今回はAlice.Magic様のリクエスト。逃げてはないです、ご了承ください。
高かったが良い買い物をしたのではないかと思う。
一刀は万年炬燵の下に手を突っ込んだ体制で、据え置きゲーム機のコントローラーでゲームをしながら値の張った座椅子の背凭れに思い切り体重を掛けた。
すると少しテレビに映る文字が見辛くなり、うわ視力落ちてるのか。とちょっと凹む。
「一刀ー。コーヒー飲むでしょー?」
「あーうん」
「なによその返事ー。 今更視力落ちて凹んでるんじゃないのー」
なんで分かるんだ?と思いながら洗い物をしている華琳を見れば、御盆の角を腰に当ててモデル立ちをしている。
「ばぁーーーん!」
「なにが?」
「ばっぎゃーーーz____ん!!」
「だからなにが?」
「なんでもないやーい!」
華琳はそう言うと、二人分のアイスコーヒーの入ったグラスを両手で持って一刀の股の間に座る。
「よいしょっと! はいコーヒー」
「おー、丁度いい顎置きが出来た」
「違いますぅー私がちっちゃいんじゃなくてあ・し・が!長いんですぅー」
「言ったなこの!」
一刀は両足で華琳の腰を締め上げると、華琳はいや~ん♪と身動ぎしながら一刀に密着していく。
そのまま振り返ると当然一刀の顔が目の前に出るので、ん!と顎を持ち上げてキスを催促。お尻をクイクイと動かすのも忘れない華琳様マジ小悪魔。
最初は軽く、次も軽く。最後はコントローラーを持っていた手を離して、右手を華琳のお腹に、左手を華琳の顎にやって深く深く水っぽく。
「むふー♪」
「さて華琳さん。俺ゲームやりたいんだがね」
「えー!イチャイチャしようよー!」
「明日も明後日もあるじゃん。つーか風呂から上がったらするって」
「あーゴメン、明日仕事入っちゃったんだよねー……」
「うおマジか…… 明後日は大丈夫なの?」
「うん、多分大丈夫だと思うんだけど…… ホントごめんね?」
華琳が悪い訳では決してないので、こうも素直に謝られると逆に自分が悪い事をしている気分になってしまう。
ま、しゃーないよな。と一刀は切り替えて華琳の体を全身で包み込む。
「んじゃ、明日の分を今に回そうそうしよう」
「うん。……にひひ」
「なんだその顔」
「嬉しくって緩んでるんだい!」
華琳はくるっと狭い空間で体の向きを180°入れ替えると、一刀と真正面から抱き合う形になって首に腕を回す。
(やっぱ座って抱きつくの好きだなー。こうなっちゃうと身長の差は無いのと一緒だし)
「あーお尻触ったー!」
「なんで怒られたのかさっぱり解らない」
「今はイチャイチャ!エロエロはもっと後で!」
「覚えたぞ」
「具体的にはお風呂に入る前ぐらいかな?」
「完璧に覚えたかんな」
可愛がってやるぜー子猫ちゃーん!と一刀は華琳を押し倒そうとして、左のわき腹に座椅子の肘置きがジャストミートした。
骨と肘置きに挟まった肉がみぢっ!となったのを感じた一刀はぐおおおおおおおっ?!と叫んで蹲る。
「どうしたの?」
「肘置きが刺さった……」
「君は実に馬鹿だな」
「く、くやしい……でも感じちゃう!!」
「服捲るよー……あー真っ赤になってる。一刀バッカでー」
「痛い……物凄く痛い……」
赤く色の付いた一刀の脇腹をサスサスとしてやる華琳様。
これが変態淑女の秋蘭や愛紗なら「唾液には治癒効果が!」と叫んでおもっくそペロペロに入るのだが、華琳は既に通過している。具体的には女医プレイでげふんげふん!!
「とりあえず冷やす?それとも撫でる?」
「ちょっとずつ痛く無くなってきたから、撫でる方向で」
「はーい」
華琳は右手で一刀の左脇腹を優しい手付きで撫でると、左手を一刀の背中に回す。
最近暖かく、というより暑くなりだしたので、少し汗の匂いがする。でも、嫌じゃない。
「一刀は変に子供っぽいよね」
「どういうトコが?」
「こういうとこ!」(狙ってやってるんだったらとんだ女殺しだぜこんちくしょう!)
「最近はしっかりしてきたと思うけどなぁ」
「え?」
炊事、洗濯、掃除、時には勉強。そして家計(お小遣い)のやりくりを全部丸投げしている相手に言う台詞じゃない。
流石にその事には気づけた一刀だったが、謝るのがちょっと遅かった。
「ねぇ一刀ー? 今日“も”晩御飯作ったの、だぁれ?」
「華琳さんです」
「毎日一刀の洗濯して、お掃除してるのは?」
「華琳ちゃんです」
「毎日毎日『課題は出てないの?』って確認して、わかんないトコを丁寧に根気良く教えてあげてるのは?」
「華琳様です」
「お菓子買うお金無くなったら補充してあげてるのは?」
「華琳マジ天使。 ホントすいませんでした」
「わーかーれーばーよーろーしー。 もう脇腹痛くない?」
「あ、もう痛くねぇや」
流石に強く押し込めば痛みはするものの、体を動かすだけで痛くはならない。
直ったひゃっほい。と一刀は華琳を再度押し倒そうとするのだが、華琳はていっ!と顎を押しのける。
「またブツけるでしょ! 今度は酷い怪我したらどうするの!」
「ごめん」
「全くもぉ……」
華琳は一刀の上から体をどけると、ベッドの上にゴロン。と寝っ転がる。
「ここならいいよ♪」
「ぐぬぬ……」
「あれー?もう飽きちゃった?」
「その上に行くとイチャイチャじゃなくてエロエロになるんじゃないの、イチャイチャしたい華琳さん?」
苦し紛れの一刀の反撃に、華琳は何時ものにぱーという笑顔では無く、その見掛けに不相応な妖艶な、色気のある笑顔を見せると、上着を優雅に脱いだ。
その上着を体に宛がって口元を隠し、首を可愛らしく傾げる。
「いや?」
「……嫌じゃない」
「じゃあ、どうするの?」
「……女って怖ぇ」
「こう見えて私、年上の女だから」
そういうと華琳はベッドに倒れこみ、上着を持った左手をベッドの外に投げ出して身を捩じらせる。
控えめながら、確かにある膨らみを挑発するように一刀に向けて突き出し、右手を頭の上に投げ出す。
「今こられたら、抵抗できないよ?」
一刀は口で答えなかった。大体において、ここぞという時は華琳に口で勝てた試しがないのが理由。
覆いかぶさってきた一刀に抵抗する訳もなく、華琳は少しだけ唇を開いて舌をチラつかせる。
華琳が一刀を誘う時のパターンだった。
「はぁー、あっついねぇ」
「窓開けるか?」
一刀の上に跨った華琳はそのまま倒れこむ体制で、一刀の首に腕を回して幸せそうに笑う。
んふーと頬を緩ませながらゴロゴロする華琳だったが、脇腹をむにっと摘まれて、おや?と固まる。
バッと飛び起きて自分でも脇腹を摘んでみると、記憶よりも随分と出てくるお肉が増えている。
「なぁ華琳」
「言わないで」
「お前さ」
「あーあーきこえなーい!!」
「太った?」
がふっ!と言って華琳は一刀の上に力なく倒れこんだ。
全体重が掛かっているのだが、全然軽い。軽すぎて前の重さを思い出せないぐらいだ。
「……重い?」
「軽すぎて怖い」
「うそだー……」
「まぁ華琳的には許せないんだろうけど、痩せ過ぎてると俺は不安になるよ」
「ほんとぉ?」
「あんま気にしすぎて無茶なダイエットするなよ?」
「りょーかいでーす♪」
何とか機嫌を直してくれたので、一刀もイチャつき半分イタズラ半分でお腹のお肉をぷにゅっと摘む。
「それはやめろ」
「サーセン」
眼がマジだった。初めて本気で怒らせたかもしれない。それぐらい怖かった。
「そんなに嫌なもん?胸揉まれた訳じゃないぜ?」
「贅肉弄ばれるぐらいならおっぱいにイタズラされるほうがマシ」
「んじゃさっそく」
「ダーメ。お風呂入るんだから」
「んじゃ行こう」
「えー……一緒に入ると余計に汗かくからヤダ」
「流石に凹むわ」
決して深い意味が有る訳ではないが、一刀が不貞腐れる様に身体を横にゴロン。と向けると華琳から甘い声が漏れる。
「……怒った?」
「べっつにー」
「もー……ほら、一緒にお風呂入ろ?」
「一人で行けばいいだろー」
「もー……」
オコチャマなんだから。と華琳は一刀の態度に苦笑すると、脱ぎ散らかした衣服をいそいそと集めて洗濯機に放り込む。
随分汗をかいたので喉を麦茶で潤し、何かを思いついたのかペ○ちゃんの様に舌を出して人差し指を立てる。
その後、こっそり忍び足でお風呂場に行くと、シャワーを捻ってお湯を出してからトイレに隠れる。ドアはキッチリ閉めないのがポイント。
「………よし、驚かせよう」
(ぷっw ホンット分かりやすいなぁもぅ)
華琳がシャワーを浴びていると勘違いした一刀は風呂場まで悪い笑みを浮かべて忍び寄って、思い切りドアを開けたのだが。
「いいことしようぜ子猫ちゃーーん!! あれ?」
「はーい一名様ごあんなーい! こういうお店初めてー?」
「やられた……」
そりゃ勝てませんよ、一刀さん。華琳様マジ天使。
お風呂の様子は当然語れないとして。
一刀は現在上半身裸で華琳の髪をドライヤー(華琳が持ち込んだ物)で乾かしている。
「ちょっとーおにいさーん? 温風と冷風使い分けてくれないとこまりますー」
「すんませんねぇお嬢さん」
「サラサラしてないと一刀だって嫌でしょー?」
「そらそうだ。 という訳で選手交代」
あっさりと一刀はドライヤーを華琳に手渡すと、あっちーと言いながら冷蔵庫に向かう。
華琳はドライヤーで髪を引き続き乾かしながら、アタシの分もー。と一刀に注文する。
一刀はアイスコーヒーに牛乳を混ぜ、華琳の分は牛乳そのまま。キンキンに冷えているのがポインツ。
「ほい、おまたせ」
「んー」
四角いテーブルで、しかも真冬じゃないのに華琳は態々身体を寄せて、一刀も何も言わず華琳の隣に座る。
ちなみに座椅子は片付けられました。
一刀は華琳の右側に座って、コーヒー牛乳を飲みつつ華琳の持ち込んだ雑誌を開く。
「一刀、黒ひげ生えてるよ」
「拭いてくれよ、タオル持ってんだろ」
「んー♪」
そりゃ当然バカップルなら舐め取るよね。
「今度は白ひげ生えたか?」
「だいじょぶ、綺麗になったよん♪ ね、次は何処いこっか?」
「んー。 遠出するのも面倒だし、近場の温泉いかね?」
「えーまた温泉ー?」
「なんだよ、嫌なの?」
「嫌じゃないけど、ちょっと飽きてきた」
「んじゃ何処にする?」
んー。と華琳は悩みながら一刀に凭れかかって雑誌をぺらぺらと捲る。
一刀はテーブルに右肘を立てて頬杖をつきながらそんな華琳を受け止めつつ、華琳が捲るページを一緒になって眺める。
「アウトドアは? ロッジとか借りてバーベキューとかどう?」
「完っ璧に華琳死ぬぞそれ。 俺そういうのメッチャ苦手だもん」
「えー飯盒でご飯とか炊くの楽しいよ?やった事ないの?」
「何回かは姉ちゃん達と行った事あるけど、俺何にもしたことないもん」
「あー、想像付いた。 んじゃ試しにいっとく?」
「何もしないのが何となく情けないから保留で」
「らじゃ(>Д<)ゝ”」
んー。と一刀は額をポリポリと掻きながら旅行雑誌を流し読みするが、イマイチぱっとしない。
こう、なんというかグッとくる物がない。
「まぁ無理して行く必要もなくね?」
「こういうのは無理矢理テンション上げ上げで突っ走らないと行かなくなるの!」
「んじゃ日帰りで適当にどっか行くか?」
「んーそれは寂しい……ゆっくりしたい……」
難しいなぁ。と一刀が零すと、華琳も難しいねぇ。と応え、凭れかかった頭をグリグリとする。
「んじゃアウトドアの方向で計画立てようぜ。この機会に色々覚えようと思う」
「やっふぃ!! あー楽しみだなぁ♪ ね、冥琳に車借りる?きゃんぴんぐかー!」
「芋ズルで明命とかも連れて行く事になると思うけどそれは構わんの?」
「え、なんで? 多い方が楽しいじゃん。 そりゃ知らない人いっぱいだったらちょっとヤだけど」
とにかくけってーい!とオパーイを隠さず腕を天に突き上げる華琳をはいはい。と宥めて腕を降ろさせる一刀。
ふるんっ!と小さく揺れる胸とか眼の毒でしかない。
「きゃーえっちー(棒」
「あれだけ見せびらかしといてよく言った」
「わかってないなー乙女心」
「うん。ぶっちゃけ欠片もわからん」
一緒に風呂には入るし、服脱がせるのも嫌がらないのに、着替えている所を見ていると怒る。
下着とってーだの洗濯物取り込んでおいてーだの言うくせに、脱いだ下着を洗濯機に入れようとすると大声を出して制する。
自分は平気でこっちの歯ブラシを使うのに、こっちが間違えて歯ブラシを使ったと分かるとぷんすか!と怒る。
そして先ほどの贅肉>>>オパーイ発言。全くもって理解不能。
(思春はわりかし似た所あるけど、秋蘭はそうでもないし、人に寄るのか?)
「ねー一刀。 なんか今すっごい『イラッ☆』ってきたんだけど、何考えたの?」
「女心はよーわからん」
「ふーん」
ばれてますよ!一刀さん!主に違う女の事考えてた事とか!!
この後一刀は不機嫌になった華琳に躾けられました。無論布団の上で。
今回は華琳のいちゃらぶでお送りしました。虐げられない所では華琳はおねーさんなのです。
月光鳥~ティマイ~様 浮気イクナイ。コレゼッタイ
悠なるかな様 おまたせしました~。楽しんでいただけてなによりでっす!
D8様 気に入っていただけてなによりですww
ムー部長様 考えるんじゃない、感じるんだ!
八神 祐一様 この顔文字可愛いですよねw
ちきゅさん様 可愛い外人のまとめにはお世話になりました
MiTi様 シュレリア様もたまらんですが、個人的には2の女の修羅場が好きです
muro様 また開拓してしまった……
ゴーストチャイルド様 色んな恋姫SS読ませて貰ってますが、(仕方ないですが)あんまり扱いよくなかったのでついつい
happy envrem様 袁家特有の幸運パワーです。対抗できるのはやっぱり華琳様かしら
ミドリガメ様 ほっと安心出来る感想です<なにからしい
観珪様 こまっしゃくれた子より、こういう子の方が見ていて微笑ましいと思います。
shirou様 仲良し姉妹っぽさを出せていたら幸いです。
ヴィヴィオ様 たどたどしい日本語で「おにぃちゃん♪」と一刀を呼ぶ所まで妄想したb
ノワール様 ぶっちゃけて言えば、英語だと読める人読めちゃうのでなんちゃって英語だと突っ込まれるよなぁとビビりました。
頭翅(トーマ)様 今回もお楽しみ頂けましたら幸いです。
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リビドーを爆発させました。一刀も爆ぜろ。