No.623015

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~ プロローグ(序章開始)

soranoさん

プレイして、即思いついて連載を始めてしまいました……!まだクリアどころか1章の途中な上、光と闇の軌跡の連載を優先するつもりなので、更新速度は非常に遅くなります。それでもいいというのでしたらどうぞ……!※なお、この小説の設定は”光と闇の軌跡”の3rd篇終了後以降の設定を使用しています。零・碧篇とのリンクは今の所考えていません。なので3rd篇以降の”光と闇の軌跡”のif小説だと思って下さい。

2013-09-27 12:18:38 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:16565   閲覧ユーザー数:16066

「へえ……!」

 

~近郊都市・トリスタ~

 

駅から現れた赤い制服を着た黒髪の男子――――リィン・シュバルツァーは街の到る所にある木に咲いている花を見て声を上げた。

「ライノの花か……こんなに咲いているのは初めて見たな。(ここで2年間、過ごすことになるのか……うん。居心地の良さそうな街だな。)」

街の景色をリィンが見つめていると後ろから、赤い制服を着た金髪の女子が周囲の風景を見ながら歩いて来てリィンにぶつかり

「きゃっ……」

リィンにぶつかった女子は地面に跪き

「え―――」

ぶつかられたリィンは呆けた。

「あいた……」

「ご、ごめん、大丈夫か?……すまない。俺がぼうっとしてたせいだな。」

地面に跪いた女子にリィンは申し訳なさそうな表情で謝罪しながら手を差し伸べ

「ふふっ……」

手を差し伸べられた女性は微笑んだ後リィンの手を借りて立ちあがった。

「気にしないで。私も花に見惚れちゃってたから。でも、すごく良さそうな街ね?」

「ああ、俺もちょうど同じ事を思っていた所さ。トランク、大丈夫か?落としちゃったみたいだけど。」

「ええ、心配しないで。それにしても……同じ色の制服なのね?」

「そういえば……みんな緑の制服だけど一体どうなっているんだ?送られてきた物を着てただけなんだが……」

女子の言葉を聞いたリィンは周囲の緑の制服を着た学生たちを見て不思議そうな表情をしていた。

「それは私も同じだけど……でも、他にも着ている人を見かけたし、理由があるかもしれないわね。それこそ同じクラスだったりとか。」

リィンの言葉に頷いた女子は笑顔をリィンに向け

「あ……」

女子の言葉を聞いたリィンは呆けた。

「ふふっ、それじゃあ。入学式の時にまた会えそうな気もするけど。」

そして女子はリィンから去って行った。

「……名前、聞いとくんだったな。まあいいや、これから先も顔を合わせる機会はありそうだし。しかし同じ色の制服か……」

女子が去った後リィンは溜息を吐き、そして気を取り直して考え込み、懐からオーブメントを取りだした。

「この装置(オーブメント)にしても制服と一緒に届いたわりには何の説明もなかったし。士官学校の備品にしてはかなり凝ってるみたいだけど……」

リィンがオーブメントを見つめて考え込んでいたその時

「わあ……!綺麗ですね、マスター……!」

「ええ………こんな景色は今まで見た事なかったわ……」

「……ライノの花だな。1年を通して全体的に気温が低いハーメルでは決して咲かない花だな。」

リィンや金髪の女子と同じように赤い制服を着た黒髪の女性、夕焼け色の髪の娘、そして2人とは違って漆黒の軍服を着た銀髪の青年が駅から現れた。

「!?プ、プリネ姫!それにルクセンベール卿やレオン少佐まで……!」

夕焼け色の髪の娘を見たリィンは驚いた後、黒髪の女性や銀髪の青年を見て驚いた。

「あら?どうして私の事を……」

夕焼け色の髪の娘―――プリネは首を傾げ

「………リウイ陛下から話にあった同級生として当てられたお前の護衛だろう。」

「あ……」

青年に言われたプリネは声を上げ

「―――――シュバルツァー家のご子息のリィンさんでしたね。これから2年間、短い間ですが一緒にマスター……いえ、”プリネさん”を守っていきましょうね。」

黒髪の女性はリィンに微笑み

「ハッ!私のような未熟者の剣では足を引っ張る事もあるかと思いますが粉骨砕身のつもりで護衛させていただきます!」

微笑まれたリィンは姿勢をただして言った。

 

「フフ、そんな畏まらなくても大丈夫ですよ。今は同じ学生同士なのですから、私の事は皇女扱いしないで下さい。」

「し、しかし……」

プリネに微笑まれたリィンは戸惑ったが

「………プリネ姫を悪目立ちさせない為にも過度な接し方は止めた方がいい。ただでさえ、お前自身も十分悪目立ちする”理由”があるからな……」

「!!………わかりました。それと……今後は何とお呼びすればいいでしょうか?」

静かな表情の青年に言われたリィンは目を見開いた後頷き、真剣な表情でプリネを見つめて言った。

「皇族に対する呼び方ではなく、同級生同士の呼び方でお願いします。」

「勿論、あたしも同じ接し方でお願いします。」

「……………でしたら……”プリネさん”と”ツーヤさん”でいかがでしょうか?」

「う~ん………まだ固い呼び方のような気もしますね。何でしたらツーヤ共々呼び捨てで呼んで貰っても構いませんよ?」

「そ、そんな!さすがにそれは恐れ多いです……!」

プリネに言われたリィンは慌てた様子で言い

「プリネさん……さすがにそれは無茶ですよ……あたしだって正直、プリネさんの呼び方を元の呼び方に戻したいぐらいなのですよ?」

「……訓練兵相手に皇族や貴族を呼び捨てで呼ばせる等いくらなんでも無茶すぎる提案だぞ。」

黒髪の女性は苦笑しながら言い、青年は呆れた表情で指摘した。

「フフ、そうかもしれないわね。――――それでは私達は先に行きますので、また後で。」

二人の言葉を聞いたプリネは微笑んだ後二人と共にリィンから去って行った。

「フウ………それにしてもどうしてプリネ姫達が士官学院に留学したんだろう……?留学するとしても姫達なら”聖アストライア女学院”だと思ったんだけどな………やっぱり臨時教官役として赴任するレオン少佐が護衛につく事ができないからかな……?」

プリネ達が去るとリィンは溜息を吐いた後考え込み

「―――まあいい、そろそろ行こう。(……リフィア殿下の侍女として頑張っているエリゼに負けないようにプリネ姫の護衛を無事務めないと……!)」

すぐに気を取り直して、自分が向かうべき場所へと向かって行った。リィンがある場所へ向かっていると、執事風の老人が赤い制服を着た青髪の女子に何かを渡していた。

 

「―――それではお嬢様。ご武運をお祈りしております。」

「うん、ありがとう。爺も元気で、父上の留守はよろしく頼んだぞ。」

老人から何かを受け取った女子は受け取った品物を肩に担いた後老人を見つめて言った。

「ハハ、心得ております。」

老人の返事を聞いた女子は老人から去って行った。

「これは失礼―――よき日和でありますな。この度はご入学、誠におめでとうございます。」

リィンに気付いた老人はリィンに一礼をして答え

「あ……―――ええ。ありがとうございます。」

老人の言葉を聞いたリィンは呆けた後軽く頭を下げ、リィンの言葉を聞いた老人はどこかへと去って行った。

(……颯爽としたご老人だな。どこかの家の執事みたいだけど。さっきの娘は貴族出身か……凛としたただずまいだったし、名のある武門の出かもしれないな。)

そしてリィンは目的地―――”トールズ士官学院”に到着した。

 

~トールズ士官学院~

 

「……ここが……かのドライケルス大帝が創設したと伝えられる学校か。」

学院に到着したリィンは学院の景色を見つめて呟いた。するとその時クラクションが鳴らされ、クラクションに気付いたリィンがその場をどくと一台のリムジンが現れ、リムジンの運転手が出てきた後、後部座席のドアを開いた。

「―――お疲れ様です。士官学校に到着いたしました。」

「ご苦労。」

するとリィンと同じ赤い制服を着た金髪の男子がリムジンから現れた。

「お荷物、お持ちいたします。」

その時運転手が申し出たが

「―――無用だ。悪目立ちをするつもりはない。」

「で、ですが………」

男子の答えを聞いて戸惑った。

「無用と言っている。後は適当に休憩してからバリアハートへ戻るがいい。」

「……は。それでは失礼いたします。佳き学院生活を……お体にはお気を付け下さい。」

男子の言葉を聞いた運転手は軽く頭を下げ、男子は学院へと向かい、運転手はリムジンに乗り込んで去って行った。

(導力リムジン……ラインフォルトの最高級モデルか。やはり大貴族の子弟も入学してきているみたいだな。)

そしてリィンも学院の敷地内へと入って行った。

 

「―――ご入学、おめでとーございます!」

するとその時少女の声が聞こえてきた後、緑の制服を着た小柄な少女が黄色の作業服を着ている太った青年と共にリィンに近づいた。

「うんうん、君が最後みたいね。リィン・シュバルツァー君、―――でいいんだよね?」

「は、はい。――――どうもはじめまして。しかし……どうして自分の名前を?」

少女に尋ねられたリィンは戸惑った様子で頷いた後尋ねた。

「えへへ……ちょっと事情があってね。今はあんまり気にしないで。」

「???」

「それが申請した品かい?いったん預からせてもらうよ。」

「ああ……案内書にあった通りですね。」

太った青年に言われたリィンは持っていた包みを青年に渡した。

「―――確かに。ちゃんと後で返されるとは思うから心配しないでくれ。」

「入学式はあちらの講堂であるからこのまま真っ直ぐどうぞ。あ、そうそう。”トールズ士官学院”へようこそ!」

「入学おめでとう。充実した2年間になるといいな。」

二人の言葉を受けたリィンは頭を軽く下げた後二人から去り

(一応、二人とも先輩なのかな?女子のほうはちょっと年上には見えなかったけど……しかし『俺が最後』と言ってたがどういうことなんだ……?)

二人からある程度離れるとリィンは二人を見つめて考え込んでいた。するとその時チャイムが鳴った。

(……そろそろ入学式の時間か。2年間の学院生活の始まりだ。気を引き締めて行こう。)

そしてリィンは講堂に向かい、入学式に参加した…………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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