「「………。」」
朝、目を開けて俺は言葉を失った。
というよりは、言葉を発する事が出来なかった。何故か?
…亞莎が、自分の唇を俺の唇に重ねていた。しかも、向こうはまだ俺が起きたことに気づいてない。
「ちゅ…くちゅ……れろ…んちゅ…。」
愛おしく口づけをしてくれるのは嬉しいのだが流石に...
「んちゅ、亞莎?」
「くちゅ…れろ……んむ………へ?」
話し掛けた瞬間、亞莎の顔が真っ赤になった。
「か、かか一刀様!起きていらっしゃったのですか?!」
そんな亞莎を可愛いなぁ、とか思いながら、
「ん?いや、今起きたとこ。」
「そ、そうでしたか〜。」
「…それにしても」
「な、なんですか?」
「いや亞莎がこんな朝から誘惑してくるなんて意外で...」
「――――ッ!し、失礼しました〜!!」
…なんか嵐の様に走り去っていったな。
まぁとにかく、せっかくの休日なんだしもう少し眠ってても問題無いだろ。
そう思い、寝台に横になろうとした時だった。
「……。」
扉の向こうから気配を感じる。
(…暗殺者か!?)
だとすると、戦わなくてはならない。
俺は、そっと枕元に置いてある短剣を手にとる。…だが
コン、コン
(…ノック?)
一気に緊張が抜けながらも、扉の方へ声をかける。
「はーい?」
「………。」
無反応かよ。
仕方ないので扉を開ける。
その先には――――
「……あれ?」
…誰も居なかった。
「気のせいじゃ……ないよなぁ…」
「当然だ。」
「だよなぁ…って、思春?!」
「…どうかしたのか?」
「い、いやぁなんでもないよ。それよりどうしたんだ、こんな朝早く。」
「…どうした、だと?」
あれ?思春の周りに殺気めいた物が…
「貴様ぁぁぁ!!」
「ひぃぃ!」
やばい!このままではマジで死ぬ!
「お、落ち着けって思春!一体何があったんだよ!?」
「黙れ!貴様が原因だろうが!」
なに!?俺が原因だと!?だが心当りなんて全く………あ。
「…蓮華達との約束?」
「やっと思い出したか!」
しまった、そういや今日は休暇が取れたから蓮華、思春、明命、亞莎、俺の五人で街に行く約束してたんだった。
「ごめん!すぐに支度するからもう少し待ってて!」
「…わかった。蓮華様達には私から伝えておく。」
「ありがとう。助かるよ。」
「別に良い。それより、亞莎を見なかったか?私より先にお前の部屋に向かわせたのだが。」
「へ?!い、いや見てないよ?」
「…嘘だな。」
俺の態度を不審に思ったのか、思春がにじり寄って来る。
「あ、いや嘘じゃ無いんだけど…」
「けど、何なんだ?」
「えっと、だな...つまり、その...」
「…答えられないような事なのか?」
当たってます!刃が喉元に当たってます!――――その時!
「思春、もう良い。」
「「蓮華(様)!!」」
よかった。蓮華が来れば思春も暴れたりしないだろう。
それに、明命に亞莎もいる。
「ごめん蓮華。すぐに支度を――「その必要は無いわ!」――…へ?」
何故だろう?蓮華からどす黒いオーラが…
「見損ないましたよ一刀様。」
明命は呆れ果てているし
「〜〜〜〜ッ!?」
亞莎に至っては顔を真っ赤に…
っと、ここで今朝の事を思い出した。
「蓮華さん?まさかと思いますが...ご存知で?」
「えぇ。まさか私達との約束に遅刻するだけでなく早朝から亞莎に手を出すなんて…」
「いや、俺から手を出しt――「問答無用!」――ひぃぃ!」
は、般若だ!蓮華の後ろに般若が見える!?
カズトハニゲタ
ダガミンメイニサキマワリサレタ
カズトハニゲラレナイ!
「クフフ、さぁ一刀?今から詰問の時間よ。」
…この後、詰問...もとい拷問の数々に…
いや、やめておこう
説明するのも億劫だ...
終われ
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