No.627065 英雄伝説~光と闇の軌跡~ 異伝~新たなる”使徒”の誕生~前篇soranoさん 2013-10-11 18:32:46 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:1002 閲覧ユーザー数:936 |
武装集団達によるクロスベル市襲撃より3日後―――――
~遊撃士協会・クロスベル支部~
「お疲れ様。今日もご苦労だったわね、エオリア。」
多くの依頼の達成の報告をしたエオリアにミシェルは労いの言葉をかけたが
「ううん…………私は大した事はしていないわ……………」
エオリアは暗いオーラを纏った顔で無理やり笑顔を作って答え
「エオリア。貴女、大丈夫?もしかして襲撃の時のトラウマが…………」
エオリアの様子を見たミシェルは心配そうな表情で尋ねた。
「フフ………心配してもらわなくても大丈夫よ。セリカさん達のおかげでギリギリ助かったから……………それじゃ、今日はあがるわね……………」
ミシェルに尋ねられたエオリアは寂しげな笑みを浮かべて答えた後支部の出入口から出て行き
「あ…………………」
その様子をミシェルは呆けた様子で見つめていた。
「……………どうやら襲撃の時、何もできなかったことを今でもひきずっているようだな……………」
その時ヴェンツェルが重々しい様子を纏いながら2階から降りてきた。
「そのようね……………かなり不味い兆候ね……………」
「ああ………今のエオリアの状態は”グノーシス”を服用した被害者が”グノーシス”を服用する直前の状況と似ているしな……………」
ヴェンツェルの言葉に頷いて言ったミシェルの言葉を聞いたヴェンツェルと一緒に1階に降りてきたスコットは重々しい様子を纏って呟き
「………馬鹿な事を考えなきゃいいんだけど…………………2人とも、エオリアを見て何か違和感を感じたらすぐに報告してちょうだい。」
ミシェルは心配そうな表情で考え込んだ後、真剣な表情で2人に言い
「ああ。」
「勿論だ。……まあ、医学に詳しいエオリアが”グノーシス”を服用するなんて、とても思えないがな。」
「………………そうであると信じたいわね………………………」
2人の答えを聞いて重々しい様子を纏って考えこんだ。一方支部を出たエオリアは自室に戻って一人考え込んでいた。
(……………もっと”力”が欲しい…………でも……………”グノーシス”だけは絶対に駄目………………………一体どうしたら……………)
自室で紅茶が入ったカップを持ったエオリアは重々しい様子を纏って考え込んだ後、ハンガーにかけてあるセリカの外套に気付いた。
「あ………セリカさんの外套……………洗い終わったし、返しておかなくちゃ――――――」
セリカの外套に視線を向けたエオリアが呟きかけたその時
ねえねえ、レシェンテちゃん!”使徒”って一体なんなの?
”使徒”とは”神”もしくは”神格者”が能力の一部を分け与え、自分達に力を分け与えた”主”の存在の目的を補佐させる者じゃ。”使徒”になった者は”神格位”を得た者同様永久的な命と超越した能力を手に入れる事ができるのじゃ。自分に力を分け与える主の”力”にもよるが………”使徒”になれば魔術師に才能がある者は高い魔力を手に入れ、戦士ならば身体能力は普通の人間では達する事ができないほど飛躍的に上昇するのじゃ。
へ~………じゃあ、レシェンテちゃんはセリカさんのその”使徒”っていう存在だからそんなに強いの?
フフ、レシェンテの場合はレシェンテ自身が元々”古神”ですから、”古神”としてのとてつもない力を持っていますから、レシェンテの場合は”使徒”の中でも特殊な例ですね。
まあな!……だがわらわもセリカの”使徒”となった事でより強くなったのは事実じゃがな!
そうなんだ……ちなみに”使徒”には一体どうやったらなれるのかしら?
え、えっと………それは………
そ、それは絶対に教えられん!
え~、教えてくれてもいいじゃない!ねっ!絶対に誰にも教えないから!
これだけは絶対に教えられん!……というか何でそこで抱きつくのじゃ!?
それは勿論、二人が可愛いからに決まっているじゃない!
フフ、アネラスさんと絶対気が合いそうだね。
というか奴とコイツが揃った時、わらわ達は絶対に酷い目に合うから、想像したくもないわ!
「………………………!」
不意にレシェンテやリタとのある会話を思い出し、その内容を思い出したエオリアは目を見開いて立ち上がり
「………………………………」
その場でしばらくの間考え込んだ後、決意の表情になってセリカの外套を綺麗にたたんで紙袋の中に入れた後、自室を出てある場所――――セリカ達が現在部屋を借りている建物―――かつてエステル達が部屋を借りていた”アカシア荘”に向かい、セリカ達が借りている部屋の扉をノックした……………
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異伝~新たなる”使徒”の誕生~前篇