同居人・達 第05話「手紙」
---ジリリリリリリッ!!----
J 「うるせ~・・・」
朝から低テンションの俺は
毎朝時間通りに鳴りやがる目覚まし時計にメンチを切っていた
日曜でもお構いなく、毎朝7時30分に
睡眠を邪魔するこいつは今の俺にとっては『敵』だ
ちなみに今は7時40分、俺はこいつと30分睨み合っていた
しかし、このままこいつの暴挙を許すわけにも行かず
仕方なく俺は目覚ましを止め体を起す。
一階に降りると翠星石と水銀燈がソファーに座ってた
翠星石 「ようやくお目覚めですか人間」
朝から偉そうな事言ってるこいつの名は『翠星石』
水銀燈に続いて2人目の居候だ。
水銀燈 「お腹すいたわぁ」
朝のニュースを見ながら空腹を訴える2人
J 「お前らも手伝えよ、って言うか
俺が起きる前に準備しとこうとか思わないわけ?」
すると翠星石は俺の言葉を鼻で笑う
翠星石 「はんっ、何で翠星石がそんなことしなきゃいかんですか
寝言は寝て言えですぅ」
横では水銀燈もウンウンと頷いてる
J 「OK分かった。お前らは朝食抜きってことでいいんだな」
そう言って俺は台所へ向う
水銀燈 「ちょっ、そんなわけないでしょっ!」
翠星石 「横暴です!独裁政権ですぅ!!」
ワキャワキャ騒ぎながらあわてて
俺の後を追って台所へ手伝いに来る2人
なんでこいつらこうでもしないと手伝わないのかね
水銀燈 「それにしても、これだけじゃ足りないわねぇ」
お椀に付いた米粒を上手に一粒づつ取って食べながら呟く水銀燈
J 「仕方ないだろ、元々1人分なんだから」
翠星石 「お昼までもたないですよ~・・・」
続いて翠星石も文句を言う
J 「だったらお前らでなんか作れよ。その方が安上がりだ」
翠星石 「は?何で翠星石がそんな事せにゃならんですか。お前がやれですぅ」
水銀燈 「そうよぉ、人間が作りなさいよぉ」
ほほぉ、俺に作れと?
J 「言っとくが俺は、料理に必要な『さしすせそ』は?と聞かれて迷わず
『さ』い『し』ょは、き『す』で『せ』ックスは『そ』れから、って答えた男だぞ」
翠星石 「この人間は脳がいかれてるですぅ」
水銀燈 「もとからよ」
そんな馬鹿な事をしゃべりながら俺達は楽しく(?)朝食をとった
翠星石 「人間、どこ行くですか?」
玄関で出かけようとする俺に声をかける翠星石
J 「ん?買い物に行くんだけど」
翠星石 「へぇ~、一日中部屋にいるわけじゃないんですね」
勝手に俺を引篭もりにするな
J 「そゆこと、それじゃ行ってくるな」
翠星石 「車に気をつけるですよ」
J 「おう」
そう言って俺はしゃがんで、翠星石の前で目を瞑る
翠星石 「何ですか人間?」
?マークを浮かべる翠星石
J 「いってらっしゃいのチューは?」
翠星石 「さっさと行きやがれですぅ!!」
ドアを指差して叫ぶ翠星石
買い物を済ませて街中をぶらついていると
秀吉が凄く真剣な顔で立っているのが見えた
J 「よっ、どうした?」
秀吉 「ああ、お前か」
秀吉はそれだけ言うと再び視線を戻す
俺もつられて同じ方を見る
『電話待ってるわ』
電柱に貼ってる如何わしいチラシを秀吉は真剣に見ていた
秀吉 「電話するべきか・・・ソープに行くまで我慢するべきか・・・」
中学生なのにおっさん臭い二択だな
俺は優しく秀吉の肩に手を乗せる
J 「やめとけ、せめて健全にナンパにしなさい」
すると秀吉は顔をしかめる
秀吉 「なに言ってんだお前、いつものお前だったら一緒に選んでくれたのに!
しかも、なんだその余裕の表情は!?
ま、まさか貴様!女が出来たのか!!??」
う~ん、女というか家族として美少女が2人も家にいるからな
普通の女じゃ物足りんな、ましてやバーゲン品の女などには興味はない!!
そんな俺様でもいまだ童貞・・・・・・泣けてくるぜ・・・
などと心で自慢したところで悲しいだけだな
J 「出来てねぇよ、お前の勘違いだ」
だが、秀吉は涙&鼻水を流して否定する
秀吉 「嘘だ!彼女が出来た奴はみんなそう言うんじゃボゲェ!!もう騙されねぇぞ!
ある日突然、『実は合わせたい人がいるんだ』なんて言って
何度苦汁と嫉妬で枕を濡らした事か・・・しかもそうなった奴らは全員
フレンドよりもラブを選ぶんだ!」
街中で絶叫する秀吉に通行人の冷たい視線が突き刺さる
さてと、帰るか・・・
秀吉がトリップしてる間に逃げよう。じゃないと関係者だと思われる
俺がその場から立ち去ろうとした瞬間
秀吉 「お願い捨てないで!!」
J 「はぁっ!?」
そう言って俺に抱きついてくる猿
それと同時に周りから様々な反応が
ドン引きする人、歓声を上げる女子高生、顔を赤くしながら見るおばさん
ベンチに座り誘うような視線を送る阿部さん、
あれ?前にもこんな視線に晒されたような・・・
J 「放せアホ猿~!!」
秀吉 「いーやーだー!」
その後、俺は十数分間、国民の視線に晒され続けた。
J 「・・・ただいま・・・」
もはや生きる屍と化した俺は
ゾンビのように佇む
水銀燈 「お、お帰り人間、どうしたの?」
煎餅を咥えながらしゃべりかけてるく水銀燈
J 「聞くな・・・っ」
その時、部屋の奥から翠星石が飛び出してきた
翠星石 「人間、出かけるですよ!」
J 「はぁ?ちょっ何だよいきなり」
俺は翠星石に腕をつかまれ再び外へ連れ出された
あれ?翠星石に何か足りないような・・・?
J 「リボンなくした~!?」
あからさまに嫌そうな顔をする俺
翠星石 「そうですぅ。だから一緒に来るですぅ」
J 「まさかここら一帯しらみつぶしに探せってことじゃねぇだろうな」
さすがにそこまでの体力はねぇぞ
翠星石 「そこは安心するですぅ。もう目星はついてるですよ」
俺を引っ張りながら話す翠星石
J 「じゃぁ1人で取りに行けよ」
翠星石 「そ、それはその・・・ゴニョゴニョ」
何故か翠星石は答えずらそう口ごもる
J 「?」
あ、わかった
J 「翠星石~、もしかしてすごく人見知りするのか?」
イタズラっぽく聞くと翠星石は顔を真っ赤にする
翠星石 「な!んなわけねぇですぅ!!」
どうやら図星らしい
ふふふ、弱点めっけ
J 「ん?だけどその割には最初俺と会った時人見知りしなかったな
もしかして一目で信頼できる人って見抜いたのか?」
翠星石 「初対面でいきなり水攻め受けて人見知りする暇ないですよ
自惚れるなですぅ」
J 「そんなこと言って~、本当の事言ってごらん」
そう言って俺は翠星石のホッペをぷにぷに押す
翠星石 「え~い、しゃべるな・触るな・セクハラするなですぅ!」
J 「それでなんて名前の人の家なんだ?」
歩きながらとりあえずさっきから黙ってる翠星石にしゃべりかける
なんかずっと黙ったままだから何とか場を和ませないとな
からかって怒らしたのは俺のせいだけど・・・。
ムスッとした翠星石は口を尖らせながら答える
翠星石 「家には確か『キャサリン』って書いてあったですよっ。」
キャサリンってことは外人か
でもこの辺りに外人なんて住んでたかな?
しばらく歩いて行くと翠星石がある家の前に立ち止まる
翠星石 「ここですぅ」
そう言って目の前の家を指差した
その瞬間、俺は腰から上の穴と言う穴からいろんな液体が出ていた
その家の表札には厳つい文字でこう書かれていた
『如月組』
うわぁ~、ヤクザ屋さんだ~
J 「あの~翠星石さん?」
翠星石 「なんです?」
俺は震えながら看板を指差す
J 「こ、これのどこがキャサリンなんですか?」
すると翠星石は僅かに開いてるドアの隙間まで俺を引っ張っていき
翠星石 「あれがキャサリン宅ですぅ」
そう言って見せたのは犬小屋
小屋の屋根には可愛く『キャサリン』と書かれていた
J 「本当だ」
その屋根に翠星石のリボンは引っかかっていた
それにしても、こんなところでずいぶん可愛い名前の犬飼ってんだな
そして視線を下げてその小屋の主を見る
犬はミッ○ー人形と戯れていた。
すべてを抉るような爪、死を司る牙、睨み殺さんばかりの眼光
犬 「GaRuuuuyyyyy!!!」
ご立派なドーベルマンだった・・・
おいおいおいおいおいおい!
あれはキャサリンて名前じゃねぇだろう
そういう名前付けていいのは小型犬だぞ
あんな警備専用の殺人犬はガイア・オルテガ・マッシュかなんかだろう
そんなことを考えているとキャサリンちゃんは
こっちを見ながら足元の人形を噛み千切って振り回していた
お前もこうしてやると言わんばかりに・・・
J 「無理」
それだけ言うと俺は180度回転して歩き出した
翠星石 「な、なに言ってるですか人間!
早く取りに行くですぅ!」
J 「無茶言うな、この扉の先はカオスだ。行ったら最後
埋められるか沈められるか食べられるかしか選択欄はない」
そう言うと俺は翠星石を後ろから抱き上げる
J 「帰るぞ」
それだけ言うと俺はスタスタと歩き出す
翠星石 「いきなり何するですか!放しやがるですぅ!」
J 「今度代わりのリボン買ってやるから」
その時、パンチパーマの男が家から出てきた
ヤクザA 「んだぁ?ガキ共こんなところで何してやがる」
やっちゃんだ!小指30%OFFのやっちゃんだ!!
J 「いえっ!なんでもなイッス!」
翠星石 「リボン返s、むがっ!」
慌てて俺は翠星石の口を押さえる
J 「失礼すますッス!」
俺の腕の中でジタバタ暴れる翠星石を連れて俺はダッシュで帰宅した
家に帰ってから翠星石は俺とは一言も口をきかなかった
確かに気の毒とは思うが仕方ないだろ
下手したらマジで命が危ない
それにリボン一本で命張れるか
J 「まぁ、あいつも明日になったら元気になってるだろ」
そんなことを考えながら翠星石達の部屋の前を通ると
---ひっく、えっく・・・ぐすっ----
なんだ、心霊現象か?
興味本意でドアを少し開けるとそこには
翠星石 「ひっく・・・お父様ごめんなさいですぅ
翠星石はお父様から貰った大事なリボンをなくしてしまいました・・・」
部屋の隅で泣いてる翠星石
J 「・・・・・・」
俺はゆっくりその場から離れる
1階に降りると水銀燈がお腹を押さえてやってきた
水銀燈 「(ぐぅぅ~っ)人間、もうそろそろ夕飯の時間よぉ」
俺は首を横に振る
J 「わりぃ、先食ってて。ちょっと用事済ませてくる」
それだけ言うと俺は靴箱に置いてあった金属バットを取り出す
水銀燈 「に、人間?」
俺の異様な雰囲気を察したのか水銀燈が俺から数歩離れる
J 「大丈夫だ、すぐ帰ってくるよ」
俺はにっこり笑うと2階の自分の部屋へ向った
家の前をうろついていたヤクザAはあくびをしていた
天気がいいのに暇な見回りで退屈していたのだ
なに気に道を真っ直ぐ見ていると
何かが向こうから来るのに気がついた
ヤクザA 「ん?」
彼は一瞬我が目を疑った。なぜならその姿は
クソ熱いのに分厚いコート、顔にはマフラーをグルグル巻き
右手には金属バットを持っていて離れないようにテーピングまでされ
自転車に乗りながらバットでガリガリアスファルトを削りつつ、こっちに向ってくる
ヤクザA 「へ?」
目標の家を視界に捕らえ
俺は自転車を猛スピードで走らせた
J 「俺だってなぁ、本当はこんなことしたくねぇんだよ。」
ため息をつきながら俺は自転車をこぐ
J 「だけどなぁ、女の子が本気で泣いてるところを見せられちゃよぉ、男として・・・」
自転車に括り付けてた発炎筒を焚いて、ついでにロケット花火に火をつける
ヤクザA 「な、殴り込みだー!!!」
J 「黙ってるわけにはいかねぇんだよぉ!!!」
俺は生まれて初めてヤクザのお家にカチコミをかました
水銀燈 「人間遅いわねぇ」
足をプラつかせて退屈そうにしている
翠星石 「あんな屁たれのことなんか知らんです
どこえなりとも野垂れ死ねばいんですぅ」
ポテチを食べながら翠星石はしゃべる
って言うかそれ俺のお菓子じゃん
J 「誰のお菓子を食べてんだ?」
そう言って俺は翠星石の頭に手を置く
翠星石 「ひゃっ!」
驚きすぎてその場で数センチ浮いたよ今
翠星石 「いきなり脅かすなで・・・す?」
水銀燈 「あ、お帰りにんげ・・・ん?」
俺の姿を見て訝しげな顔をする水銀燈と翠星石
水銀燈 「ど、どうしたの人間その格好!?」
翠星石 「ボロボロですぅ!」
ああ、確かにマフラーは半分焦げてるし、
コートは所々に刃物で切られたような切れ目があるな
J 「気にすんな、それじゃ俺はもう疲れたから寝るわ」
それだけ言うと俺はふらつきながら部屋へ向った
水銀燈 「あれ?翠星石、その頭に乗ってるのは?」
翠星石 「ふぇ?・・・・・・・・・り、リボンですぅ!」
どうやら俺が頭に置いたリボンにようやく気づいたみたいだな
それにしても、疲れたぁ・・・
俺は倒れるようにベットに入った
深夜、トイレで目が覚めた
J 「今何時だ?」
布団の中から手を伸ばし、時計を見ると23時だ
さすがにこの時間になるとあいつらも寝てるか
それよりもトイレトイレ
目を擦りながら体を起こすと
翠星石 「・・・・・・」
翠星石が俺の机に座って本を読んでいた
J 「へ?」
俺に気づいたのか本から俺に視線を変えた
翠星石 「なに見てるですか人間」
J 「えっと・・・こんな深夜に何してんだ?」
とりあえず質問してみると翠星石は何故か恥ずかしそうに
顔の下半分を本で隠してしまった
翠星石 「い、いつも寝る前にはおばばが本を読んでくれたですよ」
そう言うと顔を完全に隠してしまった
J 「つまり寝る前に誰かに本を読んでもらわないと寝れないと」
翠星石 「・・・・・・ハイ」
蚊の鳴くような声で返事をする翠星石
なんだかんだ言っても子供だな
J 「OKわかった。その本貸しな、俺が読んでやるよ」
まだ眠いけどこのままここに居座られるたら寝れねぇからな
さっさと読んで帰ってもらうか
俺は翠星石から本を受け取る
J 「さてと・・・!?・・・え~と、何をしているのですか翠星石さん?」
俺のひざの上に座って本を聴く気満々の翠星石
翠星石 「いつもひざの上に乗って聴いてたですよ」
J 「さいですか」
翠星石 「いいから早く読むですぅ」
J 「へいへい」
翠星石に急かされて俺は本に目を通す
J 「えっと・・・この本の題名は・・・エロ小説じゃねぇか!!??」
翠星石 「耳元ででかい声出すなですぅ」
翠星石は耳を押さえて文句を言う
何でこの書物がここに?ま、まさか!
J 「あの、翠星石?この本どこから持ってきたの?」
すると翠星石は俺の机の引き出しを指差す
翠星石 「あそこにたくさんあったですよ」
なんでそんなとこから持ってくるんだよ
翠星石 「そんなことより、はぁやぁくぅ読むですよぉ」
なんで色っぽい声で催促するんだこやつは?
J 「わかったよ、じゃぁ読むぞ」
こうなったら力の限り早口で呼んでさっさと終わらせてやる
翠星石 「~~~♪」
J 『「ここをつまむとどなるかな?」
「はああああッ・・・・・・ダメぇッ!」
全身に電流が流れたように、加奈子の体が震えた
「なにがダメなのかな」
箸は加奈子のクリトリスを包皮の上からしっかりとつまんでいる。』
J 「・・・・・・なあ。」
翠星石 「?」
翠星石はひざの上で首だけをこちらに向ける
J 「こんなの読んで面白いか?」
翠星石 「面白いですよ、この主人公なかなか見所があるですぅ」
J 「み、見所って・・・まあいいんですけどね。」
仕方なく俺は続きを読む
2時間後
J 「『俺は再びメイドさんたちを追いかけて屋敷の中を駆け回り始めた。<了>』・・・・・・」
し、死ぬかと思った・・・けどがんばったよ俺。何がだって?
もちろんエロ小説を読みながら、ひざの上で偶に尻の位置を変えたりする幼女に
欲情しないよう我慢するのがだよ。まじで拷問だぜ
J 「おい、終わったぞ」
俺のひざの上で大人しく座ってる翠星石にしゃべりかける、だが
翠星石 「Zzzzz・・・」
思いっきり涎たらして寝てやがる
これなら報酬として胸の10回や20回揉んでもわかんなくネ?
J 「って、なに考えてんだ俺」
馬鹿なこと考えてないで早く寝よ
とりあえずこの小さな眠り姫を部屋に返してくるか
俺は銀翠の部屋に行き、フタの開いてたカバンに翠星石をゆっくり入れてやった
翠星石 「Zzzz・・・♪」
J 「まったくこいつは・・・」
俺はティッシュで翠星石の涎を拭いてやると優しく頭を撫でた
そしてゆっくり翠星石の寝顔に顔を近づけ
J 「いい夢を見ろよ」
耳元でそう呟いてフタを閉めた
J 「さてと、小便して寝よ」
そう言えばこいつ昨日はどうしたんだ?
まさか、水銀燈に読んでもらったのか?
---ジリリリリリリッ!!----
J 「うるせ~・・・」
朝から低テンションの俺は
毎朝時間通りに鳴りやがる目覚まし時計にメンチを切っていた
朝7時30分に俺の睡眠を邪魔するこいつは今の俺にとっては『敵』だ
月曜の朝は特にきついものがある
仕方なく俺は目覚ましを止めようと体を起す。その時
---どたどたどたどた!----
廊下を走る足音
J 「?」
足音は俺の部屋の前で止まり『どかっ』と
ドアを蹴り開ける音とともに少女が姿を現した
翠星石 「朝からジリジリうっせぇですよ!!」
そう叫ぶと目覚ましを掴むと俺に向って投げつけた。
J 「あだっ!」
時速120キロオーバーの時計がオデコにメガヒット!!
J 「いってぇ~。もう少し優しい起し方出来ないのかよ~」
すると翠星石はビシッと俺を指差す
翠星石 「うっさい馬鹿!朝食はもっと早く取るべきですぅ!」
J 「はぁ?」
よく分かんない事を絶叫して翠星石はドスドスと音を立てて
下へ降りて行った。
J 「なに怒ってるんだあいつ?」
着替えて下へ行くと、なんともうすでに
朝食の用意がされていた
J 「おお、凄いな。」
朝食は昨夜巴が持ってきた物なのだが
それプラスもう2,3品料理が増えてて
その上、綺麗に皿に並べられて紅茶まで準備してある
J 「これお前達がやったのか?」
そう言って水銀燈の方を見ると
いまだ寝巻き姿で髪も跳ねまくってる水銀燈は寝ぼけながら
首を横に振った
J 「と言うことは・・・」
俺は台所でご飯をお茶碗に入れてる翠星石を見る
J 「これ翠星石がやったのか?」
翠星石 「・・・ふんっ」
何で朝からこいつは不機嫌なんだ?
その時、水銀燈が俺の耳に顔を近づけてきた
水銀燈 「翠星石ってば、朝6時から起きて準備してたのよぉ」
何でもいいが耳に息を吹きかけながらしゃべるなよ
朝から息子が暴れちゃうじゃないか
そんなことを考えていると
俺の横で茶碗を持って無言で睨む翠星石
J 「えっと・・・ごめんなさい、今度からもっと早く起きるよう努力します。」
俺は翠星石に頭を下げる
しかし、まだ不満そうな翠星石
う~~ん・・・、何が不満なんだ?
その時、水銀燈がテーブル上の料理を小さく指差す
J 「えっと・・・料理を作ってくれてありがとうございます・・・?」
それでも翠星石はまだ少し不満顔
あ・・・っ
J 「この料理凄くおいしそうだなぁ
こんなの作れるなんて翠星石はすごいな、エライよ」
そう言って翠星石の頭を軽く撫でてやる
すると翠星石はため息をついてから顔を赤らめて茶碗を俺の前に置く
翠星石 「仕方ないですね。それでカンベンしてやるですよ」
そう言うと翠星石も食卓に着く
つまり褒めてもらいたかったんだな、この甘えん坊め
J 「それじゃいただきます」
翠・銀 『いただきます』
色々騒がしいけど、こいつともうまくやっていけそうな気がした
そんな事を考える月曜の朝
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ローゼンメイデンの小説です