一刀「以上で報告を終わります」
華琳「ご苦労様、一刀。下がって良いわ」
一刀「はっ!」
一刀が王座の間から出て行くと、秋蘭が話しかける
秋蘭「一刀もすっかり将軍職が板に付いて来ましたね」
華琳「そうね」
春蘭「当たり前だろう秋蘭。私達の義弟なのだから」
華琳「そうね、あの時一刀が言った事には驚いたけどね」
秋蘭「ええ、あの時は本当に焦りました」
--------
それはまだ三羽鳥が家臣になる前の話
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季衣「はあ、仕事が多すぎるよ」
一刀「如何したんだ、季衣?」
季衣「あっ、一刀様!」
一刀「何だ、仕事中か」
季衣「はい、中々終わらなくて」
一刀「もしかして部隊の報告書か何かか?」
季衣「はい、一回春蘭様とかにも見てもらったんですけど、秋蘭様が判り難いからやり直せって」
一刀「秋姉は結構厳しい所があるからな、でもそれもお前の事を思ってだ。嫌いになるなよ」
季衣「なりませんよ、だって二人は僕の憧れですから♪」
一刀「そうか」
季衣「一刀様もやっぱり憧れてるんですか?」
一刀「・・・そうだなぁ」
一度空を見上げた一刀が、優しい笑顔で答える
一刀「俺にとって憧れと言う感情ではないな」
季衣「えっ?」
一刀「俺にとって二人は、絆。その物かな」
季衣「絆。ですか?」
一刀「ああ、悪い。少し難しかったか?簡単に言えば、大事な家族だからだよ」
季衣「家族・・・」
一刀「この城で働いてる者は、皆俺の家族だと思ってるんだ。もちろん季衣。お前もな」
季衣「本当ですか!」
一刀「ああ、だからその報告書。早く終らせろよ」
季衣「うう、嫌な事思い出させないで下さいよ~」
一刀はそのまま背を向けて歩いていった
その後、この絆に危機が迫る事をまだ誰も知らない
華琳「ご苦労だったわね二人共」
春蘭「華琳様の為なら、賊の千や二千容易い事です」
秋蘭「姉者、それは流石に言い過ぎだぞ」
現在王座の間で軍議の最中である。黄巾党の事もあり軍議は夜にも行われる
華琳「他に報告する事の有る者居るかしら?」
一刀「俺からは特に」
桂花「私も」
季衣「僕もありません」
華琳「そう、では今日の軍議はここまでにするわ、春蘭・秋蘭。貴方達にはご褒美が有るから部屋に来なさい」
春蘭「本当ですか、華琳様!!」
一刀「???」
秋蘭「あっ!か、一刀。これは深い意味は無くてだな!?」
一刀「何だよ、急に?」
春蘭「し、しかし良いのでしょうか?今日は風呂の日ではないですし、華琳様に可愛がってもらうにしてもそれなりに準備が////」
秋蘭「おい、姉者!」
一刀「・・・えっ?」
華琳「如何したの、秋蘭?」
一刀「可愛がってもらう・・・ああ、そう言う事か。・・・あ、あははははは」
秋蘭「か、一刀!?之にはいろんな訳が有ってだな」
ガタン!
一刀「・・・」
勢いよく立った一刀はそのまま扉に向かう
春蘭「お、おい・・・一刀?」
秋蘭「一刀、話を」
一刀(キッ!)
秋蘭「!?」
一刀「・・・」
鋭く秋蘭を睨みつけた一刀は
一刀「姉さん達との義姉弟関係!!考え直させてもらうからな!!」
秋蘭「あっ・・・」
バタン!!
そう言い残して出て行った
春蘭「しゅ、秋蘭」
秋蘭「姉者!!まだ一刀には説明してないから話すなと言っただろう!!」
春蘭「・・・あっ!?」
華琳「あ、貴方達!まさか話してなかったの!?」
秋蘭「話そうとは思ったのですが、中々言い出せず」
桂花「そりゃあんな怒り方もするわね」
季衣「一刀様。何で怒っちゃったんですか?」
桂花「はぁ、春蘭達が恩に隠し事してたからよ、判った?」
季衣「隠し事、それは駄目ですよ春蘭様。一刀様。春蘭様達の事大事な家族だって言ってたのに」
秋蘭「大事な家族。・・・そうだな」
春蘭「如何するのだ秋蘭!?もしかして一刀奴此処を出てったりしないだろうか!?」
秋蘭「今のままだと有り得るな」
春蘭「か、一刀が、此処を出て行く・・・」
華琳「春蘭!!秋蘭!!」
春蘭・秋蘭「「は、はい!?」」
華琳「今すぐ和解してきなさい!!」
春蘭・秋蘭「「ぎょ、御意!?」」
春蘭たちは急いで一刀の部屋に向かった
ちなみにその夜、華琳の相手は桂花が勤めたとか何とか
----一刀の部屋----
一刀「はぁ~」
今一刀は寝台に寝転がりため息を付いていた
一刀「あんな事言っちまったけど、如何するかな~」
もちろん悩みの種はさっきの事である
一刀(あの時は怒り任せに言っちまったけど、如何しようかな?春姉と秋姉を傷付いただろうな。でも春姉達だって悪いわけだし、でもあの春姉が素直に謝るかな?)
等と一刀が考えていると
ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!
一刀「・・・」
ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!
一刀「・・・」
ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!
一刀「くっ!#」(ブチ!)
ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!
一刀「##」(ブチブチ!!)
ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!
一刀「##########」(ブチブチブチブチブチブチブチブチブチブチ!!)
一刀の額に青筋が浮ぶ
一刀「だああああ!!もう、開いてるよ!!」
ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!
一刀「開いてるってば春姉!!」
--------
・・・
--------
一刀「黙るし、やっぱ春姉かよ。・・・開いてるから、入っても良いよ」
ガチャ!
春蘭・秋蘭「「・・・」」
一刀「秋姉も一緒だったのかよ。で、何の用?」
秋蘭「一刀。そのだな、何時か話そうとは思ってたんだ」
一刀「思ってただけ?」
秋蘭「あっ、いやだからな」
一刀「明日も早いんだ、さっさと部屋戻って寝ろよ」
秋蘭「許してくれるのか?」
一刀「別に、俺には関係ないし」
秋蘭(不味い、怒りを通り越して拗ねている)
春蘭「一刀~~~!////」
一刀「ちょ、何だよ春姉て、酒臭!?」
春蘭「一刀~すまなかったのりゃあ~////」
一刀「しゅ、秋姉!?酒飲ませたのかよ!?」
秋蘭「ああ、強硬手段だ。許すまで離さんぞ」
春蘭「一刀~!////」
一刀「ああ、もう!判った判ったから!?もう怒ってないから!」
春蘭「本当か、本当なのか~?////」
一刀「本当だから。とりあえず寝てろ」
抱き付いて来た春蘭を離し、秋蘭に向かい合う
一刀「たく、本当に変わったよな秋姉も。昔は控えめな性格だったのに」
秋蘭「姉者の手綱を持っていたらこうもなるさ」
一刀「まったく」
秋蘭「だがな一刀。話そうと思ってたのは本当だ。之だけは信じてくれ」
一刀の隣に座りながら、秋蘭が話を続ける
秋蘭「お前にあんな事を言われた時は、もう駄目かと思ったんだ。本当に嫌われたと思ったんだ、私はお前と言う義弟が出来て、本当に嬉しかったんだ。そのお前に嫌われる事が怖くて、言い出せなかったんだ」
一刀「・・・」
秋蘭「話さなければならない、話さなくちゃいけないと思えば思うほど、私も姉者も嫌われる不安に押し潰されそうになってな」
一刀「言い出せなかった」
秋蘭「・・・ああ」
一刀「・・・たく、そんな事言われたら、何も言えねえじゃねえか」
コトン!
秋蘭「悪かったな」
一刀「ちょ、秋姉!?////」
秋蘭がいきなり腕を抱き締め肩に頭を乗せてきた事に驚いた一刀は、顔を赤く染める
秋蘭「うん?如何した一刀。顔が赤いぞ」(ニヤニヤ)
一刀「秋姉。からかってんだろう?」
秋蘭「さあ、如何かな?」
一刀「仕返しのつもりかよ(ガシッ!)えっ!?」
春蘭「何二人だけで話してるのりゃ~!こっちも見るのりゃ~!////」
春蘭が反対側から抱き着いてきた
一刀「春姉。だから酒臭いから!」
春蘭「やっぱり私の事が嫌いになったのか!?」
一刀「違うって!ただ・・・」
秋蘭「ただ、何だ?」
一刀「春姉と秋姉を、孟徳に取られるんじゃないかと思って////」(ボソボソ)
春蘭・秋蘭((きゅーーーーーーーん!!////))
プツン!
一刀(うん、今何か聞えたような?)
春蘭「一刀ーーーーーーーー!!」
一刀「わあ!?な、何だよ」
春蘭「も、もう我慢できん!?抱き締めさせろ!!ギュってさせろ!!////」
一刀「ちょ、春姉!?「お姉ちゃんって呼べ--!!」しゅ、秋姉。春姉止めてくれよ!」
秋蘭「////」
一刀「しゅ、秋姉てば、聞えてるんだろう!」
秋蘭「あ。姉者を泣かせた罰だ、大人しく受け止めろ////」
一刀「いや、かなりキツイんですが」
秋蘭(が、柄にも無くときめいてしまった。このままだと私も何時か押し倒してしまうな、一刀の事を////)
チラッと隣を見ると、春蘭に押し倒されてる一刀の姿が有った
秋蘭「ふう、ふう、よし!姉者。そのままだと一刀が死んでしまうぞ」
春蘭「むう~////」
一刀「ゼエ・・・ゼエ・・・ゼエ・・・し、死ぬかと思った」
秋蘭「さてと」
ギュ!
一刀「しゅ、秋姉?」
秋蘭「何だ、姉者は良くって私は駄目なのか?」
一刀「いや、そう言う訳じゃ」
秋蘭「なら良いよな」
秋蘭が寝転がりながら、一刀の腕を抱き締める
秋蘭「姉者。之なら良いそうだ」
春蘭「そ、そうか。なら////」
秋蘭「折角だ、このまま一緒に寝るか?」
一刀「勘弁してくれ、寝れねえよ」
秋蘭「何だ、一刀は狼になるのか?」
一刀「な、ならないよ義姉さん達相手に」
秋蘭「なら良いな、姉者なんぞもう寝ているぞ」
春蘭「ぐぅ~」
一刀「・・・もう好きにしろ」
秋蘭「ああ、好きにするさ」
次の日、仲良く川の字で寝ている三人を見た華琳の説教を受けたとか受けなかったとか
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春蘭・秋蘭