No.618112 『ソレ』は、「不幸」と「落とし穴」から始まる物語。劉邦柾棟さん 2013-09-10 16:25:09 投稿 / 全4ページ 総閲覧数:2592 閲覧ユーザー数:2495 |
『ソレ』は、「不幸」と「落とし穴」から始まる物語。
第二話:「自己紹介」でも、叶わず。 そして、明かされた事実。
一刀side
一刀「其処に居る三人。 隠れて無いで出て来なよ? 助けてくれなかった事は怒らないからさ?」
一刀は、倒した三人組みから奪った戦利品をしまい終え、岩陰に居るであろう人物達に声を掛ける。
すると、一刀の前に三人の女性が岩陰からゆっくりと姿を現した。
一刀「……(やっぱり、居たんだな。 星、風、稟)」
俺は、心の中で彼女達の『真名』を言う。
「やれやれ、まさか気づいておられたとは」
帽子をかぶり、大きな槍を持った青いショートヘアの女性……「趙雲」こと『星』
「星、貴方……何を呑気な事を!」
そして、茶髪を後ろでまとめた眼鏡の女性……「郭嘉」こと『稟』
「ふふふ……そう言う、稟ちゃんも見てるだけじゃ無かったですかー?」
「嬢ちゃんも、人の事言えねえじゃねえかよ~」
「風! 貴方まで何を!?」
その二人に続くように、ウェーブがかった豊かな金髪で頭に人形を乗せた少女……「程立」……いや「程昱」こと『風』達が姿を現した。
三人共、俺がこれまで所属して来た陣営で仲間になった頼もしく心強い女の子達だ。
――――しかし、それは「別の外史」での話。
――――この外史では、完全な初対面だ。
しかも、俺は過去に「魏の外史」で三人に出会った時……『真名』という風習を知らず(忘れてしまっていた為)に「『風』の『真名』を呼んでしまう」という、失敗をして『星』と『稟』を怒らせてしまっている。
何度思い出しても……一歩間違っていれば、『星』に殺されていただろうな。
一刀「……(だからこそ、今回は前回の二の舞にならない様に気を付けないとな)」
「同じ過ちを繰り返さない様にしよう」っと、心に決めると同時に俺は思考を切り替える。
三人共、明るい口調で話ながらこっちに近づいて来てるけど、その足取りは重く……何処か警戒している様に見える。
おそらく……先程の遣り取りを見て、俺の事を「『盗賊』か何かと疑っているのか?」っと、俺は推測した。
「魏の外史」で、最初に星達と出会った時とは違って……今回は俺がこの三人を倒してしまったから疑われてるのかな?
一刀「そう警戒しないでくれ。俺は「ただの旅人」だ。 さっきのは盗賊から身を守ったに過ぎ無いよ」
俺がそう言うと、『星』が言いにくそうな口調で、言葉を口にした。
「あー、それはわかっております……。実は加勢しようかと思ったのですが──」
『星』が言うには、賊らしき者達に襲われた俺に助太刀しようとしたそうだ。
――――此処までは良い。
そう、『此処』までは・・・・・・・
だが、本人曰く……高所から名乗りを上げて格好良く登場するべく、岩をよじ登っている所で、俺がさっさと片付けてしった為に「出るに出られなくなった」っと、いうことだった。
――――うん、色んな意味で台無しだよ……星。
・・・・・『華蝶仮面』関連で、判っていただけにね。
「お兄さん……どうも、すみませんでした。 星ちゃんは、「演出過剰」なだけで、「悪い人」等では無いので許してやって下さいね~」
『風』が何時もの「のんびり口調」で、『星』に全ての責任を押し付けて、俺にそう告げる。
「なっ! ふ……風! お主も賛成したではないか!?」
自分だけ悪者にされて、声を荒げて『風』に抗議する『星』
「だから、余計な事をするなと言ったではないですか」
目を瞑りながら眼鏡を直して、『星』と『風』の行動に呆れた表情で苦言を言う『稟』
・・・・・・なるほど。
三人の会話から、お調子者の『星』が毎度の様に格好をつけようとして、それを『風』が面白そうだと悪ノリして意気投合し、真面目な『稟』は二人を止めようとしたけど止めれ無かった。
……という所だろう。
アレ? ちょっと、待てよ? もしかして、「魏の外史」の時もこう言う遣り取りをしていて……俺を助けたのか?
今更、解った事実に……「人が襲われているのに暢気な事を!」っと思ったが、今回は前回の時と違って俺自身が対処したたから良いけどさ。
それに、よくよく考えて見れば「蜀の外史」で『星』と初めて会った時も柱の影に隠れて俺達と「白蓮」の話を聞いていたんだよな。
ということは、あの時も……『どうやって登場するか』考えていたって事じゃないか!?
そんな事を考えながら、俺は三人に声を掛ける。
一刀「いや、その気持ちだけで嬉しいよ。 でも、君らの様な女の子達だけで旅をするだなんて……ちょっと無謀じゃないかな? 一応、誤解の無いように言っておくけど侮辱や嫌味で言っている訳じゃ無いよ? 「『常識的』に考えて」って意味だからね?」
『常識的』という部分を敢えて強調して言う。
「ふむ。 確かにその通りですな。 しかし、後ろの二人ならばともかく……この私が「賊」如きに遅れを取る程、凡愚な『なまくら』ではありませんぞ?」
そう言って、『星』は愛用の槍である「竜牙」を振り回し、一刀の眼前で「ピタリ」と刃先を止める。
その槍捌きは……何度見ても鋭く、安定していた。
・・・・・・っていうか、止めて! いきなり、槍を突きつけるの!? Σ(゜д゜lll)
俺、誤解が無い様にちゃんと「常識的に考えて」って、言ったじゃん!
「星! お前! もう少し、考えて行動しろよ!?」っと大声で言いたくなった一刀だったが、「「星」の『コレ』は何時もの事だから仕方が無い」っと、思い無視する事にした。
今までの経験上……この世界には、勇ましく強い女性が多い──というよりも、殆どがそうだった。
たくましく無くては生きていけない世界なのを……俺は、十分過ぎる程に理解している。
そういった女性は、総じて腕を侮られることを嫌うのも、良く分かっている。
だから、刺激しない様に言ったのに~。(ノД`)
「しかし、「常識的に考えて」っと仰られましたが……貴殿も人の事は言えぬでしょう? 何処かの「貴族」のご子息であろう御方が「護衛の者」どころか、ちゃんとした旅の装備を持たずに「ただの旅人」とは……まあ、それは良いでしょう。 それに先程の無手術の腕からすれば、それは当然の自信でもありますかな?」
アレ? 何か微妙に勘違いされてる?
もしかしなくとも・・・・・・・
一刀「何か、勘違いをしている見たいだけど俺は「貴族」のご子息何かじゃ無いよ。 俺はこの大陸から見て東の海の先にある「倭国」という名前の島国の出身だ。 それにさっきのは、たまたま運が良かっただけだよ。 俺は、あくまでも自分の身を守れるくらいの『護身術』が精一杯だよ」
何か嫌な悪寒がしたので……一刀は、自分は「貴族」等では無く、「東の海の先にある「倭国」という名前の島国の出身」である事と、先程の『アレ』は「たまたま運が良かっただけ」で「護身術」程度だと『星』に説明した。
「おや? そうなのですか? それは失礼いたした」
「お~、お兄さんは異国の方だったんですか~?」
「『倭国』ですか……初めて聞きますが、東の海の先にその様な名前の国があるのですね」
一刀の説明を聞いて、『星』は自分の勘違いだった事に気が付き一刀に謝罪する。
『風』や『稟』も、一刀の説明を聞いて反応する。
一刀「いや、そんなに気にしなくても良いよ。 俺が、「貴族」関係者に間違われても仕方の無い格好をしてたんだから……所で、君達に色々教えてもらいたい事があるんだけど……その前に自己紹介しないかい? お互い、まだ名乗って無いだろ?」
気まずい雰囲気を何とかする為に、話題を変える一刀。
「おお! そう言えばそうでしたな」
「うっかり、してましたねえ~」
「そうですね。 我々も貴方に聞きたい事がありますし」
三人の返答を聞き、一刀は人懐っこそうな「にっこり」とした笑みを浮かべた。
一刀「じゃあ、まずは俺から名乗ろう……っと、言いたい所だけど……どうやらそれは無理みたいだね」
「「「え?」」」
一刀は、自分の名前を名乗ろうとするも途中で何かに気が付いて止めてしまう。
一刀が、名乗りを止めた事に疑問を感じる三人。
そんな三人を見て一刀は指を動かして、ある方向を見る様に示す。
星・稟・風の三人が、その方向を見ると……こちらに向かって来る一軍が見えた。
「『アレ』は……「陳留」の『刺史』殿の軍か?」
最初に答えたのは『星』だった。
「これは……少々まずいわね」
「そうですね~。 お兄さんが「貴族」の方ではないと風達は知っていますが……事情を知らない人達からすれば風達がお兄さんに対して、よからぬ事をしていると誤解されてしまいますねぇ~」
『稟』と『風』も、それぞれの言葉を口に出す。
一刀「残念だけど、早く「此処」を離れた方が良さそうだね」
一刀が、そう言いつつ三人を見る。
「そのようですな」
「残念ですが、急いで「此処」を離れましょう」
「そうですね~」
俺の言葉を聞いて、三人が頷く。
一刀「それじゃ……もし、また会う機会があったら、その時に自己紹介をしよう」
「それが、いつかは解りませぬが……楽しみにして置きましょう」
「縁があればまた会いまsy…「ぐう~」…って! 風! 貴方も急ぎなさい!?」
「Σおおー! それじゃあ、お兄さん。 バイバイなのですよ~」
そんな遣り取りをしつつ、俺は一先ず星達と別れて……この場を離れたのであった。
一刀「ふう~。 此処まで来れば、もう大丈夫かな?」
あの後、急いであの場を離れた一刀は「陳留」から少し離れた所にある森の中に居た。
今の一刀には「魏の外史」での経験や記憶があるので、「陳留」周辺の地理は熟知していた。
一刀「出来れば、あのまま華琳達の所に行くって選択肢もあったけど……いつ元の「外史」に戻るか解らない以上……迂闊な行動は出来ないな。 何処かの勢力に所属しても、天下を統一して乱世を治める前に元の世界に戻ることになったら洒落にもならないし」
現在の自分の状況が良く解らない以上、迂闊に彼女達と行動を共にする訳にはいかないので、敢えて関わらない事にした一刀だった。
一刀「でも、どうするかな~。 このまま事態を静観している訳にはいかないし……かと言って、迂闊な行動も出来ない訳だし」
記憶がある以上……「このまま何もせずにはいられない」と思う反面、「いつ戻るか解らない」という事実に思い悩んでしまう一刀だった。
その時・・・・・・・
♪~~~~♬~~~~~~♫~~~~~♪~~~~
一刀の上着のポッケから「携帯」の「着信メロディ」が聞こえて来た。
一刀「……あ! そうだ、忘れてた! 万が一の時に連絡が出来る様に『柾棟』から『俺専用』の「最新携帯電話」を渡されてたんだっけ!」
一刀は、ポッケから聞こえた「携帯」の「着信メロディ」を聞いて、以前……友人から「何かあった時の為に」と「自分専用」の「最新の携帯電話」を手渡されたのを思い出したのだった。
一刀「良かった~。これで、何とかなるぞ」
そして、急いで携帯を取り出して通話ボタンを押した。
一刀「もしもし、「柾棟」か?」
柾棟≪一刀……どうやら無事の様だな。 元気そうで安心したぞ≫
通話相手は、一刀と同じ「聖フランチェスカ学園」の「級友兼友人」で「外史の管理者」で『通りすがりのガンダム仮面ライダー』である「劉邦柾棟」だった。
一刀「ああ、何とか無事だよ。 それで、実はさ……今ちょっと、困った事になってるんだけど助けてくれないか?」
柾棟≪ああ、事情は大体判ってるよ。 お前が今「萌将伝の外史」じゃなくて「別の外史」に居るって事をな≫
一刀「本当か! なら、今すぐ迎えに来てくれないか? 今すぐにでも皆の所に戻らないといけないんだ! 急に俺が居なくなって皆心配してると思うからさ」
柾棟≪・・・・・・・・・≫
一刀「? 何だよ? 急に黙って? 何か……あったのか?」
柾棟≪……一刀。 今すぐにでもお前を「元の外史」に戻してやりたいんだが……現時点では出来ないんだよ≫
一刀「……はっ? 出来ないって? 何で?」
柾棟≪事情は今から説明する。 だから、落ち着いて聞いてくれよ?≫
そう言って、「柾棟」は事情を説明してくれた。
でも、その内容は……俺にとって『トンデモナイ内容』だった。
一刀side 終了
続く。
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どうも、劉邦柾棟です。
昨日、投稿しようとしたんですが……どういう訳かネット回線の調子が悪くて投稿画面に行けませんでした。
今日、漸く繋がったので投稿出来ます。
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