敗北した氷牙。その体の状態は悲惨を極め、満身創痍。血まみれの制服がその状態を色濃く物語っている。
萌香「氷牙!」
二階から思わず飛び降りるほど慌てて氷牙に駆け寄る。抱き起こし、何度も何度も呼びかけるが、反応は返って来ない。それどころか、氷牙から感じるいつもの温かさは感じられず、呼吸もしていない。
この状況で今の萌香に冷静な判断が出来るわけも無く、ただ呼びかけ続け揺さぶることしかできなかった。
そんな中、彼女と氷牙に影が差す。
「何をしているんだ?」
萌香「ッ!?」
警戒して思わず振り返る萌香。影の差す方向を見ると、黒い短髪のただならぬ存在を思わせる獣のような女性が立っていた。
「警戒しなくていい。私はこの学園の保健医だ。見たところ重症患者がいるようだが、とりあえず運ぶぞ」
萌香「なっ、何処に運ぶのですか!?」
「保健室に決まってるだろ。君は阿呆か?それとも、このボロ雑巾を殺したいのか?」
萌香「ぼ、ボロ雑巾って何を言ってるんですかあなたは!」
「見たまんまだろう、それともこのまま言い争ってこのボロ雑巾を殺したいのか?」
萌香「そんな事はありえません!」
「なら、つべこべ言わずついて来い」
女性は氷牙を乱暴に担ぎ上げるとさっさとその足を進めて行く。萌香は突然の第三者の介入に対応を遅れてしまったが、今になって冷静に考えると彼女は保険医と名乗ったのだ。
今の状況を自分がどうにか出来るわけが無く、萌香は渋々、自称保険医について行くのだった。
この時氷牙はとても危ない状態だった。
保健室に運ばれた氷牙すると保険医が
「取り敢えずこいつはボロ雑巾、もとい飛山氷牙で、間違いないな?」
萌香「何故それを!?」
「貴様は阿呆か馬鹿か?保険医なのだから知ってるに決まってるだろうこの天然ボケ娘」
萌香「照れますね~」
「褒めてねーよ、このアホ娘」
萌香「それでこれからどうするんですか?」
「決まってるだろ、病院に連れていくしかないだろ、それくらい常識で考えろボケ」
萌香「なんかかなり酷い事言われてるような」
「当たり前だ、今から電話するから黙ってろ」
そういって自称保険医はある病院に電話をかけた
「あーもしもし、そちら国立羽山病院であってるでしょうか?」
病院に電話かけた自称保険医がそう聞いていたそしたら
「はい、あってますけどどうかしたんですか?」
受付と思われる女性の声が聞こえ場所はあってると伝える
「えー、私は聖光学園の保険医黒河と申します」
自称保険医もとい黒河は先ほどの態度から一変し礼儀正しい人へと変わったすると受付が
「く、黒河先生ですか!?い、今まで何してたんですか!こっちは大変だったんですよ黒河先生がいなくなってから急病患者が増え猫の手も借りたい状態だったんですから!」
そう受付に言われ黒河は
「あー、悪かった、取り敢えずだ今から急患連れてくからさっさとベットのひとつ確保しとけ!おそらく入院になるだろうからな」
そう黒河が言うと受付が
「な、何とかひとつ空いています今空いてる先生を担当に回しますので急いで来てください」
そして電話はきれた
「さてと、次は」
黒河が電話をかける音がなった
しばらくすると向こうから声が聞こえた
「こちら消防局~、火事ですか~?救急ですか~?」
ものすごいやるきのないこえが聞こえてきたので思わず黒河怒鳴った
「貴様!やる気はあるのか!救急だ!今すぐ聖光学園に来い!重症患者がいるんだよ!」
あまりの大きさに萌香は驚き
消防局の人も
「は、はいい、今すぐ近くの救急車を向かわせます」
そして黒河は
「それでいい早めに頼むぞ」
そう言って電話をきり5分たったころ救急隊員が到着し黒河から容態を聞きすぐさま国立羽山病院に向かった
次回病院です
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氷牙がやられました
これからどうなるのでしょうか?