No.630186

九番目の熾天使・外伝~マーセナリーズ・クリード~

okakaさん

第三話です。やっと戦闘になります 
追記:竜神丸さんが不死身ギャグ体質というキャラ付けをしてくれた(?)ので設定に反映させてみました。

2013-10-21 20:12:09 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:526   閲覧ユーザー数:478

第3話

 

――――ザザッ――急―態―生―――緊急事態発生!

突然全隊通信用の無線機から緊急通信が送られてきた。

 

『こちらHQ(司令部)どうした?』

『こちらB(ブラボー)3!やられた!待ち伏せだ!奴らが・・・武装魔導師が出てきやがった!』

 

武装魔導師――魔法技術の未発達のこの世界にいるはずのない存在、それが意味することは一つ―

 

『くそったれ!管理局の奴らが混じってやがる!何でこんな所に!』

 

通信と共に無線越しに鳴り響く銃声、どうやら先手を打たれたらしい。おそらく捕まえたタイラー氏を護送するための部隊だろう。予想よりも行動が早い。だが、これで確信した。タイラー氏の持つデータは間違いなく本物だろう。なんとしても彼を確保しなければならない。司令部の決定は早かった。

 

『HQよりBチーム、そのまま交戦しながら南進、A(アルファ)チームと合流、敵の目を釘付けにしろ。Aチーム、北に200m前進Bチームと合流しろ』

『Bチーム了解』

『Aチーム了解』

 

両チームの返答後、突入班にも通信が送られてきた。

 

『HQよりC(チャーリー)・D(デルタ)両チーム、突入時間を早める、準備が整い次第速やかに突入せよ。なお、Bチームが現在交戦中のため突入支援はない。5分後にE(エコー)チームが回収に向かう、5分の間に目標を確保せよ』

『Cチーム了解』

『D了解。交信終了(アウト)』

 

さて・・・面倒なことになった。と、岡島は部下に指示を出した。

 

「D2、D4、お前たちは突入支援を頼む、LAW(分隊支援火器)の射手はD2だ。D3、D5、D6は俺と突入、屋上からエントリーする。」

「「「「「了解」」」」」

 

岡島は自分の隊の指示が終わるとC分隊に声をかけた。

 

「C1、そちらの内訳は?」

 

C1ことフォード中尉が答える。

 

「我が隊は私とC2、C4、C5が突入する。エントリーは一回東の窓だ。間違っても私達の邪魔はするなよ」

 

こんな時まで嫌味な奴だ、とは思ったが口にはせず、では後ほど、とだけ言うと岡島は自分の隊に戻り指示を出した。

 

「まず裏手に回る、鉄条網をバンガロールブレイド(高性能爆薬筒)で爆破処理、その後屋上に上がり内部の敵を排除しつつ目標を確保する。最後は玄関から脱出し、ヘリの到着後離脱する。内部に魔導士がいる可能性が高いため弾薬はAMP(anti magiring piercing)を使用、D2はLAW、D4は小銃とグレネードで援護、突入後は外部の敵を掃討、ヘリの着陸地点を確保しろ。制限時間は5分、行動開始だ」

 

言うやいなや突入メンバーは素早く裏手に向かって走り出す。そして裏手に回ると同時に支援メンバーのLAWが発射された。

ダダダッダダダッとリズミカルにバースト射撃で外の敵を次々と射殺していく。ほぼ同時にCチームの機銃手も射撃を開始、反撃を受ける前に十字砲火を形成し素早く正確に敵を倒してゆく。

 

「始まったな、鉄条網を爆破する。起爆!起爆!」

 

岡島の合図と同時に仕掛けられた爆薬筒が起爆、ドカンという腹に響く音と共に鉄条網の一部を吹き飛ばして突入路を形成した。

 

「突入!」

 

号令と共に一斉に突入、爆破の音で気づいた敵を連携して正確に射殺し、邸宅の壁に張り付く。

 

「で、どうやって3階建ての屋上に登るんだ?」

 

D3が周囲を警戒しながら質問する。

 

「こうする、D3、お前が最初だ。拳銃と軍刀だけなら身軽だろ」

 

言うやいなやアサルトライフルを肩にかけた岡島は、リフトアップの姿勢をとる。

 

「いや無理だろ」

「大丈夫だ、問題ない」

「マジかよ・・・」

 

D3は半信半疑になりながらも岡島に向かって走り出す。そして岡島の手に足をかけた瞬間。

 

「うおっΣ(゚Д゚)!!」

 

気づいたら屋上より高く飛んでいた。そしてそのまま屋上に着地、屋上で警戒していた敵兵を素早く射殺し、下に合図を送る。するとD5、続いてD6が岡島に投げ上げられた。そして続いて岡島自身が壁の僅かな出っ張りやへこみに手をかけ素早く壁を登ってくる。突入からわずか1分と経たずに全員が屋上に到達、内部への突入を開始した。

 

「なぁ隊長、さっきのどうやったんだ?」

 

3階を制圧後、2階をクリアリングしながらD3が聞いてくる

 

「ああ、昔テロに巻き込まれた時にナノマシン治療をされたんだ。その副産物で身体能力と自己再生能力が異常に跳ね上がったんだよ」

「何それずるくない?」

「ずるくない、こっちは死にかけたんだぞ、それにほかにも副作用があるんだよ」

 

どんな副作用か聞こうとした時、急に岡島が立ち止まった。

 

「?、隊長?どうした?」

 

D3の呼びかけに全員が立ち止まる。すると岡島は壁に手を当て―

 

「この奥、隠し部屋になってる。多分ここだ」

 

そう言うと壁の一部を拳で砕いた。

 

「当たりだな」

 

全員が砕いた壁を見ると壁のコンクリートが一気に剥がれ落ち中から扉が現れた。呆気にとられる一同を尻目に岡島は自分のライフルの下に装着したショットガンモジュール(マスターキー)にドアブリーチャーを装填、鍵に向けて発砲した。ボン!という少しくぐもった音と共に発射された金属の粉末が鍵の部分のみを吹き飛ばす。岡島がドアを蹴り開け、真っ先に内部に突入したD3が内部の敵兵を射殺、部屋の隅にうずくまってる人物の顔を確認した。

 

「アルファード・タイラーだ。少しやつれてるが間違いない」

「き、君たちは一体・・・」

 

怯えるタイラーにD5が説明した

 

「あんたを助けに来た、データは無事か?」

「あ、ああ無事だ・・・」

「よし、すぐにここを出るぞ」

 

そう言った矢先同じく突入したCチームから通信が入った―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――『こちらC1、一階にて対象を確保、繰り返す、対象を確保』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

やっと戦闘シーンです。うまく書けてるか不安でしょうがない・・・

あと実は既に旅団メンバーが登場しています。次回あたりにネタばらしを予定しているのでわかった方はできれば言わずにそっとしておいてください。

 


 
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