【ダンガンロンパIfストーリー・ダンガンスクール】
【希望ヶ峰学園デノ生活】
【第6話・大和田紋土】
【超高校級の暴走族】
【ロクガツ・イツカ】
「もう我慢できない! 大和田君、勝負だ!」
「望むところだ、この風紀委員野郎。蹴りつけてやるぜ」
それが僕、【超高校級の幸運】である苗木誠が朝見た光景であった。
その日の昼休み。2人の男子生徒がグラウンドでお互いを睨み合っていた。
1人は金髪のリーゼントパーマと長ランが特徴の不良学生。【超高校級の暴走族】である大和田紋土。もう1人は逆立った短髪に太く鋭い眉、渦巻き模様の赤い眼が印象的な【超高校級の風紀委員】、石丸清多夏。そんな2人がグラウンドに立ってお互いを親の仇でも見るかのように睨んでいる。
事の発端は、昨日の6月4日。大和田紋土が【超高校級のプログラマー】、不二咲千尋の首を掴み、食堂へ連行していこうとしていたのを石丸清多夏が止めた事が原因である。
『君、今すぐ不二咲君から離れたまえ!』
『あぁん? なんで俺がお前なんかの意見を聞かなくちゃいけないんだよ。俺は不二咲に用があるんだ。お前には関係ねぇ』
『不二咲君を……不二咲君を虐めるんじゃない! もう許さん! 今までは大目に見ていたが、流石の僕も同級生の虐めの現場を見逃すわけにはいかない!』
『話を聞かねえのかよ、てめえは。お前には関係ないって言ってんだろうが』
『上等だよ、大和田君! 君とは前々から白黒つけたかったんだ!』
『上等だ、この野郎。お前をけっちょんけっちょんにやっつけてやるぜ』
そして、朝に喧嘩になり、遂にはグラウンドで本気の決闘が始まろうとしていた。
「ふ、二人とも……」
それを不安そうに見つめる【超高校級のプログラマー】、不二咲千尋。体格も相まってまるで女性のように見える彼と、言い争う2人を見て、苗木は「まるで不二咲さんを2人が取り合っているようだね」となんとなく言ってしまった。
「やはりそう思うですか、苗木誠殿! 僕は前々から2人の争いは絵になると思っていたのですぞ! 特に不二咲千尋殿が絡むと特に!」
とテンションの高い【超高校級の同人作家】、山田一ニ三は声を出す。
「勝負はグラウンドの走りあいだ! 1500mをどちらが速く走りきるかを競おうじゃないか!」
「上等だ、この野郎! どっちが速いか、見せてやる!」
2人は闘志を燃やしながら、それぞれ睨み合う。
「さぁ、苗木。立会人として早くスタートの合図を切ってくれ」
「苗木君! 早くしてくれたまえ!」
「あぁ、うん。ごめんね」
何故か2人の勝負の立会人にされてしまった(朝、2人の後に入って来たのが苗木だったからだ)苗木誠は学校から借りて来たレース用のピストルを高く上げて、空砲を鳴らす。
パン、と言う音と共に2人は走り出す。
「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「どりゃああああああああああああああああ!」
2人は物凄い勢いで、まるで100mを走るかの勢いでグラウンドを駆け巡る。既に2人の後には大きな砂煙が生まれている。
「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ、負けるかよ!」
「どりゃあああああああああああ、この男にだけは負けられない!」
2人は物凄い勢いで走って行き、そしてあっという間に1500mを走りきる。
「「どっちが勝った!?」」
2人の熱い剣幕にビビる苗木。
「えっと……」
しかし、苗木は勝利者を宣言出来ない。その訳は後ろに居た不二咲千尋が言う。
「2人とも……速すぎて同着だったよ?」
「なんだと!? じゃあ、もう1回勝負だ!」
「そうだ、僕が負けるはずがない! 苗木君、もう1回だ!」
そう言って再びスタート位置に着く大和田と石丸。
再び鳴らす苗木であったが、結局2人が納得出来る結果になるまで、およそ15回も行われた。
【ロクガツ・ナノカ】
「どうだ、凄いだろ! 兄弟!」
「あぁ、驚いたぞ! 兄弟! これが兄弟の愛車なのだな! ふむ、僕もまた兄弟と一緒にドライブをするためにバイクの免許を取りに行くか!」
「そうだな、一緒に走ろうぜ、兄弟!」
その翌日、そうやって2人で仲良くバイクを見る大和田紋土と石丸清多夏の姿が多くの生徒に目撃されたと言う。
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ダンガンロンパIfストーリー。
もしも、彼ら彼女らが普通に学園生活を送っていたらどう言う生活を送っていたのか?
第6話、【超高校級の暴走族】大和田紋土の話。