目を開けると黄蓋がこちらを心配そうに見ていたが、こちらが起きたことを確認すると、その顔が徐々に怒り顔へと変わっていく。
(これは怒られそうだなぁ)
他人事のように考えていると、突然頭にとてつもない衝撃が走る。
「がっ!・・・つぅ~」
頭を押さえて悶えると、それと連動して腹の方にも痛みが走る。
「ぐぉぉおおお」
「それだけ元気なら問題無さそうだな。」
身体に問題がありまくりなのにそんなことを平然といってくる辺り、手加減くらいはしてくれたのだろう。
暫く唸っていると、黄蓋が話しかけてきた。
「私と見識を広めに旅をしてみんか?」
「は?」
突然のことに頭はフリーズしてしまいました。
「そろそろ私も違う土地へと出ようとは思うのだが、あのようなことをするやつをおいていくのもな・・・」
どうやら違う土地へと旅に出るため、最後にどれくらいなのかを図ろうとしたが、俺の無謀な突撃に呆れてしまいこのままでは教える者としてまずいと思ったとのことだ。
まあ確かに武術の鍛練などはよくやったが、敵わない相手に対する考え方などは教わっていないので、もし今後強者に会ったとき命を落とすと思ったのもあるかもしれないが・・・
「個人的にはいいのですが、母上と父上が賛成するのかが分かりません」
「そうか!行く気はあるのだな!」
それならばと、いまだに痛みと疲労のある身体を担ぎ上げられると、足早にどこかへと連れていかれた。
振動が身体に響いて非常につらい・・・
そこから、いきなり母上の部屋へと連れていかれたと思ったら開口一番に黄蓋は言いはなったのです。
「華麗殿!白夜はいただいていきますぞ!」
「え?」
またしても、脈絡のない話を、事情の分からない母上にいきなりふっています。
よくもこれで母上も呆れないものですが、流石にこのときばかりは暫く茫然としていました。
「流石に事情を話さなければ分からないと思うのですが・・・」
「おぉ!そうだったな!」
この後で、事情を説明した上で黄蓋が交渉していたのですが、なかなか話が平行線で先に進みそうもなかったので話に加わっていきます。
まあ結局は自分のことですし。
「母上」
「少し待っていなさい」
「母上!」
話を聞く気が無いようだったので、気をのせて少し強めに声をかけました。
こちらのあまりの声に、言い合いをしていた二人は、話すのをやめてこちらを見つめてきます。
「母上がわたしのことを大事に思ってくれているのはよくわかります。しかし、わたしにもやってみたいことはあります。わたしは自分の目でこの世界を見てみたいのです。」
「外はこことは違ってとてもとても危険なところなのですよ?」
「逃げ足には自信がありますし、丁度連れていってくれるという奇特な頼りになる人もいます。この機会を逃すと今度はいつになるか分かりません。なのでお願いします」
母上に頭を下げて待つこと暫し、溜め息が母上から漏れてきた。
「白夜からこのようなお願いするのは初めてですね・・・。私は白夜が健やかに育ってくるたら良いだけなのですが・・・。いいでしょう」
顔を上げて母上をみてみると、どこか疲れたような表情で、微笑みながらこちらをみている母上と目があった。
「ありがとうございます!母上!」
黄蓋の方を振り返ると嬉しそうにうんうんと頷いてくれました。
「ただし条件はあります」
その言葉で、喜んで顔が固まるのがわかりました。
「条件・・・ですか・・・?」
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本作品は華陀への転生ものです。
【注意事項】
素人の書きなぐりです。
はっきり言って自己満足なだけのものです。
一応昔に恋姫はしたことありますが、うろ覚えですので、改変が多々あると思います。
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