姓:司馬 名:昭 性別:男
字:子上
真名:一刀(カズト)
北郷一刀が転生した者。
姓:司馬 名:懿 性別:女
字:仲達
真名:理鎖(リサ)
一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。
姓:司馬 名:師 性別:女
字:子元
真名:瑠理(ルリ)
母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。
姓:張 名:春華 性別:男
真名:解刀(カイト)
一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。
姓:王 名:元姫 性別:女
真名:美華(ミカ)
一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。
姓:鄧 名:艾 性別:女
字:士載
真名:江里香(エリカ)
後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。
姓:賈 名:充 性別:女
字:公閭
真名:闇那(アンナ)
司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。
姓:王 名:濬 性別:女
字:士治
真名:澪羅(レイラ)
後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。
姓:司馬 名:望 性別:女
字:子初
真名:理奈(リナ)
一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。
姓:杜 名:預 性別:女
字:元凱
真名:綺羅(キラ)
一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。
第二十話
「成都攻略 後編」
晋軍と趙雲隊が戦闘を開始した。
「行くぞお前達! 狙いは司馬昭のみ! 他には構うな!」
趙雲は最初から司馬昭に狙いを定め他の者達を強引に突破しようとする。
「やはりそう来るか趙雲! 江里香! 理奈! 頼むぞ!」
「はい!」
「もちろんです!」
「白蓮! 俺達は二人を援護するぞ!」
「分かった!」
それを予測していた一刀は慌てる事無く指示を出していく。
「退けぇ!」
「やらせません!」
「観念しなさい!」
そして趙雲の突撃に江里香と理奈が対応する。初めは二人を無視しようとする趙雲だが、それは不可能と判断。
(くっ! ここで立ち止まる訳には!)
結果、彼女は二人を退けようと攻撃を仕掛ける。だが……。
「焦りすぎです! そんな攻撃では読むのは容易い!」
「なっ!」
キン! という音が鳴った直後、趙雲の手から得物が離れる。
(まだ!)
彼女はすぐに地面に落ちた得物を取ろうとするが、動く前に理奈に回収される。さらにその動揺の隙を突かれ、江里香に押さえつけ
られる。
(私が! 私がここで敗れる訳には!)
趙雲は激しい抵抗をするが、そこに一刀と白蓮が現れた。
「星! 潔く抵抗を止めるんだ! お前なら本当は分かっているんだろう!? 既に敗北が決まっていた事を!」
「っ! だとしても私は戦いをやめる訳には行きませぬ!」
白蓮の言葉は趙雲にとって図星ではあったが、それでも抵抗を止めようとはしなかった。
「趙雲! お前が負けを認めないと無駄な犠牲が出るぞ! 無駄な犠牲、それを権力によって強要する、それは劉備が尤も嫌っている
事のはずだ! 違うか!?」
「!?」
一刀の言葉の後、趙雲は一切の抵抗を止めた。
(わ、私はまた、桃香様の考えを無視するところだったと言うのか……)
彼女の全身から力が抜けていく。自力では立てなくなるほどに。
「趙雲、敗北を宣言してくれ。そうすればもうこれ以上の犠牲は無くなる。そして出来れば劉備と話をさせてほしい」
趙雲は驚きながら一刀を見つめる。
(この者に……まだ話合いの意思が有ったのか……だが)
彼女は目を伏せる。
(どちらにしても……もう……)
「? どうした」
「……今の桃香様に、それが出来るかどうか」
「どういう事だ?」
趙雲は一刀に少しばかり話した。今の劉備について。
その後一刀達は趙雲が戦って敗北を宣言したこともあり、蜀の大した抵抗も無く、成都を瞬く間に制圧することが出来た。
無論、成都の民達は混乱する。それを江里香と理奈が治めようと必死に動きだす。
そんな中、一刀と白蓮は、趙雲の案内の下、劉備のところに向かっていた。
「此処に桃香様が居ます」
趙雲はそう言った後、失礼しますと声を掛け、部屋の扉を開ける。
「!?」
一刀と白蓮は目をひん剝きながら驚く。
そこに居たのは、感情が見えず、人形のような雰囲気を持った劉備が静かに佇んでいた。
「桃香、お前……どうしてこんな姿に……」
白蓮は呆然とし、上手く言葉を繋げることが出来ない。
(そうか、劉備……君は……)
一刀は少しだけ理解した。詳しくはまだ分からないが、恐らく劉備は耐えられなくなったのだ。王の責務と自分の想いと感情の食い
違いに。
彼は彼女の姿に少しだけ過去の自分と重ねる。父親を討った時の自分に。
一刀は劉備に近づく。
そして彼女の傍まで近づくと、劉備を抱きしめた。抱きしめ、頭を撫でる。それに劉備は僅かに反応する。
「辛いよなぁ……王ってのは」
「……ぇ……」
かすれるように劉備は言葉を発した。
「時には自分の望みとは反対の事をしなきゃいけない、そして望みどうりに動いてはいけないといった理不尽に思えるような事もある
よな……でも、もう良いんだ。もう君は王でなくても良い。もう開放されて良いんだ。……頑張ったな、劉備」
「ぁ……ぅぁ……」
劉備の瞳から涙があふれ出る。
「う……うあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
彼女は一刀の胸で泣いた。
その様を白蓮と趙雲はただ見つめていた。
この後、劉備自身から晋に降伏を宣言した。この日を持って蜀は滅んだのであった。
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一刀達と趙雲は激突する。その行方は……。
※説明不足な部分があったので若干、文を追加※