No.629398

九番目の熾天使・外伝~マーセナリーズ・クリード~

okakaさん

初投稿なので駄文が目立ちますが大目に見てやってください

これはokakaが旅団に入るまでの物語です。

2013-10-19 04:34:32 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:547   閲覧ユーザー数:523

 

数年前―――とある辺境世界にて―――

 

「作戦目標を伝達する。今回のミッションはとある人物の確保だ」

いつものブリーフィングルームにいつもの司令官の声が響き渡る。

ブリーフィングルームにいる全員に緊張が走った。

 

(また仕事かよ・・・前の作戦から一週間も経ってねーぞ・・・)

 

・・・ただ一人を除いて。

 

「岡島!岡島一城特務中尉!聴いてるのか!」

 

(ちっ・・・相変わらず目ざといおっさんだ)

 

「はっ!聞こえております!」

「ふん!怪しいものだな・・・ならば今回のミッション、突入班はお前の分隊だ!」

 

他の隊員達は面倒な仕事を押し付けられた分隊メンバーに同情の視線を向けた。

それもそのはず、なにせ今回のミッションは要塞化された大邸宅に一個分隊のみで突入、速やかに目標を確保せねばならないからだ。

 

「了解しました。」

 

しかし、その元凶である分隊長は飄々とした態度でその命令を受諾した。

 

(((((ああ、いつもの隊長だ・・・)))))

 

分隊員達も【いつものこと】なのであまり気にしていない。というのも配属されてから三ヶ月、常にこのようなやり取りがあるので彼らもすっかり慣れてしまったのだ。

 

「では突入班は貴様の隊、その他の隊は突入支援が2個分隊、陽動が2個分隊、内訳は・・・」

 

司令官が内訳を発表しようとした時、遮るように一人の隊員が挙手をした。

 

「発言許可を願います」

「フォード中尉か、許可する」

 

フォード中尉と呼ばれた隊員は、立ち上がり直立不動の姿勢で意見を述べた。

 

「自分達の分隊も突入班に加えていただきたい」

「なぜだ?」

「少しでも確実性を高めるためです。それに・・・」

 

そこまで言うと彼は岡島をにらみつけながら言い放った

 

「傭兵だけでは信用できません。」

 

その提案に司令官は少しの間黙考し、結論を出した。

 

「許可する。では内容を一部変更、突入班は2個分隊、岡島特務中尉のD(デルタ)分隊とフォード中尉のC(チャーリー)分隊だ。B(ブラボー)分隊は突入支援、その他の隊はバックアップに回れ、以上、質問」

 

「よろしいですかー?」

 

上がった声に司令官の眉間に皺が寄った。

 

「なんだ、岡島」

「で、結局誰拉致ってくるんですか?」

 

あまりにフランクな態度についに上官がキレた。

 

「それが上官にものを尋ねる態度か!全く・・・人物の詳細は作戦開始直前に通達する!作戦予定日まではシミュレーション訓練を重点して行う!以上!解散!」

 

半ば自棄糞気味にそう言うと司令官は足早にその場を立ち去った。

それに続いて他の隊員達も部屋を後にする。岡島がさて自分もと思った時、自分の分隊の隊員に呼び止められた。

 

「隊長、見ましたか?」

「?何を?」

「あの司令官の顔ですよ!頭から湯気まで出しちゃってwwwwww」

「ああwwwハゲだからまるでゆでダコだったなwww」

 

この男まるで反省がない。

 

「でもおかげでまた貧乏くじっすよ?」

「別に俺が何も言わなくても突入は俺らの隊だったさ」

「?」

 

岡島の物言いに部下は首をかしげる。

 

「傭兵なんて所詮は使い捨て、戦死者リストにも乗らないし何より死んでもどこからも文句がこない」

「ああ、確かに」

 

部下も納得がいったようだ。確かに自分達は金で雇われただけの存在、いざとなれば切り捨てられる存在だ。最前線に送り込むにはちょうどいい。と思うと同時に部下の頭に新たな疑問が浮かんだ。

 

「でもあのフォード中尉でしたっけ?なんであの人の意見許可したんですかね?」

 

岡島はめんどくさそうに答える

 

「見栄と戦果と俺らの監視だろ」

 

傭兵など信用できない、確かに彼はそう言った、ならば傭兵に手柄を独占されるくらいなら自分達は尻馬に乗るかあわよくば手柄を横取りするつもりだろう。なかなかにクレバーな人間だ、出世しやすい性格だとは思う、しかし――

 

「気に入らんな」

 

岡島は一言で切って捨てた。部下も無言で頷く、もっとも利用されると解っている相手を気に入る人はまずいないだろう。いるとすれば生粋のドMだ。

 

「まぁ、貰うもんもらってる以上仕事はするんだけどな」

「そうですね・・・転職考えようかな・・・」

「別に構わんが仕事が終わってからにしてくれ。死亡フラグになるぞ」

「了解です・・・そういえば前から聞きたかったのですが」

「?」

 

突然の部下からの質問に首をかしげる

 

「隊長は出身世界では軍人だったんですよね?それも特殊部隊の、なんで軍を辞めて傭兵になったんです?それも反時空管理局を掲げる組織ばかり」

 

その場限りの関係の傭兵にしてはかなり込み入った質問に岡島は少し驚いた。だが―――

 

「唐突に込み入った話をするのも死亡フラグだ、それより腹が減った、飯行くぞ」

 

そう言って話を流すと岡島は部屋を出て行った。部下もそれに釣られて後に続く。

 

彼はまだ知らない。このミッションで出会う人物を、その人物からもたらされる情報を、そして――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――自分がOTAKU旅団と呼ばれる組織のメンバーになることも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
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