No.59268

過去と未来と異次元と

何カ月か前に描いた作品です。原作は、私の夢だったりします。
まずは出だしだけですが、また続きを書きたいともおもっていますww
〈登場人物も増やしますので〉

2009-02-20 19:03:43 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:654   閲覧ユーザー数:620

荒れ狂う波も嵐も動じなかった軍艦が突如として大きく揺れ動いたかと思うと船内が赤いランプで照らされ館長の声が通信機械を通じて船内に響き渡った。

 「この船はもう持たない!総員退避!繰り返す、各自緊急ボートを使用しこの第五角竜丸から待避せよ!!」

 その叫び声とも命令ともつかない声とともに船体が更に大きく揺れる。どうやら魚雷が船体に直撃したらしく、竜馬の隣にいた兵は頭から血を流して倒れていた。

 さらに船体が揺れる・・・どうやら傾いているらしい。船員たちが逃げ出し、ボートを使う者もいれば板きれに捕まるもの、挙句は何も考えずに海絵へ飛び込む者もいた。

 その時もう一度船が揺れると、なんと竜馬の上に弾薬を入れた鉄製の箱が落ちてきた。当然竜馬はかわそうとしたが頭にあたり、意識も朦朧とする中海へ投げ出されてい待った。

 「どうしてこんなことに・・・」

 しかし、そう竜馬が考えたところで事態は変わらないのである。そのまま意識なくなり竜馬は気を失うが、まだ遠くで仲間たちの悲鳴や怒鳴り声が聞こえている気がした。

 

 

約5ヶ月前・・・

 21XX年。世界は核の毒に侵されたように見えたが某国の放射能除去装置が世界を救い、一時は平和が訪れる。

 しかしそんな平和も長くは続かなかった。

 突如某国が日本に向けて進軍、日本は北海道を失うと同時に憲法第9条を破棄、開戦を宣言するも兵士の数が足りず、結果的に半強制的な民間人の戦争参加を国家は強要し碌な訓練も受けていない兵士たちが最前線へと送られたのである。

 そんな中竜馬もこの第一次本土防衛戦争に参加したのである。

 竜馬の両親も反対したが世間の目には逆らうことはできず、3ヶ月の特殊海兵訓練ののち、イージス艦「角竜丸」に乗ることとなったのである。

 

 

 「うーん・・・」

 そうういったうめき声とともに竜馬が立ち上がったのはある意味奇跡と言えよう。そこは暗くてじめじめしていたが、外は明るい日差しが差し込んでいた。

 「起きたか少年」

 少ししわがれた声とともにどこからともなく現れた初老の男はやさしく竜馬に呼びかけた。

 「俺は・・・たしか海に投げ出されて・・・そうだここはどこなんだ爺さん?」

「もう3日も寝ておったがその様子なら心配あるまい。それとまだわしは爺さんと呼ばれるには少し早いぞ。」

 静かな声で話す初老の男はやさしげな眼でこう付け加えた。 

 「おぬしは3日も寝ておったんじゃが、まあそれだけ話せたら十分じゃ」

 そういうと初老の男は握り飯を竜馬に投げてよすときいてもいないのに自己紹介を始めた。

 「わしの名は千葉定吉。ここはわしの家であり道場じゃ。」

 「フグ・・・モグ・・・ゴクン」

 食物を口の中に入れて初めて竜馬は今自分がいかに空腹状態にあるかを知り、何も言わずに食べ続けて飲み続けた。

 「プハーッ!ごちそうさまー!」

 竜馬は散々握り飯を食った後に定吉に礼を言うとすぐさま大量の質問を浴びせかけた。

 「そんなに一気に聞かれてもわからんわ」

 そう言いながら定吉は温めの茶を一気に飲み干すとゆっくりと質問に答えた。

 「今は1842年6月の2日じゃ。そしてここは江戸の町から1里の所にある道場じゃ。」

 その言葉を聞いた瞬間竜馬は驚愕し声も出なかったが定吉はいたって真面目でとても冗談を言っている風ではない。

 そしてなによりここが竜馬のいた時代でないということを決定ずけるのが、この定吉が座っている所の横に置いてあるその日本刀だった。

 「ほーう刀がそんなに珍しいか?」

 そういうと定吉は刀を竜馬に手渡しながら最低限の注意をした。

 「仮にも武士の魂じゃ。大事に扱ってくれ。」

 竜馬は実際の刀をもったことがなかったが、この刀が本物であることはわかった。

 「農民の服装と言うわけでもなかったのでてっきり武家のものかと思っていたが違うのか。」

 「いえ私の父は道場を開いています。」

 そう答えたあと少し考えたが、竜馬はついに自分がどのような経緯でこの場所に来てしまったかと言うことを定吉にすべて話してしまった。

 「ほーうそれはそれは・・・」 

 最初は驚いていた定吉も徐々に落ち着きを取り戻し、冷静な目でこちらを見据えた後に笑ってこう言った。

 「わかったおまの話信じよう。」

 この言葉には竜馬も意外であったらしく、少し間が空いてしまった。

 「しかしそうじゃろ。こんな話すぐに作れるものでなし、それにそなたが来ていた奇妙な服にも説明がつく。」

 そして定吉はこうも言った。

 「それにもしウソをつくのならだれでももっとましなのを考えるじゃろうて。」

 そして笑いながら、2杯目の茶を飲み干し竜馬の眼を見てはっきり言った。

 「わしはおまえにこう言わなくてはならんの。ようこそ江戸の町へ!」

 竜馬もハアとしか反応できなかった。自分はいつの間にか江戸時代に来ていたなんてとても信じれることではないが、その時の竜馬はなんとなく信じてしまったのである。

そうこの時から竜馬の奇妙な物語は幕を開けるのであった。

 


 
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