No.601833 バカとテストと召喚獣 五つの鎧を持つもの 第三十一話ザルバさん 2013-07-26 18:34:30 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:1208 閲覧ユーザー数:1180 |
一週間後の鋼牙の部屋。鋼牙は帰宅する準備を終え、部屋でザルバと共に雄二たちが来るのを待っていた。
「時間通マデ後スコシダナ。鋼牙、着替エハ・・・・・必要ナイナ。」
「向こうにも着替えはあるからな。」
「ジャアイクカ。」
鋼牙はザルバを中指にはめて部屋に鍵を賭け、雄二たちと待ち合わせの場所公園へと向かった。
「待たせてすまんな、鋼牙。」
「いや、そんなに待っていないし時間より早く来た。」
鋼牙が待ち合わせの公園で待っていると雄二、霧島、秀吉、優子、姫路、美波、土屋、愛子が荷物を抱えて来た。
「おい、鋼牙。一ついいか?」
「なんだまた?」
「いつもその格好なのか?」
雄二以外の皆は頷く。鋼牙の服装は胸部に独特のデザインが施された黒いデニムの上に白いコートを羽織っている。
「ああ。それがなにか?」
「暑くないのか?」
「別に。」
「まあお前がそういうのならそれでいいんだが・・・・・・荷物は?」
「向こうに着替えも置いてあるから大丈夫だ。それにあそこは俺の家だ。何も問題は無い。」
「そういえばそうだったな。」
そんな話をしていると公園の前にリムジンが止まり、運転席からゴンザが出てくる。
「皆様、お待たせいたしました。」
「すまないな、ゴンザ。」
「いえいえ、私は冴島家で働くのが生甲斐でありますゆえ。ささ、皆様。車内へ。」
ゴンザに進められリムジンの中に入る。
「それは皆様、出発いたします。」
リムジンは冴島邸に向かう。
「相変わらずこのリムジンは広いな。」
雄二がそう言うと鋼牙以外の一同は頷く。
「まあ前にも言ったが仕事でよく使うからな。」
その時電子音が鳴り響く。
「鋼牙、りんカラダ。」
「わかった。ちょっとすまない。」
鋼牙はリムジンのテーブルに指を触れると空中にディスプレイが投影され、冴島りんの顔が映し出される。
「な、なんだよこれ!」
「コイツハ空中投影ディスプレイダ。マダ開発段階ダガナ。」
「これでか!」
『あら!なんだかにぎやかね。そっちに映っている子達はお友達?』
「まあ・・・・・そんなところです。」
『皆さんこんにちは。鋼牙の母の冴島りんです。』
「どうも、坂本雄二です。」
「・・・・霧島翔子。」
「木下秀吉じゃ。」
「木下優子です。」
「姫路瑞希です。」
「島田美波です。」
「・・・・土屋康太。」
「工藤愛子です。」
『あらあら、結構友達を作ったのね。昔は誰ともなじもうとしなかった鋼牙が。』
「母さん・・・・」
『ふふふ。そういえば鋼牙、この前企画してくれたあの商品、結構外国の方に好評だったわ。』
「そうですか。それは何よりです。」
「おい鋼牙、その企画した商品ってなんだ?」
雄二が聞いてくる。
「Fクラスで使えなくなった卓袱台があるだろ。」
「ああ。」
「その際に組み立て式の卓袱台が支給されるな。」
「・・・・・・まさか!」
「ああ。あれを企画したのは俺だ。外国人がほしがるものを前にアンケートで見た時にアニメで定番の卓袱台が欲しいと出たんでな。」
『鋼牙はこういう細かいところに気付くわ。』
「それより母さん、今の時間は大丈夫なの?」
『ええ、あと少しあるわ。あの人たちにもよろしく伝えといてね。それと・・・・』
「なんですか?」
『あの桜の樹で宴会は確か明日だったはずだけど・・・・』
「そういえばそうでございましたね。」
『あの人たち酒癖が結構悪いから気をつけてね。』
「わかりました。では。」
『ええ。また時間があったらするわ。』
投影ディスプレイは消える。
「なあ鋼牙、桜は主に四月だぞ。」
「ああ、知っている。だが内にある桜は少し例外でな。」
「どう例外なんだ?」
「口で話すよりも見たほうがわかる。明日を楽しみにしていてくれ。」
鋼牙の言葉に雄二たちは頭に疑問符を浮かべるがその場は納得するようにした。
緑生い茂る道を抜けると冴島邸が見えてくる。
「あそこが鋼牙の家か。」
「結構レトロな感じですね。」
「まあ必要最低限の部屋しかないから。ゴンザ、来客用の部屋は・・・」
「いつも掃除しております。はい。」
「皆はそっちを使ってくれ。」
「男女の仕切りはあるの?」
「大丈夫だ美波。男女の仕切りはちゃんとある。防音対策はしていないがな。」
「それじゃあ鋼牙君は何処で寝るんですか?」
「自分の寝室だ。」
鋼牙がそう言うと皆は納得した。リムジンは冴島邸の前に止まる。
「皆様、ここからは歩きになりますのでお降り下さいませ。」
ゴンザがそう言うと皆は荷物を抱えリムジンから降りる。リムジンは車庫へと進む。
「さて、いくか。」
鋼牙達は冴島邸に向け歩く。
「結構部屋があるな。」
「主に洋室と和室の二種類だ。まあくつろいでくれ。」
鋼牙が玄関を開けるとレトロな洋風内装が目に入る。一同冴島邸内のあちこちに目をやる。そこへゴンザが歩み寄ってくる。
「お帰りなさいませ、鋼牙様。そして皆様、用こそ冴島邸へ。」
ゴンザが深々とお辞儀をする。
「ささ、海に入られたいでしょうしお部屋へ案内いたします。」
「ゴンザ、俺は書斎に少し寄る。」
「かしこまりました。」
そう言って鋼牙は自分の書斎に行った。
「ゴンザさん、一ついいですか?」
「なんでございましょう、坂本様?」
「あいつの親父さんのことなんですけど・・・・・・」
「何処でそれをお知りになったのですか!」
「いや、この前学園行事で行われた時に俺たち偶然知って・・・・・・」
「そうでございますか・・・・・・・・・この話は今話す事ではありませんので後ほど鋼牙様が席を外されておられる時にお話いたしましょう。ささ、皆様お部屋へ案内いたします。」
ゴンザに来客用の部屋に案内され、部屋に行った。
雄二達は来客用の部屋に入ると驚いた。高級ホテル並みの家具が置かれており、丁寧な彫刻も刻まれているたんすや机は価値がありすぎるほどのものばかりである。
「こりゃ一体・・・・」
「本当に来客用のものかのう?」
「・・・・・Aクラス以上。」
三人は唖然視ながらも荷物を置く。扉の向こうからゴンザの声が聞こえてくる。
『皆様、お荷物を置きましたら海水浴場までご案内いたしますので必要な荷物をお持ちの上ロビーにお下り下さいませ。』
「わかりました。」
雄二達は水着の準備に取り掛かった。
数分後
「皆そろったな・・・・・て鋼牙は?」
「まだ来ていませんね・・・・・」
雄二達が準備を終えロビーに集まっているが鋼牙の姿は見当たらなかった。そこへゴンザが歩み寄ってくる。
「皆様、準備が出来ましたでしょうか?」
「はい。でも鋼牙が・・・・」
「鋼牙様は少し遅れると言っておりましたので大丈夫でございます。」
「どうして遅れるのよ?」
「少々込み入った事情がありまして。ささ、皆様どうぞお車の方へ。」
ゴンザの言葉に従い雄二達は車に乗り海に向かった。一方その頃鋼牙はというと・・・
「ここの森は相変わらず生い茂っているな。」
「アイツラガ住ンデイルカラナ。自然ヲ大切ニスルノハ当然ダ。」
鋼牙は森の中をありていると目の前にある者が現れる。
「おお、鋼牙か。久しいのう。」
「お久しぶりです。」
「ザルバも相変わらずであるな。」
「マアナ。」
「しかし大河殿が亡くなってからもう大分経つな。」
「・・・・・・もう七年です。」
「もうそんなに経つのか。あいつの死を知ったとき皆して泣いたな。明日は大河がいつも我々と楽しんでいた宴会の日だ。」
「ソノコトデ少シ話ガアッテナ。実ハ鋼牙ノ友達ガ来テイテナ。」
「そんなことか?問題は無い。」
「そうですか。それだけをお知らせしたくて。」
「わかった。では皆に伝えておく。」
そう言ってその者は飛び去っていった。その際に黒い羽が宙を舞った。
「羽ガアルトイイモノダナ。」
「俺たちは羽が無いからわからないな。それより戻るぞ。あいつらに何をしていたか聞かれると苦労が絶えない。」
鋼牙はそのまま木々の枝を足場に雄二達の待つ浜辺に向かった。
「すまない、遅れた。」
「いや、ちょうど俺らも来たとこだって。」
鋼牙が浜辺に着くとちょうど雄二達が到着していた。
「どうでございましたか?」
「皆変わりなく元気だったぞ。」
「左様でございますか。ささ、皆様どうぞお楽しみくださいませ。何か御用がありましたら私を及びください。」
そう言ってゴンザはお辞儀をする。
「じゃあ、着替えるか。」
男女別れて着替えようとした時に工藤が気づいた。
「ここの浜辺って・・・・・・・・人がいないのは気のせい?」
「ここは休息をするには最も静かな場所であります。人がいないのは当然でございます。」
「てっきりプライベートビーチかと思っちゃったよ。」
「まあそう思われるでしょうが何かとお維持費や清潔さを管理するのは何かと面倒でありましてそんなことにお金は使わないのであります。」
皆はそのことに驚いた。大抵の金持ちはプライベートビーチとか色々専用のものを持っているが鋼牙の家はそんなことをしない。
「翔子の家とは違うんだな。」
「人が皆同じで無いように使い方にも違いはあります。これは常識でございましょう?」
「まあ、確かに・・・・・」
「では皆様、立ち話はこのくらいにして海水浴をお楽しみくださいませ。」
鋼牙達は水着に着替えに脱衣所に向かった。
「しっかしビニールシートからパラソルまでゴンザさんは何でも準備してくれんな。」
「ゴンザはこのくらいお手者もだ。」
「・・・・すごいな。」
「ほんとじゃの。それと鋼牙よ、二ついいかの?」
「なんだ?」
「まず、ゴンザは暑くないのかの?」
秀吉が言うのも最もであった。ゴンザの服装は黒い長袖の上着に白い長袖のシャツ。夏では脱水症状当たり前の格好だ。
「あれもウチの商品の一つでな。見た目はきっちりしているが実は快適な通気性と見た目以上の軽さが売りの新世代スーツだ。どれくらい快適化というと地獄坂マラソンの中を一人スキップしていられるほどの快適さだ。」
「「「それは快適すぎだ・じゃ!」」」
「技術とは常に進歩するものだ。」
「進歩しすぎだ!」
「出来れば演劇部の衣装に使いたいんじゃがいいかのう?」
「ゴンザ。」
鋼牙が呼ぶと「はい、なんでしょう?」とゴンザか近づいてくる。
「確かお前の着ている服のスポンサー会社が色々と挑戦したいといっていたな。」
「ええ。執事服はきっちりしているので簡単と申されておりました。確か・・・・演劇の際に使う衣装を作ってみたいと申されておりましたね。」
「生地だけでも文月学園に送ってもらうことは出来ないのか?」
「それは可能でございます。向こうは学生の可能性を試してみたいと申されておりましたし。」
「だそうだが・・・・・・どうする?」
「もちろんよろしく頼むのじゃ!しかしどうして布をお使うの企業とおぬしの母親が関係があるのかの?」
「秀吉、俺の母の本職を言ってみろ。」
「ファッションデザイナー・・・・・・・・あっ!」
「そういうことだ。ゴンザ、明後日でもいいから企業の方に持ちかけてくれ。文月学園の名前を出したら向こうも乗り気になって食いついてくるはずだ。」
「かしこまりました。」
と、そこへ女子陣が鋼牙達の元へとやって来た。その光景を見た土屋がグッと鼻血を堪えていた。
「おお、土屋も中々やるようになったな。」
「へぇ~、ムッツリーニ君頑張るんだね。っ!えい!」
工藤が土屋に抱きつく。おいおい、そんなこといたら・・・・
ブシャ――――――!!
「これはこれは、また盛大な鼻血ですな。」
呑気に感心しているゴンザを余所に砂浜の砂が赤く染まってゆく。
「ゴンザ、土屋の輸血パックを準備していてくれたか?」
「はいこちらに。」
ゴンザが何処からかクーラーボックスを取り出す。ゴンザは手際よくビニールシートを広げるとパラソルを立て、土屋に輸血をする。
「こうも出血なさいますと流石にこの輸血パックも足りなくなってしまうかもしれませんね。」
「魔導薬は睡眠作用があるから難しいしな。」
「なに普通に見慣れているんですかゴンザさん!」
「雄二、ゴンザには事前に土屋が鼻血を出すところをビデオで見せているから大丈夫だ。」
「そこじゃねえ!」
その後鋼牙達は有意義な時間を過ごした。途中サロンオイルを塗ることで問題が発生したがそこは秀吉がすることで解決したが姫路、美波、優子は不服であった。
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モウナツヤスミニホンカクテキニナッテキタナ。サテ、コイツガスゴスナツヤスミハスコシチガウゼ。
「浜辺」
アカクソマッチマッテイルナ。