まえがき コメントありがとうございます。鼻水が止まらずゴミ箱にティッシュがたまりまっくってるsyukaです。さて、今回は皆の母親役兼璃々ちゃんのお母さんの紫苑拠点です。あんなお母さんが欲しかった!というより、璃々ちゃんみたいな娘が欲しい!勝手な欲望ですね、はい。私としては紫苑が柔、桔梗が剛というイメージです。しかし二人とも相当な酒豪という・・・飲まされたら一発KO確定かな。それではごゆっくりしていってください。
今日は紫苑と昼からデートだ。朝は璃々ちゃんと市にお出掛けするらしい。俺的にはついて行っても良かったんだけどなぁ。そういうことで朝の鍛錬と兵の鍛錬を終えたから昼前のティータイムに洒落こんでる真っ最中だ。
「家族でこうやって卓を囲んでお茶なんて久しぶりね~。」
「家族団欒に私たちも入れていただいてよかったのでしょうか? せっかくの家族水入らずの時間ですのに。」
「あなたたちは私たちの家臣だから良いのよ。」
父さんと母さん、それに親戚の海未さんたちも一緒だ。ここに鞘香も入れば全員揃うんだけどなぁ・・・。まぁ、こっちに母さん達がいるってだけでも異例の出来事なんだが。
「ご主人様、お茶のおかわりはいかがですか?」
「ありがと、月。 じゃあいただこうかな。」
「はい。」
ティータイムなだけにお茶だったり。コーヒーもたまには飲みたいとは思うけど、月
のお茶が飲めるだけ幸せだと思っておこう。美味しいし。
「あたいとしてはお茶じゃなく酒を呑みたいぜ・・・。」
「お茶とお酒を一緒にしなくても・・・。」
「日常飲用水として酒だしゃーいいんだ。 蛇口捻って出てくるとか浪曼だろ!」
「いやいや・・・ビールサーバーじゃないんだから。」
あっちのビールサーバとか見たら星とか桔梗あたりが喜ぶだろうなぁ・・・あと呉の雪蓮とか祭さんあたりも。
「美彩さんはよくあんなにお酒呑めますよね~。 私なんてビールのジョッキ一杯呑みきる前に酔っちゃいますし・・・私はずっとオレンジジュースで良いです。」
「そんなんだから未成年と間違われるんだ。 せめて鞘香ちゃんより年上に見られようぜ。」
「どうせ私は童顔ですよ~だ。」
まぁ確かに蕾姉はお酒のイメージはないなぁ・・・。俺より年上なのに・・・俺や鞘香が小さい頃も一緒にジュース飲んでたくらいだし。あの時の蕾姉は確か社会人になってすぐだった気が・・・。
「蕾は今のままで良いのです。 美彩のような酒好きがこれ以上増えても困りますし。」
「雲台の中にはあたし以外にも酒好きがいるの忘れてねえか?」
「あなたがもっとも重症なのです!」
「オレは強いやつと戦えれば他にはなにもいらんな。」
「と言って、自分の旦那をサンドバッグにするのもどうかと思いますよ? あなたには愛が足りません!」
「仕方ねえだろ。 うちの旦那、Mなんだから。」
「いや、咲夜姐のSっ気が強すぎるだけだってば。」
自分のお嫁さんに殴られるような事態は是非とも避けたいものだ。一度、咲夜姐が旦那さんに技をかけてるの一度見かけたことがある。あの時は確か「閻魔送りの踵落とし」だったかな。あまりの衝撃に旦那さん地面に埋まってたし。あれで首の骨が折れてないのが不思議なんだよなぁ・・・。打たれるために鍛えてたりするのかも?そんなことを考えながらも俺はちらっと月を見やる。
「私はそのようなことしませんよ?」
「だよね~。」
メイドさんが月で良かった・・・。あ、詠にはちょくちょく頭叩かれてるけど・・・あれは照れ隠しだからノーカンで。
「一刀、嫁さんは大事にするんだぞ。 喧嘩したら勝てないからな。」
「喧嘩なんかしないから大丈夫だよ。 というより、父さんと母さんも喧嘩してないじゃん。」
「いやいや、俺が飲み会で帰りが遅くなった時に鍵を全部閉められてな・・・真冬だったこともあり凍死する思いだったんだぞ。 あまりの寒さに酔いもばっちり覚めたし。」
「霧刀さんが連絡の一つも寄越さないからです。」
「父さんが悪いだけじゃないか。 それ、喧嘩って言わないよ・・・。」
そんなこともあったんだなぁ。全然イメージ沸かないけど。
「あの時の3時間玄関の前で正座の刑は身に染みたなぁ・・・。」
しみじみした口調で遠い目になる父さん。なんだか同情の念が湧いてくるのはなんでだろう?そんなことを考えながらひと時のティータイムを楽しんだ。
・・・
「ご主人様、お待たせしました。」
お茶を飲んでると紫苑が市の方角から歩いてくる。もう買い物は終わったのかな?
「あれ? 璃々ちゃんは?」
「璃々は鈴々ちゃんと昼食を一緒にすると言っていましたので、鈴々ちゃんたちに預けてきました。 愛紗さんも一緒でしたので。」
「なるほどね。 なら安心かな。」
「隊長~~~!!」
「ん?」
紫苑が辿ってきた道のりを美香が走ってくる。
「どうしたの?」
「市の一部を賊が占拠しました!」
「・・・は!?」
安心かな。って言ったそばから何でこうトラブルが舞い込んでくるかな!?
「俺たちも行こう! 紫苑、デート始めるの少し遅くなるかもしれない。」
「構いません。 それより今は璃々が心配です。 愛紗ちゃんと鈴々ちゃんがついているから大丈夫だとは思いますが・・・。」
「私たちも動きましょう。」
「久し振りに大暴れできるぜ~!」
「呑気にそんなことを言っている場合ではありませんよ!」
賊なんて久し振りだな。来ないに越したことはないけどさ。
「美香、賊について何か詳細とか分かる?」
「恐らく黄巾党の残党かと思われます。 人数は大体二十数名かと。」
「これまた懐かしい名前を出してきたなぁ・・・。」
けど厄介な相手ってことだけは分かるかな。思想の強い奴らだったし、蒼天すでに死す。黄天今こそ立つべし。みたいなこと言ってたし。俺たちは市へと急いだ。
・・・
「ご主人様!」
現場に向かえば愛紗と鈴々が数人の賊と対峙している。
「なんかめんどくさいことに巻き込まれてるね。」
「おい! こっちには人質がいるんだぞ! めんどくさいとか言うな!」
「ご主人様~~~!」
なるほど、璃々ちゃんが人質に取られちゃったか。それで愛紗たちが手に出せない、っと。
「しかも見たことある顔が賊だなんて・・・。」
俺がこっちに来た時に始めた顔が三つ。
「ん? てめぇみてぇな餓鬼なんて見覚えねぇぞ。」
「兄貴! こいつ、五台山の麓でオイラ達にメンチ切ってきたやつだぜ!」
おい、古代中国でメンチ切るとか言うな。
「・・・思い出したぜ。 俺の顔掴んで気絶させやがったやつだ。」
おい、私がそのまま殺してやってもいいぞ。
市でそんなことしたら迷惑になるから駄目。というか俺だけで大丈夫。
それもそうだな。
「あんたたちさ、前にも痛い目見てるんだから人質を解放してこの邑から出てってくれないかな?」
「関係ねぇ。 今は人質をとってんだ。 おい、そこのババア!」
「・・・誰のことを言ってるのかしら?」
母さんがドスの効いた声で賊に声を掛ける。・・・ここに集めってる人たちを考えると賊は無事じゃ済まないよな。
「そこの胸開けさせてるババアだよ!」
指を指してるのは・・・紫苑だった。
「ババア・・・ですって?」
紫苑の額に青筋が浮かんできた。顔を笑ってるのに・・・凄く怖い。周りの動物たちも逃げ出したよ。子供も泣き出すどころか顔が青ざめだしてる。
「・・・そ、そんなんで怯むかよ! こっちには人質がいるんだ!」
「あ~、お母さん怒らせちゃった。 私知~らない。」
人質に取られてる璃々ちゃんは知らんぷりを決め込む始末。
「あんたら、痛い目見る前に逃げたほうがいいぞ。 悪いことは言わん。」
「へっ、ババアごときに遅れを取る俺様じゃねぇ。 野郎ども、やっちまえ!」
その言葉を聞いた賊たちが俺たちに特攻してくる。
「ババア、ババアと馬鹿の一つ覚えのように言いますが・・・。」
静かに口にする紫苑。言葉の端々から怒気を感じる。
「私は二十代です!!」
その言葉と共に紫苑が弓を引いた。
・・・
五分後、賊は紫苑の手によって一掃された。
「う、うわぁなのだ・・・。」
現場は死屍累々。コテンパンにされた賊たちが横たわっている。勿論、璃々ちゃんは無事である。
「・・・。」
愛紗も眼前の悲惨な光景に言葉を失っている。
「紫苑も普段は温厚そうに見えて、やる時はやるではないか。」
鈴がひょっこり俺の背後から現れそんな言葉を紡ぐ。
「いやいや、普段は温厚なんだって。 これは怒り相まっての結果だよ。」
「ふむ・・・私が侮辱されようものなら微塵も残らぬよう徹底的にするがな。」
「鈴の場合、何をしても一般人なら微塵も残らないだろうけど。」
「私だって加減の一つくらい身に付けている。」
「どのくらい?」
「一刀と同等程度なら。」
「なるほどね。」
手加減した鈴でも勝てる気がしない俺です。
「とりあえず、気絶してる賊たちを連行して。」
「了解。」
近くにいた兵たちに言って賊を城の牢屋に連行してもらった。
「まぁ、いざこざはあったけど・・・まだ時間はあるな。 紫苑、今からでも大丈夫ならデートする? 明日に持ち越してもいいけど。」
「今日は構いませんよ。」
「了解。 愛紗たちはどうする?」
「私たちは璃々ちゃんと共に昼食を食べに行きますよ。」
「鈴々、ラーメン食べたいのだ!」
「私も~!」
「愛紗ちゃん、璃々をよろしくね。 璃々、あまりはしゃぎ過ぎないように。」
「は~い。」
愛紗たちは璃々ちゃんを連れてラーメン屋へと向かった。鈴々と璃々が同年代にしか見えないのはどうしてなんだろうか・・・。
「じゃあ行こうか、紫苑。」
「はい。」
それから二人で市を歩き始めた。のんびりと行き先を決めぬまま。
・・・
二人で歩きながらのんびりしてたのは良いんだけど・・・
「こりゃ困ったなぁ・・・。」
突然の大雨に立ち止まってしまった。という訳で、路地裏の店の前で雨宿りさせてもらってる。
「ふふっ、ご主人様と二人で雨宿り。 これはこれで良いですね。」
屋根があんまり大きくないから身を寄せ合ってる状態になってる。肩が触れ合うどころか手を握ってるからなぁ。緊張するとかではないけど・・・ちょっぴり安心する。
「雨も最近は降ってなかったからね。 城にいなかったのもこれはこれで幸運だったのかも。」
「私としてはもう少しこのままでいたいですね。」
「それは俺もかな。 こんな機会もそうそうないからね~。」
紫苑と出かけるときは璃々ちゃんも一緒だからね。まぁ親子だから当然だけど。
「璃々ちゃん、無事に城に戻れたかな?」
「愛紗ちゃんたちがいるから大丈夫でしょう。 少し濡れても風邪をひくほど弱く育てていませんしね。」
「それもそっか。」
流石は猛将、黄忠と言うべきか。子育てにしても抜かりなしなんだね。・・・璃々ちゃんが紫苑みたいに育つのかなと思うとちょっと想像出来ないなぁ。
「・・・あら? 雨、激しくなってない?」
「そうですね。 ・・・。」
空も光りだしたな。こっちに来て雷も久しぶりだなぁ・・・黄巾党を追ってたとき以来かな?
「落なきゃ良いけどなぁ・・・。」
「・・・。」
「紫苑?」
「な、なんですか?」
もしかして・・・。ふと何か感じたとき稲光と共に雷鳴が鳴り響いた。
「きゃっ!!」
紫苑が俺にしがみついてくる。体が震えて、うるっと涙目になっている。
「もしかして・・・雷、怖い?」
「・・・はい。 幼少の頃から雷だけはどうも・・・。」
雷鳴が響くたびに紫苑の体が震える。ほんの数時間前に般若の如き形相をしていたとは思えないほどに弱り、まるで幼い子供のようになっている。小さい頃の鞘香とどこか被るな。
「俺がついてるから大丈夫だよ。」
紫苑を軽く抱きしめて、頭を軽く撫でる。一児の母でもやはり女性だから線は細いし柔らかい。
「・・・何故でしょうね。 先程まであれほど恐怖に打ち震えていたのに、すんなり落ち着けている私がいますわ。」
まぁ、これは前に母さんからやってもらったことなんだけどね。小さい頃は俺も雷怖かったからなぁ・・・。あぁ、懐かしい。
「ご主人様の心臓の音が心地良い・・・。」
雷鳴が響いても体は震えることはなくなった。それから10分ほどお互いにじっとしたままでいたら、いつの間にか雨は上がっていた。
「通り雨だったみたいだね。」
「そうですね。 ご主人様、みっともない姿を見せてしまいました。」
「俺としては紫苑にも怖いものがあるんだなぁ。 って思ったけどね。 紫苑の知らないところを知れたし・・・役得?」
「ふふっ、ご主人様は相変わらず口が上手いですね。」
「本心だけどね。」
デートも良い雰囲気のままお開き。開始したのはお昼だったのに、もう夕暮れどきになっていた。
「そろそろ戻ろっか。 璃々ちゃんも心配してるかもしれないし。」
「そうですね。 しかし、城に着くまでご一緒させていただきますよ?」
「勿論。」
紫苑が腕を絡ませてくる。俺たちはそのままゆっくりと城へと歩き出した。
市を歩いている二人は気付かなかったが、空に鮮やかな虹が掛かっていた。その虹はまるで二人を繋ぐ架け橋だったのかもしれない。
あとがき 読んでいただきありがとうございます。紫苑の拠点はいかがでしたでしょうか。一児の母でもまだ20代です。ちなみに、紫苑にやられた賊たちはと愛紗のお説教地獄行きになりました。ご愁傷様です。個人的には数年後の璃々ちゃんを見たいものです。いい女性に育ってくれることでしょう。他の女の子たちの子供が生まれたら年長者として強くなってくれると信じています!それでは次回 真・恋姫✝無双 刀蜀・三国統一伝 第八節_拠点:流琉のお料理教室 でお会いしましょう。
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何でもござれの一刀が蜀√から桃香たちと共に大陸の平和に向けて頑張っていく笑いあり涙あり、恋もバトルもあるよSSです。