No.626955

【恋姫二次創作】死神の毒 変態と弟子

今回結構重めな話です。
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2013-10-11 02:21:09 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:1215   閲覧ユーザー数:1133

~装 side~

 

装「やはり人が居ませんね。」

 

華琳さんから斥候として洛陽に送られて来た僕は、ただただ走っていました。

 

人もほとんどいなくなり、以前允恭と共に討伐した妖怪の店を通り過ぎ、洛陽の端の方へと向かいました。

 

するとそこには二人の少女と一人の女性が立っていました。

 

華雄「おぉ、やっと来られたか!」

 

装「お待たせしてすいませんねぇ。」

 

僕が華雄に言うと、警戒していた眼鏡の少女が僕に怒鳴ってきます。

 

賈駆「あんた、霊帝様の侍中じゃない!なんで今まで顔を出さなかったのよ!」

 

装「ケケッ、おかしなことを仰いますねぇ。」

 

賈駆「な、なにがおかしいって言うのよ!」

 

装「僕は霊帝様の侍中であっただけで、今の劉協様や劉弁様の味方ではないのです。貴女方を助けに来ただけありがたいと思ってもらわないとねぇ。」

 

董卓「そうだよ詠ちゃん。助けに来てくれたのに怒鳴るなんてダメだよ。」

 

賈駆「むむむ。」

 

賈駆は口を閉じるがこちらを睨んできます。

 

まだ、董卓軍には悪いことはしてないんですがねぇ。

 

華雄「あの策を伝授してくださったのもこの人なのだ。怒鳴るなど筋違いだ。」

 

賈駆「あんたあの時、自分で考えたって言ってたじゃない!」

 

華雄「な、なんのことかな?」

 

華雄と賈駆は言い合いを始めます。

 

今がどれほど緊急事態なのか分かっているんでしょうかねぇ?

 

連合軍に見つかれば、殺されても文句は言えないというのに。

 

董卓「あ、あの。」

 

装「はい?」

 

董卓「よ、宜しくお願いします!」

 

装「え?あぁ、はい。任せてください。連合軍が手出しできないところへ連れて行ってあげますから。そこで賈駆殿や華雄殿と平和に過ごすのも一興という物でしょう。」

 

董卓は変わっていませんねぇ。

 

ただの少女です。

 

欲のために自分の力を振るい、その場を死守する董卓殿も面白かったですが、こちらも面白いですねぇ。

 

賈駆「ちょっと!さっさとしないと連合軍が来るんだから、早く案内しなさいよ!」

 

董卓「詠ちゃん……。」

 

賈駆「月は黙ってて!」

 

董卓「へぅ……。」

 

賈駆殿は僕と董卓殿が喋っているのが気に入らなかったのか、また怒り出す。

 

言ってることは正しいですが、礼儀を知らないのでしょうかねぇ?

 

まぁ、さっさと案内しますか。

 

僕もそんなに暇じゃないですし。

 

装「わかりました。確かにここで呑気にお喋りしてる場合じゃないですしねぇ。」

 

賈駆「わかったらさっさと案内しなさいって言ってるでしょ!」

 

董卓「詠ちゃん……へぅぅ……。」

 

華雄「そんなに怒ってばかりだとしわが出来るぞ?」

 

まったく呑気ですねぇ。

 

僕はそのまま右手を挙げた。

 

董卓・賈駆・華雄「へ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一刀 side~

 

雛里「『さっさと先行してくださいな、おーっほっほっほ。』っていう指示が、袁紹さん本隊より通達されていますけどぉ……」

 

愛紗「ちっ、また我らを便利使いするつもりか。」

 

星「……弱小勢力の悲哀としか言い様が無いだろうな。」

 

朱里「先生が居れば、権力とかで先行は逃れれるかもしれませんが……流石に頼ってばかりは駄目ですからね。」

 

鈴々「強くなりたいのだ……」

 

一刀「そうだよなぁ。……でも今は袁紹の指示に従うしか無いよ。」

 

桃香「でも、私たちの部隊だけで先行して大丈夫かな?」

 

雛里「董卓さんの動きが見えないので、何とも言えませんけど……」

 

一刀「命令に背くことは出来ないよなぁ。……ホント、政治の世界って力こそ正義なんだなぁ。」

 

いくら理想を語ってみても、それを実現するための実力と、他者を納得させるだけの実績が無ければ、その理想もただの妄想でしか無くなる。

 

能力も兵力も実力も含めての、力こそ正義。

 

……それが現実なんだ。

 

一刀「とにかく、細心の注意を払って先行しよう。……あと、何かあったらすぐに逃げられるようにしよう。」

 

桃香「うん。私たちだけで董卓さんの軍隊と戦えるわけないもんね。」

 

愛紗「口惜しくはありますが……致し方ありませんね。」

 

星「では普段より密に斥候を放ち、諜報活動を充実させましょう。」

 

一刀「頼む。先鋒は鈴々にお願いしようかな。」

 

鈴々「全ては好機なのだ!!まかせるのだ!!」

 

桃香「雛里ちゃん。鈴々ちゃんについていてあげてね。」

 

雛里「はい♪」

 

こうして―――部隊の再配置をおこなった俺たちは、連合軍から先行して洛陽に向かった。

 

どこから敵が出てくるか分からない……そんな緊張と共に進軍するも、敵の気配などは微塵もなく、拍子抜けするほど簡単に洛陽の前まで来てしまった。

 

一刀「……何事もなく来ちゃったなぁ。」

 

桃香「来ちゃったねぇ。……何も起こらなかったっていうの、喜んで良いのかな?」

 

朱里「……読めないですね。相手の手の内が。」

 

愛紗「斥候を出した方が良くないですか?」

 

一刀「んー。……星。城の様子はどうなってる?」

 

星「動き無し。薫風を受け止めて清々しくそびえ立つ城壁……詩が作れそうなほどですな。」

 

一刀「ふむ。普段と変わりは無いってことか。……よし。じゃあ斥候を出そう。可能なら城内に忍び込んで様子を探って貰おう。」

 

鈴々「んー……ねぇねぇ、お兄ちゃん。」

 

一刀「ん?」

 

鈴々「鈴々も斥候に出ても良いー?」

 

一刀「鈴々が直接?またどうして?」

 

鈴々「んとねー、状況を自分の目で確かめたいのだ。」

 

愛紗「将校斥候という訳か。……悪くないかもしれん。」

 

桃香「でも……危なくないかな?」

 

星「危険はあるでしょうな。だが状況が不透明な今だからこそ、危険を冒してでも情報を手に入れなければならないでしょう。」

 

一刀「……分かった。じゃあ鈴々。お願い出来る?」

 

雛里「あの!」

 

一刀「ん?どうしたの?」

 

雛里「私も鈴々ちゃんと一緒に斥候に出させてください!!」

 

桃香「えぇ!?危ないよ!!」

 

星「どうして、行きたいのですかな?」

 

雛里「わ、私も皆さんのお役にたちたいんです!!」

 

一刀「雛里も十分頑張ってると思うけど?」

 

雛里「私は先生から主軸になるように言われたのに、汜水関の時に何もすることが出来ませんでした。

 

その後も朱里ちゃんに頼ってばっかりで……私は何もやっていなかったんです。

 

だから……私も皆さんの仲間で居るために、頼ってばかりじゃなく自分で行動して、皆さんを支えたいんです!!」

 

俺や周りのみんなは目を丸くしていた。

 

普段あまり喋らない雛里がここまで喋るということは、よっぽど自分の中で責任が膨らんで辛かったのだろう。

 

雛里の親友の朱里も、驚いているところを見ると、自分で考え、自分で行動したということだろう。

 

一刀「うん。わかった。じゃあ雛里にもお願いしようかな。」

 

雛里「あ、ありがとうございましゅっ!!」

 

周りを見ても全員頷き、納得していた。

 

鈴々「鈴々が守ってあげるのだー!」

 

雛里「うん。ありがとう。」

 

早速斥候組の二人は話をしていてヤル気マンマンと言ったところだ。

 

桃香「二人とも無茶しすぎたらダメだよ?危なくなったらすぐに帰って来てね?」

 

鈴々「わかったのだー!!」

 

雛里「はいっ!」

 

鈴々「それじゃあいってきまーすなのだ!!」

 

一刀「これで何か分かるかな……。」

 

星「うむ。鈴々の状況判断能力は高いし、雛里はいつも冷静。しっかりと情報を持ち帰ってくれるでしょう。」

 

愛紗「そうだな。……では二人が帰ってくればすぐに動けるようにしておこう。」

 

星「あぁ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴々「へへー、潜入完了なのだ!!」

 

雛里「あわわ、鈴々ちゃん!静かにしないと!」

 

兵士(劉備)「張飛様、鳳統様。」

 

鈴々「おー。皆も無事に潜入したのかー?」

 

兵士(劉備)「はっ、誰一人発見されておりません。」

 

雛里「では皆さん、これから街に散らばって情報を集めてください。一番隊は街の東。二番隊は街の西。残りの人は私たちについて街の中央や、細かいところを探してください。」

 

兵士(劉備)「了解しました。では合流時刻は……」

 

鈴々「一刻後!お腹がグルグルなったらここで合流するのだ!」

 

兵士(劉備)「はっ!では一番隊、東に向かいます!」

 

兵士(劉備)「二番隊は西に出発します!」

 

鈴々「気をつけるのだぞー。またあとでねー。」

 

兵士(劉備)「「「はっ!!」」」

 

鈴々「じゃあ鈴々たちも向かうのだー!!」

 

雛里「皆さん、気をつけてついて来てください。」

 

兵士(劉備)「「「はっ!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴々「ぬっきあーし、さっしあーし、しっのびあし♪」

 

雛里「鈴々ちゃん、それ全然忍んでないよ……。」

 

鈴々「気分の問題だから良いのだ!」

 

兵士(劉備)「なるほど、ならば我らも。」

 

雛里「やらなくていいです!!」

 

鈴々「案外何にもなくてつまらないのだー!!もっと奥まで行ってみるのだ!!」

 

雛里「あっ!まって鈴々ちゃん!!」

 

鈴々「すぐ戻るから雛里はそこに居て良いのだー!!」

 

兵士(劉備)「行っちゃいましたね……。」

 

雛里「……まあいいです。私たちはこの辺を探しましょう。」

 

兵士(劉備)「鳳統様~!!早速なんか見つけました!!」

 

雛里「あわわ!?び、びっくりした……。」

 

兵士(劉備)「向こうで男性が一人と女性が三人と見知らぬ兵が何人か居ました。」

 

雛里「っ!?……皆さん、こっそりついて来てください。」

 

兵士(劉備)「「「はっ!!」」」

 

雛里「あわわ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~装 side~

 

僕の周りを中心に、円形に広い範囲に突き刺さっている矢。

 

そして転がる二つの『元人間』。

 

董卓「え?え?」

 

わざと外させて、生き残った一人の少女。

 

装「貴女はウチの一人が欲しがってましてねぇ。まったく変態趣味には困った物ですねぇ。」

 

周辺の家の屋根から降りてくる忍と変態。

 

装「ほら安康。お前欲しがってたでしょう?」

 

僕の部下の一人、弓を得意とする白髪と白い髭の紳士という言葉が似合いそうな男の『安康』。

 

しかし実態は幼女好きの変態なのですねぇ。

 

安康「うむ、大人しい女の子こそ私の求める物ですからな。そこの眼鏡の女の子はあまり好みではありませぬな。」

 

屋根から降りてきた安康は弓をしまい、忍達と一緒に董卓殿に目隠しをし、布を噛ませ、縄で体を縛りました。

 

装「安康は愛でるんじゃなくて、『車裂き』にするから変態なんです。」

 

安康「むむ、でも死体は允恭に送っているし、最近は抑えているのですな。」

 

装「允恭からグチャグチャなやつ送られても困るって文句を受けるのは僕ですし、やることが既に変態なんですよ。」

 

僕らは周りに聞こえるように言います。

 

何故か。

 

それは後ろから兵士たちと見ている、教え子の顔が蒼く染まっていくのが面白いからです。

 

安康「ふむ、一日で二人とはぁ、今日は良い日ですな。張角様か黄巾のご加護でしょうな。」

 

装「あの歌を歌っている奴ですか?」

 

安康「はは、ご冗談を。あんななんちゃって張角様などでは無いですな。それより、そろそろよろしいですかな?」

 

装「兵士一人、逃がさないでくださいね?」

 

安康「承知。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴々「あれー?雛里たちどこへ行ったのだ?」

 

装「おや?鈴々殿ではないですか。」

 

鈴々「あー!!ソウのお兄ちゃん、こんなところでどうしたのだ?」

 

装「鈴々殿と一緒で斥候ですよ。それより、兵も連れずに一人でですかねぇ?」

 

鈴々「雛里と兵隊さんたちを連れて来たんだけど、どこかへ行ってしまったのだー。」

 

装「それは大変ですねぇ。でもこの辺りにはいませんでしたよ?一旦集合場所に戻ったとか、じゃないですかね?」

 

鈴々「確かにそうかもしれないのだ。じゃあ行ってみるねー。」

 

装「もうあんなに遠くに……。言っておきますがあの子は駄目ですよ?」

 

安康「ふむ、納得いきませんな。装様のお手付きですかな?」

 

装?「阿呆なこと言うんじゃない。あいつら三兄弟にはもっと苦しんでもらわないと、この物語で演じていく気が起きねぇよ。」

 

安康「うむ、装様も案外変態なのではありませんかな?」

 

装?「そうかもな。じゃあ俺は曹操のとこへ戻るから、死体とか燃やしとけよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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