No.607018 英雄伝説~光と闇の軌跡~ 外伝~古戦場の激闘~後篇soranoさん 2013-08-09 15:34:10 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:985 閲覧ユーザー数:920 |
~古戦場~
「ワオ――――――ン!!」
「ウオオオオオオオオオ――――――――ッ!!」
地上でセルゲイ達と共に激闘を繰り広げているツァイトはクラフト―――遠吠えで、永恒はクラフト――――拡散咆哮で多くの敵を怯ませ
「ガルルルッ!!」
怯んだ敵にツァイトはクラフト―――鳳凰牙で次々とダメージを与え
(フンッ!!)
永恒がクラフト―――炎狐強襲で止めを刺した。2匹が攻撃を終えるとセルゲイ達も攻撃を終え、次の援軍に備えて休憩と共に武器を構えていた。そして永恒はツァイトと並び
(………先程から思っていたが何者だ、お前は。かつてエステル達が対峙したリベールの”古代竜”――――レグナートと同じ気配をさらけ出しているぞ。)
ツァイトに念話を送った。
「………………………」
永恒の念話にツァイトは黙り込んでいたが
(言っておくが誤魔化そうと思っても無駄だぞ。………我とて自分の世界では”聖獣”として崇められ、”伝説の存在”である仙狐様の傍にいた我は”そういう気配”はわかる。)
(フッ………やはり”同類”を知る者には誤魔化せんか………)
永恒の念話を聞き、なんと念話で返した。
(………やはりお前もレグナートと同じ女神(エイドス)の”眷属”か?)
(………そうだ。我は女神(エイドス)の”眷属”にして”神狼”。)
(フッ………その割には今までエステルに接触して来なかったようだが………それも女神(エイドス)の意向か?)
(何?それはどういう意味だ?)
永恒の疑問を聞いたツァイトは眉を顰めて尋ね
(”光(ブライト)”………女神の眷属たるお前はこの名に聞き覚えはないのか?)
(”光(ブライト)”………―――――!!なっ!?まさかあの娘が女神の………!)
永恒の確認の念話を聞いた後ある事に気付いて驚き
(………しかしそれを何故異界の者が知っている………?女神は自分の子に自分が女神である事は教えていないはずだ………)
永恒に尋ねた。
(フッ………教えてやっても構わんが我の質問に一つだけ答えろ。お前がこのクロスベルにいるのは”古代竜”と同じように”至宝”を手にした人間達がどのような答えを出し、”至宝”がどうなるのか見守る為か?)
(……………………そうだ。)
そして永恒に尋ねられたツァイトは少しの間黙り込んだ後答え
(そうか…………………)
ツァイトの答えを聞いた永恒は重々しい様子を纏わせた後ツァイトに自分が知る情報を簡略化して説明した。
(……………まさか”影の国”が関係していたとはな…………ティオが持つ女神の聖母と同じ写真に写っていた聖母と”赤き冒険家”とその妻となった”白き騎士”を見た時は驚いたが………まさかそこで聖母達のその後を子孫であるあの娘が知る事になるとはな………)
永恒の説明を聞いたツァイトは驚いた後苦笑し
(それにしても未だ”光(ブライト)”の名と女神の子孫が受け継がれ続けているとは…………遥か昔の事ゆえ、既に子孫は途絶えていると思っていたが…………(フッ、この様子ならウルスラの子孫すらも存在しているかもしれんな………))
静かな笑みを浮かべてある人物を思い浮かべていた。
(異界の獣よ…………こちらからも一つだけ聞いておく。”影の国”であの娘が自分が女神の末裔である事を知り………何を思った?)
(フッ…………最初は驚いていたが………エステルからすれば優先すべき驚く事は自分が女神の末裔ではなく、祖先と出会い、共に戦った事を驚いていたな。)
(……………何?)
自分の疑問に答えた永恒の話を聞いたツァイトは固まった後声を出し
(仲間の者達からも自分達の世界で唯一の神たる”空の女神(エイドス)”の末裔である事に驚かないのかと聞かれていたが……本人からすれば”大した事ではない”そうだ。……まあ、我の世界で神の末裔たる者達と知り合いである事が関係しているとは思うが………)
(………………………………)
永恒の説明を聞いた後黙り込み
(フフ………ハハ………ハハハハハハハッ!永い時を生きてきてここまで笑わされたのは初めてだ……!まさか自分が神の子孫である事を”大した事ではない”と思うとは……!フフ、とても女神の血を引く者とは思えん………女神は自分が神の血を引く者である事に随分悩んでいたのだからな………子孫達に願い続けた女神の願いもまた、未だ受け継がれているようで何よりだ………フフ………)
大声で笑った後静かな笑みを浮かべて呟き
(異界の獣よ………女神の末裔たるあの娘の事をこれからも見守り続けてくれ………我はこのクロスベルの地にて女神の子孫のこれからの人生が幸に溢れた人生になる事を願っておこう………)
自分達に向かって来た軍用犬達を睨みながら永恒に念話を送り
(ほう?女神の眷属たるお前はエステルに仕えなくていいのか?)
ツァイトに念話を聞いた永恒は意外そうな声を出した後尋ね
(フッ………我はあくまであの娘の事は普通の人の子として接するつもりだ……我の使命もあるが、女神の血を引く者達を普通の人の子として見る事………それが女神の願いでもあるのだからな………)
(そうか……………―――さて。どうやら話に夢中になり過ぎていたようだな………)
ツァイトの答えを聞いて頷いた後自分達を包囲した軍用犬達を睨んだ。
(フフ、かつての女神の眷属の”神狼”たる我を失望させるなよ?現代を生きる女神の末裔である娘の眷属たる炎を纏いし異界の獣よ。)
(ほざけ。お前こそあの”古代竜”と同じ存在であるにも関わらず、失望させるような戦いをするなよ?”神狼”………!)
そして2匹は互いに不敵な笑みを浮かべて念話を送った後全身に闘気を纏い
「ガルルルルッ!!」
(オォォォォ…………!!)
目にも止まらぬ速さで次々と軍用犬達を翻弄しながら攻撃した後2匹は軍用犬達を挟み込むような位置で口を大きく開け、口にツァイトは闘気のエネルギーを、永恒は炎の渦を溜め
((神焔の咆哮!!))
同時に口に溜めたエネルギーと炎の渦を放った!すると炎の大爆発が起き、それを受けた軍用犬達は塵も残さず焼き尽くされた!
「ほう……まさか反りが合わない狐と狼の共闘を見れるとは………クク、これもエステルとやらの影響か?」
ツァイトと永恒が放った神狼と炎狐の連携技(コンビクラフト)――――神焔の咆哮を見た狐伯蓮は口元に笑みを浮かべた後再び仲間達と共に戦闘を再開した。地上と空中、それぞれ激しい戦いを繰り広げられていたが、敵の数は徐々に減って行き、ついにマフィアや軍用犬の援軍は現れなくなり、援軍の悪魔の軍勢の数も少なくなって来た。
「どうやらようやく戦力も尽きてきたようだな………――――ルファディエル!お前は飛行できる精鋭を数人連れてロイド達の後を追ってくれ!後は俺達で何とかする!だから絶対に奴等を生還させろ!」
敵の数を見たセルゲイは呟いた後空にいるルファディエルに叫び
「わかったわ!ギレゼル、メヒーシャ、ラグタス将軍、エルンスト!私達はロイド達を追うわよ!」
セルゲイの叫びに頷いたルファディエルはギレゼル達に号令をかけ
「おおっ!!」
ルファディエルの号令に4人は頷いた後飛行して太陽の砦内に潜入し、全速力の飛行で最奥に向かって行った………………
え~……今回の話で驚愕したと思いますがツァイトがエステルの事を知って驚いた後、まさかのキャラとのコンビクラフト習得です!!まあ、今回限りの技になるんでしょうけどね(汗)……感想お待ちしております。
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外伝~古戦場の激闘~後篇