No.582393

ガンダム学園で僕と握手 018 少女が見た流星<W・G>

レイガンさん

ガンダムのキャラクターたちが学園を中心に生活している世界だったのだ!シリアス成分は少な目で、ほぼギャグのバカコメディ。キャラ崩壊なんて日常茶飯事!作品は1stなどの宇宙世紀作品を始め、平成4作品とSEEDや00などオールです。<>内に主な登場作品を記載しています。

2013-06-01 18:41:53 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1510   閲覧ユーザー数:1470

 

ピーピーピーピー

「システムダウン…残された手段は少ない…か」

とあるタンクトップを着た少年は、パラシュートを装着する。

「作戦の失敗は死だ。だが、まだ死ぬわけにはいかない」

少年は急いでパラシュートを広げ、着地に備えた。

夕暮れ時、この世界では珍しく、物々しい光景である。

そんな光景を見てるものは誰もいない…はずだった。

当然そこは誰かが見てると言うオチが待っているのだった。

「あら? こんな時間に流れ星かしら? (クマのぬいぐるみが欲しい。イケメンに会いたい。レディースコミックの値段を安くして欲しい。ピアノが欲しい。タンクトップを着たイケメンに会いたい)」

リリーナ・ピースクラフトは流れ星らしきものを見ながらそんなことを考えた。

いや、明らかに具体的すぎるお願いが含まれているが。

「…流れ星にしては少し光ってなかったわね」

人を星と間違えてしまうところは、天然さゆえである。

「行ってみましょう。行ってくるわねヒイロ」

リリーナはクマのぬいぐるみにそんなことを言い、部屋から出ていった。

「リリーナ、もう夕方だぞ。どこへ行くんだ?」

「あ、お兄様」

当然だが、リリーナにはイケメンの兄貴がいる。

「こんな時間に外出は危険だ。もう5時だ。良い子は家に帰る時間だ!」

「悪い子でごめんなさいお兄様…でも…私は…行かなくちゃいけないの~~~~~!!!」

「リリーナ~~~~~~~!!!!」

リリーナは家を飛び出していった。

なお、この家庭ではこれが日常風景である。

 

 

 

 

リリーナは数分走ると、海岸へと到着した。

「師匠!! 今日は砂浜でトレーニングですか!?」

「そうだ!! 砂浜は足元が不安定だ!! 足腰やバランス感覚を鍛えられる!!」

「なるほど!! さすがは師匠!! お見事です!!」

「答えよドモン!! 流派・東方不敗はっ!!!」

「王者の風よ!!」

「全新!!」

「系列!!」

「「天破侠乱! 見よ!! 東方は紅く燃えているぅぅぅっ!!!!!!!」」

リリーナはその謎の光景をスルーしつつ、砂浜へと降り、一人の男の子が倒れているのを発見する。

「超級!!」

「覇王!!」

「「電影弾っっっっ!!!!!!!!」」

「まさかさっきの流れ星はこの男の子なのかしら…」

そしてこのスルースキルである。

「さすがはワシが認めたキング・オブ・ハート。このワシと互角に戦えるとは…」

「はぁはぁ…いえ、まだまだです!」

「その息の上がりよう…そのようだな!!」

「あの、大丈夫かしら?」

リリーナは暑苦しい光景はガン無視で男の子の身体を揺さぶる。

「…っ」

「あ」

男、起床。

「顔を見られた!?」

「あ…」

リリーナは彼につい見とれてしまった。

何故なら彼は…

タンクトップだったからだ。

「お前を殺す」

「え」

タンクトップの電波男は、そう言い残し、走って海岸から立ち去った。

「十二王方牌大車併!!」

「ゴッドスラッシュタイフーン!!」

「何なのあの人…」

ヒイ…タンプトック…タンクトップの男も凄まじいスルースキルの高さである。

リリーナは呆気にとられたまま、しばらくその場を動くことが出来なかった。

「…あいつまさかヒイロ・ユイじゃないか?」

地味に一部始終を見ていたデュオはボソリと呟いた。

というか、まあその通りなんだけども。

 

 

 

 

「転校生を紹介します」

翌日、サリィ教師はリリーナのクラスでそんなことを言う。

「入学したすぐ後に転入ですか?」

「何か訳ありなのだろう」

カトルとトロワがそんなやりとりをしていた。

なお、五飛は興味なさそうに外を見ていた。

「ヒイロ君どうぞ」

「…任務了解」

サリィの指示に従い、ヒイロが教室へと入る。

「あなたは…!」

「…」

リリーナの声にチラリとヒイロは目を向けるも、すぐに視線を中央に戻す。

「転校生のヒイロ・ユイ君よ。みんな仲良くしてあげてね」

「イケメンじゃない!?」

「私このクラスで良かった~~~!!」

女の子たちの評価は上々のようだ。

「…ヒイロだ。任務…完了」

「…」

「…」

だが、話した途端に教室内が静まり返る。

だがヒイロはそんな空気も気にしていなかった。

「ヒ、ヒイロ君はそこの席に」

「任務了解」

ヒイロはデュオの隣に腰を下ろした。

「よ、ヒイロ。久しぶりじゃないか!!」

「…誰だお前は」

「おいおい、俺を忘れるとは酷いな。死神様だよ」

「…不審者か」

「お前が言うかそれを!?」

「デュオ・マックスウェル君お静かに。自分が主人公の小説が発売されているからって調子に乗らないように」

「乗ってねーよ!! つーか詳しいな先生!!」

教室内はデュオのおかげで再び活気に包まれた。

「で、お前何でここに転校してきたんだ?」

「…馴れ馴れしいな。だから誰だお前は」

「デュオってさっき先生が言ってただろ? 小学校同じだったじゃねーか! 家族ぐるみの付き合いだってあったろ?」

「小学校…そんなくだらないものに通った覚えはない。俺は生まれてから常にエージェントとして訓練した戦士だ。家族もいない」

「お、お前まさか記憶喪失?」

「何だそれは。短絡的だな」

「あの!!」

「ん?」

ヒイロとデュオの会話内にリリーナが入ってきた。

「あの、近々私の家でパーティーがありますの。来て下さらないかしら?」

リリーナはヒイロに封筒を渡す。

「えー。俺には渡してくれなかったじゃんか~」

デュオは不満を述べるが、リリーナにはヒイロしか見えていなかった。

「…ど、どうですか?」

「…」

ヒイロはそれを受け取るとビリビリと破いた。

「えええええ」

「何してんの!?」

「何て事を」

「ひ、酷い…」

その光景にクラスメイト達は口々に騒ぎ始める。

リリーナはさすがに涙目になる。

一度としてこんなことをされたことがなかったからだ。

だがヒイロはリリーナの涙を華麗にぬぐった。

「え」

しかし、耳元で囁いた言葉はとんでもなく物騒だった。

「お前を殺す」

ヒイロは破いた封筒をポケットに仕舞い込み、教室を出ていった。

「ちょっとヒイロ・ユイ君! まだHR終わってないわよ!!」

先生の言葉にも耳を貸さなかったヒイロはそのままどこかへと消えていった。

「…やっぱり何なのあの人…でも何だかドキドキする…」

「…それはリアルに動悸じゃないかな」

デュオが溜息を吐きながら、胸を抑えるリリーナに呟いた。

 

 

 

 

数分後…

「…任務了解」

ヒイロは屋上で破った封筒をセロハンテープで貼り付けていた。

「…パーティーか。…任務了解」

ヒイロはそのまま屋上から飛び降りたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っておーい!! お前何してんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

なお、教室からヒイロを見てデュオは叫んだのだった。

「…任務完了」

「何の任務だよ!!!」

それは私も思いました。

「お前誰だよ!?」

そうですね。とりあえずこう言っておきましょう。

ガンダムファイト!! レディー・ゴオオオオオオオオオオオオオオ!!

 

 

 

 

 

 
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