君が
辞めないでね
君を辞めてしまうから
そうしたらもう君は
知らぬ人
もう似つかない
思い出がずれた人
君がくしゃくしゃに折って
高く投げ捨てた紙飛行機
二度とその手は届かない
今の君よりも
ずっと輝いていたよ
君が
吐き出した飴玉は
君の目に映らなくなっただけで
まだ
宇宙を宿してる
君が 靴紐が切れたからと
脱ぎ捨てた運動靴で
今まさに 走り始める人が居る
なのに君は
年老いた君は
観客席に埋もれて
夢の麻薬売りにぶら下がる
手を叩いては喜んで
次を次をと
すり替えた顔で
がらくたをぶちまける
その顔で
私の前に
二度と立たないでね
全ては過ちだったと
いとも簡単に投げ捨てた
たったそれだけの人の隣に
あまりにも寂しすぎるから
あまりにも哀しすぎるから
仲
君が
辞めないでね
君を辞めてしまうから
――もし君が
再び筆を持つ覚悟を携えたなら
続きは何時までも君を待っている
物語を止めた君を
君だけを待っている
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その紡ぎ手は
歓迎する拍手が一つも待た無い舞台に上がるのが怖くて
客席に紛れた
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