No.616337

新・戦極†夢想 三国√・鬼善者を支える者達 第020話 前編

闇夜の車運転怖ぇぇぇぇっ!!

ということで、投稿です。
いよいよ核心に迫っていく話です。

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2013-09-05 23:17:23 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:1429   閲覧ユーザー数:1269

新・戦極†夢想 三国√・鬼善者を支える者達 第020話「(かみ)殺しの(ぞく) 前編」

今連合の諸将は長安の皇帝陛下別荘に呼ばれていた。

別荘と言っても、皇帝の別荘であるので、やはり洛陽の宮中程豪勢な建物であった。

そこにはただ今劉弁主催で行われている、連合の諸将労いの宴が催されていた。

今回の戦、結果だけを見れば連合の勝利。

董卓は洛陽に火を放ち己の邸で自害。

十常侍の生き残り、張譲がその隙に皇帝を拉致して逃走したが、後から追いついてきた西涼軍が発見し、賊を切り皇帝を保護。

劉弁は無事であったが、張譲は行方知れず。

虎牢関で戦っていた董卓軍の兵の殆どは連合に投降。

張遼は曹操軍に捕まり投降し、呂布と陳宮は行方知れずのままであった。

 

劉弁「皆の者、今回の戦ご苦労であった。逆賊董卓の悪政で苦しむ民を見て、朕の心はいつも張り裂けそうな思いで一杯であった。しかし此度のそなたらの働きで再び世に平和が戻ることを願う。燃えてしまった洛陽の民が今も気がかりであるが、今日だけは体を休め、また明日より泰平の為に働くことを切に願っている」

 

彼が片手の杯を高々と上げ乾杯の音頭を取ると、諸将はそれに便乗して彼らも乾杯をする。

皆酒が進み、暫くした後……

 

劉弁「これ、影村よ」

 

重昌は劉弁に呼ばれると、皇帝を中心に回っている宴席を跨いで、丁度真ん中で片膝を付く。

 

劉弁「そなたには感謝しても、し足りぬ恩が出来たな。そこで第一の手柄であるそなたに、今この宴席をより盛り上げるため、何か芸をやってくれぬか?」

 

劉弁はワザとらしくニヤつき彼に促がすと、その宴席の空気が一瞬止まった。

皇帝陛下主催の席で芸をすることとなると、下手な事は出来ない。

もし失敗して皇帝の機嫌を損ねようものなら、そのものが所有する国一つ丸ごと没収などありうる。

普段目立ちたがりやな袁紹でさえ、今の劉弁の発言で固まり「ワタクシでなくてよかった」っと呟いた程であった。

恐らく劉弁は、最近出て来たばかりの成り上がり者の重昌が気に食わなかったのであろう。

そのたかが西涼の田舎者程度の成り上がり者の慌てふためく姿を見てみたいのであろう。

そんな彼の思いとは裏腹に、重昌は笑顔で「畏まりました、少々お待ちを……」と答え、一度その宴席を出て行く。

彼が何をするのか不思議に思う諸将は彼の去り行く背中を不思議そうに見ているが、劉備だけは顔を青ざめさせて下を俯かせていた。

 

やがて戻ってきたのは全身を真っ赤な着物に身を包んだ重昌と、白を強調する旅芸者のような格好をした柑奈と謎の女性であった。

柑奈の装束の飾り付けや、彼女の顔に塗られた化粧により妖艶な風格を出し、もう一人の女性も、その透き通るような金色の髪と目元に赤いラインが入ったりと所謂(いわゆる)江戸時代の歌舞伎者の様な化粧をしており、その長い髪から見える、清んだ蒼い空のような目の光に劉弁も吸い込まれ、周りいる女性の諸将、曹操や孫策なども重昌の後に歩く二人……いや、重昌を中心とした三人の美しさに心奪われた。

重昌は何の変哲も無い赤い着物を着ている様に見えるが、それで十分なのである。

長年芸を培ってきた足捌き(歩き方)のみでそれを生み出しているのだ。

しかし劉弁だけはそんな重昌に目もくれず、彼の後ろを歩く二人のみを直視していた。

重昌が再び元の場所に戻り、宴席の中心で劉弁に平伏し、その後に続き後ろの女性二人も、劉弁に平伏する。

劉弁は少し言葉を失っていたが、直ぐに我に返り、再び重昌に言葉を放つ。

 

劉弁「……ほ、ほう、なかなかに美しい二人の乙女(おなご)ではないか。朕の側室にも、その様な見事な乙女(おなご)は居らぬぞ」

 

重昌「お褒めに預かり光栄でございます」

 

劉弁「し、して、その者達は?」

 

重昌「はっ、左に控えます者は、我が側室で三味姫(しゃみき)と申しまして、右の者は我が友琴音(ことね)と申しまして、今は旅芸人をしておりまする」

 

因みに三味姫は柑奈のこの時に名乗った偽名である。

 

劉弁「そ、そうか。それよりその者たちを朕の傍に寄らせて、杯をつかせてくれぬか?」

 

彼は重昌の連れてきた女性の美しさに我を忘れて趣旨を忘れてしまうが、それを重昌が手で静止する。

 

重昌「陛下、我が愛人と友に陛下の尺をさせてもらうのは大変なる光栄、しかしまずは我らの芸を見ては下さらぬか?尺はその後に……」

 

劉弁「う、ウム。ならば早くいたせ」

 

流石の劉弁も、ここで駄々をこねて自分の意見を押し通したらあまりにも大人気ない。

彼もそれを理解しグッと(こら)えた。

 

重昌「しかし陛下には上の玉座で見て欲しいのです。我が行う舞いは、丁度あの高さより見ると素晴らしいものになるのです」

 

劉弁はじれったそうにする顔をまた堪え、心地よく了承したかのように、後ろにある階段を上って行き玉座に腰掛ける。

ちなみに彼が今思っていることは、重昌がどの様な素晴らしい舞いを披露しようとも、「ツマラナイ」と一蹴し、罰として重昌の連れてきた女性を取り上げようと算段していた。

そして彼女達を閨に連れ込み、嫌がろうとも寝具で犯し、悶える姿(さま)を想像すると、彼のある特定の部分が猛りをあげていた。

しかしその想像とニヤつきは階段を上る時だけにし、玉座に座れば遠いが自分の正面にいる男がどの様な舞いを披露するのか見物……っといった感じだ。

柑奈は三味線を片手に座って構えて、琴音と呼ばれる女性は琴を構える。

 

重昌「それでは周りの諸将の方々も、その目と耳にも焼き付けていただきましょう。我が舞い………『血鳥鬼(ちしょうき)』を」

 

柑奈が三味線を引き出すと、その音にのって重昌が歩を踏みだす。

右手に持つ扇子を左手に沿わせて開け、扇子を片手でゆらゆらとなびかせながら歩を進めて行き鳥が羽ばたきそうで羽ばたけない姿(さま)を描き、そして琴音の琴の音が入る。

琴と三味線の音が激しくなるに連れて重昌は動きを激しくし、その姿はまるで鳥が羽ばたくのを練習する様であり、すると急に音が止まると重昌は崩れ落ちた。

巣から飛び立とうとした鳥が飛び立とうとして失敗し、巣から落ちたのだ。

そして琴が静かな旋律を奏でると、柑奈は重昌の遥か上に向かって大量の大きさの大小関係ない紙を巻いた。

琴の音と重ね合わせたその紙は、まるで冬の雪の様に重昌の上に落ちていき、そこで今まで三味線を弾いていた柑奈は笛に持ち替え奏で、琴と笛の音が重なったとき、まるで生命の息吹の様な風が流れ鳥(重昌)の体はピクリと動いた。

血だらけの鳥は大量の汗を掻き、最後の力を振り絞るように翼を広げて羽ばたかせる。

すると………鳥は飛んだ。

その成長した大きな翼を羽ばたかせて、しかしその翼からは血が滴り、地面に落ちた雪、舞い落ちる雪が滴る血に染まって行く。

血を撒き散らす架空の鳥、『血鳥』に見えた。

その血鳥は宴席にいる諸将の前を羽ばたいて行くと、最後に劉弁の所に舞い降りようとしたが静かに静止。

鳥は吹雪を起こす様に翼を羽ばたかせ飛び、すると宴席の上にかけられていた布の飾りは細かく切り裂かれ雪へと変わる。

その雪が舞い落ちるぐらいで、(しげまさ)(鳥)は翼をゆっくりと音楽の流れと共に閉じてゆき、鬼(重昌)はその場に舞い降り動きを静止させた。

最後に重昌が片手で翼を仕舞う様に扇子を閉じてゆき、最後の一寸を閉じると………

 

 

玉座に座っている劉弁の両膝、両腕の腱が切れ血飛沫(ちしぶき)を上げ、彼は玉座より落ち、階段を転がっていった。

 

皆何が起こっているのかが判ってはいなかったが、少し静寂が流れた後、宴席にいる将兵者は武器になりうる物を持ち、重昌達を取り囲む。

 

関羽「貴様、何ゆえ皇帝陛下をその手にかける!?」

 

皆が一番疑問に思っていることを、一番に関羽が追求する。

 

重昌「どうもこうもない。私は勅命により、逆賊劉弁を捕らえることを許可されているのだ」

 

周りの者はいったいどういうことだと言わんばかりに首を少し傾げた。

すると重昌は懐より皇帝だけが押すことの出来る玉璽(ぎょくじ)の印が押された包紙を取り出し、それを広げて劉弁に向ける。

そこには血判もあった。

 

重昌「劉弁、勅命により貴様を拘束する」

 

劉弁「ば、馬鹿な!?私はそんなもの書いた覚えは無いぞ!!それにそれは私の血判ではない!!したがって、その勅命もどきは無効だ!!」

 

???「いいや、その勅命は真実だよ!!」

 

突然、入り口の方より何者かの声が聞こえ、(重昌達以外の)その場に居合わせる物全員が、入り口に目を向ける。

 

馬超「……か………母さん!?」

 

その人物は前西涼の太守であった、馬騰、(あざな)は寿成その人であった。

ちなみに真名は(あおい)である。

彼女の母親らしくその長い髪を後ろでくくり、ミニスカートの娘とは違い少しダボッたズボンを着用し、上は肩が出ている黒のシャツを着用。

恐らくは羽織っていたであろう羽織を腰に巻き、容姿は限りなく馬超に似ているが、まだ少し成長の可能性を残している彼女とは違い、より女性を象徴する部分はより出ており、腕や腰も無駄が無く、恐らく馬超を産んだ時と変わっていないであろう。

身長は娘より少し高いぐらいだ。

 

葵「重義兄()ぃ、また豪快にやらかしたもんだね」

 

忘れた方に言うが、重昌と葵は義兄妹(きょうだい)の契りを交わしている。

 

劉弁「寿成、西涼の田舎女が皇帝である私の住まいに何のようだ?貴様も逆賊の仲間か?」

 

葵「黙りな、この女殺しが!!てめぇ(なん)かが皇帝を名乗るんじゃないよ。それに重兄ぃは勅命を受けててめぇを捕らえるんだ。だからその重兄ぃも(あたい)も逆賊呼ばわりされる思いは無いよ」

 

劉弁「馬鹿な!!この大陸に皇帝は朕のみだ。その朕が勅命を出した覚えが無いのだから、誰が出すというのだ!?」

 

彼は腱を切られ、動かすことの難しい両手・足を這わせて主張する。

 

葵「……勅命はね――」

 

彼女が扉の入り口の片側行き、片膝と握り締めた片手を地面に付けると、入り口より一人の少女が姿を現せた。

 

少女が姿を見せると同時に、その場に居合わせた者全員が馬騰と同じ様に構えた。

彼女の名は劉協で、劉弁の妹であり、勿論皇族の一人である。

皇族を裁けるのは皇族の者だけ。

勿論、例外的に事後に皇族がその行為を認めたのであれば、特に問題は無いのだが、それ以外は基本的に逆賊扱い、または反乱扱いとなる。

葵は一時期病に犯されたため、隠居し重昌に西涼のことを任せた。

だが病状が回復しだい、直ぐに表舞台には出てこず、友人である皇甫を伝って宮廷にも顔が通る『王允』と言う者の名を借りで洛陽に潜入。

その名で宮廷内を探り、情報を集め、事あるごとに重昌に伝えていた。

補足で言うと、本物の王允は男であり、かなりの高齢であったので、普段は病気のためと言い顔をローブで隠し、女性を象徴する部分はサラシで誤魔化した。

 

劉弁「協!?」

 

劉協「兄上、私もこれ以上、兄上の暴挙を見過ごすことが出来ません」

 

因みに劉協の容姿は、髪は青みがかった緑色で、目はそれなりに大きいのだが目元を下げてしまっているので弱気な性格に見えてしまう。

身長は諸葛亮や張飛より少し大きいぐらいであり、着ている物は皇族らしく高そうな衣類を纏っているが、派手好きな劉弁とは違い、どちらかと言うと清楚な感じである。

 

劉協「兄上、貴方が洛陽の民に課した重税、政策。母上が少しでも改善しようとした宮中での文官による横領もすべて兄上の仕業だということもすべて知っていました。それに………母上を張譲に殺させたのも」

 

彼女にそう告げられると、劉弁は狼狽しながら答えた。

 

劉弁「ち、違う!!あれは全て張譲が行った事だ!!それに、民に重税を課したのも、十常侍に脅されt「見苦しいわ!!」」

 

重昌は一つ吼えると劉弁の顎を蹴り上げる。

彼は中に浮かび上がると、二回転してうつ伏せになる感じで再び倒れこむ。

 

重昌「そういうことは本人に聞くんだな」

 

すると物陰より、顔を包帯で巻いた男とも女ともわからない様な人?が現れた。

 

曹操「お前は何者だ?」

 

???「………曹操殿、この声と目で判りませぬか?」

 

曹操「!?お前は……張譲!!」

 

その場に居合わせる者は驚愕する。

これが世を混沌へと誘い、此度の戦を作った者の姿であるのだから。

名門袁家の末裔である袁紹、袁術の付き添いで来る張勲、祖父を宦官に持つ曹操は宮中に出入りすることも多々あったので、彼の顔は良く覚えている。

他者を常に蔑む目で見てくる十常侍の筆頭である張譲。

その者に誰しも良い感じを持てなかったが、しかし目の前にいる者は、包帯から見えている皮膚は火傷と斬ら傷で傷つきまくり、喉は潰され僅かに当時のままの声を表現はしているが、とても自分達を蔑み、自尊心だけは強かった者と同じ姿とは思えない。

彼を良く知るこの三人は、今同じことを考えていた。

 

重昌「趙瑜(ちょうゆ)よ、お前が行った事は、全てこいつの仕業に違いないな?」

 

趙瑜というのは、張譲の真名の様である。

 

趙瑜「はい重昌様。ワタクシが行った事は全て、ここにいる劉弁陛下に命ぜられ、行った事であります」

 

劉弁「出鱈目を言うな張譲!!貴様、あのことがどうなってm「あのこと?」――!!」

 

重昌がそう聞き返すと、劉弁はしまったと言う様な表情で、下唇を噛む。

 

重昌「どうした、答えないのか?答えれないのなら教えてやろう。………貴様は彼の妹を(じち)に取り、彼を脅迫したのだよな?」

 

そう問われると、彼はまた強い声で言う。

 

劉弁「ち、違う!!朕はこいつの妹なd『ガラガラ』」

 

そう反論しようとした劉弁に向けられて、大量の竹簡が投げられた。

 

華雄「それを見てもまだしらを切るか!?」

 

それを投げたのは華雄であり、連合の将は「どうして(生きている)?」と言わんばかりの表情をしていた。

 

華雄「重昌様、これでよろしいでしょうか?」

 

重昌「華雄よ、ご苦労」

 

実は彼女、連合が動き出す前に葵に重昌の書状を送り、いち早く連合の動きを伝えていた。

だから葵は劉弁の動きに先駆け兵を配置でき、賊に扮した劉弁の部下を捕らえることが出来た。

 

重昌「ここには思い重税を課した者の名前が連ねている。民、豪族、さらに貴族までもだ。この身分が全く違うにもかかわらず、重い税を違う者たちは共通している所がある。それは何だか判るか?」

 

皆が考えるように黙りこんだ後に、それに最初に答えたのは一刀であった。

 

一刀「………女ですか?」

 

重昌「ほう、一刀君鋭いな」

 

一刀「先ほどの張譲の件と照らし合わせれば直ぐにわかります。こういう小悪党がやることは相場が決まっていますから」

 

遂に一家臣過ぎない一刀に言われた劉弁は何かを言おうとするが、それを黙らせる様に、重昌は腰に差している鉄扇を向ける。

 

重昌「そのとおりだ。そして税を払えない者は代わりにその家の主の娘、妻を代わりにつれて行かれる。そして連れて行かれる家の主の娘や妻は、巷でも噂に成るほど美しい者ばかりだと言う。その者達には宮中の侍女として働かせると言うのだ。宮中の侍女であれば、普通の仕事よりはるかに破格の給金が出る。そう促されて皆喜んで城に行くが……」

 

何処か言いにくそうな重昌に代わり、それを趙瑜が重々しく答えた。

 

趙瑜「私は………城で働いている妹の姿を一度も見たことがありません」

 

重昌「ある者に話を聞いたが、元々彼はこの宮中でも噂されている、非常に優秀な文官だった。悪政、賄賂を許さず、時にはその様なことをしようとする者は、強硬手段で排除し、少しでも宮中を立て直そうとした。その様なやり方は前皇帝である霊帝閣下は決して嫌いではなかったので、彼を文官の重役の一人に加え、より改政にとりかかった。彼はその期待に応える様に仕事をした。しかし、ある時期を境に彼h「変わってしまったわ」」

 

それまで黙っていた琴音と言われた女性の口が開く。

 

琴音「彼の妹である、趙瑠(ちょうる)。とても素直でそして美しくて、いつも張譲は自慢げに話していたし、その子は私とも仲良くしてくれたわ。……しかし、彼女が宮中に入ったと聞いたときから、彼の性格は変わってしまったわ。他者を見下し、賄賂に手を染め、どうしてもの時にしか使わなかった手段も見境なく使い、まさしく彼は暴走したわ。唯一の見方であった霊帝様もその手にかけさせられた。そうしなければ妹の命がなかった」

 

劉弁「た、旅芸者風情が、何を言うか!?」

 

琴音「ふん、やはり弄んだ女は直ぐに忘れるんだね」

 

彼女はそういうと、履いているスカートの裾を「邪魔!!」っと言いながら破り、その破った裾で自分の顔の化粧を拭き取った。

 

劉弁「き、貴様は皇甫!!」

 

皇甫「やっと思い出したようだね。こっちはお前の憎たらしい顔を一秒たりとも忘れたことはないよ」

 

趙瑜「そ、それで、皇甫、重昌様。私の、私の妹……趙瑠は何処ですか!?生きていますか!?」

 

彼は重昌にすがり付き、重昌はすがり付いている位置までしゃがみ、彼の方を持った。

 

重昌「生きてはいた」

 

趙瑜「そ、それでは、趙瑠は……趙瑠………は――」

 

彼が放った一言が気にかかり、趙瑜は言葉を止めた。

 

趙瑜「し、重昌さま?”生きてはいた”とはどういうことですか?……どうなのですか!?応えてくださi「落ち着け!張譲」」

 

重昌の腕を振り払い、彼の肩を必死に揺すっていた趙瑜を一度振りほどかせ、宥める。

 

重昌「……趙瑜よ、宮中の最下部にある『雌豚小屋』……何だか判るか?」

 

それを聞くと、趙瑜の顔面は蒼白する。

 

趙瑜「――!!まさか!?」

 

重昌「君の妹は薬漬けにされもはや、性交渉のことしか考えられない人形に代えられていた」

 


 
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