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真・恋姫†無双 外史 ~天の御遣い伝説(side呂布軍)~ 第二十回 第二章:益州騒乱②・呂布軍の決意

stsさん

どうもみなさん、お久しぶりです!または初めまして!

今回は呂布軍の決意、はたして恋たちが決意したこととはいったい、、、


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2013-09-08 00:00:10 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:6605   閲覧ユーザー数:5578

 

 

魏延「クソッ!」

 

 

 

魏延は誰もいない城の片隅で城壁を思いっきり殴った。

 

 

 

魏延「クソッ、クソックソックソックソォォオオオッッッ!!!」

 

 

 

本来怒りをぶつけるべき相手に怒りをぶつけることができず、魏延はひたすら城壁を殴り続けた。

 

拳は徐々に血で滲んでいく。

 

 

 

魏延「ワタシは、このままでいいのか・・・」

 

 

 

魏延は荒い呼吸を整えるために一度大きく深呼吸して目を閉じた。

 

 

 

 

 

<―――お主はまだまだこれからだ。早く良い答えを見つけるのだぞ>

 

 

 

 

 

魏延「桔梗様・・・ワタシはまだ、答えを見つけられないようです・・・」

 

 

 

魏延は劉璋に対して怒りを覚えるごとに頭をよぎる、かつて厳顔に聞かされた言葉を反芻させ、悔しそうにつぶやいた。

 

 

 

 

 

 

【益州、成都、成都城】

 

 

 

玉座の間から退出した呂布たちは、厳顔に客室へと案内されていた。

 

 

 

厳顔「はぁ、すまん。今見てのとおり、お館様はやりたい放題でな。わしらも手を焼いておる」

 

 

 

厳顔はさきほどの劉璋の適当な振る舞いをため息交じりに詫び、頭を下げた。

 

 

 

陳宮「いえ、ですが、予想以上に、その・・・」

 

 

 

陳宮はどう表現したらよいものかと言葉を探していた。

 

そんな中、張遼ははっきりと宣言した。

 

 

 

張遼「ねね、ウチあんなんに仕える気起こらへんで!」

 

陳宮「霞!そんなあからさまに・・・」

 

 

厳顔「構わん。お館様は暗愚。そのことに間違いはない。わしら家臣がもっとしっかりしておればこのようなことには・・・若くして

 

母君である先代・劉焉様を亡くされて、急遽玉座にお就きになって以来、我儘になられてしまわれた」

 

 

 

しかし、そんな張遼のあからさまな嫌悪にも、厳顔は一切動じない。

 

主を侮辱されても、それでも劉璋の振る舞いは目に余るものであった。

 

 

 

厳顔「(いや、正確にはわしらが嫌がるお館様を無理やり玉座に就かせて以来、か・・・)」

 

 

 

厳顔は最後に意味深な言葉を呟いたが、幸い、誰の耳にも入らなかったようであった。

 

そんな中、北郷が不穏な空気を切り裂くかのように全員に向かって切り出した。

 

 

 

北郷「とにかく、言われた通り漢中の内乱を治めよう。そうじゃないと仕官を認められない」

 

張遼「せやかて一刀!今も言うたけど―――!」

 

 

北郷「黄忠さんも言ってたじゃないか。劉璋さんを正しい方向に導いてやってほしいって。あの年頃で急にお母さんを亡くしたんだし、

 

やんちゃしたくなるよ」

 

 

 

張遼の反論を途中で遮り、北郷は真剣な眼差しで語った。

 

 

 

高順「そうですね。主を良い方向に導いてこその家臣ですからね。そうですよね、ねね」

 

陳宮「まぁ、てこずりそうですが、軍師としてはやりがいのあることですな!」

 

 

 

そんな北郷の言葉に高順も同調し、高順の同意の求めに陳宮も応えた。

 

張遼も北郷の言葉を聞き、しぶしぶ納得したようである。

 

 

 

張遼「まぁ、しゃーないか。そんで、どないするん?厳顔はんの所も内政きついって言ってはったみたいやけど」

 

厳顔「ああ、今、東州兵という他地方から流れ込んできた兵が狼藉を働いておってな。それを鎮めるのに苦労しておる」

 

魏延「それを鎮めに行っている趙韙という女も、相当あのくそガキにこき使われていてな。普通なら背信しても不思議でないくらいだ」

 

 

 

会話に割り込んできたのは、ちょうど部屋に入ってきた魏延であった。

 

 

 

北郷「背信?」

 

 

魏延「ああ。ついこの前も、趙韙は国境付近で狼藉を働く南蛮族を追い返しに行かされたんだが、怪我をしてまでちゃんと追い返した

 

にもかかわらず、何の罰かは知らんが30日も謹慎させられたり、その前も、あのくそガキが病に伏した時に、趙韙は誰よりも早く看病に

 

駆けつけたにもかかわらず、散々な罵詈雑言を浴びせて追い返されたりしたそうだ。他にも、細かいことを挙げだしたらキリがないほど、

 

ここ最近のあのくそガキの趙韙に対する扱いは、背信してもおかしくないほど、ひどいものなんだ」

 

 

張遼「うひゃー、そらキッツイなー。ウチやったら発狂してボコボコにしてるわ」

 

 

 

張遼の言葉に、よし、霞への対応はより細心の注意を払おう、と背中に嫌な汗を感じながら新たに固く決意した北郷をよそに、

 

厳顔がやや問い詰めるように魏延に尋ねた。

 

 

 

厳顔「焔那、お主お館様の側を離れてどこに行っておったのだ!?」

 

魏延「桔梗様、ワタシはもう我慢できません。あのようなくそガキにどうして―――」

 

 

 

 

 

ゴチンッ!

 

 

 

 

 

魏延は怒りを押し殺したように話していたが、話し終える前に厳顔の拳骨が魏延を襲った。

 

 

 

厳顔「コラ、お館様をくそガキとは何事だ!」

 

魏延「うぅ~、すいません・・・」

 

 

 

魏延の頭には大きなこぶができていた。

 

そのような二人のやりとりを、呂布軍はポカーンと眺めている。

 

 

 

魏延「ところで桔梗様、この者たちは?」

 

厳顔「徐州下邳より遥々お館様に仕官しに来たもの達だ。呂布、といえば聞いたことがあろう?」

 

 

 

呂布、という名前を聞き、魏延は反応を示した。

 

 

 

魏延「呂布?かつて董卓軍の元で黄巾賊3万人を一人で退けたという、天下無双の飛将軍、人中の呂布と評される、あの呂布ですか?」

 

呂布「・・・(コクッ)」

 

 

 

魏延の質問に、呂布自らが肯定の意を示した。

 

 

 

魏延「しかし、呂布がなぜこのようなところに・・・?」

 

 

 

益州は中央から離れているということもあり、情報がやや入りにくいということがある。

 

(もちろん、噂レベルの場合はそれなりに情報も入り、事実、厳顔も呂布が曹操に生かされたという情報は噂レベルではあるが得ていた)

 

そのため、呂布が下邳で曹操軍に敗れたといった事情を知らなかった魏延は、当然思い浮かぶ疑問を口にした。

 

当然、呂布側には気まずい空気が流れた。

 

 

 

呂布「・・・いろいろあった」

 

陳宮「実は――――――」

 

 

 

呂布がいろいろで説明を済ませてしまったため、代わりに陳宮が簡単に劉璋に仕官しようということになった経緯を説明した。

 

 

 

魏延「なるほど、しかし、あんな我儘なくそガキに仕えようなどとは、物好き―――ッ痛ぅぅぅ」

 

 

 

魏延は再び厳顔の鉄拳制裁を食らってうめいていた。

 

 

 

魏延「・・・まあいい。ワタシは魏延だ。よろしくな」

 

呂布「・・・よろしく」

 

 

 

新たに頭にできたコブをさすりながら、魏延は呂布と挨拶を交わした。

 

 

 

厳顔「とにかく、こちらの内政については気にしなくて良い。趙韙は非常に有能な女だ。任せておいて問題なかろう」

 

魏延「何の話ですか?」

 

 

 

途中から話に加わっていた魏延は話の内容が理解できない。

 

厳顔は事の経緯を説明した。

 

 

 

厳顔「またお館様のいつもの気まぐれでな。この者たちの仕官を認めるに当たって、力試しを持ちかけなさった。先より漢中から内乱を

 

鎮めるために援軍を送ってほしいと伝令があっただろう。今まで断っておられたのに急に援軍を送ろうと言いだされたのだ。ここにいる

 

天の御遣い、北郷一刀殿を大将に据えてな」

 

 

魏延「天の御遣い?あの噂の?」

 

北郷「どもー」

 

 

 

厳顔に紹介され、北郷は頭をかきながら、恐縮です、と言った具合にへこへこしていた。

 

魏延はそんな北郷をあからさまに得体の知れないものでも見るかのように胡散臭そうにギロリと睨みつけた。

 

 

 

魏延「ふん、キサマに大将が務まるのか?」

 

 

 

魏延の言い放った、明らかに北郷を馬鹿にした発言に、北郷を除いた呂布陣営が一気に殺気立って魏延を睨みつけた。

 

しかし、一触即発の状況は一瞬のことであった。

 

再び厳顔の拳骨が魏延の頭をとらえたのだった。

 

 

 

厳顔「コラ、失礼だぞ!」

 

魏延「ぅ~~~、痛いです桔梗様ぁ・・・」

 

 

 

魏延のコブはすでに三つに積みあがっていた。その様子がやや滑稽であり、呂布側のピリピリした空気が一気に冷めていった。

 

 

 

厳顔「とにかく、わしはこれから兵の準備に取り掛かる。呂布殿たちは、まあ、こちらの準備が整うまでここでゆっくりしていってくれ。

 

別に城下を回ってもらっていても構わん。予定では七日後に出発するので、それまでは自由に過ごされよ」

 

 

呂布「・・・(コクッ)」

 

 

 

呂布は静かにうなずき、北郷らも肯定の意を示した。

 

 

 

魏延「桔梗様、ワタシも手伝います」

 

厳顔「何を言っておる、お主はお館様の側におらんといかんだろう?」

 

魏延「あのくそガ―――お館はいつも侍女たちと戯れておりますので、その必要はないかと。いざとなれば法正もいますし」

 

 

 

魏延の話しぶりは若干暗かった。

 

当然、呂布たちにはその理由は良くわからないのだが、厳顔はじっと魏延を眺めた後、告げた。

 

 

 

厳顔「・・・わかった。ついて来い」

 

魏延「了解です!」

 

 

 

厳顔は魏延の心中を察し、ついてくることを許し、共に部屋を出て行った。

 

 

 

 

 

 

【益州、成都、城下町】

 

 

 

ゆっくりしていってくれ、と言われても、じっとしていても仕方がなかったため、呂布たちは成都城下をぶらぶらすることにした。

 

春らしい陽気はちょうど良い気温であり、城下では多くの木々が満開の花を咲かせており、とても美しい風景であったが、

 

そんな風景とは対照的に、城下を歩いていて呂布たちを驚かせたのは、所々で飢えに苦しんでいるのだろうか、

 

道の隅に座り込んでいる人が大勢いたことである。

 

しかも、本来ここは子供が遊ぶ広場なのか、そのほとんどが子供である。

 

 

 

北郷「これはひどいな・・・」

 

陳宮「想像以上にこの国は弱っているです。早く手を打たなくては・・・」

 

 

 

子供たちは呂布たちのことなど見向きもせず、ただひたすら俯き続けている。

 

無駄な動きを減らすことで、体力を温存し、少しでもエネルギーの消費を減らそうという知恵なのか。

 

その光景は呂布達の胸にグサリと突き刺さるものがあった。

 

 

 

張遼「・・・ウチ決めたわ。やっぱ劉璋に仕えよ!そんで、根性たたき直してこの国を救うんや!一つの国も救えんで乱世を終わらせる

 

ことなんかできひん!」

 

 

呂布「・・・(コクッ)」

 

高順「そうですね、霞の言うとおりです」

 

 

 

さきほどまでは劉璋に仕官することに対してあまり乗り気ではなかった張遼は、

 

この悲惨な現状を目の当たりにして、考えを改めたようである。

 

 

 

北郷「それじゃあ、まず目の前の人を助けないとな」

 

 

 

そう言うと、北郷は残っていた、この前黄巾賊から救った村でもらった食糧を、目の前で座り込んでいた女の子に渡した。

 

 

 

女の子1「・・・ぁ・・・・・・」

 

 

 

北郷から手渡された、葦の葉に包まれたもち米を手にした女の子は、

 

最初は口にしようとせず、不思議そうに北郷の方を見上げていたが、北郷が優しく微笑み、

 

食べて良いことを促すと、女の子はゆっくりとした動作で恐る恐る一口かじりついた。

 

 

 

女の子1「・・・・・・おい・・しぃ・・・」

 

 

 

二口、三口と口に運び、次第にがつがつ口に頬張り、一気に食べ終えてしまった。

 

 

 

北郷「まだまだあるからな、いっぱい食べろよ!」

 

 

 

すると、その様子に気づいた他の子どもたちが、あちこちから北郷の元に近寄ってきた。

 

北郷はその子ら全員に食糧を渡していく。

 

呂布らもまた、北郷にならって食糧を渡していく。

 

子供たちはよほどお腹が空いていたのか、すごい勢いであっという間に食べ終え、食べ終わると口々にお礼の言葉を北郷たちに告げた。

 

すると今度は、目をキラキラさせて呂布たちを物珍しそうに見つめだした。

 

どうやら見慣れない人であったため、興味深かったようだ。

 

そこで、呂布たちは、時間もあったので、子供たちと遊んであげることにした。

 

 

 

 

 

 

女の子1「まて~、帽子のおねーちゃーん♪」

 

陳宮「待てと言われて待つ奴はいないです!」

 

 

 

先ほどまで生気を感じられなかったのがウソのように、女の子は元気いっぱいに走って陳宮を追いかけている。

 

 

 

高順「ねね、そこは加減してあげてくださいよ、大人気ない」

 

女の子2「着物のおねぇちゃん捕まえたっ♪」

 

高順「はっ!油断しました。鬼は二人でしたね・・・」

 

 

 

陳宮と高順は、複数の子供たちと鬼ごっこに興じていた。

 

っていうかどこの世界でも鬼ごっこは子供にとって大人気の遊びなんだな、と北郷は心中ひそかに思っていた。

 

 

 

陳宮「子供相手に捕まるなんてななはトロいです~!」

 

高順「では今度はねねを捕まえてあげましょう!」

 

 

 

鬼となった高順は、女の子1と協力して陳宮を捕まえに大人気なく全力で駆けだした。

 

 

 

 

 

 

張遼「ええか!こう振り上げて、まっすぐ、振り下ろす!」

 

 

 

張遼は子供たちに剣術指導をしていた。

 

子供たちは、木で作ったであろう自前の剣や槍を持って張遼に指導を仰いでいる。

 

 

 

男の子1「こう?」

 

張遼「せやせや、アンタ見込みある男やで!」

 

男の子2「さらしのお姉ちゃん、ボクも見て!」

 

男の子3「ボクもボクもっ!」

 

張遼「待ちって、今見るさかい!」

 

 

 

こちらは男の子に人気のようで、自分も早く教えてくれとたくさんの男の子たちが張遼に迫っていた。

 

 

 

 

 

 

女の子3「わぁい、高ぁい!」

 

男の子4「無口な姉ちゃん、早くおれもやって!」

 

呂布「・・・(コクッ)」

 

男の子4「うぉー、すげぇーっ!」

 

 

 

一方呂布はというと、子供たちに高い高ーい的なことをしていたが、その高さが尋常ではなかった。

 

しかし、子供を抱えては、真上に思いっきり投げ飛ばし、再び抱きとめるという、新感覚のアトラクションが子供たちにウケたのか、

 

呂布の前には男女問わず、たくさんの子供たちが順番待ちの列を作っていた。

 

 

 

 

 

 

北郷「いいかい、ツンデレっていうのは、好きな人の前で、いつもは素直になれなくて怒ってばかりいるけど、たまに甘えてきたりする

 

人のことをいうんだ。けど、このツンとデレの割合っていうのが意見の分かれるところなんだけど、オレ個人としては、初期は9:1、

 

徐々に8:2になり、最終的には7:3になるっていうのが黄金比だと思うんだよね」

 

 

 

北郷一刀、もとい一刀先生は、天の国の無駄知識(というよりほぼ主観論ではあるが)を子供たちに垂れ流していた。

 

子供たちの親がこの光景を見たら、ウチの子に何教えてんのよ!と殴られてもおかしくないレベルである。

 

 

 

男の子5「じゃあ、バクちゃんはつんでれだよね」

 

男の子6「そうだなー」

 

女の子4「ねぇねぇ、おにいちゃん、そのつんでれって男の子でもあるの?」

 

北郷「ああ、もちろんだよ」

 

女の子4「じゃあ、コウくんもつんでれだよねー」

 

女の子5「ねー」

 

 

 

しかし、知り合いに思い当たる節があるのか、意外と子供たちの反応は良く、

 

北郷は改めてツンデレは万国共通なんだなぁ、などと、しみじみと感傷に浸っていた。

 

 

 

魏延「何を訳の分からないことを話しているんだキサマは」

 

 

 

そんな北郷のもとに近づいてきたのは魏延であった。

 

 

 

北郷「あ、えーと、魏延さん。何って天の知識ですけど」

 

魏延「敬語など使うな、堅苦しい」

 

 

 

魏延はよそよそしい感じの北郷を一蹴すると、北郷の話す天の知識に興味を示した。

 

 

 

魏延「天の知識だと?少し興味があるな。それは戦に役立つ知識なのか?」

 

北郷「いや、戦には役立たないと思うけど・・・」

 

魏延「なんだ、くだらん」

 

 

 

すると魏延は、活き活きとした子供たちを眺めながら尋ねた。

 

 

 

魏延「子供たちの面倒を見ていたのか?」

 

北郷「ああ、ほっとけなくてね」

 

魏延「だが、このような者たちは、この国には腐るほどいるぞ。助けていてはキリがない」

 

 

 

疲弊しているこの国の実情を知っているからか、魏延の瞳にはどこかあきらめの色が見え隠れしていた。

 

 

 

北郷「だけど、少なくとも目の前の困っている人たちぐらいは助けたい」

 

 

 

そう言いながら、北郷は女の子の頭をくしゃくしゃと撫でた。その瞳には、確かに何かを決意した意志が宿っていた。

 

 

 

魏延「フン、ご立派な考えだな。さすがは天の御遣いといったところか」

 

 

 

魏延も北郷と同様に、目の前にいた男の子の頭をわしゃわしゃと撫でた。

 

 

 

魏延「だが、その考えは嫌いではない。ワタシもできることなら、みなを救ってやりたいのだが。君主があのくそガキでは・・・」

 

北郷「魏延、オレたちは劉璋さんを変えてみせるよ。必ずね」

 

 

 

まっすぐに魏延を見据えた北郷の瞳には、言葉では言い表せない何かが静かに燃えていた。

 

 

 

魏延「・・・そうか。どうやらワタシはお前たちの見方を改めなければならないようだな。どうやらお前たちは、志のしっかりとした、

 

民のことをちゃんと考えられる人間らしい。どうも呂布と聞くと、かの暴君、董卓の配下という印象が強くてな。すまなかった」

 

 

 

やはり、一般的に董卓のイメージは最悪らしく、情報が入りにくい益州でも董卓のイメージは最悪の様であった。

 

北郷は誤解を解くために、魏延に自身が知っている範囲での董卓の真実を話した。

 

 

 

魏延「そうか、諸侯にはめられたのか。すまなかった、そうとは知らず・・・」

 

北郷「いいよ、董卓のイメージは恐らくなかなか消せないだろうからね」

 

 

 

そういう北郷自身も、この世界の董卓に会ったことがない分、元の世界での、髭面で、デブオヤジで、女好きで、酒池肉林で、暴君、

 

というイメージをどうしても払拭できないでいるわけだが・・・。

 

 

 

北郷「ところで、こんなところで何してるの?厳顔さんについていったんじゃあ・・・」

 

魏延「ああ、思った以上に早く兵の準備が整いそうだから、出発の日を予定より2日早め、5日後にするというのを伝えに来たんだ」

 

北郷「そうか、いよいよか・・・」

 

 

 

北郷は、徐々に近づいてくる戦いの時に対するプレッシャーから、嫌な汗がにじんでくるのを感じていた。

 

 

 

魏延「まぁ、期待しているぞ、天の御遣い」

 

北郷「ははは・・・」

 

 

 

期待されてもオレ普通の高校生だしなぁ、と心底思いながら、北郷は力ない笑いを洩らした。

 

天の御遣い、北郷一刀の初陣は、もうすぐそこまで迫っていた。

 

 

 

【第二十回 第二章:益州騒乱②・呂布軍の決意 終】

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

第二十回終了しましたがいかがだったでしょうか?

 

桔梗さんと焔耶のやり取りって結構好きなんですよね。

 

拳骨な桔梗さんは男らしいし、それにグーの音も出ない焔耶は可愛らしい。いいですね。

 

 

ちなみに一刀君のツンデレ論は賛否両論分かれるところですね。

 

結局はstsの持論なのですが、(一つに絞るなら8:2がいい塩梅でしょうか)

 

これ書いてると、ツンデレって何だったっけ?とよくわからなくなってしまい、

 

最終的にはネットを徘徊してツンデレについて小一時間調べるという事態に、、、

 

こんなしょーもないことに時間かけてるから話のストックが十分貯まらないんですよね 汗

 

 

そんなわけで第二章もまだまだマイペースに続きますが、どうかお付き合い願います。

 

 

それではまた次回お会いしましょう!

 

 

 

恋の人工簡易逆バンジー?は個人的には絶対勘弁ですね 汗

 


 
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