No.613904

英雄伝説~光と闇の軌跡~ 707

soranoさん

第707話

2013-08-30 07:51:52 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:939   閲覧ユーザー数:869

~アルセイユ・会議室~

 

「へ………」

「この人達は人形工房にいた……!」

「……この人達も先程までの話に関係あるのですか?」

2人の写真を見たロイドは呆け、エリィは驚き、ノエルは真剣な表情で尋ねた。

「正確に言えばそやつらはテロリストや宰相達とはあまり関係ないかもしれん。――――が、そやつらの所属している組織が組織だからな。そやつらがクロスベルに現れた時点で、リベールの”異変”のような事を起こすかもしれんから、一応忠告までにな。」

「なっ!?リ、リベールの”異変”のようなことを起こすって……!」

「まさかエステルちゃん達の話にあってた”結社”とか言う連中ッスか?」

リフィアの話を聞いたノエルは驚いた後厳しい表情をし、ランディは真剣な表情で尋ねた。

「ああ。――――レーヴェ、説明してやれ。お前の方が奴等に関して詳しいだろう。」

「は。――――まず、白衣を着た男だが……”身喰らう蛇”の”蛇の使徒”の一柱――――F・ノバルティスだ。通称”博士”と呼ばれている。」

「”蛇の使徒”……………」

「確かレーヴェさんは”執行者”という”結社”の幹部のような役割だったとお聞きしましたが、”使徒”とはその上の地位なのですか?」

リフィアに促され、説明したレーヴェの話を聞いたエリィは真剣な表情で呟き、ロイドは真剣な表情で尋ねた。

「ああ。”盟主”に仕える七柱………それが”蛇の使徒”だ。」

「へえ……という事は最高幹部って訳か。」

ロイドの疑問に答えたレーヴェの話を聞いたワジは真剣な表情で呟き

「加えて博士は”十三工房”――――”結社”のありとあらゆる技術の顧問でもある。」

「つまり見た目通り研究者という事ですか……」

「……………もう一人の少年のような風貌の人も”結社”の”執行者”か”蛇の使徒”なんですか?」

レーヴェの説明を聞いたノエルは考え込み、ロイドは考え込んだ後少年の写真を見て尋ねた。

 

「―――執行者No.0”道化師”カンパネルラ。奴は”執行者”の一人だが……そいつは他の”執行者”と比べると少々特殊でな。俺が奴と出会った約10年前の時点で奴はその姿だった。」

「ハアッ!?」

「「ええっ!?」」

「ど、どう見ても俺達と同じくらいの歳にしか見えませんが………」

「うふふ。どうやったら”人間”の身で10年も変わらない風貌でいられるのかしら?」

「フム、そうだな……異種族や”神格者”でもない限り、そんな事、不可能だしな………」

目を細めて言ったレーヴェの話を聞いたランディやノエル、エリィは声を上げ、リィンは信じられない表情で呟き、レンは小悪魔な笑みを浮かべ、リフィアは真剣な表情で呟き

「その”特殊”な部分とは一体何なんですか?」

ロイドは真剣な表情で尋ねた。

「―――奴が『見届け役』である事だ。」

「『見届け役』?」

「……結社の”盟主”の代理として、”結社”の計画を見届け、”盟主”にその経緯を伝える役割だ。―――1年前のリベールの”異変”の時も、”蛇の使徒”の一人―――”白面”ゲオルグ・ワイスマンによる『福音計画』を見届けたしな。」

「…………………」

ロイドの疑問に答えたレーヴェの話を聞いたワジは真剣な表情で黙り込み

「………つまり、”結社”がクロスベルでリベールの”異変”のような事を起こそうとしていると?」

ロイドは真剣な表情で尋ねた。

「その可能性は高いだろう。計画を実行する『蛇の使徒』とその計画を見届ける『見届け役』のカンパネルラがクロスベルに現れた時点で既に”結社”の新たな計画は始動している可能性が高い。」

「何てこと……………」

「ったく、ここに来てさらに新たな勢力とか勘弁しろって………」

そしてレーヴェの話を聞いたエリィは表情を青褪めさせ、ランディは疲れた表情で溜息を吐き

「……………という事はまさか”至宝”がクロスベルに存在するのですか?エステル達の話だと、”結社”は”至宝”を手に入れようとしていたという話らしいですし……」

ロイドは考え込んだ後尋ねた。

 

「あ………!」

「確かにその可能性も考えられるな……」

ロイドの疑問を聞いたエリィは声を上げ、ランディは重々しく頷き

「「「………………………」」」

リフィア、エリゼ、レンはそれぞれ黙ってロイド達から視線を外し

(エリゼ………?)

エリゼの様子を見たリィンは不思議そうな表情をし

「「「………………………………」」」

3人の様子を見たヴァイス、アル、エルファティシアは真剣な表情で黙って見続け

(……どうやらあの様子だとまだ”何か”知っているわね……そしてそれを私達に言えない訳がある………正直言えばもっと情報が欲しい所だけど、通商会議の件で協力してもらうからこれ以上問い詰める事は無理ね。)

同じようにリフィア達の様子を見ていたルファディエルは真剣な表情で考え込んでいた。

「―――お前の言う通り、その可能性は高いだろう。それにクロスベルに潜伏しているのがその2人だけとは限らない事も覚えておくといい。以前のリベールの”異変”の時も俺を含めた数人の”執行者”と”蛇の使徒”が計画を実行したからな。」

そしてレーヴェは静かな様子を纏ってロイドを見つめて言い

「……貴重な情報、ありがとうございます。クローディア姫達も本当にありがとうございました。」

見つめられたロイドは静かに頷き、クローディア姫達に視線を向けて感謝の言葉を言った。

 

「ハッハッハッ、お互い様さ。しかしそういう事ならお礼に夜のクロスベルの各所でも案内してもらおうかな?ヴァイスは勿論の事、ワジ君やランディ君なんかは色々と詳しそうだしねぇ。」

ロイドの感謝の言葉を聞いたオリビエは笑った後提案し

「おっ、行っちまいますか?」

「フフ、それなら取っておきのスポットに案内できると思うけど。」

「フッ、先程の続きをするのなら一向に構わないぞ?」

「うふっ♪この4人が揃ったらとんでもない事が起こりそうね♪」

「きっと私達の想像も付かない事を起こしそうですね……」

提案を聞いたランディは意外そうな表情で呟き、ワジは笑顔で言い、ヴァイスは静かな笑みを浮かべて言い、会話を聞いていたエルファティシアは小悪魔な笑みを浮かべ、アルは苦笑し、ロイド達は冷や汗をかいた。

「おお、そうと決まれば晩餐会はキャンセルして―――」

ランディ達の話を聞いたオリビエは嬉しそうな表情をしたが

「―――させるか、阿呆。これからアルカンシェルの公演も観劇するのだろうが。」

「むむ……それもあったか。うーん、アルカンシェルは一度、見ておきたかったんだよねぇ。」

ミュラーに突っ込まれ、唸った後溜息を吐き

「先に言っておくけどリフィアも同じだからね。」

「ぬぐっ………!」

「クスクス♪先回りされちゃったわね、リフィアお姉様♪」

ジト目のエリゼに言われたリフィアは唸り、レンは小悪魔な笑みを浮かべて笑っていた。

「はは……きっと楽しめると思いますよ。」

「ええ、目を丸くされること請け合いだと思います。」

オリビエ達の様子を見たロイドは苦笑しながら言い、エリィは微笑みながら言った。

「ふふ、楽しみにしていますね。……また何かあったら皆さんにもご連絡いたします。今度はジークに頼らず、直接通信を差し上げますね。」

「ピュイ。」

「はは、承知しました。」

「さすがにアレは何かと思ったからなぁ。」

その後ルファディエル、エルファティシア、ヴァイス、アルはレンの転移魔術によってオリビエとミュラー、リフィア達と共にグロリアスに向かい……ロイド達はアルセイユを後にして支援課のビルに戻り、セルゲイやロイド達がアルセイユに入って行く報告を聞いてセルゲイの下に訪れ、待っていたダドリーにクローディア姫達から聞いた情報を説明した…………

 

 

 


 
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