No.600168

IS《インフィニット・ストラトス》駆け抜ける光 コラボ小説第二弾 第十一話 戦闘の後は追跡を?

お久しぶりです。半年ぶりの更新でしょうか……。
いろいろ番外編を書いていたらこんな遅れて……。
まぁ楽しんでいただけたら幸いです。

2013-07-21 23:08:10 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1891   閲覧ユーザー数:1868

 

一方、11人の女子が集まっているのに対し、ある部屋ではある3人の男子がいた。

 

 その内の二人は姿は全く同じだが、性格が違ったり声も違ったりする。後一人は姿が同じな二人を見比べて、喜んでいたり、がっかりしたり、笑ったりと表情をいろいろと変えている。

 

一夏(元)「なぁ光輝、さっきから表情が面白いように変わってるけど、なんだ?」

光輝「いやね、『二人揃ってみると凄いなぁ』、『でも二人一緒に居る時に「一夏」って呼んだら二人とも反応すると思うし、どうしようか?』、『まぁ僕はあんまり関係ないんだけど、片方呼んだつもりなのに、二人が反応するのって面白いかも』と考えてました!」

一夏(異)「見ているこっちは面白いからいいけどな」

 

 笑っている一同だが、この三人は専用機持ちであり、内の二人はガンダムタイプである。しかも二人とも世界でも最強クラスのISで、後一人はガンダムタイプではないにせよ、まだまだ可能性を秘めているISだ。まぁこの三人なら世界制圧ぐらい出来そう?

 

一夏(異)「そういえばよ、お前らって好きな人居るのか?」

一夏(元)「好きな人? う~ん、分からないかな。でも俺、もてないし彼女とか作れないなぁ」

 

 その一夏(元)の発言を聞いた二人はズッこけた。さすが日本一と言っても過言ではない唐変木さである。

 

光輝「相変わらず……夏兄ってそういう気持ちが分からないんだね。例えば、箒さんとかよく竹刀とかで襲ってくるけど、何でだと思う?」

一夏(元)「奴あたりなのかな? 箒も鈴もそういうところを直してくれればいいんだけど」

一夏(異)「これは……重症だな」

 

 光輝と一夏(異)は思わず溜息をつく。一夏(元)はその様子を見ても、何のことか分かっていない。二人とも一夏(元)の事を想ってのことなのにね~。

 

一夏(異)「で、光輝はどうなんだ?」

光輝「ぼ、僕!? ……いない、かな。それに僕を好きになってくれる人なんていないよ。みんなと仲良くなれればそれでいいしね」

 

 ズっこけることはなかったが、深い溜め息をつく一夏(異)である。一夏(元)よりかは重症でなくともやはり唐変木である。でも光輝の場合はなんかわざとらしいのだ。何かありそうだが、一夏(異)はそれ以上の探索を止める。

 

光輝「そういう一夏くんはどうなの?」

一夏(元)「ロックオンと付き合ってるって言ってたけど、まさか結婚とか考えてるのか?」

一夏(異)「結婚か……そうだな。考えてるぜ」

光輝・一夏(元)「「すげぇー!」

 

 テンションを上げるところ……なんだろうか? この兄弟、変なところでも息が合う。

 

 突然、扉をノックする音が聞こえ全員が振り向く。一体誰なのだろうか?

 

???「おい。織斑弟いるか?」

光輝「あ、はーい! 今開けます!」

 

 光輝が扉を開けると立っていたのは織斑家長女、織斑千冬先生であった。鋭い吊り目にスーツが似合う女性で、厳しく怖いイメージがある。しかし、そんな彼女もとても家族思いである。ツンデレなんだろうなぁ。

 

千冬「なんだ、織斑家全員集合じゃないか。女子どもにハブられたのか?」

 

 千冬は笑いながらそんなことを言ってくる。普段の様子からは想像できないが、千冬は恋愛話が好きなのだ。本人は今まで彼氏などいなかったが……。

 

光輝「違いますよ……。さっき一夏くんがロックオンさんと結婚するって聞いて盛り上がっていたんです」

一夏(異)「おい! 余計な事を言うな!」

千冬「結婚だと~? まだ16歳のガキがよく言う。だが、本気なら絶対にロックオンを幸せにしろよ」

一夏(異)「も、もちろんだ! でも貴女もそろそろかれ――いでっ!」

 

 一夏(異)が千冬の神速を誇るチョップに反応することが出来ずに頭を抱え蹲る。その光景を見て二人はゾッとする。

 

これ以上何か言ったら殺される……! そんな雰囲気を出している千冬はまさに鬼である。

 

千冬「全く、大きなお世話だ。とりあえずお前たちが一人前になるまでは、考えていない。大切な人を護れるようになれよ――」

一夏(元)「当たり前だろ! みんなを護れるように頑張ってんだから!」

光輝「そうだね。精一杯頑張ったら必ず護れるさ!」

 

 そんな二人の言葉を聞いた一夏(異)は誰にも分からないように苦笑していた。この二人なら絶対に大丈夫だと確信したからだ。それは千冬も同じ事であった。-

一夏(異)「じゃあそういうことで頼むぜ」

箒「う、うむ。しかし、二対一というのは好きではないんだがな」

一夏(元)「でも、相手は唯と同じ、仮面ライダーでもあるし、身体能力はかなり高いはずだぜ? 全力で行くぞ!」

 

 集まりから数時間後、アリーナで一夏(元)、箒VS一夏(異)の戦いが始まろうとしていた。しかもISではなく、生身である。一夏(元)と箒は竹刀を持っているが、一夏(異)は何も持っていない。しかも、足だけで戦うと言うのだ。

 

 始めは舐めているのかと思った二人だが、一夏(異)が仮面ライダーであるここと、プレッシャーが二人を納得させたのである。ちなみにロックオンとシャルロット(異)も仮面ライダーであり、一夏はエターナル。ロックオンはメテオ。シャルロットはフォーゼだ。

 

 

一夏(異)「さぁいつでもいいぜ。来い!」

 

 その声に動いたのは箒だった。素早く接近し、横に切りかかるが、バックステップで回避される。それを読んでいた一夏(元)が予め背後に回っており竹刀による斬撃を繰り出すが、それもサイドステップで避ける。

 

 そのまま箒にとてつもないスピードで接近する。箒は構え居合を仕掛けるが、一夏(異)は足で上手くそれをいなしてやり過ごす。

 

一夏(異)「コンビネーションとしてはいいんだろうが、まだまだだな」

箒「くっ! なんて動きなんだ!」

一夏(元)「さすが、仮面ライダーってだけの事はあるぜ。けど、まだやれる!」

 

 一夏(元)は叫びながら切りかかるが、最低限の動きでその斬撃を回避され、腹に足での重い一撃を喰らわされた。その衝撃で後ろに下がるが、倒れずに持ちこたえる。

 

 箒も横から攻撃をするがわずかな隙を見つけて手の甲に蹴りを入れ、その痛みに箒は竹刀を手放してしまう。

 

一夏(元)「まだまだぁ!」

一夏(異)「意気込みはよし! だがそんなことでは……」

 

 突きを繰り出す一夏(元)だが、あっさりと避けられ手の甲に蹴りを喰らい竹刀を手放し、そのまま懐に飛び込まれ、膝蹴りを入れられ――る直前で止まった。

 

 さすがの一夏(元)も実力の差が分かったのか力が抜け尻もちをつく。

 

一夏(元)「くっそ~! 強過ぎるぜ、一夏!」

一夏(異)「筋はいい。でもまだまだだな。努力次第じゃ千冬姉だって追い越せる。箒もいい動きしてるぜ」

箒「二人掛かりでも勝てないとは……私もまだまだか」

 

 一夏(異)は二人の力量を計る為に模擬戦をしたのだ。これから訪れるであろうある組織との戦いに備えてのことだ。一夏(元)がいずれ狙われるのは分かりきっていることだし、一夏(異)もそれを体験したのだから。

 

 その様子を観客席から二人の人物が見ていた。光輝とロックオンである。

 

光輝「あんな動き僕には出来そうにないなー」

ロックオン「でも貴方だってある程度の護身術ぐらいは身につけないと。襲われた時に何も出来ずに捕まっちゃうわよ?」

光輝「そうなんだよね……とりあえず体力をつけなきゃいけないや」

 

 光輝も運動神経が良い方ではなく、運動自体は好きなのだが技術は低かったりする。とりあえず走ったりして基礎体力をつけるべきである。

 

ロックオン「反射神経や洞察力がいいんだから努力すれば良い感じになると思うけどね」

光輝「一か月ほど修行にでも行ってみようかな。山籠りって言えばいいのかな?」

ロックオン「いや、そこまでしなくてもいいけど……少しづつ頑張ればいいよ。……あら、向こうも帰るみたいだし、私たちも帰りましょうか」

 

 三人も模擬戦も終わり、二人とも部屋を目指していた。その道中で、二人はある生徒が腕を組んで歩いている後ろ姿を発見した。

 

ロックオン「あれって、会長と紗英さんじゃない?」

光輝「ん、ほんとだ。……でも近づいたら砂糖を吐きそうだけど。一体なんだろ?」

ロックオン「知らないの? あの二人って付き合ってるらしいけど」

光輝「はい? そんなまさかぁ……。てか何で、ロックオンさんが知ってるの?」

ロックオン「エリスが言ってたの。結構、有名な話とは言ってたけど」

光輝「仲がいいのは分かるけど、その域まで行ってたのか……」

 

 光輝も知識としてはそう言うのは知っていた現実で見るのは初めてなのだ。顔を真っ赤にしながらも、まじまじと見ているのを伺うと興味深々と言ったところか。

 

 不謹慎なのは承知だが、ロックオンの提案もあり百合カップルのあとをつけることにした。恥ずかしがっている光輝に対してロックオンは瞳がギラギラ輝いている。ちょっと恐ろしい……。

 

 

 

楯無「紗耶ちゃんは積極的よね~」

紗耶「だって好きな人といるんだぜ? こうして楯無ちゃんを触れるのも嬉しいからさ♪」

 

 後ろに人が居るのを全く気が付いていない百合カップル。しかも紗英ではなく紗耶が表に出ている。楯無の腕に紗耶が巻き付いた状態で学校内を歩いていく。

 

紗耶「紗英は人前でべったりするのが恥ずかしいみたいだけど、あたしは気にならないな。紗英も人前でべったりすればいいのに。あたしたちの仲を見せ付けちゃえばいいんだよ!」

楯無「恥ずかしがる紗英ちゃんも私は好きよ? もちろん、紗耶ちゃんも同様よ♪」

紗耶「嬉しいこと言ってくれるじゃん! お返しだ♪」

 

 なんと紗耶は楯無の頬にキスをしたのだ! 人気が少ない場所に居るとはいえ、これは恥ずかしい。後ろについてきてる人間が居ると言うのに……本当に気付いてなさそうだ。

 

楯無「もう……/// 嬉しいけどさすがに恥ずかしいわよ……///」

紗耶「楯無ちゃん、恥ずかしがってるのか!? これは貴重なものを見れたねぇ♪」

 

 どうも紗耶は楯無以上に人目を気にしない性格らしい。これはこれで凄いが……甘過ぎて吐く人間が増えてしまう……。

 

光輝「うっぷ……離れて見てるだけなのに、吐きそぅ……」

ロックオン「これは凄いわ! これ以上の展開を期待してもよさそうね!」

 

 犠牲者がここに発生しようとしている中、そんなことを無視するロックオン。さすが自分も女子としていることだけあって耐性は高いようである。別にそんな耐性高い必要はないが……。

 

楯無「……こっち来て」

 

 楯無は紗耶の手首を持って走り出す。階段を駆け抜けていき、行きついた場所は屋上である。なぜか屋上の鍵を持っていて、鍵を閉める。青空が広がる中、楯無は何をしようと……?

 

紗耶「こんな所で、しかも鍵なんか閉めてどうすんだ?」

楯無「……分かってるくせに」

 

 楯無は口元を隠していた扇子を閉じると素早く紗耶に接近し、壁に打ち付ける。その衝撃に一瞬呼吸が止まる紗耶だったがすぐさま、唇にキスをされ完全に呼吸を遮断されてしまった。

 

 とは言っても数秒したらすぐさま唇を放した楯無は少し苦しそうな紗耶を欲情した瞳で見つめていた。そんな楯無に紗耶は喜びを感じていた。

 

楯無「さっきしたばかりなのに……またしたくなっちゃったじゃない♪ いきなりほっぺにキスされて誘ってるの?」

紗耶「そんなつもりは……」

楯無「まぁいいわ。さっきは私がやられっぱなしだったけど……今度は私がやってあげるね……」

 

 

 

ロックオン「屋上の鍵が閉まってる……まさか気付かれたから!? 追跡は此処までの様ね……」

光輝「吐き気が止まらない。気持ち悪い……」

 

 相変わらずの二人である。人間、ここまで性格が違うと面白かったりするものだ。鍵のしまった扉の向こうで何が起こっているかは想像にお任せしよう。

 

 

 
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