No.608753

一刀の晋王転生録 第五章十三話

k3さん

馬超が曹操の動きを知り、怒りに燃えている中、一刀も曹操の狙いに気付く。そして一刀は迷う。

2013-08-15 00:03:01 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2421   閲覧ユーザー数:2123

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:鄧  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

  第十三話

   「曹操の乱、一刀のわがまま」

 

 

 馬超が曹操に対しての戦闘の準備が終えようとしていた頃、闇那が大慌てで一刀の元に駆けつける。

 

「一刀様! 馬超の陣営を見ていた私の部下の情報により事情が判明いたしました!」

 

「! 話せ! 何が起きている!」

 

 一刀は闇那の慌てように何か只事ではない何かを感じ、焦りながら報告を促す。

 

「はい! 部下によると……」

 

 ここでようやく一刀は馬騰の自害の内容を大筋を知ることとなる。そして馬超もそれを知ったという事も。

 

(曹操が馬騰殿を……まさか、馬騰殿を引き抜くためか?)

 

 曹操という女性の性格を元に彼女の狙いを分析する。

 

(だとすればこれは彼女にとってもかなり想定外な出来事だったんだろう、だから大慌てで使者を送り込んだ。録に選定もせずに)

 

 そしてその使者から馬超達は聞きだした。ならばその後の彼女達の行動は何なのかと考えたとき、闇那の慌てようの理由に気付き、

 

はっとなる。

 

「闇那! まさか馬超達は!?」

 

「はい! 戦の準備をしております! 恐らく曹操に向けて!」

 

(なんて事だ! 今曹操と戦えば……彼女達を止めなければ、馬騰殿の死が意味を成さなくなる!)

 

 馬騰は馬超のために死んだのだ。これからも彼女が漢の臣下として働けるようにする為に、名誉を守る為に自害したのだ。だからこ

 

そ馬騰は馬家に反意無しと証明するため自ら首を刎ねた。だが問題はまだそれを証明できていないのだ。何故なら、まだ漢にこの事を

 

知られていない。そんな状況で、司馬家に背後を向け、漢の勅命で動いている曹操を討とうとすれば漢は確実に誤信する。馬家は漢を

 

裏切ったと。

 

(だが、俺達にとって馬超を止める理由は無い。むしろ同士討ちをしたほうが此方は特だろう。それに仮に止めに向かったところで確

 

実に間に合わない。だからあらゆる意味で行く必要は無い。だが、良いのか? これで!?)

 

「失礼いたしますわ」

 

 一刀が悩んでいる時、袁紹が現れた。

 

「袁紹? どうした?」

 

「……申し訳ございませんが、お話は聞かせていただきましたわ」

 

「……そうか、それで何が言いたい?」

 

 話を聞いて、此方に姿を現したのはそれが理由だろうと一刀は分かっていた。

 

「ワタクシの意見を聞いていただきたいと思いまして」

 

「へぇ、是非聞きたい」

 

 迷いからか、一刀は彼女の話を素直に聞く。

 

「華琳さんにとってこれは本意では無いでしょう。そして馬騰にとっても本意ではないはずですわ。そして司馬昭さん、あなたもそう

 

でしょう?……最早この戦、誰も望んでいないものとなっているのでは? ワタクシは、戦とは何かを望んでするものだと思っていま

 

すわ」

 

「成程……」

 

 欲するものを手に入れようとするわがままな袁紹だからこその言葉と言えた。そして現状の真理と言えるのではとも思った。

 

 確かに、曹操の馬騰引き抜きの狙いはすでに叶わぬものとなっている。馬騰は死して望みを絶たれた。馬超は怒りと憎しみからただ

 

暴走しようとしている。これでは望み、願いとは言いづらい。そして一刀は当主としてどうかと思うし、自覚もしているがこの結末に

 

は納得しない。

 

(誰も望まぬ戦……か……)

 

「ワタクシとしてはこんな形で華琳さんと決着なんて絶対! 嫌ですわ!」

 

 結局のところ、その言葉こそ彼女の言いたい事だ。こんな時でも自分のわがままを言っている。だが……。

 

「貴方はどうなのでしょうか? 司馬昭さん?」

 

 一刀は考える。迷っているのなら、自分も目の前の彼女のようにわがままでも、納得できる道を選ぶべきなのではと。戦わせる皆に

 

は少々申し訳ないとは思う。だが、少なくとも何もせずに全てが終わっていた、という間抜けな結末より、よっぽどましだと思った。

 

 尤も、わがままに動くにも限度と言うのはあるが。

 

「闇那! 皆に伝えろ! 戦の準備をしろと!」

 

「はい!」

 

 闇那は急いで全軍に伝達するために走っていく。そして袁紹は、一刀の決断に満足したのか上機嫌だった。


 
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