ある日、白蓮の所に桃香が愛紗、朱里を連れてやってきた。
「白蓮ちゃ~ん。麗羽さんの話聞いた?」
「あ、ああ。正直驚いてるよ。まさか、麗羽にこんなに早く子供が産まれるなんて・・・・・・」
「だよね~~。それでね、私これから麗羽さんの所にお祝いを言いに行こうと思ってるんだけど、白蓮ちゃんも行かない?」
「へ?で、でも、私がここを離れたら統治が・・・・・・」
「心配無用!うちの朱里ちゃんがここに残ってお仕事してくれるから」
「え?」
「ほらほら!善は急げって言うでしょ?早く準備して行こう!」
「え?え?」
強引に急かす桃香
横でため息をつく愛紗と朱里
そして白蓮は桃香に急かされるまま、最低限の準備だけして旅立つことになったのであった・・・・・・
同じ頃、風たちはようやく一刀たちのいる城へとやってきていた。
「おお、風じゃんか。おかえり~~」
最初に風たちが会ったのは猪々子であった。
「ただいま帰りました。お兄さんは?」
「アニキなら赤ちゃんの面倒見てると思うけど・・・・・・」
「お兄さんが?」
「うん。アニキが側にいると凄くおとなしいんだよ。子守唄もアニキが歌ってるんだけど、凄く寝つきがいいし・・・・・・」
「そうなんですか・・・・・・」
「うん。赤ちゃんの部屋はこの廊下のつきあたりだから、行って顔見てあげたら?」
「そうですね、そうします」
「んじゃ、アタイは仕事があるから・・・・・・」
猪々子はそう言って、風たちと別れた。
・・・・・・
夢を信じて~生きてゆけばいいさと~~
君は・・・叫んだ・・・だろう~
明日へ走れ~
破れた翼を~
胸に・・・抱きしめて~~・・・・・・
「ここですね」
風たちは、一刀の歌が聞こえてくる部屋の前にいた。
「では、入りましょうか」
風が扉を開けようとした、が、
「ちょっと待って」
小蓮がそれを制した。
「おや?どうかしましたか?」
「ちょっと、一刀と二人で話がしたいんだけど・・・・・・いい?」
「ふむ・・・・・・まあ、構いませんが」
「ありがと。それじゃ、ちょっと待っててね」
そう言うと、小蓮は扉を開け、部屋の中に入っていった。
「・・・・・・大丈夫だろうか?」
「何がですか?」
「いや、あやつの子供ができたと聞いてから、どうも小蓮さまの様子がおかしいのでな。おかしな気を起こさなければよいが・・・・・・」
「むう・・・・・・」
思春と風は一抹の不安を抱きながら、扉を見つめるのだった・・・・・・
「あれ?シャオじゃねえか・・・何でここに?」
一刀は、眠った一羽をベビーベッドに寝かせているところだった。
「うん。お姉ちゃんが南陽で統治する事になったから、それについていったの。で、風に頼んで連れてきてもらったんだ。思春も来てるよ」
「思春もか・・・・・・周りに迷惑かけるのはほどほどにな」
「一刀にだけは言われたくないんだけど・・・・・・」
「あっはっは、ごもっともで」
笑いながら肯定する一刀。
「へえ・・・この子が一刀の赤ちゃん?」
「ああ、袁譚だ。真名は一羽って言うんだがな」
「どっちで呼んだ方がいい?」
「真名でいいんじゃないか?どのみちこの子はシャオにとっても娘みたいなもんになるし・・・・・・」
「え?」
「え?って、お前、俺の嫁になる気ないのか?」
「あ、あるある!」
「じゃあ、そうなるだろ?」
「そ、そうだよね・・・あはは・・・・・・。」
「・・・・・・シャオ」
「な、何?」
「何隠してる?」
「か、隠してなんて・・・・・・」
「いないと断言できるか?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
少々の沈黙の後、シャオは口を開いた。
「・・・・・・何で分かったの?」
「分かるさ。入ってきたときから、背後から暗いオーラが出てたからな」
「・・・・・・そっか」
小蓮は寝台に歩み寄ると、そのままバフッと寝台に倒れこんだ。
「これでも、その子が生まれたって聞いた直後に比べたら、落ち着いたんだけどね・・・・・・」
「この子が関係あるのか?」
一刀は視線を寝ている一羽に向けた。
「・・・・・・嫉ましかったから」
「嫉ましい?」
「麗羽が一刀の子供を一番最初に産んだってことは、本妻は麗羽に決まりってことでしょ?」
「・・・・・・ああ、そういうことか」
一刀はシャオの隣に座り、納得したように頷いた。
ようするに、目標であった一刀の本妻の立場を最初に子供が出来た麗羽に取られたと、シャオはずっと気にしていたのだ。
「一刀が最初から呉にきてくれてればなあ・・・・・・そしたらシャオが一刀の子供産んで本妻に・・・・・・」
「え?シャオそのころもう子供産めたっけ?」
「何言ってるの?シャオは、ピーーーー!(自主規制)才なんだから産めるに決まってるじゃない」
「・・・・・・そうか」
一刀は深く突っ込まない事にした。
「でも、そういうことだったら・・・・・・シャオ、ちょっと耳貸せ」
「?」
シャオは起き上がり、一刀に顔を近づける。
そして
ひそひそ・・・・・・
・・・・・・
「まだですかね~~」
「・・・・・・ああ」
扉の前で待たされていた風たちがそう呟いたとき、
ギィ・・・・・・
扉が開き、中から小蓮が顔を出した。
「お待たせ♪もう入ってきてもいいよ~~♪」
小蓮は部屋に入る前とは打って変わって、すっかりご機嫌だった。
風と思春は顔を見合わせる。
「・・・・・・まあ、とりあえず入りましょうか」
「あ、ああ」
そう言って、二人は部屋の中に入っていくのだった。
ちなみに、小蓮のご機嫌な理由を二人は一刀に訊ねたのだが、
「まあ、勝負は公平にするってことだな」
一刀が言ったのはただそれだけで、風と思春は首を傾げるのであった・・・・・・
どうも、アキナスです。
暑い日が続いて、正直グロッキー気味な今日この頃です。
そして、相変わらずの更新速度。
もう忘れられてるんじゃないかな~~などと思ったり。
次の投稿はいつできるかなあ・・・・・・などと呟きつつ、次回に・・・・・・
「バクシンハ!!」
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一羽誕生からしばらく経って・・・・・・