No.610832

英雄伝説~光と闇の軌跡~ 692

soranoさん

第692話

2013-08-21 07:29:14 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1025   閲覧ユーザー数:980

その後それぞれの車は裏通り近くに停車した。

 

~雨・歓楽街~

 

「……………………」

車から降りたランディは目を細めた後走り去って行き

「ランディ……!」

「追いかけましょう!」

ランディの行動を見たロイドとエリィは声を上げた後ランディを追い、その後ろにワジやノエル、リィンとエルファティシアもおって行った。

(……!)

(あ……)

ランディを追いかけたロイド達がルバーチェ跡地を物陰に隠れて様子を伺うと、そこにはランディが赤毛の少女と大男と対峙し、その様子をレクターが見守っていた。

 

~裏通り~

 

「―――叔父貴、シャーリィ。」

少女と大男と対峙したランディは目を細めて2人を睨み

「あははっ、久しぶりだね、ランディ兄!」

「2年ぶりか。変わってないようだな。」

(叔父貴……ってことはランディの親族か。……ハハハハハッ!なるほどねぇ!ランディの親族だけあってどっちからもとんでもない”血”の匂いがするじゃないかっ!)

話しかけられた2人はそれぞれ口元に笑みを浮かべて言い、エルンストは大声で笑った後凶悪な笑みを浮かべていた。そこにロイド達が近づいてきた。

「……ランディ……!」

「き、昨日の人達……!」

ロイドはランディに声をかけ、ノエルは少女達を見て驚き

「怪しい連中が揃い踏みか。」

ワジは少女達を見回して呟いた。

「ハハ、やっぱり彼氏、このオッサンの身内だったか。そっくりな髪の色だったからまさかとは思ったけどよ~。」

一方レクターは陽気に笑った後不敵な笑みを浮かべ

「………………………………」

ランディは目を細めて黙り込んでいた。

「レクター大尉……どうして貴方がここに。」

「今回の買収について何か関係しているんですか?」

「ああ、ちょいと裏工作をな。いや~、何とか黒月のメガネとラギール商会のチビッ子店主を出し抜けてよかったぜェ。」

ロイドとエリィに尋ねられたレクターは頷いた後、明後日の方向に視線を向けて呟いた。

「ふふっ、楽しみだなぁ!東方人街の時は撤退したけど今度は思いっきり遊べそう!しかも今のクロスベルには面白そうな相手がたくさんいるしね!」

「東方人街……」

笑いながら言った少女の言葉を聞いたロイドは考え込み

「去年カルバードで黒月とやらかした”戦争”か。―――なあ、叔父貴、どうしてクロスベルに来た?いったい何をするつもりだ?」

ランディは静かな表情で呟いた後目を細めて尋ねた。

 

「クク……ビジネスに決まってるだろう。それよりも、ランドルフ。貴様に伝えておくことがある。―――兄貴が逝(い)ったぞ。」

ランディの疑問に大男は不敵な笑みを浮かべて言った後ある事を口にした。

「ハッ!それならとっくに知ってらあ。”戦妃”の姐さんに殺られたんだろ?」

大男の言葉を聞いたランディは嘲笑し

「クク、既に知っていたか。1年ほど前だ。リベールの”異変”での戦いで”戦妃”に討ち取られた。」

「”闘神”と”戦妃”の一騎打ち!あの戦いで唯一逃げ帰って生き残ったザックスの話だと凄い戦いだったんだよ!ホント、見たかったな~!」

ランディの言葉を聞いた大男は口元に笑みを浮かべて言い、少女が嬉しそう表情で話を続け

「……………………はは…………………そうか……………………やっぱりあのクソ親父……最後まで戦いながら逝ったってことかよ。…………満足そうだっただろ?」

話を聞いたランディは目を閉じて口元に笑みを浮かべた後、静かな笑みを浮かべて尋ねた。

「うんっ!すっごく満足そうだって!いいなぁ、シャーリィもそんな相手が欲しいよ~。」

「ま、兄貴も悔いは無いだろう。――――どこぞで迷ってる不肖の息子のこと以外はな。」

「……!」

大男の言葉を聞いたランディが目を細めて大男を睨んだその時、大男はランディに背を向けた。

「休暇は終わりだ、ランドルフ。いずれ話があるから身体を開けておくがいい。」

「またねー、ランディ兄!」

「そんじゃ、お疲れさん~。」

そして大男達は建物の中に入って行った。

 

「……………………」

大男達が建物の中に入って行くとランディは建物を見つめて黙り込み

「……ランディ……」

「ランディ先輩…………」

ランディの様子をエリィとノエルは心配そうな表情で見つめ

「あの2人、ランディの……?」

ロイドはランディを見つめて尋ね

「ああ……”赤い星座”の副団長、シグムント・オルランド。その娘で部隊長の一人、シャーリィ・オルランド。俺の叔父貴と従妹で……――――最強最悪の戦鬼どもだ。」

尋ねられたランディは頷いた後ロイド達に振り向いて目を細めて説明した。そしてランディが説明したその時、雷が鳴り響いていた………………

 


 
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