No.608253

真・恋姫†妄想 桂花事変 その一

狭乃 狼さん

ご無沙汰してます。

駄作家の狭乃狼でございます。

久々投稿は、タイトル通り、桂花をメインにおいたお話。

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2013-08-13 10:35:49 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:10296   閲覧ユーザー数:7559

 事変のその一

 

 

 「え……?いま、なんて言ったの?」

 

 とある日の午後。自身の執務室で政務中だった華琳は、突然にやってきたその来訪者の言葉に己が耳を一瞬疑った。

 

 「……もう一度言ってくれるかしら?桂花?貴女今、なんて」

 

 その来訪者は、桂花。主の再度の問いかけに対し、彼女はもう一度、つい先ほど主君に対して言った己が言葉を、改めてその表情を引き締めて口にした。

 

 「……まことに身勝手で申し訳ございませんが、荀文若、本日をもって"お暇”をさせていただきたく存じます」

 「……本気、なの?」

 「……はい」

 

 暇乞い。つまり、桂花は華琳の下に居ることを止め、野に下ろうとしているのである。華琳にとってはまさに青天の霹靂のような、彼女の突然の申し出である。

 しかし、桂花はこのことを、かなり以前から決めていた。それを今日まで言い出さずにいたのは、やはり、長年仕えた主君の下を辞するという行為に、後ろめたさを感じていたからだ。

 

 「……理由は、教えてくれるのかしら?」

 「……もうしわけ、ございません」

 「……そ」

 

 唇をぎゅっとかみ締め、自身の問いに否と答えた桂花のその様子に、華琳は彼女の並々ならぬ決意を感じ取っていた。長年、公私共に連れ添ってきた間柄である。その様子から、華琳は今の桂花は何を言っても己の言を覆そうとはしないだろうことが手に取るように分かった。

 

 「……分かったわ。惜しいけど、貴女の覚悟がそれほどなら、私も止めはしないわ。好きになさい」

 「……ありがとうございます。長年、お世話になりました。どうか、お元気で……華琳さま」

 

 それだけ言うと、桂花はそのまま華琳の執務室を退出していった。彼女の背を見送った華琳は、ただ何事も言葉を発することなく、一つだけ小さな嘆息つき、そのまま元通り政務へと戻った。

 一方の桂花は、自信の部屋に戻り、すでに荷造りを済ませてあった荷物とともに、魏の屋敷を早々に発った。途中、仲間たちと出くわし、どうしてこうも早く知ったのか、彼女が官を辞したことをしつこく問い詰められたものの、やはり、その理由を誰にも告げることなく、まるで逃げ出すかのようにして屋敷を、いや、都そのものを後にした。

 

 そして、それから半年ほど後。

 

 

 

 「みんなだいすきー!?」

 『てんほーちゃーんっ!!』

 「みんなのいもうとー?!」

 『ちーほーちゃーん!!』

 「とってもかわいい」

 『れんほーちゃーん!!』

 

 そこは、数え役満姉妹による、定例コンサートの会場。いつもながらの賑わいを会場は見せており、彼女らのファンたちで場内は埋め尽くされている。

 天和と地和はそんなファンたちにいつもどおり、満面の笑顔でスマイルと言葉を返している。しかし、会場内でただ一人、人和だけがいつもとは何かが違うのを感じ取っていた。

 

 (……変ね。なぜかいつもより、ふぁんの人たちが少ないような気が……?)

 

 気のせいかもしれない。しかし、彼女には会場内のボルテージがいつもより幾分か低い気がしていた。ぱっと見は普段と変わらないファンの数であるが、彼女は微妙に、それらの数が減っているように感じ取っていた。

 とはいえ、彼女の気がかりとは関係なく、コンサートは無事に済み、姉妹は控え室となっている天幕へと戻ってきた。

 

 「ねえねえれんほーちゃん。今日はどうしちゃったの?なんだかずっと浮かない感じがしていたけど」

 「こんさーと、何かおかしなところでもあったの人和?」

 「……姉さんたちは気づかなかった?今日のこんさーと、本当に少しだけど、人、少ない感じがしたわわ」

 「そう?お姉ちゃん、特に気がつかなかったけど」

 「あたしも。まあでも、もうじき今日の入場者数を数え終えた報告書が届くだろうから、それで分かるわよ」

 

 そして、しばらくしてから届けられた件の報告書、それによって彼女らは驚愕することになる。

 

 「……うそ」

 「……ど、どういうこと?」

 「……ふぁんの入場者数が、いつもより二万人も少なかった……?」

 

 百人、千人単位ぐらいでなら、多少なりとも増減は分からないでもない。しかし、それが万を越した数ともなれば、到底偶然とはいえない差となる。届けられた報告書には確かに、普段の入場者数より二万人以上の少ない数のそれが書かれていたのだった。

 そしてその原因を、彼女らはすぐに知ることとなる。

 

 それは、そのときのコンサートからわずか二日後のことだった。

 

 

 

 『……ぽっかーん』

 

 そこに、華琳を始めとした魏の面々が全員揃い、大きな口を開けて呆然としていた。

 

 その原因は、彼女らの目の向けられている、そこに設置された舞台上にあった。

 

 そこに居たのは。

 

 

 

 

 

 

 

 「みんなー!こーんにっちわー!」

 

 

 『ふにゃああああああああああああああああああああああっっっっっっっ!!』

 

 「みんなのえんじぇる!?」

 

 『けえっいっふぁったああああああああああああああああああああああああああああん!!』

 

 「ありがとー!みんなが元気で、けいふぁ、うれしいっ!きゃるーん♪」

 

 『ふにゃああああああああああああああああああああああああああああっっっっっ!!』

 

 

 

 

 

 そう、舞台の上でこれでもかというぐらいの、“ドピンク”の、“ふりっふりで可愛らしい”衣装を身に着け、“元気に明るく”、超絶な笑顔を振りまいていたのは、半年前、突然にして華琳の下を辞した桂花だったのである。

 

 「……なにをやっているんだ、桂花のやつ」

 「……しすたあずみたいな、あいどる活動、じゃないのか姉じゃ?」

 「……というか、アレ、本当に桂花……?」

 「……なんで桂花があんなことすんねん?」 

 「……いったい、桂花ちゃんになにがあったんでしょうねー……?」

 「……あ、あたまが……」

 

 などなど。目の前で起こっている事態に、文字通り頭を抱え込む魏の面々であった。

 

 

 

 ちなみに、これの首謀者はいうと……まあ、言わなくても分かりますよねー?www

 

 

 

 「うーむ。予想以上のハマリぐあいだなー。いやあ、我ながらいい仕事したもんだ、うんうん」

 

 そうして一人、腕組みをして頷いている、白い学生服を着たその人でありました。

 

 ちなみに、何で彼がそんなことをして、そして桂花までがそれに乗ったのか。

 

 それは……。

 

 

 

 「私だって、たまには鬼ツン罵倒男嫌いキャラ以外のキャラをやってみたい!」

 「よし乗った!」

 

 だ、そうである(笑   

 

 

 おしまい

 

 

 

 いやもうね?

 

 久しぶりの完全な新作投稿がこんなんですいませんWWW

 

 まだ自宅にpc復帰せず、リアルで仕事が変わって時間も思うように取れず、長編ものはなかなか思うように書けず、とはいえこのまま無投稿の期間を長くしてても仕方ないので、 短編のネタでもちまちま書こうかいな、と。

 

 そんなわけで出てきた妄想がこんなんですW

 

 ちなみにコレ、冒頭部分以外はいろんなパターンを考えています。

 

 まじめな話になったり、やっぱりギャグだったりWWW

 

 てなわけで、長編、特に『仲帝記』は絶対エタらせる気は自分にはありませんので、まあ、こういうものを書きつつモチベを徐々に回復させて、これからもちまちま投稿していきます。

 

 では今回はこれにて。

 

 バイ♪


 
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