんけれど
同志である皆へ胸襟を開き、少し手の内を見せ種明かしをすることにしましょうか
そして私の説明を聞いた後、冥琳や琥珀、桜がどんな対処をするのかの楽しみもありますし」
そう語り終えた紅は、魑魅魍魎が蔓延る朝廷内部において、外交官として渡りあった自信と経験、強みが
紅の瞳をより一層強く輝かせたのかもしれない
紅は力強くも穏やかな声で、冥琳や一刀、琥珀、桜達を見つめ語り出したのである・・・
「私はこれまで多くの腹に一物を持つ方々と、交渉で渡り合ってきたのです
その時の経験によって、交渉相手となる方の”瞳の中に宿した光の明暗”の宿し方によって
自身の提案が受け入れられたのか、そうでないのかがすぐに判別出来るようになったのですよ
なのでこの度のゲームでもその手法をちょっと・・・応用してみましたの
そうすればこの通り、冥琳の手札の強弱なんて・・・今の手札 自身がありませんよね? 冥琳
こんな風にすぐに判明するという訳なのですよ」
表情や仕草、癖を読んでいた訳ではなかったのか、通りで紅の反応が薄かった訳だ
逆手に取る事も考えていたが、徒労に終わる可能性が大きかったようだな
だがそれにしても・・・ 私の瞳に宿す光で判別するだと!? 対面して交渉する紅ならではの特技といえよう
紅の説明を聞いた琥珀は唖然として固まってしまっているようであった 冥琳としては琥珀の驚きを察する事が出来た
皆の表情をつぶさに観察し、手の内の役と相談して、細かくチップを増減した戦略を仕掛け損害を最小限に止めていたのだから・・・
ただただ紅にだけは、全く通用しなかったというだけの話なのであった 時には紅に良いように利用されていた節すら見受けられたのである
そしてたしかに紅の指摘通り、冥琳が今手札に握っているカードの役は、クローバーの2のワンペアであり
お世辞にも自信のある役とはとても言えなかった
ただそれが手札を見ていない紅に、ものの見事に看破されてしまっている事が問題なのであった・・・
そして紅自身がバラした証言では、とてもイカサマをしているとは追求できない代物でもあったのだ
困った事にそう簡単な対応策などあるはずもなかった
手札を見て役にしなければならない以上、眼を開けて取捨選択を確認せねばならないからだ
「そうなんだ? てっきり俺は表情を読んでるのかと思っていた ”ポーカーフェイス”なんて言葉が生まれた由来があるくらいさ
それがまさか・・・紅さんは瞳に映る光の強弱?とやらで判断していたとは・・・ 表情を読む事以上に恐れ入った~」
冥琳が困り果てていたのを尻目に、一刀に褒められ満更でもない紅は、得意満面の笑顔となっている
一刀が紅を褒めている間も、冥琳は思考を猶も激しくフル加速させる
遊びとはいえ厄介な事この上ないな 姉の王林も心理を読む事に長けてはいるが・・・
紅は今や我々と出会った頃より洗練され、この道においてずば抜けた存在やもしれぬな
そうなるとやはり、対面した心理戦においては、紅の方が私より何枚も上手か
まぁ 宮中にいた十常時の魑魅魍魎共を相手にしてたんだ それくらいアヤツならやりかねんな・・・
そう思考しつつも、意地悪く笑みを溢したままの紅に、なんとか一泡吹かしたい&一矢報いたいとは思いつつも
正直な処、相手にするには分が悪く、逃げれるものなら逃げるに越した事はない
ここまで追い詰められると、逆に清々しい気分にさせられてしまうものだ
結局何も思いつかず、一刀からカードを配られゲームが再開し始めたものの・・・
苦し紛れなのか冥琳は、紅に瞳の奥を見られないように、瞳を瞑ることしか出来なかったのだった
だが一体どういうだろう 瞳を瞑ってからそんなに時は経っていない筈なのだが・・・
冥琳は突如として、今まで感じた事もない不思議な感覚に襲われ始めたのだった・・・
こんな時に限って・・・そう眉を顰めつつ、自身の不甲斐なさ、不運を呪い毒づきながらも
遊びといえども最後まで手を抜かない冥琳でありましたが・・・
そうこうしている内に、またもや自身の思考の海に深く沈み込む冥琳でありました
紅に瞳の色を見られるのが嫌で、苦し紛れに瞳を閉じただけなのだがな
それにしても なんだ? この不思議な感覚は・・・
瞳を瞑っている筈の私の視点位置が、どんどん上がって見下ろしているように思えるのだが・・・ これは錯覚? 気のせいか?
昨日すこし眠気覚ましにと飲んだワインの酔いが、今も残っていたというのか?
それはありえんな・・・ だが 今 この眼前に広がる光景は、一体どう説明がつくというのだ!?
未だに自身の瞳は閉じたまま・・・にも関らず、情景をはっきりと思い描いている感覚がある
頭に思い描く、浮かぶというより、
それだけじゃなくて、カードを配る一刀と受け取る紅の表情・仕草といい
全ての細やかなる動きがじっくりと見ることが出来ている・・・だと!?
察するに、紅が自信に満ち溢れているな
琥珀と桜は自信を覗かせていない以上、そちらを配慮する必要はなさそうだ
それにしてもまさかな ・・・こんな世界があったのか
それに今、自身の手札に配られると予想される手札は2枚、一刀より渡された手札を、今更手に取り見る必要もない・・・
紅の表情が曇ったのを
紅も最後と宣言し勝負に来ている以上、逃げることはあるまい 私の勝ちは不動のモノとみていいだろう
戦場に居てもこれが出来れば・・・と思うと自身でもゾッと背筋が凍りつくな
戦場の全てを俯瞰し、相手が手に取る戦術を全て見通し、手を変え品を変えて勝利を我がモノとする
軍師としてこれほど痛快な勝ち方が他にあろうか!
これが神仙の世界でいう『 天からの俯瞰風景 』というやつかもしれぬな フッ これはまた実に興味深い
ただ惜しむらくは・・・我が意志でこの神仙の俯瞰風景を見れぬということだな
自分の意思で仮に引き出せたなら・・・すべての事に飽き、興味を失くすのではないだろうか?
いつかまた、この俯瞰風景を垣間見る事が出来ると思っただけで、なんと心躍る事であろうか
何が引き金となったのか分らぬが・・・それ以上は望まず
今はただ、この俯瞰風景を暫しの間、じっくりと見れたことに感謝し、静かにこの余韻を楽しむ事としよう
冥琳と紅の2人は次々とレイズとコールを繰り返し、チップの掛け金が釣り上がった
冥琳の手持ちの全てのチップをかけ終えた時には、琥珀と桜はすでにフォールドしており、紅との一騎討ちとなっていたのだった
「紅よ 全額を賭けた勝負をするのだろう?
いいモノが
新たなる世界を見ることが叶った 紅よ 感謝する」
「え!?」
瞳を閉じたままだった筈の冥琳に、自身の思惑を読まれてしまった事に、紅は驚きを隠せぬまま・・・
冥琳の表情を瞬きを繰り返しながら見つめ返してしまう
また冥琳の自信ありげに言い放った言葉とは裏腹に、勝負を降りると言い出した冥琳のちぐはぐさに、つい動揺してしまう紅でありました
その紅の驚きの表情に満足を覚えたのか、冥琳は静かに席を立つと、去りし背を時折小刻みに震わせ
笑いをこらえながら去っていくようにみえたのだった・・・
紅を含めた皆が、冥琳が勝負を降り立ち去った事に、しばし呆然とその様子を見送っていたが
ふと、本当の勝負はどうなったのだろうと我に返った紅が、冥琳に配れてた手札を全て引っくり返すと・・・
するとなんとそこには、冥琳の自信に満ち溢れた言葉通り、スペードのロイヤルストレートフラッシュが出来上がっていたのだった
ジョーカーを1枚含めてゲームをしていた為、約12万分の1の確率を引き当てた事に、皆はさらに度肝を抜かれ驚愕せしめたという・・・
この時の紅の役はフォーカード
冥琳の手に最後に委ねられたスペードのAが、仮に紅の手札となっていたなら・・・
紅の役はファイブカードとなり、冥琳が揃えたロイヤルストレートフラッシュの更に上の役となって、紅の勝利となっていた訳ではあるのだが・・・
勝利の女神は冥琳へと微笑みかけたようである
ちなみに琥珀はスリーカード、桜はワンペアという結果であった
運命を分けし、最後の気紛れのスペードのAは
あの時、自身の手に委ねられたのを、しかと
「最後は負けてしまいましたね 残念ではありますが・・・」
紅はそう一言呟くと席を静かに立ち上がり、一刀や琥珀、桜に静かに目礼し、参謀室がある方向へと去ってゆくのでありました
・
・
・
この『 十乱符 』・・・
喜 (よろこび)・怒 (いかり)・哀 (かなしみ)・楽 (たのしみ)・懼 (おそれ)
怨 (うらみ)・愛 (いとしみ)・憎 (にくしみ)・悪 (にくしみ)・欲(よく)
大陸でいわれる5情、三字経で曰く7情、一般的に呼ばれる6つの感情、同じ漢字を省いた10もの人の感情が
時に激しく絡み合い、飛び交い、せめぎ合い、入り乱れるゲームである事から
商品として販売される際に、冥琳によってそう命名されたのである
『十乱符』は、後日魯家を通じて建業にて一般販売された
琥珀が遊んだ体験談を事前に流した効果もあったのだろうか?
それとも一刀のルールを詳細に書いた竹簡もつけたおかげなのだろうか?
口コミの噂を聞きつけた皆が興味を示し始め、次第にその輪はうねりとなって、支店に大挙として押し寄せ買い漁り
大好評を博しつつ即日完売となって盛況の内に幕を閉じることとなった
『 十乱符 』で遊んだ者達は皆、一刀や冥琳達と同様の反応を次々に示したということである
建業の隣、近所にて、男女の嬌声・喚声の叫び声をあげたなら、『 十乱符 』をやっているなと皆が一番手に浮上する疑惑であったのだ
そう皆に言わしめるほどの広がりを見せたのである
完売してからも庶人からの要望・要請に応え、暇をみつけては琥珀と桜の手によって量産され
孫呉の国庫と2人の懐を具合を潤わせながら、遊び遊具の1つとして、急速に大陸中に拡大することとなった・・・
それは各勢力の有力者の絵柄を用いた『十乱符』が出来たこの一事において、全てを察する事ができようというものだ
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●『真・恋姫†無双 - 真月譚・魏志倭人伝 -』を執筆中
※本作品は【お気に入り登録者様限定】【きまぐれ更新】となっておりますので、ご注意を
人物設定などのサンプル、詳細を http://www.tinami.com/view/604916 にて用意致しております
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お手数をおかけ致しまして申し訳ありませんが、何卒ご了承くださいますよう、よろしくお願いいたします<(_ _)>
■■■【オリジナル人物紹介】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
○孫堅 文台 真名は緋蓮(ヒレン)
春秋時代の兵家・孫武の子孫を称し、各地で起こった主導権争いに介入し
『江東の虎』の異名で各地の豪族を震撼させた
優秀な人材を率い転戦、やがて軍閥化し孫家の基礎を築いた
容姿:髪は桃色で、孫家独特の狂戦士(バーサーカーモード)になると、右目が赤色に変化するのが特徴で、平時は量目とも碧眼である
祭と同じく胸が豊満で背は祭より高い 体格は祭よりすこし大きい 顔立ちは蓮華というより雪蓮に似ているだろうか
○張紘 子綱 真名は紅(コウ)
呉国の軍師の一人で主に外交を担当。 魏の程昱(風)の呉版と考えていただけると理解しやすいだろう
『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、姉の張昭と共に臣に迎え入れられる
張昭と共に『江東の二張』と称される賢人
※史実では、呉郡の四性でも張昭と兄弟でもありませんのでお間違い無きように。。。
呉郡の四性の中で張温しか見当たらなかった為、雪月の”脳内設定”です
容姿は青眼で背丈は冥琳より少し低い 顔は姉の王林とは似ておらず童顔で人に安心感を与える顔立ちである
髪は腰にまで届こうかという長く艶やかに保った黒髪を束ね、ポニーテールと呼ばれる髪型にしている事が多いが
その日の気分により、長髪を肩辺りで束ね胸の前に垂らしている場合もあるようである
服装は藍色を基調とした西洋風ドレスを身を纏っている
○魯粛 子敬 真名は琥珀(コハク)
普段は思慮深く人当りも良い娘で、政略的思考を得意とし、商人ネットワークを駆使し情報収集・謀略を行う
発明に携わる時、人格と言葉遣いが変化し、人格は燃える闘魂?状態、言葉遣いは関西弁?風の暑苦しい人に変化する
このことから「魯家の狂娘・後に発明の鬼娘」と噂される
※穏(陸遜)は本をトリガーとして発情しちゃいますが、、琥珀(魯粛)は発明に燃えると・・・燃える闘魂に変身って感じです
容姿は真名と同じく琥珀色の瞳をもち、髪は黒で肌は褐色がかっており月氏の特徴に似通っている
背は明命と同じくらいで、服装は赤を基調としたチャイナドレスを身に纏っている
○張昭 子布 真名は王林(オウリン)
呉国の軍師の一人で主に内政を担当。 冥琳とはライバル同士で互いに意識する間柄である
『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、妹の紅(張紘)と共に臣に迎え入れられる
張紘と共に『江東の二張』と称される賢人
妹の紅は「人情の機微を捉える」に対して「政(まつりごと)の機微を捉える」という感じでしょうか
容姿は冥琳より少し高めで、紅と姉妹でありながら顔立ちが似ておらず、冥琳と姉妹と言われた方がピッタリの美人系の顔立ちである
眼鏡は使用しておらず、服装は文官服やチャイナドレスを着用せず、珍しい”青眼”でこの眼が妹の紅と同じな事から
姉妹と認識されている節もある 紫色を基調とした妹の紅と同じ西洋風のドレスを身を纏っている
○程普 徳謀 真名は楓(カエデ)
緋蓮旗揚げ時よりの古参武将であり、祭と並ぶ呉の柱石の一人 「鉄脊蛇矛」を愛用武器に戦場を駆け抜ける猛将としても有名
祭ほどの華々しい戦果はないが、”いぶし銀”と評するに値する数々の孫呉の窮地を救う働きをする
部下達からは”程公”ならぬ『程嬢』と呼ばれる愛称で皆から慕われている
真名は・・・素案を考えていた時に見ていた、某アニメの魅力的な師匠から一字拝借致しました・・・
容姿は祭と同じくらいの背丈で、端正な顔立ちと豊かな青髪をうなじ辺りでリボンで括っている
均整のとれた体格であるが胸は祭とは違いそこそこ・・・ちょっと惜しい残念さんである
○凌統 公績 真名は瑠璃(ルリ)
荊州での孫呉崩壊時(※外伝『砂上の楼閣』)に親衛隊・副長であった父・凌操を亡くし、贈った鈴をもった仇がいると
知った凌統は、甘寧に対して仇討ちを試みるものの・・・敵わず返り討ちにあう間際に、一刀に救われ拾われることとなる
以来、父の面影をもった一刀と母に対してだけは心を許すものの・・・未だ、父の死の傷を心に負ったまま
呉の三羽烏の一人として日々を暮らしている
容姿はポニーテールに短く纏めた栗色の髪を靡かせて、山吹色を基調とした服に身を包んでいる小柄な少女
(背丈は朱里や雛里と同じくらい) 真名の由来で目が瑠璃色という裏設定もございます
○朱桓 休穆 真名は珊瑚(サンゴ)
『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の朱氏の一族
槍術の腕を買われ、楓の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人
部隊内では『忠犬・珊瑚』の異名がある程、一刀の命令には”絶対”で元気に明るく忠実に仕事をこなす
容姿:亞莎と同じくらいの背丈で、黒褐色の瞳に端正な顔立ちであり黒髪のセミロング 人懐っこい柴犬を思わせる雰囲気をもつ
胸に関しては豊満で、体格が似ている為よく明命から胸の事で敵視されている
○徐盛 文嚮 真名は子虎(コトラ)
弓術の腕を買われ、祭の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人
『人生気楽・極楽』をモットーにする適当な性格であったが、一刀と他隊長である珊瑚と瑠璃・隊長としての責に接していく上で
徐々に頭角を現し、後に部隊内では『猛虎』と異名される美丈夫に成長を遂げていくこととなる
容姿:思春と同じくらいの背丈で黒髪のショートヘア 体格も思春とほぼ同じく、遠めからでは瓜二つである
二人の区別の仕方は髪の色である(所属部隊兵談) またしなやかな動きを得意としている為、思春の弓バージョンと言える
○諸葛瑾 子瑜 真名は藍里(アイリ)
朱里の姉 実力にバラツキがあった為、水鏡から”猫”と称される
その後、水鏡と再会時に”猫”が変じて”獅子”になりましたわねと再評価される
天の御遣いの噂を聞きつけた藍里が冥琳の元を訪れ、内政・軍事・外交とそつなくこなす為、未熟であった一刀の補佐に転属させられる
初期には転属させられた事に不満であったが
一刀に触れ与えられる仕事をこなす内に
後に亞莎が専属軍師につくと、藍里の内政面への寄与が重要視される中で、藍里の器用な才を愛し、軍師としても積極的に起用している
容姿は朱里より頭一つ高いくらい 茶髪で腰まであるツインドテール 朱里とよく似た童顔でありながらおっとりした感じである
服装に関しては赤の文官服を着用しており、胸は朱里と違い出ている為、朱里とは違うのだよ 朱里とは・・・
と言われているようで切なくなるようである(妹・朱里談)
○太史慈 子義 真名を桜
能力を開放しない雪蓮と一騎打ちで互角に闘った猛者 桜の加入により瑠璃が一刀専属の斥候隊長に昇格し
騎馬弓隊を任されることとなった(弩弓隊・隊長 瑠璃→子虎、騎馬弓隊・隊長 子虎→桜に変更)
本来の得物は弓で、腕前は祭を凌ぎ、一矢放てば蜀の紫苑と互角、多矢を同時に放てば秋蘭と互角という
両者の良い処をとった万能型である
武器:弓 不惜身命
特に母孝行は故郷青州でも有名であり、建業の役人街が完成した際に一刀の薦めもあって一緒に迎えに行く
隊長として挨拶した一刀であったが、桜の母はその際に一刀をいたく気に入り、是非、桜の婿にと頼み込む程であった
容姿はぼん・きゅ・ぼんと世の女性がうらやむような理想の体型でありながら身長が瑠璃ぐらいという美少女系女子
眼はブラウン(濃褐色)であり、肩下までの黒髪 気合を入れる時には、白い帯でポニーテールに纏める
一刀の上下を気に入り、自身用に裁縫し作ってしまう程の手先の器用さもみせる
○高順
「陥陣営」の異名をもつ無口で実直、百戦錬磨の青年
以前は恋の副将であったのだが、恋の虎牢関撤退の折、霞との友誼、命を慮って副将の高順を霞に付けた
高順は恋の言いつけを堅く守り続け、以後昇進の話も全て断り、その生涯を通し霞の副将格に拘り続けた
○馬騰 寿成 真名を翡翠(ヒスイ)
緋蓮と因縁浅からぬ仲 それもその筈で過去に韓遂の乱で応援に駆けつけた呉公に一目惚れし
緋蓮から奪おうと迫り殺りあった経緯がある
この時、緋蓮は韓遂の傭兵だった華雄にも、何度と絡まれる因縁もオマケで洩れなくついて回ることとなるのだが・・・
正直な処、緋蓮としては馬騰との事が気がかりで、ムシャクシャした気持ちを華雄を散々に打ちのめして
気分を晴らしていた経緯もあったのだが・・・当の本人は、当時の気持ちをすっかり忘れてしまっているが
この事情を孫呉の皆が仮に知っていたのならば、きっと華雄に絡まれる緋蓮の事を自業自得と言いきったことだろう・・・
○青(アオ)
白蓮から譲り受けた青鹿毛の牝馬の名前
白蓮から譲られる前から非常に気位が高いので、一刀以外の騎乗を誰1人として認めない
他人が乗ろうとしたりすれば、容赦なく暴れ振り落とすし蹴飛ばす、手綱を引っ張ろうとも梃子でも動かない
食事ですら・・・一刀が用意したモノでないと、いつまで経っても食事をしようとすらしないほどの一刀好き
雪蓮とは馬と人という種族を超え、一刀を巡るライバル同士の関係にある模様
○狼(ラン)
珊瑚の相棒の狼 銀色の毛並みと狼と思えぬ大きな体躯であるが
子供が大好きでお腹を見せたり乗せたりする狼犬と化す
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【あとがき】
常連の読者の皆様、お初の皆様 こんばんは 雪月でございます
いつも大変お世話になっております
この度の拠点ー冥琳編 いかがでございましたでしょうか?
将棋ときて今回はトランプを題材にした物語を、この度制作いたしました
前話の蓮華編、冥琳編と心理戦が連続した事になります 心理戦であっても性格は180度異なるモノでありますが・・・
この度のネタが思いついたのは、前回の将棋の制作を終えました時に、何か良い題材はないかと探していた時に思いつきました
頭を使ったり、駆け引きを楽しんだりと参謀の皆にはうってつけの題材かなと思いました次第です
この度、緋蓮や祭さんを使いたかったのですが、使わなかった理由はこれから拠点話が控えていたからに他なりませんが・・・
その分、紅さんには冥琳のライバルとしてではありますが、久々に活躍してもらった感があるかもしれません
競馬に関しては、恋姫本編でも描かれておりましたが、他者様の作品にトランプに関しての作品を、私はまだ眼にした記憶がないもので
これだけ外史があるのですから、詳細に調べれば多く存在しているやもしれませんが・・・
話の発想としまして浮かんだ事に大変満足しております
大富豪に関しまして、すこし一部分ではありますが出しておきましたが
冥琳と紅の2人が、一刀や琥珀を含めたそのときの富豪に、搾取されかなり酷いめにあっているお話であったりしますが
この度の話に関しまして、話中でとりあげました大富豪とブラックジャックに関して
SSの文章が長くなりそうだった事もあり、今回はそのほとんどを割愛し、軽く流しました次第です
そして競馬に関しては、恋姫本編で蜀ルートにもあったストーリーだったこともございまして
この度深く掘り下げるには到りませんでしたが、またどこかの機会で詳細に掘り下げたいと思っております
競馬に関しては、霞も呉に所属しているだけに、一騒動を巻き起こすSSを制作できそうな気はしております
競艇に関しては、今の所関係している将が思春だけとなりそうなので・・・
ちょっと制作無理そうなんですよね・・・ 簡単な説明だけに終わりそうです
競輪の自転車はまだしも・・・オートレースやパチンコといったモノまで思いついてはいたのですが・・・
さすがに後ろ2つは”使えそうにないのでもういいだろう・・・”って感じになり切り捨てました
ギャンブルだけでなく、ゲーム・スポーツ観戦といった、多くの幅広い娯楽が溢れるように存在している訳でして
この時代に生まれてよかったなぁとしみじみ感じていたりします
スポーツなどの対抗戦は、大陸が平和へと導かれた時に描いてみるのもいいかな?なんて構想も持っておりますが・・・
まだまだ完結までの拠点のどこかで、上記にカキコしました事柄に関する事につきまして、使う事があるかも判りませんし
持ち越した案件につきましては・・・それまでワクテカしてお待ちくださると嬉しく存じます
次回更新につきましては、台風が来ているのにも関らず、急遽長期間の出張を言い渡され、理不尽にも駆り出されてしまう羽目に・・・
制作やこの度の話の返信に関しまして、油断しておりました手前、制作時間がどこまで取れるのか定かでありません
拠点話という事もありましてストックもありませんし、かなり不都合な状況に陥りそうなのです
ですので、予定をしております第2位となりました緋蓮編を
11月6日(水)の2週間後まで、もしかしたらお待たせしてしまう事態となるやもしれません・・・
この度に戴きましたコメントに関しましても、出張先よりの帰還後の返信となりそうなので
いつも多くの皆様にコメントを戴きまして、すぐにでも返信したいのは山々なのですが・・・
大変申し訳ないのですが、随分時間が経過してからの返信となりそうなのです 本当にすみません・・・
出来る限り、30日(水)に間に合うように制作し、出先のネットカフェなりを利用し
事前にセットして、UP日時を調整しておきたいとは思っておりますが・・・
あくまでも予定でありますので、もしもの事態と陥りました際には、予めご了承くださいますよう、何卒よろしくお願い致します<(_ _)>
これからも皆様の忌憚のない御意見・御感想を、制作の糧にすべくコメント等でお聞かせ下さいませ
それでは次回更新まで(*´∇`)ノシ マタネ~♪
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常連の皆様&お初の方もこんばんは いつもお世話になっております
この作品は真・恋姫†無双・恋姫†無双の2次創作となっております
主人公は北郷一刀 メインヒロインは雪蓮と蓮華と仲間達でお送りしております
※猶、一刀君はチート仕様の為、嫌いな方はご注意を! ※オリキャラ紹介は本文下記参照のこと
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