No.613525

英雄伝説~光と闇の軌跡~ 703

soranoさん

第703話

2013-08-29 00:09:46 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1172   閲覧ユーザー数:1117

「―――殿下、失礼します。特務支援課の諸君をお連れしました。」

「どうぞ、お通ししてください。」

扉の中からの返事を聞いたユリアは扉を開き

「さあ、どうぞ中へ。」

ロイド達を促した。

「は、はい。」

「それでは失礼します。」

そしてロイド達は部屋の中に入って行った。

 

~アルセイユ・会議室~

 

部屋の中に入るとそこにはジークが大きな机に乗り、その傍にある椅子にはなんとクローディア姫とリフィア、レンが座ってロイド達を見つめ、3人の後ろにはエリゼとレオン少佐が控えていた。

「あ……」

「リ、リフィア殿下!?それにエリゼやレオン少佐、レン姫も……!」

クローディア姫を見たロイドは呆け、リフィア達を見たリィンは驚き

「ふふっ、初めまして。リベール王国、王太女のクローディアと申します。ヴァイスさんに関しましてはお久しぶりですね。あのような形でお呼びして本当に申し訳ありませんでした。」

「ピュイ。」

「い、いえ、とんでもない。初めまして―――クロスベル警察、特務支援課のロイド・バニングスです。」

「同じく特務支援課の、エリィ・マクダエルです。王太女殿下におかれましてはご機嫌麗しゅう。」

クローディア姫の言葉にロイドは口元に笑みを浮かべて答え、エリィは会釈をし

「ふふ、エリィさんのことは実は色々聞いていまして……お会いできてうれしいです。」

クローディア姫はエリィに微笑んだ。

「そうなのですか……?」

「ええ、先程お祖父様のマクダエル議長閣下とお話する機会をいただきました。それと、リウイ陛下とイリーナ皇妃の結婚式でも見かけておりまして。あの時は挨拶ができず、申し訳ありませんでした。」

「いえ、そんな。殿下のそのお言葉を聞けただけでも光栄です。」

「フフ、ありがとうございます。」

エリィの言葉を聞いたクローディア姫は微笑んだ。

「はは……どうも。ランディ・オルランドッス。」

「ノ、ノエル・シーカーです!よろしくお願いします!」

「ワジ・ヘミスフィア。麗しの姫君にお会いできて光栄だよ。」

「リィン・シュバルツァーと申します。以後、お見知りおきを。」

「エルファティシア・ノウゲートよ。貴女達もヴァイスハイトが言ってた”影の国”の戦友達ね。よろしくね。」

「アル・ノウゲートです。”影の国”ではヴァイスとリセルがお世話になりました。」

「あら……もしかして貴女達はヴァイスさん達の時代の仲間の方なのですか?」

アルの言葉を聞いたクローディアは意外そうな表情でアルとエルファティシアを見つめて尋ね

「ええ。当時の私はヴァイスに仕え、エルファティシアは同じ”王”として同盟を組んだ当時のヴァイスが治めていたセンタクス領の軍と共にメルキアの繁栄の為に戦い続けたのです。」

「え……?じゃあ、エルファティシアさんは女王だったのですか?」

「まあね。……とは言っても後継ぎに私が治めていた国の事を任せているから、今の私はただのルーンエルフよ。」

「フフ、そうなのですか…………―――ヴァイスさん。まさか貴方と再び会える日が来るとは思いませんでしたよ。」

エルファティシアの話を聞いたクローディア姫は微笑んだ後懐かしそうな表情でヴァイスを見つめ

「フッ、それはこちらの台詞ですよ、クローディア姫。以前別れた時と同じ……いや、それ以上に可憐になられましたな?」

見つめられたヴァイスは静かな笑みを浮かべてクローディア姫を見つめ

「まあ……フフ、そういう所も相変わらずなのですね。正妃になったリセルさんも色々と苦労されたのでしょうね。」

見つめられたクローディア姫は上品に微笑んだ後苦笑した。

「ん……?何故リセルが俺の正妃だったと知っているのですか?しかもその様子ですと俺がメルキアの皇帝になった事も既にご存知のようですが……」

クローディア姫の言葉を聞いたヴァイスは目を丸くして尋ね

「実は―――」

尋ねられたクローディア姫はヴァイスとリセルが”影の国”を去った後、2人のその後の情報を手に入れた”影の国”でクローディア姫やヴァイス達に力を貸したセレストによって語られた事を説明した。

「ほう…………なるほど。あの時もナユタやアドル達のその後がわかったから、俺達のその後がわかってもおかしくないな。」

話を聞いたヴァイスは頷いた後静かな笑みを浮かべ

「フフ、”傾国の美女”と呼ばれたフェルアノを正室ではなく側室にするなんてね。プライドが高かったあの王女も随分と性格が変わったようね。まさかあの王女が側室で納得するなんて、予想していなかったわ。」

「ヴァイスに関わった女性の大半はヴァイスに骨抜きにされて、性格が丸くなったようなものですものね。」

話を聞いていたエルファティシアは微笑み、アルは苦笑し

「せ、正妃がいて、側室が3人……さらにそこに愛人が複数いたって……」

「きょ、局長らしいというか、何と言うか……」

「というか今でもそれに近いじゃないですか……」

「畜生!アンタは一体どんだけの美女を侍らせれば気が済むんだよ!?このリア充王め!」

ロイドとエリィは表情を引き攣らせ、ノエルは疲れた表情で溜息を吐き。ランディは悔しそうな表情でヴァイスを睨み

「フッ…………俺が目指している夢の一つは男の誰もが一度は夢見る美女に囲まれた酒池肉林だぞ?」

睨まれたヴァイスは口元に笑みを浮かべて言い、それを聞いたエルファティシアとアルを除いたロイド達全員は冷や汗をかくと同時に表情を引き攣らせた。

 

「ア、アハハ…………挨拶が遅れましたがみなさん、ようこそお出でくださいました。本当なら、この場で後もう一人、ご紹介したい方がいたのですが……その、少し遅れてらっしゃるみたいで。」

一方その様子を見ていたクローディア姫は苦笑した後気を取り直してロイド達を見つめて言った。

「どうせあの男の事だ。また厄介事に首を突っ込んで遅くなっているのであろう。」

そしてリフィアは呆れた表情で溜息を吐いたが

「……先程兄さんやロイドさん達のお世話になったリフィアが言えた台詞?」

「ぬ……」

ジト目のエリゼの指摘に唸り

「クスクス♪……また会えたわね?お兄さん達♪」

「フッ……”教団”の事件の時以来だな……」

その様子を見ていたレンは口元に笑みを浮かべた後ロイド達を見つめ、レオン少佐は静かな笑みを浮かべてロイド達を見つめ

「へえ……まさか”異変”を引き起こした原因の一人の”剣帝”が堂々と”アルセイユ”に乗船している上、クローディア姫の傍にいるなんてね……フフ、信じられない光景だね。」

ワジは興味深そうな表情でレオン少佐を見つめて言った。

「なっ……!?」

「あら…………レーヴェさんの事をご存知なのですか?」

ワジの言葉を聞いたユリア准佐は驚き、クローディア姫は意外そうな表情をしてワジを見つめて尋ね

「フフ、こう見えても情報通でありますので。」

尋ねられたワジは静かな笑みを浮かべて答え

「………………………」

レオン少佐―――レーヴェは目を細めて黙ってワジを見つめていた。するとその時、リュートの音が聞こえ

「フッ……待たせたね。」

さらに聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「この音って……」

「ど、どこかで聞いたような。」

「おいおい、まさか――――」

音や声を聞いたロイド達が驚いたり戸惑ったりしていたその時

「フフ……いらしたようですね。」

口元に笑みを浮かべたユリアが呟いた。すると見覚えのある青年――――オリビエが高貴な衣装を纏い、軍服を着たミュラーと共に部屋に入って来た!

「ええっ!?」

「も、もしかしてさっきの支援要請の!?」

オリビエ達を見たロイドとノエルは驚き

「あら、すでにご面識が?」

ロイド達の様子を見たクローディア姫は意外そうな表情をし

「ええ、その……」

「フフ……とんだサプライズだね。」

エリィは表情を引き攣らせ、ワジは静かな笑みを浮かべて言った。

「―――諸君、先程は失礼した。クローディア殿下とリフィア殿下、レン姫も……遅れて申し訳ありませんでした。いつものように、この戯けが色々と首を突っ込んでいまして。」

「ふふ、まあ……」

「うふふ、別にいいわよ。どうせそうなると思っていたもの♪」

「未だに奇行をしているのか……”放蕩皇子”。」

「どこかの誰かさんと一緒ね。」

「失敬な。余はあ奴ほど奇妙な行動はしておらん!」

ミュラーの言葉を聞いたクローディア姫は微笑み、レンは小悪魔な笑みを浮かべ、レーヴェは呆れ、エリゼはジト目でリフィアを見つめ、見つめられたリフィアは答えた後オリビエを睨んで叫び、オリビエはリュートを軽く鳴らし、髪をかき上げた後ロイド達を見つめて名乗った。

「―――フッ、改めて自己紹介をさせてもらおう。エレボニア帝国、皇帝ユーゲントが名代、オリヴァルト・ライゼ・アルノールさ。もちろん、真の姿は不世出の天才にして漂泊の演奏家。オリビエ・レンハイムではあるがね!ハッハッハッ。よろしくお願いしてくれたまえっ。」

「……………………………」

オリビエ―――オリヴァルト皇子が名乗るとロイドは口をパクパクし

(やっぱり……ね。ヴァイスハイト局長が”オリビエ”と呼んで親しい態度で接していた事からして、恐らくそうだと思っていたけど…………とてもエレボニアの皇族とは思えないわよね。さて……リベール、メンフィル、エレボニアの3国が集まり、そして何故ロイド達を呼んだのかしら?)

ルファディエルは静かな様子を纏って呟いた後真剣な表情で考え込み

「いや……あり得なくねぇか?」

ランディは真剣な表情で突っ込み

「これが現実だ。極めて遺憾なことにな。――――エレボニア軍、第7機甲師団所属、ミュラー・ヴァンダール少佐だ。クローディア殿下のお招きであるじ共々、参上させてもらった。よろしく頼む―――特務支援課の諸君。」

ランディの突込みに溜息を吐いて答えたミュラーは改めて名乗った。

 

その後ロイド達はクローディア姫達から事情を聞いた…………

 

 


 
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