尚哉SIDE
目を覚ますと知らない天井だった…
これは、ぼけてる訳ではない、本当に知らない天井なのだ。
俺は頭の中で覚えていることを思い出す。
確か……朝にシャドウと戦ってそれから俺の考案で初音島に行った。
そしたら偶然に義之達と出会って、それからちょっと寝てたんだったな、それからすぐに……そうだそうだ。
はやて達がさらわれて救出したのはいいけどあの神族の持ってたジュエルシードが発動したんだ。
それでジュエルシードを回収したところで倒れたんだ。
さて、意識を失う前のことはこれぐらいにしといて、今の状況かなり可笑しいところがある。
今、俺は此処が何処なのかはわからないが布団の上で寝ていた。それはまだ分かる。
次に右を向くと隣ではやてが一緒に寝ている。これも俺してはいつも一緒に寝ているからわかる。
問題はここから、次に左を向いてみる……何故か土見稟と芙蓉楓が仲良く寝ているのだ。
なんで此処にこの2人がいるわけ!?しかも同じ布団で寝てるし、そのせいで布団からはみ出そうになってるよ。
その思っていると襖が開き金髪の少女が入ってきた。
???「グッドモーニーング、朝だよ~、あっ!尚哉くん気がついたんだ」
やたらとテンションが高い金髪少女によってはやて達が起きる。
はやてと俺は目が合いまだ寝ぼけているのかそのまま止まり時間がたつと意識がはっきりしてきて……
はやて「尚哉くん!」
尚哉「っ~!」
いきなり抱きつかれ激痛が走る。
???「は、はやてちゃん、尚哉くん痛がってるよ!」
はやて「え?うわぁぁぁぁ!ごめん、尚哉くん大丈夫?」
はやては俺が痛がっていることに気がつき抱きついている手を離す。
尚哉「大丈夫、ちょっと痛かっただけだから」
???「尚哉くんもはやてちゃんもそれぐらいにして、朝ご飯できたからすぐに来てね」
金髪少女は部屋からででいき俺は起きあがろうとしたのだが…
尚哉「足が…動かない」
足がぴくりとも動きませんまさか…カートリッジを使いすぎたのが原因か。
稟「ほら肩を貸してやる」
尚哉「悪いな、土見」
稟「昨日は助けられたんだお互い様だ。後、これからは名前で呼んでくれ、楓もな」
尚哉「わかった」
俺は稟の肩を貸りて部屋から出た。
それから音姫さんが作った朝ご飯をおいしくいただいて、今はテーブルの周りに由夢と小恋を除く昨日のメンバーが緊迫した空気で落ち着きようがなかった。
尚哉「はやて、少し落ち着こうか」
はやて「いやいや、そないなこと言われても、昨日は音姫さんもさくらさんも『明日に全部話す』って言ってたから」
尚哉「なるほど…」
納得した俺は金髪少女……さくらさんを見る。
どうやら今から話そうとしている。
さくら「みんな…昨日はごめんね、あんな危険なことに巻き込まれて」
はやて「大丈夫ですから、そんなにお気になさらずに」
尚哉「俺の場合、自滅に近いから、それに危険なことは結構あったし問題無い」
稟「それに俺達の場合、あんなことがあったから今は和解できたんだし」
楓「もし、誘拐されなかったらあのまま稟くんを恨んでいましたから」
さくら「みんなありがとう…この中には知ってる子もいるけどこれから話すことは本当のことだから、他の人には他言無用で」
さくらさんの言うことにみんな頷く。
さくら「あと質問するときは手を挙げてね。それじゃあ話すね。音姫ちゃんや尚哉くんが使っていた。魔法について」
説明する前にはやてが手を挙げる。
さくら「はい、はやてちゃん」
はやて「魔法って神族や魔族が使ってるあの魔法ですか、ってことは尚哉くんと音姫さんは魔族か神族なんですか!?」
さくら「確かに魔法は魔法だけど神族達が使っている魔法と音姫ちゃんや尚哉くんが使う魔法は根本的に違うんだよ」
尚哉「神族達が使っているのは炎とか雷を出したりできるけど、俺達の場合はデバイス…昨日俺が持ってた銃のことな、それに組み込まれてるプログラムとかを使って戦う。魔法と言うより超科学っていった方が適切だな」
俺の説明でみんな納得してくれたようだ。
楓「尚哉くん、そのデバイスはどこで作られているんですか?そんな高性能なものが世間で知られていませんし」
尚哉「それはこの地球でデバイスなんてもんは存在しない」
稟「存在しないって、じゃあ尚哉達が持ってるそれはどこで作られたんだよ」
はやて「尚哉くん?地球には存在しいひんって言ったけど、それやとうちらが住んでる地球以外にも神界や魔界みたいに別の世界があるみたいに聞こえんねんけど」
尚哉「その通りだよ。地球や魔界、神界以外にも、別世界が100を超えるほどに存在する。その中には科学が発展しているところもあったり魔法文化が存在しているところもある」
さくら「にゃははは、僕が言おうとしていること尚哉くんに全部言われちゃった……まあ、そんなわけで音姫ちゃんは由姫(ゆき)ちゃん……音姫ちゃんのお母さんからデバイスを貰っているんだ。それに僕も魔導士だからちゃんとデバイスを持ってる。後は尚哉くんなんだけど……」
尚哉「わかってます……みんな、今から話すことはさっきの話がかわいく思えるぐらい衝撃的な話だから……覚悟しろよ」
そう言うとみんな此方を向き頷く。
尚哉「それじゃあ話す前に……はやてには謝っておこないといけない」
はやて「なんや?謝っておかないかんことって」
尚哉「実は……俺、記憶喪失なんてしていないんだ」
はやて「へ?」
その瞬間はやてが固まる。
尚哉「ちゃんと覚えてるんだよ。家族のこととか、どこに住んでいたとか、どこの学校に通っていたとかも全部」
さくら「なら、尚哉くんはなんで家族のところに帰らないの?」
尚哉「帰らないんじゃないんです。帰れないんです」
音姫「帰れないっていったいどうして?」
音姫さんがなぜ帰れないか質問してくる。
尚哉「俺が出身世界……地球なんですが此処とは全く違う地球……平行世界からやってきたんです」
俺が言ったことにその場の全員驚く。
さくら「なら尚哉くんは……元の世界に帰るために頑張らないの?家族みんな心配してるはずだよ」
尚哉「……両親はもう亡くなってて、妹が1人いるんだが……心配じゃなく悲しんでる」
はやて「なんで悲しんでるって断言できるんや」
尚哉「そりゃあわかるさ……俺はあっちの地球で交通事故で死んだから」
そう言いきった瞬間時間が止まったように静かになる。
稟「交通事故で死んだって……それじゃあ、今俺達の目の前にいるお前はなんなんだ」
尚哉「少し待てすぐに説明する」
稟「ああ…」
尚哉「交通事故で死んだ俺は気がつくと真っ白な空間にいたんだ。そしたらいきなり声が聞こえてきて、そちらを振り向くと……」
楓「振り向いたら……」
みんな固唾を飲んで此方をみる。
尚哉「謎のおっさんがいた」
尚哉を除く全員「へ?」
尚哉「いや、本当におっさんがそこにいてな自ら神とか名乗って何故俺がこんなところにいるんだって聞いたら…」
話を一度区切り、また話す
尚哉「俺が死んだ原因が交通事故って言ったが実際は神のやつが誤って殺したんだよ。もちろん、神をボッコボコにしたけど」
ボッコボコにしたと言ったらみんな苦笑いする。
尚哉「それですぐに蘇った神が俺にこの世界に転生して世界を救ってくれって言われて、こっちの世界に強制的に飛ばされたんだよ。そのときにディエンドもらったんだ」
義之「尚哉、転生ってなんだ?」
尚哉「転生って言うのはなこの世界にくる前の記憶……要するに元いた世界で過ごした記憶を引き継いでいるってこと、ゲームで言うと強くてニューゲームみたいなものだ」
義之もどうやら納得してくれたようだ。
さくら「尚哉くんがデバイスを持っている理由はわかったんだけど、世界を救ってくれってことは何か目的があるの?」
尚哉「はい、俺はこっちに来てから2年間…シャドウという怪物と戦ってきました。今から2年前の初めて、シャドウと戦った時の映像を流します。……その映像……かなりグロテスクだから本当は見せたくないけど特にはやてには……どうする?見るか?」
みんな覚悟は決まっていたのか頷く。
尚哉「わかった。ディエンド映像をモニターに出してくれ」
ディエンド[わかりました……映像出します]
その瞬間ディエンドから映像が流されその映像は2年前の事故現場だったためみんな驚いた。
尚哉「この映像は2年前…こっちの世界に来たばかりの時、あの事故現場だよ」
そして映像は切り替わり黒い怪物が現れたシーン。
さくら「尚哉くん、これは…」
尚哉「こいつらがシャドウ…種類で言うとシャドウスパイダーって名前だ」
そして映像は進んでいき俺とシャドウスパイダー融合体が戦っているシーン。
尚哉「このシャドウはさっきのシャドウスパイダーが数体が融合している。ディエンドからはシャドウスパイダー融合体って聞いている」
はやて「…何でやろう、私このシャドウ…見覚えがあるんやけど」
尚哉「その疑問もすぐにわかるよ」
そしてシャドウスパイダー融合体が少女を…はやてを襲おうとする映像が流れる。
この映像にはやても含めてみんな驚きこちらをみる。
はやて「尚哉くん、この映像に出てきたあの子って…私やんな」
尚哉「ああ、はやて、前に事件最中のこと覚えてるって聞いたじゃないか、実はシャドウに襲われた時の記憶を覚えてるかどうか、確認したかったんだ」
そして、映像が切り替わりシャドウスパイダー融合体を倒したシーン。
尚哉「その後シャドウスパイダーを倒して俺の初戦闘は終わったんだ。これで理解できたか」
俺がそう言うとみんな頷いた。
尚哉「これでわかっただろ俺が戦い続けている目的は」
はやて「尚哉くんは1人で戦っとったんか」
尚哉「ああ、これは俺だけの問題だしほかの奴を巻き込むわけにはいかない」
そう言うとはやては車椅子を使いこちらに近づき…
スパーン!!
尚哉「っ!」
はりせんで頭を叩かれました正直痛い。
はやて「尚哉くんのどアホ!何でそないなこと隠しとるんや!それに何で1人でそのことを背負い込もうとするんや!」
若干涙目ではやては俺を怒鳴りつけ抱きつく。
はやて「尚哉くんに何かあったら、私…」
尚哉「ごめん…」
はやて「なら約束して、もう1人で何もかも背負わんといて今度からは私も尚哉くんと一緒に背負うから」
尚哉「いや、それは…ちょっと…」
さくら「尚哉くん、レディにそこまで言われたんだから当然答えは決まってるよね」
さくらさんのその言葉を言われ完璧に退路を断たれた。
尚哉「わかったよ約束する。もう1人では抱え込まない」
はやて「ほんまやな、なら、指切り」
そう言うとはやては右手の小指を立てる。
俺もはやてと同じように右手を差し出し小指と小指で握る。
尚哉 はやて「指切りげんまん、嘘ついたら、針千本飲ーます。指切った。」
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暴走した神族を音姫と共闘し倒した尚哉は力尽き桜の木の下で出会ったさくらという少女に連れられて転移魔法で転移したのであった。