No.606363

恋姫無双 ~~紅と蒼の悪魔~~ 3-6話

morikyouさん

この作品は「DMCシリーズ」「真・恋姫無双」の二次創作です。
作者の妄想成分が過分に含まれているので、ご覧になる際はこのことを頭の片隅にでも置いておいていただけたら幸いです。

2013-08-07 21:54:46 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:3523   閲覧ユーザー数:3304

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 注、この作品は「DMCシリーズ」「真・恋姫無双」を私の個人的妄想により都合よく改変しております。

詳しくは1話を参照してください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…これが貴様の本気、というわけか」

「………」

 

首筋に当てられた剣が引かれていく中、思春がそう聞くと、バージルは無言で頷いた。

 

「今回は、私の負けだ。だが、武の頂のひとつが見えた気がするのには礼を言わせてもらう」

「…そうか」

「…次は必ず貴様に追いついて見せるからな」

「…楽しみにさせてもらおう」

 

思春の宣戦布告とも取れる発言に対し、わずかにだが笑みを漏らしてそう返答すると、バージルは自分の席のほうへと歩いて去っていった。

 

 

「おかえりなさい、思春」

「はっ、申し訳ありません。敗北してしまいました」

「いえ、貴方は全力を尽くしたのでしょう?それに彼の本気の一端を引き出せたのだから十分よ。これを糧にして前に進みなさい」

「はっ、お言葉ありがとうございます!」

 

 

「よお、負ければよかったのに」

「…帰ってきて最初の言葉がそれか?」

「なら、お帰り!とでも言ったほうがよかったか?」

「…それも合わんな」

 

 

「さて、初戦から白熱した展開でしたが、次へ進めましょう!第二試合は…」

 

と地和が放送し、大会は進められていく。

 

第二回戦 季衣 VS 鈴々

 

「いい加減鈴々の方が強いってはっきりさせてやるのだ!」

「なにお~、私の方がぜ~ったい強いんだから!」

 

というように、ぱっと見、子供の喧嘩のように始まった試合は、季衣の一瞬の隙をつき、矛の一撃を叩き込んだ鈴々の勝利。

 

第三試合 公孫賛こと白蓮 VS 蒲公英

 

「ここで、何とか勝って少しでも出番を…!」

「うわ、流石に特徴無いのが特徴みたいな白蓮には負けたくない!」

「…やっぱりそういう扱いなのか、とほほ…」

 

と、開始前から片方にダメージが入っていたようだが、意外にも、基礎的な動きからの丁寧な攻守に専念し、相手の誘導に惑わされなかった白蓮が勝利、と続いた。

 

そして、

 

「それでは第四試合を始めます!…決まりました!張遼選手 対 夏候淵将軍です!」

 

と、アナウンスされた。

 

 

 

 

 

「秋蘭、出番だぞ!」

「ああ、分かっている。しかし、いきなり強敵だな…」

「大丈夫だ、秋蘭なら勝てる!」

「ええ、春蘭のいう通りよ、貴女ならやれるわ。全力を尽くしなさい」

「華琳様まで…。はっ、行って参ります!」

 

 

「お、次は霞か」

「…いつも通りの動きなら、負けるはずはない。あまり気負うなよ」

「…頑張って」

「おう!二人を倒すまで負けられんのや!ま、行ってくるで!」

 

 

二人は中央で向かい合った。

 

「お手柔らかに頼むで」

「ふっ、そうさせてはくれんだろう?」

「もちろん」

 

両者は、そういってお互いに笑うと武器を構えた。

 

審判は、白蓮。

 

「それでは、試合、開始!」

 

「ふっ!」

直後、秋蘭はバックステップしつつ一気に三本の矢を放つ。

 

「見えとるで!」

 

霞は、慌てずにそれらを一刀で叩き落すと、距離を詰めようとして

 

「!?」

 

直後に迫った二本の矢に気づいて突進を中止、飛龍偃月刀を地面に突き刺せて急制動をかけそれをかわした。

 

「いやあ、やるな淵ちゃん。危なかったでぇ。せやけど、二度目は無いよ?」

「淵ちゃんなんて呼ばれたのは初めてだな。褒めてもらえてうれしいよ。ならもう一度試してみるか!」

 

そういうと、再び矢を放つ。その数五本。

 

「ちぃっと増えたくらいじゃ…!!」

 

言いかけて、何かに気づいたように突然横へ跳ぶ霞。そこへ、上からいつの間に打ったのか、二本の矢が降ってきた。

 

「かぁ~!ちらって見えて良かったわぁ~!!ホンマ打つの速いなあ」

「ふふ、あれから私も遊んでいたわけではないからな」

「せやなぁ、弓使いってのを少し舐め取ったわ。せやけど、こっからはうちの番やで!」

 

そういうと、霞は突然秋蘭の方へ突撃を開始した。

 

「悪いが、近づけさせん!」

 

秋蘭は、回避されることを予想し、正面から扇状に実に七本もの矢を一気に放った。

観客も、そのあまりの多さと、それを可能にする秋蘭の技術に歓声をあげた。

しかし、

 

「うちの番いうたやろ!行くでぇ!」

 

霞は速度をさらに上げて突撃。矢を一気に飛龍偃月刀でなぎ払った。

 

「ちぃ!」

 

払われた瞬間、秋蘭は振り払った硬直の隙をつくように一気に三本の矢を今まで以上の速度で放った。その瞬間、霞はにやりと笑い

 

「もらったぁ!」

 

いきなり体勢を低くして、一瞬ぶれたかと思った瞬間、秋蘭の目の前に現れ偃月刀の刃を秋蘭の首のすぐ横にぴたりと当てていた。

 

「…どうやってかわしたんだ?」

「バージルに教わってな。なかなかうまく出来んで、さっきのも偶然うまくいっただけなんよ」

「そうか…。どちらにせよ、これではもうどうしようもないな。白蓮、私の負けだ」

「勝者、張遼選手!」

 

降参の意を聞いた白蓮が勝者の名を告げて、試合が終わった。

 

「しかし、あの回避は私でも出来るのだろうか?」

「お、興味あるん?コツは教えられるで!あんなぁ…」

 

すっかり意気投合したようで、二人はそのまま裏へと引っ込んでいった。

 

 

 

 

 

 

「あんなこといってるが、ほんとに教えられるのか?」

「…俺も、あそこまでうまくいくとは思ってなかったがな。ただ、あいつは物事を伝えるのは俺よりも上手そうだから、意外に出来るかもな」

 

二人の様子をみて、ダンテとバージルはそんな会話をしていた。

 

観客は、「神速」と名高い張遼と、曹操軍の二枚看板の内の一人である夏候淵の激闘をみてまだざわめいている。特に最後の二人の攻防はお互いの名を体現したかの如くであったため、あちこちから拍手も沸きあがっていた。

 

 

「秋蘭が負けるとは…」

「もともと、動きの速い近接武器の使い手は苦手だったから…。それでも、あの霞相手にあそこまで善戦したのだから、これはかえってきたら褒美かしらね」

「華琳さま~」

「あら、貴女も欲しいのなら、自分の試合、しっかり頑張りなさい」

「はい!」

 

 

「秋蘭ちゃん、また腕を上げたのねえ」

「お、紫苑もそう思うのか」

「ええ、あの曲射の精度と速度、それに同時撃ちの本数と打つまでの速度も上がってたわ」

「でも、まだ負けん…か?」

「ふふ、どうかしら。でも、負けたくは無いわね」

「だいじょーぶ!おかあさんはつよいもん!」

「はっはっは、そうじゃのう、璃々のお母さんは強いからなあ」

「うん!」

「あらあら、この子ったら…」

 

 

「さて、もうレベルが高すぎてちぃには何がなんだか分からないけど、次の試合を始めましょう!」

 

そういって、次の試合の組み合わせを発表した。それは…

 

 

 

 

 

 

 

「呉王、孫策様 対 「飛将軍」呂布選手です!!」

ものすごいカードに会場中が沸きあがった。

 

 

「あっちゃあ、いきなり恋とはね…。ま、やるからには負けないけど!」

「警戒しろよ、ただでさえ手に負えないのに、あの二人が手ほどきしてるんだから」

「もちろんよ!恋に勝てなきゃあの二人に勝てはしないんだから」

「お姉さま、ご武運を」

「ありがと、蓮華。行ってくるわ!」

 

 

「これは、面白い勝負になりましたね~、稟ちゃんはどう見ますか?」

「私は武人ではないんですが…。聞いた話で判断するなら、雪蓮殿はかなり苦しいと思いますが、貴女はどう考えてるの、風?」

「………ぐぅ」

「寝るな!」

「おおう、あまりにも私と同じ想像だったのでつい…。」

「全く…」

「でも、雪蓮様はまだあきらめていないようですよ~?」

 

 

「…雪蓮?」

「お、どうした恋?急にやる気になったみたいだが」

「…一回戦ってみたかった」

「そうか、なら思いっきりやって来い。あ、殺すなよ?」

「…うん、気をつける」

 

 

さて、両者が舞台中央に立つ。

 

「さて、楽しみましょ?」

「…うん、楽しみ」

 

雪蓮も、やる気をかなり出している恋に違和感を感じつつも自らの覇気を隠そうともせずにいた。

恋もそれを受けて、武器を握り締めて自分も覇気を出し始めた。

 

覇気のぶつかり合いで、今回の審判を任されていた蒲公英はすでに半泣きである。

観客もそれに当てられて、静まり返ってしまっている。

 

「じゃ、じゃあ、戦闘、開始!」

 

その直後

 

「…いくっ!」

 

轟音とともに恋の方天画戟が振りぬかれ、氣の斬撃が雪蓮に襲い掛かった。

 

「うそっ!?」

 

驚きつつも、咄嗟の判断で横へ跳び、それをかわす雪蓮。

 

「…やっぱり、かわした」

「やっぱりって、かわせるって思ってたの?」

「…うん。雪蓮は私と似てるから」

「…なるほどね、ならそうか」

「…うん」

「ふふふ…、あははははは!なら、今度はこっちから行くわよ!!」

 

そういって今度は雪蓮は猛スピードで恋へ突撃していった。

 

 

「あれは…」

「ええ、いつものごとく戦いに興奮して暴走してます、が…」

「いつもより制御しているように見えますね~」

「策殿は、本能で戦っておられる。ゆえに、恋の潜在的な強さまで読み取ってしまう。だから、暴走を制御しなければ勝てないと感覚で理解したのではないかの?」

「…十分考えられますね」

 

 

「あれが、雪蓮様の本気か…」

「あの状態のあの人とは戦いたくないの~」

「せやなあ、二人とも全く剣筋が見えんもんな~」

「でも、恋殿はそれを受けて反撃までしてる…」

「どっちも化け物なの~」

「いつかは私もあの高みまで上ってみたいものだ」

「…いくなら凪一人で行ってくれな?」

 

 

「私の槍捌きもなかなかと自負していたが…。あれを見ると自信を無くしそうだ」

「そうだな…、私の攻撃も全く当たる気がせん」

「うう、鈴々も勝てないと思うのだぁ~」

「先ほどの思春殿ではないが、あれもまた頂か…」

 

 

二人は先ほどの突撃から中央で互いに攻撃を繰り返しているが、あるはずの剣戟音が無い。

よく見ると、互いにほとんどの攻撃をかわしてしまっているのである。

 

武器の長さゆえに、攻撃のリーチは恋の方が有利である。さらに、直接的な力も恋の方が上のため、雪蓮としては内側に潜りこみ、自分の攻撃範囲に相手を入れなければならないため、攻撃を受け止めて足を止めるわけにはいかない。

 

一方の恋も、内側に入られると、どうしても速度、威力ともに下がってしまうため受け止めることが出来ず、攻撃をかわすしかなくなるのである。

 

そういったこともあって、二人はつかず離れずを繰り返し、わずかの間に攻防が入れ替わる非常に微妙なバランスの戦いを続けていた。

 

 

「なかなか、どうして雪蓮もやるな」

「ああ、もっと早くやられると思っていたが」

「そうなんか?」

「最初の斬撃で終わると思ってた」

「…どちらにせよ、ああなったら雪蓮に勝ち目は無いな」

「は?あんなにいい勝負なのにか?」

「ああ。恋がいっていたがあの二人は確かに似てる。そうすると自力の差で勝負が決まる」

「そうなると、徐々に差が出てくる。本人もすぐに気づく」

 

 

 

 

最初に気づいたのは雪蓮本人だった。

 

「くっ!」

 

わずかではあるが、恋の攻撃をかわせなくなってきていたのだ。

しかも、

 

「恋の攻撃速度が上がった…、違う、私の反応速度が落ちてる?」

 

そう、周りからはまだ分からないが、徐々に雪蓮の体の動きに冴えがなくなってきているのである。

実は雪蓮の発言は両方正解であったりするのだが、この時点ではまだ気づいていない。

 

「まさか、体力にここまで差があるとはね…」

 

そう、ダンテ達が言っていた地力の差。それは二人の根本的な体力の差のことであった。

 

お互い天才であり、その時々の最適解を即座に導き出しそれを実行している。しかし、それは時として、自身の体に無茶なことを要求する事だってある。

それを行うにはもちろん体力を消費していくのだが、ここの差にダンテ達は最初から気づいていたのだった。

 

ではこの差がどこで生まれたか。それは単純に鍛錬をしていたかどうかということだった。

 

雪蓮は、元々サボリ気味とはいえ王族である以上、常人よりもはるかに多い仕事をこなさなければならない。

さらに、その才能に任せて戦っていたため、それほど鍛錬を必要としていなかったために自ら鍛錬を行ってはこなかったのである。

 

一方、恋は先の大戦終了後、二人に(主にダンテに)師事をうけ、才能だけでなく、それを生かす技とそれを行うための体力を身につけていたのである。

 

さて、周囲の観客も徐々に二人の動きの差に気づき始めた。

しかし、雪蓮はまだ諦めてはいなかった。

 

「ここで諦めたら、死んじゃった母様に半殺しにされそうだもの」

なんて内心考えつつも、必死に勝利への道筋を探し、そして、

 

「ふっ!」

「!!」

 

今までの回避が嘘であったかのように、突然武器を弾いた。

それなりに長い時間、当てるつもりで振っていたとはいえ、実際には当たっていなかった武器が突然弾かれ、流石の呂布も一瞬だけ隙が出来た。

その隙で雪蓮は大きく後ろへ跳び、距離をとった。

 

「ふぅ、流石に疲れたわね…」

「…?」

 

恋は雪蓮への注意を切らさずに武器を逆手に持ち替え、手をぷらぷらと振っていた。

衝撃で少し痺れたのかもしれない。

 

 

「ああ、さっきの隙で突っ込んでたら勝てたかもしれんがな…」

「………」

「どういうこっちゃ?」

「おそらく、あの隙が最初で最後の恋の見せる隙だろうってこった。そこに気づけなかった時点で、もうあいつの体力は限界なんだろ。その判断も出来なかったんだから」

「それに、ダンテのせいであれがまだ不完全とはいえ出来る以上、あの距離はあの子の攻撃範囲…」

 

ダンテとバージルは霞の疑問にそう答えた。

 

 

「…雪蓮」

「なにかしら?」

「…楽しかった、ありがとう」

「あら、いきなりどうしたの?」

「…次で終わらせる…!」

 

そういって、いきなり先ほど以上の闘気を一気に放出する恋。

 

「くっ…!!」

 

それを受けてしまった雪蓮、それでも武器を体の前に持ってこれたのはその天性の勘によるものだったのだろう。

 

次の瞬間、その圧倒的な気配に圧倒され(例外除く)呆然としていた会場中が目にしたのは、吹き飛ばされる雪蓮と、いつの間にか雪蓮のいた位置で方天画戟を突き出していた恋だった。

 

「…まだ、やるの?」

 

会場中がそのあまりに衝撃的な光景に沈黙していると、審判の蒲公英にそう聞く。

 

「…はっ!孫策様、戦闘続行不可能!勝者、呂布選手!」

 

話しかけられた蒲公英ははっとすると、雪蓮の元へいき、気絶しているだけであることを確認して、終了を告げた。

 

「…雪蓮、大丈夫?」

「う、うん。気絶してるだけだから、救護室に連れて行けば…」

「…なら、恋が連れてく」

 

そういうと、雪蓮を担いで舞台から去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あとがき

 

どうも、作者のmorikyouです。

今回はいかがでしたか?

今回は、強化霞と、強化恋の試合でした。

ぶっちゃけ、強くしすぎた感じもしていたのですが、相手もそれなりに強化したので拮抗しているようにかけたかと思います。

ちなみに、今のところダンテとバージルによる魔改造を受けているのは、霞、恋、華雄、流琉(少々)だけです。この大会後には、さらに幾人か増やす予定です。

もし、誰かに何かを使わせてみたい、なんて希望、想像、妄想、その他がありましたら、コメントにご記入ください。もしかしたらその通りになるかもしれません(私がかければですが^^;)

一応、武将、技(DMC1、3、4でお願いします。2はやったことが無いので…)を書いていただけたら幸いです。

ただし、魔具作成と無茶なアクションは不可能ですのでご了承ください

例を挙げるなら、剣を使っている白蓮にミリオンスタッブを使用させることはできても、ソードピアスは少々厳しいです。

また、いきなりエアハイクを使わせるのも、根拠があれば可能ですが無ければ不可能です。

もちろん、ネヴァンなんて作れませんw

 

少々長くなりましたが、次回もお楽しみに!

 

 

 

今回の技紹介

恋:スティンガー 以前は使えなかったものの、鍛錬により不完全ではあるが習得した。

状況により、なぎ払い(ストリーク)と使い分けをしている。なお、ミリオンスタッブも修行中。

 

 

 

 

 

 

 


 
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