―――約束したのにっ!!
―――ずっと、ずっと一緒にいるって約束したのにっ!!
―――戻って来て!!
―――私を1人にしないで!!
愛紗「消えないでっ!!・・・・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・なんて夢だ」
私が必死に手を伸ばしていた
白い光でよく見えなかったけれど、その先にはご主人様がいたのだろう
消えるご主人様に手を伸ばす私
悪夢だ
愛紗「今日はご主人様と逢引だというのに・・・」
気が付くと私は部屋を出てご主人様のもとに向かっていた
愛紗「失礼します」
部屋に入ると当然のことながらご主人様は寝てらっしゃった
でもその寝顔に触れて熱を感じた途端、とても安心した
愛紗「・・・また後で」
私は部屋を出た
約束の時間に約束の場所に行くとご主人様はもういらっしゃった
愛紗「ご主人様・・・」
一刀「あ!愛紗・・・!!」
愛紗「どう・・・ですか?」
私は今、いつもと違いビラビラとした服を着ている
皆がご主人様と逢引するときに着るようにと渡してきたのだ
一刀「・・・・・・・・・」
愛紗「そうですよね?似合わないですよね?私なんかがこんな」
一刀「いやいや!すっごく似合ってるよ!」
愛紗「・・・本当ですか?」
一刀「本当だよ!つい見惚れちゃったよ」
愛紗「ありがとうございます」
一刀「じゃあ行こうか?」
愛紗「はい」
逢引と言っても店を見ながらブラブラと歩いているだけなのだが、とても恥ずかしい
この服とご主人様と手をつないで歩いてるせいだ
一刀「次はどこ行こうか?」
ご主人様は平気なご様子だ
少し憎たらしい
一刀「・・・愛紗、手がミシミシ言って少し痛いんだけど」
愛紗「ふんっ」
そしてたどり着いたのは森の中の川辺だ
ここはいつ来ても落ち着く
一刀「でも、本当にこんなんで良いの?いつもと大して変わらないよ?」
愛紗「良いのです ご主人様のご休息も兼ねてですから それにこうして側に居られて私は幸せです」
一刀「ありがとう・・・・・・愛紗」
愛紗「何ですか?」
一刀「・・・やらない?」
愛紗「何をですか?」
一刀「ナニを」
ご主人様の態度と表情でやっと理解した
愛紗「な・・・ナ・・・なにを言ってるんですか!?」
一刀「いやさ、こうやって愛紗と川辺にいるとそういう気になるんだよ 最近ご無沙汰だったし」
愛紗「どういう理屈ですか!?」
一刀「ん~・・・世界の理?」
愛紗「誤魔化さないですください!!」
一刀「愛紗はしたくない?」
愛紗「うっ・・・」
その言葉は卑怯です
愛紗「・・・・・・したい・・・です」
コトを終えて私は寝てしまったらしく気付けばもう夕方だった
私の体にはご主人様の服がかけられていた
一刀「あ、起きた?」
愛紗「ご主人様・・・ありがとうございました」
一刀「いいよ 夏とは言ってもあのままじゃさすがにいけないからね」
愛紗「ご主人様」
一刀「ん?」
愛紗「私、夢を見ていたんです 知らない場所でご主人様と二人で暮らしている、とても楽しくて幸せな夢を」
一刀「ふ~ん・・・愛紗はその方が良かった?」
愛紗「否定はしません ですが、今の皆がいる生活も嫌ではありません」
一刀「そう言ってくれると助かるよ」
愛紗「ふふっ」
一刀「さて、そろそろ帰ろうか みんなに怒られたくないし」
そう言って差し伸べられたご主人様の手を
愛紗「そうですね あまり遅くなると何を言われるか分かりませんし」
私は自然に握っていた
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久しぶりの投稿です
割と勢いで書いたので批判しないでください
アンソロのネタに似てる気がするけどパクリではありません
設定としては武道大会後です