No.591027

英雄伝説~光と闇の軌跡~ 510

soranoさん

第510話

2013-06-25 08:37:14 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1029   閲覧ユーザー数:968

~ウルスラ病院・受付~

 

「ようこそ、ウルスラ病院へ。今日は外来ですか?それともお見舞いでしょうか?」

「あ、いえ……クロスベル警察、特務支援課のロイド・バニングスといいます。今日は、捜査任務のためにこちらに伺わせていただきました。」

受付嬢に尋ねられたロイドは捜査手帳を見せて説明した。

「あ、警察の方だったんですか。捜査と言いますと………やはり例の魔獣騒ぎでしょうか?」

「ええ………自分達の方でも調べるように警備隊から要請がありまして。関係者に一通り話を聞かせていただければと。」

「ふふ、わかりました。そうですね、病院長は留守ですし、看護師長をお呼びしましょうか。」

「そ、その……実はですね。個人的な知り合いがこちらに勤めていまして………その人がお忙しくなければ、案内してもらおうと思いまして………」

受付嬢に尋ねられたロイドは緊張した様子で答え

(何だか緊張してますね………)

(そりゃ、ナースのお姉さんで美人とくりゃ緊張もするだろ!)

(それは貴方だけでしょう……)

その様子を見ていたティオ達は小声で会話をしていた。するとその時

「――――ロイド?」

女性の声が聞こえ、声が聞こえた方向にロイド達が視線を向けるとそこには一人の看護師の女性がいた。

「……………………」

女性は驚いた表情でロイドを見つめ

「あ……………」

「おおっ!?」

「………綺麗な人…………」

「……ぐらまーです……」

女性を見たロイドは呆け、ランディは驚き、エリィとティオは女性の整った容姿や普通の女性より優れているスタイルを見て驚いていた。

「あら、セシルさん。ちょうど良かった。こちらは警察の方だそうで………」

女性に気付いた受付嬢は女性に伝え、ロイドは女性に近づいた。

「えっと………その。いきなりゴメン…………先に連絡すればよかったかな。」

女性に近づいたロイドが緊張した様子で言ったその時

「…………っ……………!」

女性はロイドに抱き付いた!

「ちょ、セシル姉………!?」

「やっと………やっと会えたわね。お帰りなさい…………本当に久しぶりね、ロイド………」

抱き付かれて戸惑っているロイドに女性は嬉しそうな表情で言った。

「う、うん………会いにいけなくてゴメン。しばらくずっと忙しくてさ………そ、それより、さすがに少し恥ずかしすぎるんですけど………

「………いいからこのままお姉ちゃんに抱き締められてなさい。ふふっ……背もこんなに高くなって…………前に別れた時は私と同じくらいだったのにね………」

「そ、そりゃあ、育ち盛りの3年間だったし…………」

(フフ……相変わらずの様子ね、セシルは………)

(かかかっ!今の内に押し倒して、大人の男になっちまえ!)

女性とロイドの様子を見ていたルファディエルは微笑み、ギレゼルは陽気に笑っていた。

「あ、あの~………」

一方受付嬢は恐る恐る話しかけ

(な、なんていうか………)

エリィは苦笑し

(想像以上に甘々ですね………)

ティオは呆れ

(おのれロイド……!ルファディエル姐さんがいながらあんな素敵なお姉さんを……!)

ランディは悔しそうな表情でロイドを睨んでいた。その後ロイド達は女性に事情を話し、看護師寮の食堂で自己紹介をし合った。

 

「――――初めまして。セシル・ノイエスといいます。ふふ、どちらかと思ったけどロイドの同僚さんだったんですね。」

「は、はい……エリィ・マクダエルです。」

「どうも………ティオ・プラトーです。(セシル・ノイエス………確かその人の名前はティナさんが生まれ変わった人の名前のはず…………まさかこの人が?)」

「ランディ・オルランドっス!どうぞお見知りおきを!」

「ふふ、よろしくね。はあ………でも、私ったら慌てんぼうね。てっきりロイドが彼女を連れて遊びに来たかと思っちゃったわ。」

エリィ達の自己紹介を聞き、微笑んだ女性―――セシルは溜息を吐いた。

「ちょ、何を言い出すのさ!?」

一方セシルの言葉を聞いたロイドは慌て

「だって、3年ぶりでしょう?彼女の一人や二人くらい作ってお姉ちゃんに紹介してくれるのかな~って。はっ、ひょっとして本当に付き合っているけど仕事だから隠しているとか……ご、ごめんなさい。悪い事をしちゃったわね。」

「あ、あのねぇ………」

セシルの話を聞いたロイドは呆れた様子で指摘しようとしたが

「それで………どっちと付き合ってるの?エリィさん?ティオちゃん?それとも2人いっぺんにとか……」

セシルは話をロイドの様子に気付かず話を進め

「だから違うってば!」

「2人じゃないとするとルファディエルかしら?そうよね、一緒に暮らしていたら姉弟とはいえ、愛が芽生えてもおかしくないものね……お姉ちゃんは応援させてもらうわ、ロイド。ルファディエルとは血の繋がった姉弟ではないから誰にも反対されないから、安心して付き合っていいわよ。種族は違えどルファディエルはとてもいい女性(ひと)なんだから絶対に離しちゃダメよ!」

「いやいやいや!ルファ姉と俺なんて釣り合わないから!」

「はっ…………も、もしかしてそこの彼と………ううん、私もそういうのには理解のある姉でいたいから………全力で応援させてもらうわっ!」

「いや!そこは反対するところだから!?」

暴走してその度にロイドに突っ込まれた。

(ハア……こういう所も相変わらずね……)

(かかかっ!貴重な天然ッ娘を既にキープしているとはさすがはロイドだな!)

その様子を見ていたルファディエルは溜息を吐き、ギレゼルは陽気に笑い

「クスクス……」

「なんだか…………ユニークなお姉さんですね。(本当にティナさんが生まれ変わった人なんでしょうか?何と言うか………性格が全然違って、とてもそうには思えません………)」

「は~、天然なところも素敵だ……」

エリィは微笑み、ティオは興味深そうな様子でセシルを見つめ、ランディは嬉しそうな表情でセシルを見つめていた。

 

「そういえば、ロイド。ルファディエルは?今は一緒じゃないの?」

「いや、今も一緒にいるよ。―――ルファ姉。」

「………こうして顔を合わせるのは久しぶりね、セシル。」

そしてセシルに尋ねられたロイドはルファディエルの名を呼び、呼ばれたルファディエルは人間の姿で現れてセシルに微笑んだ。

「フフ、久しぶりね。それにしても貴女は全然変わった様子が見えないわね。」

「あのね………私が天使だって事をもう忘れたの?天使は寿命は関係ないから、これからもずっとこのままよ。」

「ハア……歳を取らないことといい、ロイドとずっと一緒にいれる事といい、本当に羨ましいわ~。私もできる事ならずっとロイドの面倒を見たいのに………」

「もう……そうやってロイドを甘やかしていたら、ロイドはいつまでたっても一人前になれないわよ?」

「むう……ルファディエルだって人の事は言えないじゃない。職場を含めて色んな所でロイドの面倒を見ているんだから。」

「フウ……それは貴女が頼んだ事でしょう?貴女に嫉妬される筋合いはないわよ。」

「それでも納得できない所があるのよ…………そう言えば貴女は今はどこで寝泊まりしているの?ロイドは職場の寮のようだけど………」

「私はロイドと契約して、ロイドの身体の中にいるから、部屋は一緒………と言うべきかしらね?」

「え!じゃあ、前みたいに一緒のベッドでロイドと寝ているの!?ルファディエルばっかりズルいわよ………」

「私の話はちゃんと聞いていた?私はロイドの身体の中にいるだけで前みたいに一緒のベッドでは寝ていないわよ。第一、以前クロスベルで暮らしていた時でも私はそんなに頻繁にロイドと一緒のベッドに寝た事はないわよ…………貴女こそ、私がロイド達に世話になるまでに時々ロイドと一緒にお風呂とか入った事があるんでしょう?それと比べたら、大した事ないわよ。」

「え~………それは私と貴女とロイドの3人で一緒に入って身体の洗いあった事で無効になったじゃない。第一、貴女だってロイドと一緒に入っていた事があるじゃない。」

「ちょっ!?セシル姉!ルファ姉!ストップ!!頼むからもう、話を止めてくれ!」

セシルとルファディエルの会話を聞いていたロイドは真っ赤な顔で慌てた様子で叫び

(あっははは!まさかルファディエルにそこまでさせるとはねぇ!面白い男だよ!)

(かかかっ!さすがはロイド!そんなに昔からルファディエル達を同時攻略するとは!)

エルンストとギレゼルは笑い

(ル、ルファディエル様…………いくらなんでもそれはさすがに甘やかしすぎでは………?)

(まさかルファディエルがそこまで甘やかしていたとは…………正直な所、別人かと思ったぞ…………)

メヒーシャは表情を引き攣らせ、ラグタスは驚きの表情で呟き

「………やっぱりルファディエルさん達と一緒にお風呂を入った事があるのね。しかも3人で一緒に入った上、身体を洗いあった事もあるなんて。」

「しかも話を聞いている限り、わりと頻繁にあったようですね……さらにルファディエルさんとベッドと一緒に寝ていたとは………リア充にも程があるでしょうに。」

「おのれロイド………!ルファディエル姐さんだけでは飽き足らず、セシルさんともそんなうらやまけしからん事を………!この弟貴族がっ!俺にもお前のリア充度を分けやがれ!お前ばっかりズルいぞ!」

エリィとティオは蔑みの表情でロイドを見つめ、ランディは悔しそうな表情でロイドを睨んで叫んだ。

 

「ああもうっ!捜査が進まないから、もう話はこれで終わり!ルファ姉も今は捜査官の一人なんだから、事件と関係のない会話はほどほどにしてくれ!」

「フフ、そうね。」

そしてロイドは大声で叫んだ後ルファディエルを睨み、睨まれたルファディエルは微笑みなが頷き

(逃げましたね……)

(ええ………それも露骨に………)

(おのれロイド………!俺のドストライクな人達ばかりと………!)

エリィとティオはジト目で小声で会話をし、ランディは悔しそうな表情でロイドを睨んでいた。

「そこ!ヒソヒソ話をしない!それで、セシル姉。魔獣騒ぎのことなんだけど………」

そしてロイドはエリィ達を睨んで大声で注意した後、話を戻した。

「うん、そうだったわね。師長から許可は貰ったから私が説明させてもらうけど…………1週間前の夜のことよ。うちで研修医をしている人が魔獣に襲われてしまったの。ただ、おかしなことがあって………」

「警備隊の調書によると被害者の勘違いの可能性もあると書かれていましたが………?」

「……そう。やっぱり半信半疑みたいね。私も詳しくは知らないけど………病棟の屋上で襲われたらしいの。」

「屋上………!?」

「どういう事でしょう………?」

セシルの話を聞いたロイドとエリィは仲間達と共に驚いた。

「えっと、病棟の屋上は庭園みたいたテラスになってるの。奥には先生方が詰めている研究棟なんてのも建っていてね。」

「なるほど………要するに魔獣が出るような場所じゃ有り得ないってことッスね?」

「飛行型の魔獣なら可能性はあるけど………でもそれだと狼型の魔獣には当てはまらないわね………(クリエイターのように魔獣同士が合体した存在なら話は別だけど………)」

「ええ……警備隊の人たちも最終的にそう判断したみたい。でも、やっぱりどこか納得行かなかったんでしょうね。貴方達に調査をお願いしているところを見ると。」

ランディとルファディエルの言葉に頷いたセシルは真剣な表情でロイド達を見回した。

「い、いや~……どうかな。正直そんなに期待されてはいないと思ってるけど………」

「ふふ、謙遜しないで。クロスベルタイムズを読んだけどすごく頑張ってるみたいじゃない?」

謙遜している様子のロイドを見たセシルは微笑みながら言った。

「あ………そうか、あの旧市街の事件か。」

「ですが、最新の記事には私達が解決したまでは…………」

「ふふ、そう書かれてないけど頑張ってることは伝わってきたわ。それに、ちょっと前までうちに怪我をしていた男の子たちが入院していたんけど………お見舞いに来た仲間の子達からちょっとだけ話を聞いちゃったの。貴方達に大きな借りを作っちゃったて。それと最近のクロスベルタイムズでは貴方達の活躍は結構頻繁に載っているわよ。」

「そ、そうだったんだ………」

「ふふ、面白い偶然ですね。」

セシルの話を聞いたロイドは驚き、エリィは微笑み

「いや~、照れちゃうなぁ。」

ランディは嬉しそうな表情で呟き

「ランディさんはそれほど活躍してないと思いますが………それに、あの事件を解決できたのはルファディエルさんのお蔭のようなものですし、後私達が有名なのは全てルファディエルさんやメヒーシャさん達のお蔭じゃないですか………」

ティオは冷静な表情で突っ込み

「フフ、私は少し力を貸しただけよ。最終的に事件を解決したのは貴方達よ。それに貴方達だって『支援要請』を確実にこなしていっているのだから、有名になったのが全て私達の影響だと思わなくていいわ。」

ルファディエルは微笑みながらロイド達を見回した。

「でも、そうね………この先は、実際に被害にあった人から直接聞いた方がいいかもしれないわね。」

「うん、できれば紹介してほしい。それと………実際の現場を調べておきたいかな。」

「わかった。どちらも案内するから任せて。」

ロイドの言葉に頷いたセシルはソファーから離れて立ち上がった。

「あっと………セシル姉、時間の方は大丈夫?」

「うん、ちょうど今は休憩時間になっているから。それじゃあまずは、病院棟の2階に行きましょう。みんな、私に付いて来て。」

「はいっ。」

「………了解です。」

「お供しまッス!」

そしてセシルに促されたエリィ達はそれぞれ頷き

(………みんないきなりセシル姉に馴染んでるなぁ。)

(そうね………)

その様子を見ていたロイドは苦笑し、ルファディエルは微笑んでいた。

 

その後ロイド達はセシルの案内によって魔獣に襲われた被害者がいる病室に向かった……………

 

 

 

 

 

 

ついに!色々と原作崩壊状態の原作キャラ、セシルが登場しました!ルファ姉とセシル姉の会話を聞いて、マジでロイドに殺意を芽生えた人達がいるかもしれませんんね(爆笑)………感想お待ちしております。

 

 


 
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