No.611126

英雄伝説~光と闇の軌跡~ 外伝~ベルガード門の警備隊演習の参加要請~前篇

soranoさん

外伝~ベルガード門の警備隊演習の参加要請~前篇

2013-08-22 00:42:53 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:750   閲覧ユーザー数:718

タングラム門を去ったロイド達は他の緊急要請の依頼者の元に向かった。

 

~ベルガード門・司令室~

 

「―――失礼します。」

「おう、ようやく来たか。」

司令室に入って来たロイド達を見たギュランドロスは口元に笑みを浮かべて言った。

「フフ、ロイド君とエリィちゃんにとっては久しぶりになるわね。」

「はい。IBCの防衛戦の時は本当にお世話になりました。」

「力を貸して頂き、本当にありがとうございした。それどころかクロスベルに留まって警備隊の立て直しもして頂いて……何から何までありがとうございます。」

ルイーネに微笑まれたロイドは会釈し、エリィも会釈をして言った。

「クク、俺の野望の為には警備隊の力も必要だからな。礼を言われる筋合いはないぜ。」

(ほ、本当にIBCで言った発言を実行するみたいね…………)

(ああ……局長と言い、司令と言い、2人とも野心を全然隠さないもんな…………2人のおかげで警察、警備隊共に強化されていくのはいいんだけど…………いずれあの2人はこのクロスベルをどうするつもりなのか、物凄く不安なんだよな…………ティオとエルファティシアさんの話では2人は元々他国に戦争を仕掛けて、領土を広げたっていう話だし…………もしクロスベルがそんな事をしたら、エレボニアやカルバードに侵略されるような口実を作るようなものだし……)

不敵な笑みを浮かべて言ったギュランドロスの言葉を聞いたエリィは表情を引き攣らせ、ロイドは疲れた表情で溜息を吐き

(……………………………)

2人の小声の会話を聞いていたエルファティシアは目を伏せて黙り込んでいた。

「で?支援課(おれたち)に『演習への参加要請』って名目で要請を出したようだが…………まさかアンタやルイーネ姐さん達と俺達を戦わせようってつもりなのか?」

「ほう……?わかっているじゃねえか。」

ランディに尋ねられたギュランドロスは好戦的な笑みを浮かべて言った。

 

「ええっ!?」

「やっぱりか…………ンな事だろうと思ったぜ……」

「ま、まさか本当にあたし達が司令達と……!?」

「……できれば私はパスしたいんだけど。正直言って、ヴァイスハイト達がいない状況で貴方達とやり合ったら勝てる気もしないし。」

ギュランドロスの答えを聞いたロイドは驚き、ランディは疲れた表情で溜息を吐き、ノエルは信じられない表情でギュランドロスを見つめ、エルファティシアは溜息を吐いた。

「フフ、安心して。その前にちゃんとテストをしてあげるから。そのテストに合格できなかったら、ギュランドロス様と戦わなくていいわ。……後、エルファティシアさんは戦う必要はないわ。ヴァイスさんからもエルファティシアさんを抜いた状態のロイド君達を鍛えて欲しいと頼まれているし。」

ロイド達の反応を見たルイーネは微笑みながら答え

「そう。フフ、後でヴァイスハイトにはお礼をしなくっちゃね♪」

ルイーネの話を聞いたエルファティシアは頷いた後口元に笑みを浮かべ

「テスト……ですか?」

「フフ、察するに司令殿と戦う前の前哨戦ってヤツかい?」

リィンは不思議そうな表情をし、ワジは静かな笑みを浮かべて尋ねた。

「おうよ!……この演習はお前達に経験を積ませる事となると同時にパティ達が鍛え上げた警備隊員達の力を試す演習にもなる。当然、受けるよな?」

「…………はい。みんな、いいよな?」

ギュランドロスの言葉に頷いたロイドは仲間達を見回して尋ね

「ここでもエルファティシアさん抜きと言うのは厳しいけど…………確かに私達の全力を試すいい機会ね。」

「あたしにとっても司令達直々に育てた警備隊員達と模擬戦を出来るのは良い経験になるので構いません。」

「俺にとっても良い経験になるから、勿論いいよ。」

「やれやれ……ここまで挑発されると乗らないわけにはいかないだろう?」

「あのオッサンとやり合えれば、叔父貴と戦う時になった時の為の良い経験になるだろうしな……何が何でもギュランドロスのオッサンと戦う為に勝つぞ。」

尋ねられた仲間達はそれぞれ頷いた。

「フフ、どうやら決まったようね?こちらの準備はできているけど、貴方達の方はどうかしら?」

ロイド達の様子を見たルイーネは微笑みながら言った後ロイド達に尋ね

「こちらの方も既に準備はできています。」

「よし!それじゃあ早速始めるぞ。全員、屋外の駐車場に付いて来い。……ルイーネ、手筈通りに頼むぜ?」

ロイド達の返事を聞いて頷いた後ルイーネに視線を向け

「はい。パティちゃんとエルちゃんが育てた部隊の中でも秀でた部隊の一つですね?わかりました。すぐに集合させます。」

視線を向けられたルイーネは頷いた。その後ロイド達は屋外の駐車場に移動した。

 

「それではこれより演習を開始します。双方、構え!」

「ハッ!」

ルイーネの号令によってロイド達と警備隊員達はそれぞれ武器を構えた。

「へ…………」

「全員、スタンハルバード……!?」

「へえ……ライフル使いがいないなんてね……」

「一体、どういう事だ……?普通なら後方からの援護として遠距離攻撃使いは必要なのに……」

ロイドとエリィ、ワジは警備隊員達全員が構えたスタンハルバードを見て驚き、リィンは考え込み

「気を付けろ!全員スタンハルバードって事は恐らくパティちゃんが鍛え上げた突撃部隊だ!」

「……パティルナ中尉が鍛え上げた突撃部隊は接近戦ですざましい強さを振るいます!皆さん、気を付けて下さい!」

ランディとノエルは警告した。

「始めろっ!!」

そしてギュランドロスの号令の元、ロイド達は戦闘を開始した…………!

 

 

 

 

 

 

今回は予告した通りオリジナルの支援要請の話を作りました♪しかも!ギュランドロスの支援要請というとんでもない依頼で、奴が依頼なんかだしたらどう考えても”お約束な展開”もあるので楽しみにしていてください♪なお、今回の戦闘BGMは魔導功殻の”抗争する闘志”です♪……感想お待ちしております。


 
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