No.608843

英雄伝説~光と闇の軌跡~ 668

soranoさん

第668話

2013-08-15 10:28:46 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:995   閲覧ユーザー数:935

~夕方・クロスベル駅~

 

「ロイド―――――――――――ッ!!」

ノエルと共に列車から降りたロイドがホームを歩いていると聞き覚えのある声が聞こえてき

「あ……」

声に気付いたロイドが立ち止まって声が聞こえた方向を見つめたその時

「おっかえり―――――ッ!!」

キーアが走ってロイドの身体の飛び込み、飛び込まれたロイドはキーアを受け止めた。

「キーア……!迎えに来てくれたのか。」

「うんっ!今日帰ってくるって聞いたから!だいじょうぶ!?どこもケガをしてない!?」

口元に笑みを浮かべて言ったロイドの言葉にキーアは嬉しそうな表情で頷いた後ロイドを見つめて尋ね

「ああ、平気だよ。ただいま、キーア。」

「おかえりっ、ロイド!」

ロイドの答えを聞いて笑顔で言った。

「えへへ……ノエルもおかえりなさい!」

「あはは……ただいま、キーアちゃん。」

そしてキーアに笑顔を向けられたノエルが笑顔で答えたその時

「おねえちゃ~~ん!」

今度はフランの声が聞こえた後フランが走ってノエルに飛び込み、ノエルを抱きしめた。

「わわっ、フラン!?」

「ふえええん……!お姉ちゃんが無事でよかった!おかえりなさいっ!ケガとかしてないよね~!?」

驚いているノエルにフランは安堵の表情で涙を流した後笑顔で尋ね

「うん、見ての通り大丈夫。ていうか、たった数日なのにそんな大げさにしなくても…………」

尋ねられたノエルは答えた後呆れた表情で溜息を吐いた。

「お姉ちゃんはわかってません!時間なんて関係ないんだよ~。ねー、キーアちゃん?」

「そーそー、その通り!」

「はは……」

「何だか戻ってきたって実感がありますね…………」

和やかにフランとキーアが頷き合っているのを見たロイドとノエルが微笑んでいたその時

「ロイド……おかえりなさい。」

聞き覚えのある女性の声が聞こえ

「あ…………」

声を聞いたロイドが声が聞こえた方向を見つめたその時、エリィとセルゲイ、エルファティシアとルファディエルがロイド達に近づいてきた。

 

「エリィ!もう戻ってきたのか!?」

「う、うん、つい昨日にね。おじいさまの手伝いも終わったし、私も今日から復帰できるわ。」

「そっか…………………………」

(こ、この2人は…………!よくもまあ、これだけ他の者達や私が見ている前でよくこんな事ができるな……)

エリィの答えを聞いたロイドはエリィと見つめ合い、それを見ていたメヒーシャは表情を引き攣らせた後溜息を吐き

「フフ………」

「若いわね~。」

その様子をルファディエルとエルファティシアは微笑みながら見つめ

「ねーねー。ロイドとエリィ、見つめ合ってどうしたのー?」

キーアは不思議そうな表情で尋ね

「い、いや!別に何でもないって!」

「そ、そうそう。久しぶりだったからつい懐かしいなぁっていうか!」

尋ねられたロイドとエリィは慌てた様子で答え

「んー?」

2人の答えを聞いたキーアが首を傾げたが

「フフ、それはね、キーア。2人が私とヴァイスハイトみたいな関係だからよ♪」

「そしてようやく恋人同士になったというのに仕事の関係でしばらく離れていたから、互いの思いを確認していたのよ♪」

「わあー、ラブラブだー♪」

エルファティシアとルファディエルの言葉を聞いてはしゃぎ

「エ、エルファティシアさん!それにルファ姉も……!」

「……………………」

2人の言葉を聞いたロイドは顔を真っ赤にして慌て、エリィは恥ずかしそうな表情で黙り込み

(うーん……相変わらずラブラブだなぁ。)

その様子を見ていたフランは微笑ましそうに見つめ

(話には聞いていたけど、ここまで熱々なんてね……)

フランの小声を聞いたノエルは苦笑しながら見つめていたが

(えへへー。でも私とヴァイスさんだって負けていないよ♪この前のデートだって一杯愛し合ったんだよ♪)

(う”…………)

笑顔で言ったフランの言葉を聞いて表情を引き攣らせて唸った。

「あ、ノエルさんもお疲れ様。危険なことはなかった?ロイド、たまに無茶なことをしでかすことがあるから……」

一方気を取り直したエリィはノエルに視線を向け

「い、いえいえ。エリィさんこそお疲れ様です。たしかマクダエル議長の付き合いで各国を回ってたんですよね?」

視線を向けられたノエルは気を取り直した後尋ねた。

「ええ、大した手伝いが出来たわけじゃないけど。でも、色々と面白い情報を仕入れてくることが出来たわ。」

「そっか……後で改めて聞かせてもらうよ。しかし、これでティオとランディ、セティ達が戻ってたら言うことないんだけどな……」

エリィの答えを聞いたロイドは頷いた後溜息を吐き

「ま、今月中にはランディとティオは戻ってくるし、セティ達も来月中には戻ってくるだろう。それより、ロイド。ちゃんとケリは付けてきたのか?」

ロイドの疑問にセルゲイは答えた後尋ねた。

「……はい。無事、両名とも逮捕しました。ダドリーさんとアリオスさんが拘置所の方に護送しています。セリカさん達はアルタイルでたまたま知り合いの方と出会ったので、その方と話をしてから戻ってくるそうです。」

「そうか……ま、これで教団絡みの事件は一段落したと見ていいだろう。わかってるとは思うが……ボチボチ頭を切り替えてもらうぞ。」

「はい、そのつもりです。」

「ノエルの方はあらためてよろしく頼む。今日からでいいんだったな?」

「ハッ!ノエル・シーカー!本日より特務支援課へ出向させていただきます!」

セルゲイに尋ねられたノエルは敬礼をして答え

「ほえ~……」

「えへへ……これでお姉ちゃんもお仲間だ。」

「フフ、よろしくね。」

「……貴女の力、期待しているわよ。」

ノエルの様子をキーアは呆けた様子で見つめ、フランは嬉しそうな表情をし、エルファティシアは微笑み、ルファディエルは静かな笑みを浮かべて見つめ

「あー、そんなに畏まらなくてもいい。ギュランドロス司令やソーニャからも聞いてるだろうがウチにはウチのペースがある。軍隊式の上意下達(じょういかたつ)はとりあえず捨ててもらうぞ。」

セルゲイは溜息を吐いた後ノエルを見つめて指摘し

「ど、努力します。」

指摘されたノエルは戸惑った様子で答えた。

「フッ………まだまだ軍隊式の固さが取れていないぞ、ノエル?」

「軍隊にいた者が急に態度を変える事がは難しいと思います、ヴァイス。」

するとその時男性と女性の声が聞こえて来た。

「え………この声は……!」

「うっ…………!」

声を聞いたロイドは驚き、ノエルが表情を引き攣らせて唸ったその時、ヴァイスとアルが腰に付けた鞘に剣を収めた黒髪の少年と共にロイド達に近づいてきた…………

 


 
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