No.589644

魔法戦記リリカルなのはmemories 最終章 新たなる聖王の歴史(メモリー) 本幕【終わり、そして始まりの日】 第百十話

J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。

その青年はなのはに関わりがある人物だった。

だがなのはにはその記憶が消されていた。

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2013-06-21 09:58:49 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1762   閲覧ユーザー数:1705

……実はとっくに書きあがってた(ぉぃ

 

というか、単純に投稿していたと思ていたのですけど、忘れてたというかそんな感じw

 

ってなわけで百十話です。次回は一旦なのはのほうへもどるかな? まだ決めていませんがw

 

それではどうぞ!!

 エメリアからの忠告を聞いてからその数十秒後、フィルノに方を向きながら敵意をむき出しにしている彼女――アマルナ・ラスティルはフィルノに向けて攻撃を開始し、一瞬にしてフィルノの目の前に移動していた。

 

「はやいっ!?」

 

 このまま立ち尽くしていたらアマルナの蹴りに飛ばされる――そう思ったフィルノはすぐさまその場にしゃがみ込み、その直後にフィルノが立っていた時の左の脇腹付近からアマルナの蹴りが右に通り抜けた。

 魔法なのかもどうなのかも今のフィルノには分からないでいたけども、|バリアジャケット《・・・・・・・・》を着ていないことにはどうしても違和感を覚えた。

 

 ――バリアジャケットを着ていないのは、何らかの理由があるのか。とにかく、彼女の戦闘力を見極めないと後々辛いな……

 

 アリシアやシルフィア姉妹たちが来るまでは、避けるようにとは言われてはいるけども、今現在できることをできる限りやっておこうと思い、その行動でアリシアたちが到着した時に作戦をすぐさま伝えるための行動だった。

 フィルノはアマルナの攻撃をよけながらも策を練るために考えようとしたのだが、そんな考えがかなり甘いということにすぐに気付かされる。

 避けられたことにすぐに反応し、アマルナの右手拳がすぐさまフィルノの頭上から下に向けて振り下し、フィルノに直撃する。

 

「がっ!?」

 

 あまりにもスピードが速いため、フィルノはよける隙もなく攻撃を受けてしまい、拳骨を受けたような威力よりもかなり強い激痛を受けてしまう。だが、アマルナの攻撃はこんなことで終わることはなかった。

 

「ぐっ!!」

 

 今度はしゃがんでいるのにもかかわらず、アマルナの右足による蹴りをもろに腹に受けそのまま後ろへとかなり吹き飛ばされる。地面はなのはが吹っ飛ばした瓦礫により、背中からもわずかにダメージを負う羽目となってそのまま仰向けのままとまった。

 理解できない――フィルノの思考にはそれだけしか残っていなかった。エメリアから聞いた話によればアマルナは格闘術でも習っていたということはないらしいし、体的にも何か鍛えているようには思えなかったために何が起こっているのか理解できないでいた。魔法で増強しているのではないかと最初は思ったけども、足や手に魔力が込められたりしていることはないと気付き、余計にどういう仕組みであれほどの力が出ているのかが分からなくなっていた。

 さらに、この状況は最悪だった。もしわかったとしても先ほどの蹴りによるダメージによって胃液が口から逆流するくらいではあり、さらには頭に殴られた衝撃で軽い脳震盪みよるめまいを起こして立ち上がることも難しかった。さらには背中からは瓦礫を引きずりながら飛ばされたために軽い出血は起こしており、状況はあまりにも不利だとフィルノは理解する。

 

「がはっ……まずいな……この状況」

 

 それなのにもなぜか思考の回転は速かったけども、状況的にどうしようもないのは変わりがなかった。自分が動かないのを見てアマルナは普通に歩きながらこちらに近づいているため、余裕を見せていることがフィルノにも分かった。だがこれはフィルノにとっては好都合で、この間にもアリシアやシルフィア姉妹が来てくれれば何とかなると考えた。エメリアの言葉から察するにもうすぐ転移魔法でこちらに来るとは思うため、これ以上無駄な動きはよした方が良さそうだとフィルノは思った。

 しかし、そんなことはフィルノの勘違いに終わる。歩いてこちらに近づいているかと思いきや、一瞬にしてフィルノの目の前に立ってフィルノを見下していたからだ。そのことにフィルノは当然驚き、次にアマルナの攻撃を受ければ生き残ったとしても支障を起こしかねないと思ってしまうほどだった。

 

「万事……休すか……」

 

 脳震盪はなんとか落ち着いたけども、仰向けになって倒れている状態から避けることは難しいだろうし、先ほどのように避けてもさらに攻撃をしてくるだろう。魔法を使おうにも時間を与えて貰えなかったため、どうしようもなかった。

 そしてアマルナが構える光景を見て、フィルノは死ぬ覚悟を決めてつい目をつむってしまった。しかしその覚悟を決めて数秒しても、アマルナの攻撃がフィルノにあたることはなかった。

 アマルナの顔を見ると、アマルナはフィルノへと視線を見ておらず、その奥を見ているように思えた。一体何があるのかと思ってフィルノもそちらへと顔を向けると、こちらに向けて見覚えのある人物が近づいてきていた。

 

「よし――なんだかわからないけど、とりあえず私の方へ顔を向けてくれた!!」

 

 遠くから聞き覚えのある声が聞こえてきて、ようやく救援が来てくれたとフィルノは安堵をしていた。

 しかし、転移魔法で来るようにと言われたのにわざわざ移動してこちらに来たというにはどういうことなのかとは思ったけども、とりあえず今はこれで何とかなるかもしれないという期待ができた。

 

「……敵対象者をもう一人確認。状況から優先順位を考え、フィルノ・オルデルタの殲滅を後回しにし、アリシア・テスタロッサの殲滅を優先します」

 

 突然、アマルナはフィルノたちの前で声をだし、まるでロボットのような言い方をしていた。フィルノはアマルナのその言葉から、やはり操られているのだろうと少し確信が持てるようになった。

 だが、現状何も変わってはいない。アリシアが来ただけでもフィルノは助かったのだけども、アリシア一人で勝てるかというのは難しかった。

 そして、アマルナはフィルノの近くから一瞬にして姿を消すようにいなくなり、アリシアの目の前にすぐさま現れた。

 

「っ!?」

 

 フィルノの攻撃を見ていなかったこともあって、突然自分の目の前にアマルナが現れたことにアリシアは驚き、かなり焦っていた。自分のスピードよりも速く、一気に詰め寄って攻撃を仕掛けようとしたために防御魔法も使用する暇もないためにすぐさま回避行動をとるしかなかった。

 しかし、回避したところですぐに攻撃を仕掛けてくるはず――そう思ったアリシアはただ回避するだけではなくて遠くへと離れようとしたが、そんな考えはアマルナには予想通りであった。アリシアが距離を一気に離すことには成功したのだけども、すぐにアリシアの目の前にいっきに近づいていた。アリシアはそれをみて驚きすぐに軌道を変えて回避できる余裕はなく、すぐさまアマルナの蹴りを頭上から思いっきりくらい、かなりのスピードでそのまま真下へと直下していった。

 あまりにも強すぎる――フィルノはアリシアとの戦いを見て、アマルナを倒すことは難しいと判断する。フィルノの魔法で操る方法も考えたけども、その前にアマルナがこちらに近づいて倒される可能性だって高い。アリシアがもっと時間を稼いでくれると思って先ほどまで準備をしていたのだけど、あっという間に倒されてしまったために準備する暇がなくなっていた。

 一体どうすればいいかとフィルノが考えると、アリシアが何とか立ち上がっている姿を確認することができた。しかし腕から地面にぶつかった衝撃で切ったと思われるところから出血しており、バリアジャケットもかなり汚れており、立ち上がったとしてもこちらに勝ち目はかなり薄いとも思えた。どんな攻撃をしているのかもよくわかっていないし、まだ何か力を隠し持っているようにも思えた。

 

 ――なんとかして、アマルナの弱点を探さないと……こちらが全滅するな……

 

 まるで他人事のようにフィルノは思っていたが、アリシア一人でもどうしようもないこの状況でどう打開すればいいのか思いつかず、つい自分は関係ないと現実逃避したくなっていた。

 そしてアマルナはアリシアが倒れたところへとゆっくり近づき、アリシアを見下すようにして見ているのだった――


 
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