No.622588

一刀の晋王転生録 第六章十四話

k3さん

蜀と呉の戦いが終わった。晋と魏はその戦いについて報告を受ける。

2013-09-25 19:52:08 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:2686   閲覧ユーザー数:2212

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:鄧  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

  第十四話

   「暗闇の中で動く影」

 

 

 夷陵で戦いが起こった事は、晋や魏にも伝えられた。

 

 闇那からその報告を聞いた一刀は僅かに悲痛の表情を浮かべる。

 

「そうか、優秀な者達が次々と散ってしまっているな」

 

「はい……」

 

「ご苦労だったな。指示があるまで休んでいてくれ」

 

「お気遣いありがとうございます」

 

 闇那が姿を消した後、一刀は考える。

 

 これは他人事では無いのだと、自分達も少しの失敗で大事な物を失ってしまう可能性があるということを改めて理解したのだった。

 

(常に警戒するべきだな。魏はもとより、戦いに勝った呉や、激しく疲弊した蜀にもな)

 

 後に、この彼の心がけが思いもよらない出来事により幸いすることになる。

 そして魏は。

 

「孫呉を攻めるわ。孫呉は連勝したことで勢いづいている。こういうのを放っておくと厄介な事になりかねない」

 

 曹操はそう宣言する。家臣達もそれに反対はしなかった。特に荀彧は諸手を上げるように賛同する。

 

「異存はありません。奴等は蜀との戦いである程度は疲弊しているでしょうし、これ以上の好機はないでしょう」

 

「そういう事よ。皆、良いわね?」

 

 一見、曹操らしい実をとろうとする行動であり、ここにいる者達は特に疑問思っていない。

 

 だが、ここに一刀や麗羽がいた場合、明らかに違和感を覚えていただろう。

 

 ”その戦い方に彼女らしい誇り高さが無い”と。

 

 夏候惇や荀彧はあまりにも彼女を崇拝しているため、弱点などを見ようとはしない。だから二人では気付きようが無い。気がつけそ

 

うなのは張遼と程昱と賈詡の三人ぐらいだが、戦略的には問題は無いし、二人ほど曹操という人間を知っている訳ではない。何よりそ

 

の二人が疑問に思わないため、三人が何かを感じてもその二人を見て気のせいだと思ってしまうという悪循環が生まれていた。

 

 一体誰が曹操の苦痛を知ってくれるというのであろう。

 ある屋敷にて、二人の影が話し合っている。

 

「私の要望どうりに呉と蜀を争うように細工をしてくれたようですね。流石です。それで、その二国はどのような状況になりました

 

か?」

 

「どうやら蜀は関羽初めとした多くの将が死んだようだな。それにほぼ国が半壊している。そして呉の方はケイ州では呂蒙、夷陵では

 

甘寧と少しずつだが呉も将が死んでいる」

 

「成程……ふむ、ではもう少し続けましょうか。私が本格的に動くまでにもっと多くの優秀な将には死んでいただかないと」

 

「一つ聞きたい。何故、魏、呉、蜀の将を死なせる事にしたんだ? お前が動く時に奴等を此方に引き込もうとは思わないのか?」

 

「尤もですね。ですが、何と言って良いものか……私の感のようなものがそれは無いと言っているのです。それほどまでにあの司馬昭

 

という男……甘く見てはならないと……あの男なら彼女達を心服させてしまうのではと……そうなった時、彼女達の力がそのまま司馬

 

昭の物になるでしょう。だからですよ」

 

「……普通ならば笑って考えすぎだと言うところなんだがな……だが、確かにあの男ならそうしかねない」

 

「分かって頂けて何よりです。出来れば司馬昭の近くに居る将も始末したいのですが、そう簡単には行かないでしょう。彼等も此方を

 

警戒しているようですからね。ですからそちらは無理に狙わなくても良いですよ。当面は魏と呉に細工をお願いします」

 

「分かった。俺としても……あの男との決着を邪魔になりかねない奴等を潰すのは必要だろうしな」

 

 こうして影達はまた動く。

 

 四国に災いを起こす火種を撒くために。

 

  第六章後編へと続く……

 


 
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