海の楽園、アルタミラ。
ここはかつて世界が二つに分かれていた時、繁栄世界テセアラでは有数のリゾート地だった。
海の楽園と言われるだけあってか、海もかなり美しく、夜になればカジノもある。
そして、世界が一つになってからもその人気は健在だった。
「うわぁ~っ・・・!エミルエミル!海だよ海!」
「マルタ・・・嬉しいのは分かるけど少し落ち着こうよ・・・。」
「ぶー・・・エミルつまんなーい・・・。」
「つまるつまらないの問題なのそれって・・・?」
「そうだよ!せめて「マルタの水着姿が楽しみだなー」とか気の効いたセリフくらい言ってよ!」
「えぇぇぇぇぇぇぇ!?」
「おいおいエミル・・・。あんまり大声出すなって。何か注目されてるだろ?」
「あ、ご、ごめんロイド・・・。」
「そんなことより!早く着替えて海に泳ぎに行こうよ~!!」
「でも、先にリーガルさんに会ったほうが良いんじゃない?」
とコレットが言った。
「お、そうだな。んじゃ先にリーガルの所へ挨拶しに行くか。」
「うん。そうした方が良いね。」
と、エミル達はリーガルの居る会長室へと向かった。
「久しぶりだなエミル。ロイド達も元気そうで何よりだ。」
「はい!リーガルさん、お忙しい中、わざわざ誘ってくれてありがとうございます。」
「いや、私は休暇をとってある。それにエミル達に会いたい、という願いもあった。こちらこそ、来てくれて感謝する。」
「リーガルさんって・・・やっぱり大人だよねぇ・・・。」
と、マルタが関心したように言った。
「そうだよなぁ・・・。クールだし、俺もあーいう大人になりてえよなぁ・・・。」
「ロイドはロイドのままの方がいいよ!」
「そうかぁ?俺はこれはこれで、気に入ってるんだぜ?」
「私も、二年前に旅をしてきたロイドの方がロイドらしくていいと思っている。」
「リーガルもか?ていうか昔の俺ってゆうと・・・まあ、今思えばゼロスの言うとおり、暑苦しい奴だったのかもな。」
と、エミルとマルタを置いてけぼりにしたまま、二年前の話に突入をし始める英雄達だった。
「ところで、ゼロスやジーニアスたちはまだ来てないんですか?」
「そろそろ着くと連絡があったが・・・。」
と、エミル達が話し始めると・・・
「ゼロス様、かれ~に参上~!!」
バンッ!とドアをぶち抜くつもりなのかと錯覚するほどのドアを強く開けてゼロスが来た。
「やっぱり、アホ神子だね。ゼロスは。」
と、その後ろから呆れた様に言うジーニアス。
この時全員が意外な組み合わせだ、と感じずにはいられなかったそうだ。
「がきんちょは黙ってろっつーの!」
「ゼロス!ジーニアス!」
「お~久しぶりだなぁエミル!・・・っていうか、あん時は流石の俺様も心配したんだぞ?」
「あ、エミル!お帰り!心配したんだよ!?」
「う・・・うん。ごめんね、二人とも。」
「・・・ま、帰ってきたんならそれはそれで良しとしとくかぁ。」
「ていうか、何でゼロスとジーニアスが一緒にいるんだ?」
と、ロイドは意外な組み合わせに疑問を持ったのか質問した。
「あぁ、それはだねぇロイド君。」
「ほんとはプレセアもいたんだけどね、何か姉さんとどっか行っちゃった。」
「買い物でも行ったんじゃねーの?」
「うん。多分ね。」
「ではまだ来ていないのは・・・しいなか?」
「あ~あ~、ビリはあのデカメロンか~。」
ゼロスがそう言った刹那、
バッコォォン!
と、いつの間に現れていたのかしいなが殴ってゼロスを吹っ飛ばしていた。
本当にいつ現れたのか気になるが、本人は「イガグリ流忍術だよ」と、言い張る。が、部屋にいた全員、気配に気付いた頃にはしいながいたという。
「殴るよ!」
「だ・・・だから殴ってから・・・言うなって・・・言ってんだ・・・ろ・・・。」
とゼロスの意識はそのまま深い眠りに堕ちてしまった。
「(うわぁ・・・しいな怖い・・・)」
と、どん引きするエミルに、
「(やっぱり、ゼロスはゼロスだな。)」
と、改めてゼロスという一人の仲間を再認識したロイド。もう慣れたのだろうか、平然としている。
人間の慣れは恐ろしい。
「(ゼロスさいてー。」)
「(アホ神子はやっぱりアホ神子だね。)」
「(というよりここは私の執務室なのだが・・・?)」
と、上から順にマルタ、ジーニアス、リーガルが言った。限りなく小さな声で。
「ゼロス!だいじょぶ!?」
と、コレットはあくまでゼロスの心配をしていた。
「コレット、そんな奴ほっときな。」
「で、でもしいな。さすがにこれはちょっと・・・。」
「ふん!何回言っても分からないアホ神子にはこれくらいしておかないと。」
「そ・・・それを俺様を殴るときにも思い出せよ・・・」
「・・・何か言ったかい?」
ギロリ!という効果音が似合いそうな目つきをゼロスに向けていた。
「イイエナンデモアリマセン。」
「まったく・・・それはそうと、お帰りエミル。久しぶりだねぇ!」
「うん・・・しいなも元気そうだね・・・。」
と、エミルは先ほどのどん引きした感じがが多少残っていたものの、何とか会話をつなぎとめた。
「ところでエミル。先ほどから気になっていたのだが・・・」
と、リーガルがエミルに言った。
「はい?」
「少し怪我をしているようだが、何かあったのか?」
「あ・・・いやこれは・・・」
「俺が説明するよ。」
とロイドが、アルタミラに来るまでのいきさつを話した。
「ふむ・・・しかし何故エミルが魔物退治を・・・?」
「あ、あははは・・・それは少し事情がありまして・・・。」
「ふむ・・・なら、今日はゆっくり休むといい。海に行くのはしてはどうだ?」
リーガルがそう提案すると、
「えぇ~~!!私泳ぎたかった~!」
と、マルタが頬を膨らましてそう言った。
「そうは言ってもだ。マルタも少し疲れただろう?」
「う・・・そりゃまあそうだけど・・・。」
「それに今日はビーチが込んでいてな・・・。」
「あ、そうなの・・・?」
「な~んだ、今日は中止なのかよ・・・。せっかくマルタちゃんやコレットちゃんの水着姿が見れると思ったのによ・・・。」
「・・・アホ神子。」
「なんだとコラがきんちょ!」
二人はギャーギャーと騒ぎ始めた。
「それじゃ、明日の何時でどこ集合だい?」
「明日の9時に落ち合おう。場所はホテル前でどうだろうか。」
「分かった、俺はホテルで休んでくるよ。」
「それじゃあ私も!」
と、そう言ってロイドとコレットは部屋を後にしていた。
「エミル達も、明日に備えて休んでくるといい。」
「はい、じゃあお言葉に甘えさせてもらいます。」
「エミルっ、いこっ!」
と、続いてエミルとマルタも部屋を後にした。
「・・・うむ。では私も・・・」
「地に伏す愚かな贄(アホ神子)を喰らい尽くせ・・・グランドダッシャー!!」
「ちょ、おまっここで術はないだ・・・ギャァァァァァ!!」
と、まだ何かやっていた。ここが自分の執務室だとはもう突っ込まなかった。というより諦めてた。
後書き
どもどもひさしぶりです。
いやはや受験ってしんどいです。
また近日中にアップしたいと思いますので・・・。
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魔物退治編も終わり、私の私立受験も終わった事で、続きを書きたいと思います。
尚、これからちょくちょく魔物退治編も書くと思いますが(ネタに詰まった場合のみ)その辺よろしくです。