No.591073 リリカルなのはSFIAたかBさん 2013-06-25 15:28:08 投稿 / 全3ページ 総閲覧数:4547 閲覧ユーザー数:4128 |
第二十六話 驚愕!今日、あの人がデレる!
リインフォース視点。
「フェイトォオ、アリシアァア」
タカシとヴィータ。フォワード陣が軍用ヘリコプターパイロットのヴァイスに輸送してもらい機動六課に戻ってくるとフェイトとアリシアがオレンジ色の小さな女の子に抱きしめられていた。
あれはアルフ、か?
アルフはというと、またアサキムが現れたという事を聞きつけて、エイミィとクロノの子ども達の面倒をエイミィに押し付け飛んできたらしい。
「うう~。だ、だって、またアサキムが来たって聞いていてもたってもぉ、…ん?あれって」
そんなアルフをテスタロッサ姉妹はアルフの頭を撫でて落ち着かせているところでアルフがヘリから降りてきたタカシに気が付いた。
彼女もタカシが帰ってきたことは知っていたが、やっぱり久しぶりに会うので多少は動揺しているんだろう。
「…タカシ、だよね?」
「あ、ああ。そういうお前はアルフか?ちっこくなったな」
再開の言葉として言うにはどうよ?という顔をしながらアルフに声をかける。
すると、アルフはテスタロッサ姉妹から離れてタカシに向かって駆け出した。
それを見た全員はタカシに抱きつくんだろうと思いながらそれをただ眺めていた。
「…こんのぉ」
タカシに飛びつく二歩手前ぐらいでアルフはジャンプ。そして、
ボ
グ
シ
ャ
ア
ア
ア
ア
!
と、真下から真上に足を振り抜いてタカシの顎を打ちぬいた。
・
・・
・・・?
?!
な、何をするだあああああ!!
あまりにも想像していた事と違う場面を見せられた私達は呆然としていたが、アルフのキックを受けて仰向けに倒れたタカシに今度はマウントを取ったアルフはその小さな手を固めて今度は顔面を殴りつける。
「大馬鹿!まぬけ!トンマ!どんだけ心配かけたと思ってんだい!」
「あ、アルフッ。やり過ぎだよ」
私はタカシのダメージの方が心配だ。
だって、今も手で抑えている口からだらだらと血を噴きだしているし…。
慌ててアルフを引きはがすテスタロッサ姉妹。
タカシの方も普段から魔力障壁を張っているとはいえ今のは効いているだろう。ちょっと足腰が震えている。
「フェイトもアリシアも!他の皆も泣いて心配していたのにまたひょっこり出てきやがって!」
「あ、アルフ。落ち着いて。タカシはただ私達に『スティグマ』を刻みたくないから私達から離れているだけで…」
「だから、それはだな…」
と、タカシも口元を抑えながらアルフに説明しようとしている。と、
六課のロビーから駆け足でこちらに向かってくるプレシアと、それを追いかけるリニス。そして、私と一緒に遠距離砲撃でガジェットを沈めてきた主はやて。その表情は何故か笑いを抑えているようにも見える。
リインの方は帰って来るなり撃ち落としたガジェットの残骸を調べているチビレオンと一緒だろう。なにかと一緒に居ようというその行動力は見習うべきかもしれないな。
と、思っていたら…。
ボ
グ
シ
ャ
ア
ア
ア
ア
!
プレシアのキックがタカシの顎に炸裂した。
その動作は先程のアルフを再現したかのように。
・
・・
・・・。
何をするだあああああ!!
そして、タカシが再び仰向けで倒れた所にプレシアがマウントを取って、バッチンバッチンとビンタをする。
「この馬鹿!この馬鹿!この馬鹿!この馬鹿!」
「ぶっ、べっ、ばっ、ぼっ」
顔を真っ赤にしながらビンタをするプレシアを私は慌てて止めに入る。
そんな私の抑止にプレシアは未だに落ち着かないのか、じたばたともがくが追いついたリニスに羽交い絞め。私は前から抑えているので暴れても意味は無いのだが…。
あの、娘の事以外では滅多に暴走することのないプレシアがこんなに興奮するなんて…。何かあったのだろうか?
と、考えていたら答えはすぐに出た。
「プレシア。落ち着いてください」
「せや。プレシアさん。デレたからって八つ当たりはいかんよ」
ぷすす。と、抑え切れていない口元を隠す主はやて。
・・・。
『八つ当たり』は、わかるけど。
え、デレ?
誰が?
三十分前。
リニス視点。
アリエティスの不意打ちに高志がカウンターを決めてしばらくしての事。
六課の指令室ではその様子を見ていたプレシアは目元をぬぐいながら安堵のため息をついた。
「…ま、まったく。あの馬鹿。変な心配かけさせないでよね」
はぁ~。と、心の底からほっとしたようにプレシアは椅子に腰かける。
「…そうですね。私もあれは危ないとは思いました。が、何とか切り抜けてくれたみたいです」
今の私はゼクシスの切り札として、移動拠点として使用しているアースラ同様に、今は動けない状態。
あのアサキムが現れた後、プレシアと相談した結果アースラの改造を急ピッチで進めているのだ。
対戦艦でアサキムを迎え撃つために。
それにしても…。
「プレシアさんにしてはびっくりするくらいの声でしたね」
「…言わないで。アリサさん」
一緒に画面を見ていたアリサさんはプレシアに声をかける。
アリサさんも結構落ち着いていなかったけど今では安堵している。
ガンレオンを再度展開した時にはこう着状態だったアサキムと謎の少女も撤退をしていた。無論、追いかけることは出来ないが…。
アサキムと相対するには現在高志とリインフォースのどちらかがいないと絶対に勝てないから。
「まあまあ。でも、それだけ彼のことが大事なんですよ」
「…そんなんじゃないわよ」
と、私がそう言うとプレシアはまだ赤い顔を逸らしてそっぽを向いた。だが、
『…あ、プレシアさんがデレた』
運悪くガジェットの群れを排除していたはやてさんがその様子を通信で見ていた。
彼女からしてみれば、限定解除した後、戦線復帰したリインフォースをぶっつけ本番で出撃させるわけにもいかないので一緒に出撃しただけだった。
しかし、途中で次のガジェット群がどこにいるか訊ねようと通信先に連絡してみると今の光景を見てしまったのだ。
それからは大変だった。
デレた事を否定しようと慌てるプレシアだが、ツンデレの真骨頂はそれを指摘された後の動作にある。
憐れ、プレシア。
その慌てる姿をはやてに見られて任務終了後も私とはやてさんにいじられることになったのだった。
高志視点。
「あんたの所為でっ。あんたの所為でっ。あんたの所為でっ。あんたの所為でっ。」
醜態を晒してしまったと、慌てるプレシアは暴れているけど自業自得じゃないの?てか、リニスさん。あんたもはやて側か…。
そりゃあ、心配かけたのは悪いと思うけど。
…ここは素直に謝っておくか。心配をかけたのは事実なんだから。
「その、プレシア…」
「なによっ」
リニスとリインフォースに押さえつけられているプレシア。
スフィアリアクター二人掛かりで押さえられている人物もそうはいないだろう。
「心配かけてごめん」
素直に頭を下げてプレシアに謝る。
彼女には小さな頃からなにかと世話になっているので、心配されるのも仕方ない事だろう。もっと強くならないといけない。
「~~~~~~っ。次からはもっと気をつけなさい!この馬鹿!」
そんな俺の仕草を見てプレシアは少し涙を浮かべて、顔を赤くしながらもそっぽを向いた。
その動作に不覚にも『萌え』を感じてしまった。
ピリオド・ブレイカーを受けてからかプレシアは全くと言っていいほどその容姿に変化が見られない。まるでサイヤ人のようだ。が、その戦闘能力は『萌え』を感じさせるほどである。
まさにハートキャッチである。
だが、口に出さない。出したらまたダニーをしなくてはいけない。
「あ、またデレた」
はやてぇええええええ!
プレシアは二人のスフィアリアクターの拘束を振りほどいて俺に向かってくる。
未だに足腰に先程のダメージが残っているので動けない俺はこれから起きる事を甘んじて受けるしかないのだ。
それではみなさん。ご一緒に。
何をすr、ブッ。
(高志の意識が強制ログアウトしました)
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第二十六話 驚愕!今日、あの人がデレる!