No.621375

ダンガンスクール[17] 戦刃むくろ

アッキさん

 ダンガンロンパIfストーリー。
 もしも、彼ら彼女らが普通に学園生活を送っていたらどう言う生活を送っていたのか?
 第17話、【超高校級の軍人】戦刃むくろの話。

2013-09-21 17:19:23 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2940   閲覧ユーザー数:2895

【ダンガンロンパIfストーリー・ダンガンスクール】

【希望ヶ峰学園デノ生活】

【第17話・戦刃むくろ】

【超高校級の軍人】

 

 

【イチガツ・ツイタチ】

 

 

 傭兵部隊、【フェンリル】にて沢山の戦場を渡り歩いた【超高校級の軍人】、戦刃むくろにとって日本とはあまりにも平和な場所だと思っていた。戦争も無く、食糧にもありつける。至って平和で、安全な国。今までの国はそうではなかった。日々自分が生き残るために身をびくびくしながら過ごし、明日食べられるかどうか分からない食糧に感謝しつつ、明日生きられるかどうかを考えながら生きる。そんな国と違って、日本はなんて平和な国だろうか。

 

 

「そう言わないでよ、残姉ちゃん! 日本はこんだけ平和なんだから平和ボケしても仕方ないよ」

 

 

 と、和服を着た【超高校級のギャル】、江ノ島盾子は笑顔で、戦刃むくろは話しかけていた。今、彼女は2人で希望ヶ峰学園の近くにある神社へと来て、新年の初詣に来ていた。

 

 

「本当に日本は平和な国ですね。でも、盾子は少し警戒しなさすぎです。平和に過ごすのは良いですが、いつ狙撃されても可笑しくないんですからね」

 

 

「……残姉ちゃんの考えに私は絶望したよ」

 

 

 ささっとこんなおめでたい日に辺りを警戒する姉を見て、嘆息を吐く江ノ島。

 

 

「ほら、残姉ちゃん! 大丈夫だって! こんな日くらい、そんな警戒意識を失くして楽しもうよ!」

 

 

「しかし、それでは……」

 

 

「良いから! 良いから!」

 

 

 そう言って妹の手にひかれてむくろが連れて行かれたのは、神社の前。賽銭箱にお金を投げ入れる妹を見て、むくろも同じようにお金を投げ入れる。

 

 

(そう、それはまるで手りゅう弾を投げる時のように!)

 

 

 そう言う気持ちを持って投げているむくろを、「ズレてるな……」と江ノ島は思う。そう思いながら2人は手を合わせてお互いに願い事を思い浮かべる。そして10秒後、2人は賽銭箱から離れて、帰路に帰っていた。

 

 

「しかし、残姉ちゃんは相変わらずズレてるねー」

 

 

「うるさいわよ、盾子。どんな想いで居ようと、初詣は初詣よ」

 

 

「テロリストを警戒する初詣はどうかと思うなー」

 

 

 

 と、笑いながら歩いている2人の前に、1人の男子生徒。【超高校級の幸運】、苗木誠が居た。1人で初詣に向かっている所だったのか、2人を見て「おぉーい、江ノ島さん! 戦刃さん!」と駆け寄る。

 

 

「2人も初詣?」

 

 

「うん、残姉ちゃんともう終わらせて来た所。苗木は? 1人? 舞園さんや霧切さんとは一緒じゃないの?」

 

 

 と親しげに話す2人を見て、むくろは嫌な気分になる。何だか自分だけ除け者にされたような、そんな気分である。いや、社交的な妹が話すのに慣れている事は分かっている事だけれども、なんだか1人ボッチは寂しいなとむくろは思う。

 

 

(いけない! いけない! 軍人がなんて甘えた事を!)

 

 

「戦刃さん?」

 

 

 と、慌てていた所に苗木が話しかけて来てむくろは混乱する。

 

 

「な、なに? 苗木?」

 

 

「実は僕、1人で来たんだよ。舞園さんも、霧切さんも仕事で来れなくて。だから、もし良かったら2人も一緒に初詣をしてくれないかな?」

 

 

 そうやって誘ってくる苗木と、後ろで「良いんじゃない?」と言った様子でこちらを見る江ノ島。それを見て、むくろは何だか微笑ましい気持ちになった。

 

 

「よ、よし! 良いだろう! 初詣ならぬ二度目詣になるが、付き合おう!」

 

 

「え、えっと……普通、初詣と言って良いんじゃないかな?」

 

 

「やっぱり残姉ちゃんはズレてるよー」

 

 

 

 そう言いながら、苗木、江ノ島、むくろの3人は神社に願いを込めに向かうのであった。


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
0
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択