No.608671 英雄伝説~光と闇の軌跡~ 665soranoさん 2013-08-14 20:43:42 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:847 閲覧ユーザー数:799 |
~アルタイルロッジ・祭壇~
「オオオオオオッ…………!」
全身が紅色になったアーネストは両手を上げて叫び
「むっ………!」
「次は何をしてくる……!」
アーネストの様子を見たアリオスとセリカは警戒の表情になり
「―――来る!気を付けてください!」
アーネストの様子を見て巨大化した魔人ヨアヒムが自分達を掴まえようと腕を地面から生やした攻撃を思い出して警告し
「っ!」
「チッ!」
「「!!」」
警告を聞いたノエルたちは厳しい表情をした。そしてアーネストが両手に地面に叩きつけた瞬間ロイド達は後ろに跳躍した!ロイド達が行動を開始した瞬間、ロイド達がいた場所にアーネストの両手の一部が生え、それを見たアリオス、ノエル、ダドリー、セリカは衝撃波や銃撃を放って両手の一部を破壊した!
「オオオオンン………!」
そしてアーネストは全身から紅い光を放って暴れ出し
「これは……!」
「と、溶けてる……!?」
それを見たロイドとノエルは厳しい表情をし
「ヨアヒム死亡時の報告にあったやつか……!」
ダドリーは真剣な表情で叫んだ。
「ァァァァァァ…………イヤダ…………イヤダアアアアアアアアアアッ!!死ニタクナイ…………死ニタクナイヨオオオッ…………!」
一方アーネストは悲鳴を上げ
「……っ…………」
「……哀れな…………」
「……………………」
(フン、愚か者が……)
アーネストの様子を見たノエルは唇を噛みしめ、アリオスとセリカは目を伏せ、ハイシェラは鼻を鳴らし
「可哀想な人ですね…………もういっそ楽にしてあげた方がいいんじゃないですか?」
「……じゃな。」
リタは静かな表情で呟いた後提案し、リタの提案にレシェンテは頷き
「くっ……!―――そうだ!皆さん!持ってきた対グノーシス用の解毒薬を全て、アーネストの口目掛けて投げて下さい!」
ロイドは唇を噛みしめた後ある事を思い出して叫び
「!ディオン3姉妹とノウゲートが開発したあの解毒薬か!やってみる価値はあるな!」
ロイドの叫びを聞いたダドリーはすぐに察して懐からセティ達が創った”グノーシス”の効果を解毒する”ルリエンの聖薬”を瓶ごと投げ、ダドリーに続くようにロイド達もそれぞれ解毒薬を瓶ごと投げ、投げられた瓶はアーネストの口の中に入った。すると
「オォォォォォ………!」
アーネストが全身から出す紅い光が半分程収まった。
「チィッ!効果はあったようだが、死亡するまでの時間稼ぎ程度か……!クソッ、さすがにあれだけでは無理か!」
「……さっきの解毒薬が大量にあればまた状況は違ってくるかもしれないな……」
アーネストの様子を見たダドリーは舌打ちをし、セリカは静かな表情で呟いた。
「くっ……!」
一方ロイドは悔しそうな表情をした後アーネストの目の前まで移動し
「ロ、ロイドさん!?」
「おい、何を………!?」
ロイドの行動にノエルとダドリーは驚いた。するとその時
「アーネスト!気をしっかり持て!自分を見失うな!あんたは、あんただろう!」
ロイドはアーネストを睨んで叫んだ。
「…………ググググ……ギギギッ…………?」
「ヨアヒムと違ってあんたは紅いグノーシスを大量に飲んだわけじゃない!だったら助かる!絶対に諦めるんじゃない!」
「ググ……ガガガ…………」
ロイドの叫びを聞いたアーネストは何も答えず唸り
「バニングス、お前……」
「…………ロイドさん……」
ロイドの言葉を聞いたダドリーは真剣な表情をし、ノエルは複雑そうな表情で見つめた後仲間達と共にロイドに近づいた。
「ゥゥゥ………アア…………ド…………ドウシテ……ココマデシタ私ニ…………ドウシテ貴様ハ…………」
「……それとこれとは話が別だ。あんたは確かに罪を犯した。でも、だからといってこんな場所で死んでいいほど罪深かったとは思えない。それに、あんたが死んだらエリィやマクダエル議長だってきっと哀しむだろう。だから……絶対に自分を取り戻してくれ!」
戸惑っている様子のアーネストにロイドは静かな表情で言った後真剣な表情で叫び
「…………えりぃ…………まくだえる先生…………スマナイ………ドウシテ私ハ……グッ…………!……アアアアアアアアアアアッ!」
ロイドの叫びを聞いたアーネストは後悔した様子で呟いた後苦しみだし、収まっていた紅い光が再び出始め、さらに激しい紅い光を放ち始めた!
「クッ、駄目か……!?」
「な、何とかならないんでしょうか!?」
その様子を見たロイドは悔しそうな表情で叫び、ノエルは不安そうな表情で叫び
「くっ、こんなケース、さすがに専門外だぞ!?」
「こんな事ならシュリを連れてくるべきだったかもしれんな………」
「…………ああ…………」
「後はイーリュンの高位の治癒術師がいれば、話は別だったかもしれませんが……」
ダドリーは悔しそうな表情で叫び、真剣な表情で呟いたレシェンテの言葉にセリカは頷き、リタは静かな表情で呟いた。
「いや………―――どうやら”専門家”が間に合ってくれたようだ。」
一方アリオスは落ち着いた様子で言い
「なに……」
アリオスの言葉を聞いたダドリーが戸惑ったその時!
「『天にいます我らが主よ。魔に引かれし哀れな迷い子を御身の光で呼び戻さんことを……』」
聞き覚えのない青年の声が聞こえてきた!
「え……」
「教会の聖句……?」
声を聞いたロイドとノエルは驚いて振り向き
「!この声は……!」
「何でお主がいるんじゃ!?」
(クク……このタイミングで現れるとはまるで狙っていたかのようだの。)
「あら……フフ、まさかこんな所で再会する事になるなんて。」
セリカとレシェンテは驚き、ハイシェラは不敵な笑みを浮かべ、リタは微笑んでいた。すると一人の七耀教会の神父が姿を見せ
「あんたは……」
神父を見たダドリーは戸惑い
「スンマセン、時間がないんですぐに処置させてもらいますわ。君、ちょっと退いてもらえるか?」
神父は静かな表情で答えた後ロイドに指示をし
「え、あ……はい!」
指示をされたロイドは戸惑った後すぐにその場をどき、神父はアーネストの前まで来た。
「グググ……アアアアアッ……!」
「ふむ、崩壊一歩手前やね。……けど、何とか踏みとどまってくれたか。これなら―――」
唸って暴れているアーネストを見た神父は呟いた後”星杯”が描かれたロケットを前に出して地面から聖気をさらけ出し
「『我が深淵にて煌めく蒼の刻印よ。』」
詠唱を開始した!すると神父の背中に蒼色の何かの紋章が現れ
「『光となって昏き瘴気を払い、迷い子の道を指し示せ―――!』」
神父がアーネストを睨んで詠唱を終えると、アーネストの身体に蒼い光が包み込まれ
「こ、これは……」
「あの光は一体……」
光に包まれたアーネストを見たロイドとダドリーが驚いたその時、光に包まれたアーネストは人間の姿で倒れていた!
「あ……」
「も、戻った……!」
人間の姿に戻ったアーネストを見たノエルとロイドは明るい表情をし
「ふう……何とかなったか。」
神父は安堵の溜息を吐いた後アーネストに近づいて状態を調べた。
「ど、どうですか?」
「うん、気絶しとるだけや。数日は起きられへんけど命に別状はないやろ。」
「よ、良かった……」
「はぁ……ひと安心ですね。」
神父の説明を聞いたロイドとノエルは安堵の溜息を吐き
「そ、それはともかくあんたは一体何者なんだ!?教会の神父のようだが……一体どうしてこんな場所に!?」
ダドリーは神父を睨んで叫んだ。
「あれ、アリオスさん。オレのこと、こちらの皆さんには話してへんのですか?」
一方ダドリーの言葉を聞いた神父は立ち上がって意外そうな表情でアリオスに尋ね
「フフ、間に合うかどうかわからないと言われたからな。立場が立場だろうし、念のため伏せさせてもらった。」
尋ねられたアリオスは静かな笑みを浮かべて答えた。
「なるほど、助かりますわ。いや~、相変わらず気が利いてはるお人やなぁ。」
「フッ、君の方こそな。ありがとう。来てくれて本当に助かった。」
「えっと……」
「フン、どうやら勝手に保険をかけられたようだな。七耀教会、封聖省に所属する”星杯騎士”どのと見受けるが?」
アリオスと和やかに会話している神父をロイドは戸惑った様子で見つめ、ダドリーは鼻を鳴らした後真剣な表情で尋ね
「封聖省、星杯騎士……」
「確か”古代遺物(アーティファクト)”を回収するっていう……?」
ダドリーの言葉を聞いたノエルは呟き、ロイドは神父を見つめて尋ね
「ハハ、お見通しでしたか。初めまして―――七耀教会、星杯騎士団に所属するケビン・グラハムいいます。アリオスさんの連絡を受けて参上させてもらいましたわ。どうかお見知りおきを―――」
尋ねられた神父―――”星杯騎士”のケビンは自己紹介をした…………
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第665話