俺は周喩の案内する所へ付いていき、しばらく歩いたところに、結構多い人がいた……
周喩は1つの天幕に入って行き、誰かと一緒に中から出てきた。
???「へ~、この子が?冥琳が男を連れてきたから吃驚しちゃった。」
周喩「はいはい、ふざけない。」
龍次「(この人は誰だ?…上官?というより友…って感じだな…あの人は、周喩の事を『めいりん』と呼んでいた……本名か?)……」
俺がそんな事を考えていたら周喩達が近づいてきた。
初めて見たときも思ったが二人とも凄い美人だった、桃色の髪に蒼の瞳、褐色の肌……何処をとっても綺麗なイメージがあった…
???「貴方、名は?」
龍次「昇華龍次だ……(まだ信用できない以上、むやみに情報を洩らしたくないんだが…)」
???「ふーん、私の名は孫伯符よ、所で貴方、天の御遣いなの??」
周喩「ちょっと雪蓮!!」
龍次「は?……何だか分からないが話が飛びすぎじゃあないか??」
俺にはさっぱり分からなかった、孫伯符と名乗る人が突然「天の御使い」と言うものを、俺か?と聞いてきたのだ。
周喩「まったくよ、質問はいいけど順序を守らないと」
孫策「え~~、だって回りくどいの好きじゃないし」
龍次「好き嫌いの問題じゃないって…それに、質問するのは、こちらの筈だけど??周喩さん??」
俺がそう言うと少し睨んでから「そうね…」と言ってくれた…
(本意ではないのは仕方ない…か…)
龍次「とりあえず、戦いは終わったのか??」
孫策「当然よ!!あんな野党なんか私達の敵じゃないわ」
自信満々に答える孫策に俺は少しイラッとしたが抑えて質問を続ける事にした。
龍次「今からどうするつもりなんだ??」
周喩「これから、前に言ったが被害にあった村へ行く。復旧作業をしなくてはいけないのでな」
龍次「そうか、なら細かい話は作業が終わってからだな。」
周喩「そういう事だ。」
俺は近くの村に行くと言うので、話をするべく村へ向かった。
村のそんなに広くなく、街でも町でもなく、村と言うに相応しかった、だが村の状態は、言葉で聞く『被害』とは思えなかった村の中では家が壊されていたり、焼かれた家もあって、村の人の死体がいくつも転がっていた…
龍次「うっ!!」
俺は吐きそうになっていた…村の中に漂う死体の臭い…ま近で見る人の首…
剣や鎧などは着けておらず、明らかに無抵抗で殺された……そんなイメージを見せ付けられる。
そんな俺を見ていた周喩は何か考えていたようだ、もっともそのときの俺はそんな事には気付いてはいなかったが……
そして俺は村の復旧作業を手伝うことにした
孫策「あら?貴方は客人なんでしょう??ならそんな事しなくてもいいわよ??」
俺は腹が立ったが無視して作業を手伝うことにした、主に雑用、村人たちへのご飯を届けたりしていた。
二人は一番奥の天幕に居ると言って行った
そして俺がご飯を届けたときに、1人の小さな女の子が俺に話しかけてきた。
女の子「あの!あなたは偉い人ですか??」
龍次「え??」
女の子はそう言うと俺の目を見て問いかけてくる。大方俺の服が珍しく御偉いさんと勘違いしたのだろう、俺は否定しようとしたが、俺が話し始める前に女の子が話し始めた。
女の子「偉い人は、わたちたちをまもるってお母さんが言ってた!!でも怖い人が来ておとーさん、死んじゃったっておかーさんが言ってた…」
俺は言葉を失った。こんな小さな子が、俺のことを偉いと分かっていながら必死に訴えていたのだ
女の子「何でまもってくれないんですか~…おとう…さん……優しくて…一緒にいるって…ううああ~」
必死に訴えてくるも途中で泣いてしまった。
どうしたら泣き止んでくれる?どうしたら笑顔でいてくれる?俺はそんな事を思っていた
心の中で何かが変わった感じがした……
女性「!!瑠璃!!」
泣き声に気付き母親と思われる人が女の子を抱き寄せて、俺を見て頭を何度も何度も下げた…
母親「申し訳ありません!申し訳ありません!!」
俺は母親を手でとめた後に、屈んで女の子に話しかけた。
龍次「ごめんね、瑠璃ちゃん。守ってあげられなくて…でも、もう泣かないで、今度はきっと守るから……」
俺はそう言うと瑠璃ちゃんの頭を撫でた、瑠璃ちゃんも涙目になりながらも「ほん…とう??」と聞き返してきた。
龍次「ああ、約束だ。絶対守るって約束するよ。」
それを聞いた瑠璃ちゃんは泣き止んで笑ってくれた…「わかった、約束!!」と言い。
そして母親と歩いて行った……
それから夕方まで作業を手伝い一番奥の天幕に入った
孫策「あら?こんな時間まで手伝ってたの??」
周喩「ご苦労様、何か飲むか?」
龍次「水でいい。」
???「はっはっは、こやつかおぬし等が行っておった者は!」
龍次「どちらさん??(又増えてる…女性ばっかり……)」
俺がそう言うと笑顔が消え話しかけてきた。
???「人に名を尋ねるときは、まず、自分から…ではなかったか??」
龍次「それは、お互いに知らないときに…だろう?貴女は俺の事を聞いているんだろう?なら名乗る必要はない。それに名を聞いたのは、そこの周喩さんにだ、貴女じゃない」
???「ほう~?度胸はある用だな、よいことだ!はっはっは」
そう言って再び笑い出す白髪の女性、それを見て孫策も笑っていた。
???「すまんかったのう、少し試しただけじゃ、言いなりの天などいらんからのう、わが名は黄蓋、字は公覆じゃ、昇華龍次とやら」
龍次「ああ、それと聞きたいことがある。」
黄蓋「なんじゃ?」
どうやら黄蓋さんが答えてくれる様だ
龍次「天というのは、さっき孫策さんが言った天の御遣いのことだろう?その天の御使いとはなんなんだ??」
孫策「そうだけど、なんで策って名を知っているの??」
そう質問してくるので俺は「周喩にもその説明はした」といって流すことにした
周喩「天の御使いとは、最近噂になっている占いのことだ」
龍次「占い??」
周喩「ええ、管輅曰く、流星と共にやって来る者は、この乱世を鎮める天の御遣いである、とな」
龍次「それが俺だと??」
周喩「まあ、理と論を考えてもあながち嘘ではあるまい」
孫策「理屈っぽいわね~」
周喩「それが軍師というものだ、昇華殿は初めて会ったとき兵を倒しておきながらも殺してはいなかった、それは殺さなかった、ではなく殺せなかった…じゃないかしら?質問してきたのも、今の状況が理解出来ていなかったから、こちらに来たばかりで何も知らない、そう考えるのが妥当ね」
(なるほど……どうやら彼女は本物の周公謹の用だな、全ておみとうしか…)
周喩「初めて会ったときも『気が付いたら、此処にいた』と言っていたしね」
龍次「そうだよ、全部周喩の言う通りだ、けど天の御遣いかは知らない」
周喩「そう、そこで昇華殿に提案がある。」
そう言うと彼女が話し始めた。
周喩「昇華殿には私達の元に来て欲しいの、天が呉につけば風評も得られるし、得はいくらでもある」
龍次「なら、条件はこうだ、俺の住む場所をくれ、その代わりに貴女たちの仲間になって俺も戦う!!」
周喩「貴方は、人が切れないでしょう??」
龍次「守りたいものが出来たんだ。それを守るためなら……殺せる。」
そう言うと彼女たちは納得してくれた。
そして今後どうするか話をしていた
孫策「この街の復旧が終わり次第、荊州南陽郡にある、私達の館にもどるのよ」
周喩「今回は野党の討伐をしに来ただけだから」
そんな話をしていると、誰かが中に入ってきた
???「孫策様~~、村の復旧は明日で終わるそうですよ~~」
のほほんとした声で報告していた(ていうか誰だこの子)
孫策「そう?案外早かったわね。」
???「なんか村の人が言うには、変な人がずっと手伝ってくれたって言ってましたよ~~?」
誰か分からないので黄蓋さんに小声で聞いてみると
龍次「黄蓋さん?あの子誰ですか?随分とのん気な子ですね」
黄蓋「ん?ああ、あやつは、陸遜じゃお主よりも少し年上かの?知に長けていて周喩の弟子じゃ」
龍次「そうなんですか…」
黄蓋さんとの話が聞こえたのか孫策さんが陸遜って子に俺のことを説明して自己紹介してきた
陸遜「私は性は陸、名は遜、字は伯言、えっとよろしくお願いしますね、御遣いさん♪」
龍次「俺の名前は昇華龍次、好きに呼んでくれればいい……です」
陸遜「あはは~、普通に話してくれていいですよ~」
龍次「ん?ああ、わかった。」
そう話していたら孫策さんが突然立ち上がった
孫策「そういえば真名は教えてなかったわね、これからずっと一緒だし、真名をあずけても平気よね、私の真名は雪蓮って言うの龍次の真名は??」
龍次「まな??何だ、それは…」
孫策「へ??真名のこと知らないの??」
彼女が不思議そうに首を傾げる、俺は「ああ」とだけ言ったら周喩が答えてくれた。
周喩「真こと名と書いて真名と読む、……私達の誇り、生き様が詰まっている神聖な名前のことだ」
龍次「へー、そんな名前があるのか……悪いな孫策さん、俺には字も真名もないんだよ」
孫策「そうなんだ、でも私のことは雪蓮ってよんでね♪、皆も真名預けたら?」
そう言うと皆が真名を言った。
黄蓋「策殿がそう言うなら、わしの真名は祭じゃ」
周喩「まったく…私の真名は冥琳よ」
陸遜「はいは~い、私の真名は穏って言います、よろしくね、龍次さん」
龍次「雪蓮、祭、冥琳、穏か覚えた、よろしく」
自己紹介を終えて、その日は眠りについた…………
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