No.599291

デジモンクロスウォーズ 絆の将と魔道の戦士

第二十八話 ブラックオメガモン、挫けぬ戦い

2013-07-19 21:34:58 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:1879   閲覧ユーザー数:1867

ここは、ミッドチルダのどこかにあるとある場所。そこではムルムクスモンが、オファニモンがやられるシーンをモニター越しに見ていた。

「やはりオファニモン程度のデジモンでは、奴らを止めるには力不足か。」

ムルムクスモンはこう言うと、

「時間稼ぎとするには少々短すぎる、戦力は温存したいが四の五の言う暇もなしか。」

パネルを操作し、何かを始めた。

 

 

 

また別の場所では、多くのデジモンが様々な作業をしていた。

「ねえ、この注射って何の意味があるの?」

突然長く伸びるホースに注射を打ち込んでいた植物型のデジモン「パルモン」が、隣で同じ仕事をしている獣竜型のデジモン「ドルモン」に訊いた。

「知らないよ。あっちはとにかく打ち込んでれば良いって言っているけど。」

ドルモンはこう答えて、新しい薬品を注射器にセットし、それをホースに注射し始めた。

「それにこれ、どこに続いているのかな?」

パルモンもこう言いながら、再び注射を打ち込み始めた。

因みに彼らは知らなかったが、このホースの続く先には大きな水槽があり、そこには特殊な溶液と一緒に、竜のような姿の生き物が入っていた。

 

 

 

そして、聖王のゆりかごでは、皆一様に思い思いの事をして過ごしていた、

「えーと、前回のオファニモン襲撃では、」

リィンは、趣味の一環である、個人での業務日誌を付けていた、

「強敵オファニモンの襲撃で、一時はピンチに陥るも、キサキさんの救援と活躍で見事オファニモンを退けました。この結果をクラウドさんは、死者が出なかった分幸先がいい、と話していました。」

その後ついでに、

「後、タイキさんがアインハルトさんとヴィヴィオと一緒に、切り札の練習をすると言っていました。」

と、付け足した。

 

 

 

そして、ゆりかごの途轍もなく広い訓練場では、

「行くぞヴィヴィオ、アインハルト。」

タイキが自分の隣にいる二人に声をかけると、

「オメガシャウトモン、ジークグレイモン。」

と叫んだ、

「バリスタモン、ドルルモン。」

それに続いてアインハルトが、

「スターモンズ、スパロウモン。」

続いてヴィヴィオがこう叫んだあと、三人のクロスローダーを合わせて、

「グレートクロス!!」

と、叫んだ。

すると、オメガシャウトモン、ジークグレイモン、バリスタモン、ドルルモン、スターモンズ、スパロウモンが黄金の光に包まれた。その光が一つになろうとした瞬間、デジモン達はその場からはじけ飛んだ。

「やっぱりダメですね。これで通算23回失敗です。」

アインハルトは、タイキにこう言った。

聡明な方はもうお分かりになると思うが、彼らは仲間のデジモンを「シャウトモン×7」にクロスさせる練習をしている。

(波長が合わないのか、それともクロスローダーの問題か、いずれにしてもシャウトモン×7の力が使えないと、今後の戦いは苦戦する程度じゃすまなくなる)

「しょうがないし、今日は終わりにしよう。」

タイキは、フラフラになって目を回しているデジモン達を見て、ヴィヴィオとアインハルトに言った。

 

 

 

一方のキサキは、自室にこもってパネルをいじっていた。

「プログラムはこれで良し、あとは空のメモリにデーターを読み込ませて。」

キサキはこう言って、デジメモリのような形のメモリを取り出した。そして、

「姐さん、お願いね。」

と、一緒に作業していたエリカに言った。

「はい。」

エリカはこう言うと、パネルを常人では真似できない程高速で叩き始めた。

「データコピー率、90%をクリア、あと十秒で完成です。」

エリカがこう言った丁度十秒後、

「よし、切り札のデジメモリ完成、早速試してみよう。」

クロスローダーと新しく作ったデジメモリを持って、訓練場に行こうとした。すると、けたたましい警報が鳴り響き、アラート、と書かれた表示が現れた。

「みな、敵が来たぞ!!」

するとその瞬間、スピーカーを通してクラウドの声があちこちに響いた。

 

 

 

皆がゆりかごの操舵室に集まると、クラウドは皆に言った。

「悪い知らせだ、ムルムクスモン四鬼の中でも要注意な奴が来たぜ。」

そして、パネルを展開すると、黒い甲冑の上に黒いマントを羽織ったデジモンが飛んできている所を見せた、

「ブラックオメガモン、ブラックウォーグレイモンとブラックメタルガルルモンのデジクロスした姿だ。」

亜種と言う括りに入るが、仮にも歴史の上では最強と謳われた事のあるデジモンの登場で、皆の雰囲気は下がると思ったが、

「まあ、騎士と言うのならほっとけないな。」

「この戦いでアンタらが味方するにふさわしいか見極めてやる!!」

シグナム、アギトはむしろやる気である、しかし乗り気ではないのはタイキである。何故なら×7のデジクロスは完成していないのだから。

「ならギリギリまでうちらで何とかするよ。」

と、はやては言った。彼女にしては、珍しく乗り気である。

「何か最近出番をデジモンにとられてばっかりやし、ここらで人間様の底力を見せてやる。」

そして自身のデヴァイスであるシュベルトクロイツを、ぶんぶん振り回し始めた。

「ちょうどいいや、さっき完成した切り札を試してみようっと。」

キサキがこう言ったところで、皆はゆりかごの甲板へと出た。そこにはブラックオメガモンがすでに来ていた。

「こちらとて貴様らに恨みは無いが、我らの邪魔をするなら消えてもらう。」

ブラックオメガモンは右手のガルルキャノンを構えながら、彼らに言った、

「よし!!行くぞ!!」

キサキは前に出ると、先ほど作ったデジメモリをクロスローダーに差し込んだ、

「マジカルメモリ発動!!エアシグナル!!」

そして、クロスローダーを掲げると、

「バーストモード、発動!!」

エクスブイモン、スティングモン、ホーリーエンジェモン、パロットモン、エンジェウーモン、ディアボロモンをリロードした。しかし、今までと違い、皆闘気で満ち満ちており、全身も以前より強化されているように見える。

「うちらもいくで!!」

はやてが後ろに控えた魔道士たちに言うと、バリアジャケットを身に着けた航空魔道士たちは飛び立った。

「エクスブイモン、エンジェウーモン、パロットモン、ディアボロモンは飛び道具で牽制!!その隙に決めろ!!」

キサキがこう叫ぶと、

「ギガXレーザー!!」

エクスブイモンは巨大なX型のレーザーを発射し、

「ジャッジメントアロー!!」

エンジェウーモンは通常よりはるかに巨大な矢を発射し、

「オーディンサンダー!!」

パロットモンは天から激しい落雷を呼び、

「ヘルズフレイム・ジエンド!!」

ディアボロモンは超高熱の火炎弾を連射した。

ブラックオメガモンが、様々な方向から飛んできた技を喰らったその隙に、

「アクセルシュート!!」

なのはは、レイジングハートから魔力弾を発射した。

「行け!バルムンク!!」

それに合わせて、はやては剣のような形のエネルギー弾を発射し、ブラックオメガモンを攻撃した。

「こんな技が効くと!!」

ブラックオメガモンが左腕で攻撃を防ぎながら言うと、

「プラズマスラッシャー!!」

「スパイキング・エンド!!」

「グレートエクスカリバー!!」

フェイト、スティングモン、ホーリーエンジェモンが武器を構えて飛び出してきた。

(奴ら、さっきからバカの一つ覚えのような戦法ばかり、もしかして奴の狙いは)

ブラックオメガモンが、攻撃を回避しながらこう思った時である、

「うおぉぉぉぉ!!!」

「はあぁぁぁぁ!!!」

ウイングロードに乗って、スバルとギンガが走って来た。そして、

「IS!!振動破砕!!」

ヒットすると同時に強烈な振動を与えて対象を破壊する、戦闘機人としての二人の得意技でブラックオメガモンを殴った。

「ぐがぁ!!!!!」

ブラックオメガモンが衝撃により怯んだ時である、

「紫電一閃!!」

シグナムがスターソードを持って飛び込んできた、さらに、

「ハイブースト!ヒート&スラッシュ!!」

「シグナム!ユニゾンだ!!」

キャロが支援を与え、アギトがユニゾンすると言う、完璧なダメ押しを付加する。

シグナムの斬撃が当たり、発生した爆風が収まると、

「やはり、俺の左腕の破壊が目的か。」

ブラックグレイモンは左手に仕込んだ剣「グレイソード」で攻撃を受け止めて言った。

「キサキが言うにはお前の左腕は剣と盾になっている、近接戦で勝てれば何も問題は無いと言う事だ。」

シグナムがこう言うと、

「だが残念だったな、俺は普通のオメガモンのように優しくは無い。」

ブラックオメガモンはこう言って、グレイソードを左腕から取り外した。そして空いたグレイモンの頭部でシグナムを噛みつきで捕らえると、回転の反動を付けてキサキめがけて投げつけた。

「くそ、ブラックでも残念でも、オメガモンはオメガモンか。」

跳んできたシグナムを受け止め、上空を見ながらキサキが苦し紛れに言うと、

「残念言うな!!このままユートピア化を成功させて幸運を手に入れるんだ!!」

ブラックオメガモンはこう叫んで、右腕からガルルキャノンを取り出した、

「まさか、冷凍保存する気か!?俺達はマンモスじゃないってのに!!」

クラウドがこう言った時、タイキ、ヴィヴィオ、アインハルトは一様に思った、

(×7しかない)

と、しかし、練習で出来なかった事を本番で出来るのか、という不安もあった。

「これを使え!!」

ここでキサキはこう言って、タイキに何かを投げつけた。それはデジメモリではあるが、書いてあるのはデジモンの絵ではなく、リミットブレイクという文字だった。

「限界を底上げすれば、可能性も増える。」

キサキはこう言って、タイキ達を守るように彼らの前に立った。

「よし!!デジメモリ発動!!リミットブレイク!!」

タイキはクロスローダーにデジメモリを差し込むと、

「シャウトモン、メタルグレイモン、超進化!!」

と、叫んだ。

「シャウトモン、超進化!!オメガシャウトモン!!」

「メタルグレイモン、超進化!!ジークグレイモン!!」

そして、シャウトモンとメタルグレイモンが黄金に輝く姿に進化すると、

「限界を超えて力を合わせる!!」

こう言って、アインハルトとヴィヴィオのクロスローダーにデジモンを移した、

「オメガシャウトモン!!ジークグレイモン!!」

「バリスタモン!!ドルルモン!!」

「スターモンズ!!スパロウモン!!」

タイキ、アインハルト、ヴィヴィオはクロスローダーを合わせて、

「グレートクロス!!」

と、叫んだ。

「よっしゃあ!!!!!!」

デジモン達は黄金の光に包まれて一つになり、巨大な姿を現した。

「グレートクロス!!シャウトモン×7!!!」

 

 

 

カットマン

「カットマンと。」

 

モニタモンズ

「モニタモンズの。」

 

全員

「デジモン紹介のコーナ―!!」

 

カットマン

「今回のテーマはエンジェウーモン。エンジェウーモンは女性天使型のデジモン。得意技は雷撃を矢のように放つ「ホーリーアロー」彼女の力を込めた必殺光線「ヘブンズチャーム」だ。」

 

モニタモンA

「デジタルワールドの女神と言われる存在ですな。」

 

モニタモンB

「穏やかな性格ですが、怒ると怖いですな。」

 

モニタモンC

「ところで、キサキのエンジェウーモンのやんデレ疑惑と言うのは?」

 

カットマン

「ヤンデレと言うのは単純に言えば、相手に向ける感情が愛情とはわかるけど、相手に危険が及んでしまうのがヤンデレだ。キサキは彼女が自分にメイド服やゴスロリと言った、コスプレをさせようとしているから、彼女をヤンデレって言ってるんじゃない。」

 

全員

「それじゃあまたね。」

 

 

 

 

次回予告

タイキ、ヴィヴィオ、アインハルトのトリオによって現れたシャウトモン×7、果たしてその実力は?

次回「漆黒の聖騎士VSΩを継ぐ者」

 


 
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