No.616609

『ソレ』は、「不幸」と「落とし穴」から始まる物語。

劉邦柾棟さん

今晩は、劉邦柾棟です。

今回の話は「『ソレ』は、絶望から始まる物語。」の別バージョンです。

もしも……『詠の不幸の一日』が、別の可能性を齎したら?

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2013-09-06 21:36:17 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2776   閲覧ユーザー数:2664

作られた外史――――――

 

 

 

それは、作られた物語り・・・・。

 

 

 

終焉を迎えた物語りも――――――

 

 

 

望まれれば、新たな始まりとなる。

 

 

 

「新たな外史」が、どの様な物語を紡いで行くかは――――――

 

 

 

ひとえに、貴方の心次第――――――

 

 

 

さあ、外史の突端を開きましょう。

 

 

 

 

『ソレ』は「不幸」と「落とし穴」から始まる物語。

 

 

一刀side

 

 

一刀「うわぁぁーー!? 薪が降って来た!?」

 

 

俺は、降って来た薪に足を取られてしまい倒れ込んでしまう。

 

 

桂花「あ……その辺、私が穴を掘ってあるわよ?」

 

 

たまたま通りがかった桂花が、淡々とそう告げる。

 

 

一刀「な、なにいぃぃーーーーー!? Σ(゚д゚lll)」

 

 

その言葉を聞いた俺は驚愕の声を上げる。

 

 

地面に倒れ込んだ瞬間、桂花が仕掛けた落とし穴が発動してしまい倒れたままの俺はどうする事も出来ずに、そのまま穴の中に落ちてしまった。

 

 

――――バタン!

 

 

一刀「いてて……顔を打っちまった。 もう、何なんだよ! オイ! 桂花!? 『城内に罠設置は禁止』って、華琳が言ってただろ!」

 

 

穴に落ちた俺は、この落とし穴を作った桂花に文句を言う。

 

 

しかし・・・・・・・

 

 

――――シーン

 

 

返事は返って来なかった。

 

 

一刀「オイオイ! 幾ら何でも、無視しなくても良いだろう!」

 

 

俺は桂花に文句を言う。

 

 

――――――シーン

 

 

それでも、返事は返って来ない。

 

 

もしかして……桂花のヤツ、逃げたな?

 

 

一刀「全く、桂花には後で華琳から直々にお仕置きをして貰う様に言って置かないとな」

 

 

―――――パンパン!

 

 

俺は土埃で汚れた服やズボンを手で叩きながら、桂花への仕返しを決める。

 

 

一刀「怪我は無いし、そんなに深い穴で無いのが、救いだな。 よっと!」

 

 

俺はジャンプしながら手を伸ばして、地面を掴んで……一気に上に上がる。

 

 

けど、その時の俺は気付いて無かった。

 

 

何で、「桂花」だけでなく……「他の皆の声もしなかったのか?」って事に……

 

 

一刀「ふう~、何とか上がれたな。 さあ、桂花! 覚悟し・・・・・ろ・・・よ?」

 

 

桂花が掘った落とし穴から出て、前を見た瞬間……俺は声を失った。

 

 

何故なら・・・・・・・・

 

 

さっきまで、城内に居た筈なのに・・・・・・・

 

 

何故か、俺は……『荒野』の「ど真ん中」に居たからだった。

 

 

周囲を見渡しても、やっぱり『荒野』で……俺が出て来た筈の「落とし穴」の方を見ると跡形も無く消えてしまっていた。

 

 

一刀「・・・・・・・・」

 

 

――――ギュ~~ウ!

 

 

俺は、無言で自分の頬を抓た。

 

 

――――痛い。

 

 

つまり、これは「夢でも幻でも無い」という事だ。

 

 

それが解った所で、俺は・・・・・・・

 

 

一刀「……『詠』の「不幸」って、色んな事が起きるのは知ってたけど……「外史」すらも移動させる事が出来るだなんて思わなかったな」

 

 

ただ、そう呟く事しか出来なかった。

 

 

一刀side 終了

 

 

 


 
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