姓:司馬 名:昭 性別:男
字:子上
真名:一刀(カズト)
北郷一刀が転生した者。
姓:司馬 名:懿 性別:女
字:仲達
真名:理鎖(リサ)
一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。
姓:司馬 名:師 性別:女
字:子元
真名:瑠理(ルリ)
母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。
姓:張 名:春華 性別:男
真名:解刀(カイト)
一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。
姓:王 名:元姫 性別:女
真名:美華(ミカ)
一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。
姓:鄧 名:艾 性別:女
字:士載
真名:江里香(エリカ)
後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。
姓:賈 名:充 性別:女
字:公閭
真名:闇那(アンナ)
司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。
姓:王 名:濬 性別:女
字:士治
真名:澪羅(レイラ)
後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。
姓:司馬 名:望 性別:女
字:子初
真名:理奈(リナ)
一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。
姓:杜 名:預 性別:女
字:元凱
真名:綺羅(キラ)
一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。
第二十四話
「五胡最終戦 反転」
一刀の策が見事に決まった事で、僅かではあるが、司馬家が有利になり、流れが変わる。
その僅かが、この極限とも言える戦場では、かなりの状況変化が現れる。
少しずつではあるが、司馬家が五胡を押している状況が続いているのだ。だとすれば必然、五胡は追い詰められていく。
(このまま維持すれば……勝てる!)
一刀は現状維持を優先する。もちろん、姜維を逃がさないよう、注意しながら。
(派手な勝ち方はしなくて良い! 下手に勝ち方に拘って、目的を果たせなかったという事だけは避けたい。故にこれ以上欲張らない。
奴を逃がさず討つ事が出来れば!)
現状維持をした戦いは続いていき、ついには五胡の兵数は司馬家軍より下回る。
(よし! 行ける! このまま!)
しかし、その意気込みは突如消える事になる。
(ん? 何だ!? この音は!?)
一刀の耳に大きな音が聞こえる。その正体を探るために、自分がいる場所を確認する。
(此処は確か、前に奴等の伏兵に水計を食らわせた……!? 不味い!?)
一刀は一瞬にして顔が青くなる。
「皆! 退けぇ!」
彼の指示に兵達はすぐに従い、後退する。が、既に遅かった。爆音が聞こえてきそうな波の激流が司馬家兵に襲い掛かる。
「うわぁー!」
「し、司馬昭様ぁー!」
その激流は兵達を次々に飲み込む。幸い、寸でのところで気付いたため、全滅は免れたが、それでも一気に兵数は半分まで減らされ
てしまう。
「な、何てこった……いくら光明が見えたからと言って……俺は、何て甘い考え方を……」
一刀もまた先の姜維のように、精神が疲労し、短絡的になってしまっていたのだ。それ故に少し希望がみえたらそれにすがってし
まった。それは部下達も同じだった。
(くそ! こんなんで勝てる相手じゃないのは分かっていたはずなのに!)
一刀は気を入れなおす。もうこれ以上腑抜けにはならないと誓って。
「ふん! 現状維持なんて考えているからこうなる」
姜維は一刀の現状維持を見抜いていた。と、言うより見ていて分かるくらいに司馬家軍の動きで、それが露骨に出ていたのだ。
(ただ、俺の策を封じる、防ぐだけでお前は策を労しなかった。そんな戦い方では敵を恐れさせることなどできん!)
そう、あの後、一刀は時が来るまで待つだけの守る戦い方をしてしまったのだ。言わば城や砦の無い篭城戦だ。攻めの戦いをしない
と分かれば姜維は策を考え放題、準備し放題だった。今回の姜維の策は単純。一刀達にばれないよう、密かに、少しずつさきほど食ら
わされた水計の準備をしていた。その間に別の策を披露し、一刀達にそれを防ぐことに集中させて、その事に思考を釘付けにさせる。
そうして準備を終え、自然に策の発動場所まで誘導する。その間も別の策を披露しながら。
(勝利とは待つだけでは得られない。この手で掴んでこそだ! それこそ無理やりにでも! とは言え、寸でのところで全滅を防いだ
のは、まぁ、流石だと言って置こう。だが……もう貴様は俺には勝てん!)
姜維はこの後も勝利するための策を講じる。
一刀達は有利な状況から、反転、一気に劣勢に立たされてしまう。
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策が決まり、少しずつ五胡を追い込んでいく一刀達。しかし、相手はあの姜維。簡単に事が運ぶ訳が無かった。