そして、終には時間が来てしまい。フェイト達はアースラへと帰ってしまった。
「で?お前はどうして残ったんだ?」
「僕が残ったらなにか問題でも?」
やや、棘々とした受け答えをしたのはユーノ・スクライア
今はアリスの肩に乗っている。なぜ、なのはの肩に乗らないかと言えば....
「おい、なのは」
「・・・ぁ」
「おーい」
「・・・う~ん」
フェイトが見せ付けたキスからなのはの思考が停止していた。
「はぁ、私達は先に帰りますから。なのはさんのことお願いしますね?マスター」
「え?いや僕はッ!」
「まあまあ。ここはマスターに任せましょう」
そう言いながらアリスはユーノを手の中で遊びながら公園から立ち去ってしまう。
「任せるって・・・なにをどうしたら?」
幾ら何でも数時間もこんな調子では居ないだろうし。放置したら・・・。
パターン① 放置して家に帰る=アリスにボコられる。
パターン② 理由を作り放置して家に帰る=なにがあったか根堀はほり高町家の皆に聞かれる=羞恥プレイ。
パターン③ 家に帰らずにどこかへ行く=捜索され。なのは発見=俺の責任問題。
ダメだ・・・向き合わないと無事に返れる選択肢が無い。
「おーい、なのは」
「・・・」
ダメだ。反応すら薄くなってる。
頬を叩いて外部衝撃で元に戻そうと。頬に手を当てて顔を覗き込むと。
「きゃあ!」
《ドンッ!》
「うぇ!?」
突然、なのはに突き飛ばされてしまった。
衝撃で公園海辺のフェンスに背中を当てる。特にダメージはないが、驚いた。
「あ、あわわ!ご、ごめんなさい!」
「急に戻ったか。だけど、突き飛ばすことは無いだろ」
今現在居る公園は海辺にあり。下手をすれば海へ落とされるところだった。
「ご、ごめんなさい!でも、急にノワールくんが顔を近づけるから///」
「意味わかんねぇし!」
「と、兎に角近寄らないで!」
「なっ!?」
突き飛ばされていた為、少し近づこうとするが、両手を伸ばして俺を制止するなのは。
「一体、どうしたんだ?」
「分からないの自分でも!兎に角、近くに来ないで!」
そう言うとなのはは、突然走り出し。ぽつんと一人、公園に取り残された。
「ねぇママ?あれな~に~?」
「あれはねぇ青春というやつよ。年齢的にまだちょっと早いと思うけどね~」
「ふ~ん」
朝早く散歩している親子を無視して。俺は高町家へと帰った。
そして、それから丸一日の間、なのはから避けられ。
夜寝るときも一人でベッドに入ることとなった。(なのはは美由希さんと一緒に寝た)
「一体どうしたんだ?あいつは...」
「女の子は複雑なんですよマスター」
訂正、ベッドには二人居た・・・。
「とりあえず・・・出て行けッ!」
だが結局、すぐ傍に潜んでいたアリスに勝てるわけも無く。背中から組み敷かれたまま夜は過ぎていった....
ちなみにユーノ・スクライアは、なぜか高町夫婦に拉致されてしまったようだ。
「フフッ。ユーノちゃんも親が居ないんだ。家の子になる?」
「い、いえ。そんなご厄介になるつもりは...」
「別にお金のことなら気にしなくていい。一人も二人増えても変わらないさ」
「でも、僕には部族の家族もいますからいいですよ。お気持ちだけいただきます」
高町夫婦の二人に挟まれる形で抱きしめられて寝るユーノ・スクライア。
人肌の温かさに包まれ。拉致された割には穏やかな夜を過ごすのだった。
なのはside
「どうしちゃったんだろ・・・わたし」
「なのは?」
わたしのお姉ちゃんの高町美由希さんが心配そうにわたしに聞いてくれます。
今は、寝る前で。朝のフェイトちゃんとノワールくんの一件以来。
どうしてもノワールくんを直視できなくて。近づかれるとどうしていいのか分からなくなってしまいます。
その為、今はお姉ちゃんの部屋で一緒のベッドに入っています。
「ノワール君の事?喧嘩でもしたの?」
「ううん。そんな事してないんだけど・・・」
「でも、なにかあったんでしょ?みんな気にしてたよ?
ノワール君が来てからずっとベッタリな、なのはが今日に限って
ノワール君と目も合わさないし。話そうとしないんだもん」
にゃはは・・・お姉ちゃん達、家族のみんなには何でもお見通しみたいです。
「実は....」
今日、フェイトちゃん達とあったことを伝えると。
「あ~・・・原因が大体、分かったような?」
「本当ッ!?」
「う~ん。でもちょっと難しい問題かも知れないね。
なのはは、ノワール君のこと好き?」
「え?うん、好きだよ」
「それは家族愛として?それとも別の?」
「別の?愛って幾つもあるの?」
「うん、そうだね。沢山あるかな~。なのはは、私の事好き?」
「うんっ!大好きだよお姉ちゃん」
「フフッ私も大好きだよなのは。じゃあ、その気持ちとノワール君が好きだって気持ちと同じかな?」
「え?」
お姉ちゃんにそう言われて戸惑いました。
多分、昨日までのわたしならすぐに頷けたと思いますが。
朝のフェイトちゃんとノワールくんがキスしているところをなぜか思い出してしまい。
胸が締め付けれられ。途轍もない焦りの感情が出てきて。
そして、フェイトちゃんとわたしが逆だったらと思ってしまいます。
それは、なんだかお姉ちゃんや家族に思う気持ちとはちょっと違ってて・・・。
「あはは・・・なのはも恋に目覚めたのかな」
「ふぇッ!?」
「途中から声に出てたよ」
「うそっ!?」
慌てて口を押さえますが。お姉ちゃんは「嘘だよ~」っと笑います。
「でも、態度に出てるよ。多分、今まで気が付かなかっただけじゃないかな?」
「え?」
「ノワール君が家に来てからずっと一緒にいるし。普通、友達に。それも男の子相手になのはが
そんなにベッタリするなんて今まで無かったんじゃない?
前にクラスにベッタリしてきて鬱陶しい男の子が居るとか言ってたくらいでしょ?
ノワール君とは一緒に居て。そんなこと無いよね?」
「あ、うん。一緒に居ると、とても暖かくていい匂いがして。
それに、いろいろノワールくんには助けられたし。
ノワールくんは寂しい思いをして来たから放って措けないし・・・」
「そっか・・・。でも、それなら尚の事一緒に居ないとフェイトちゃんが戻って来た時に取られちゃうよ?」
「え?取られるって?」
「もちろん、ノワール君の事だよ。フェイトちゃんはキスから告白までしたんでしょ?
フェイトちゃんはノワール君に返事が欲しいか知らないけど。
自分の気持ちを打ち明けたし。行動も起こしてるから。大分、先越されてるよ?」
「このままだとどうなるの!?」
「その内、辛くても乗り越えないといけない壁にぶつかると思う。戸籍上は義理とは言え。兄妹だからね・・・」
なぜか、そう言ったお姉ちゃんは遠い目をしています。
「だから、なのはも行動しないとね!今日はもう遅いし。明日かいろいろ教えてあげる。
異性へのアプローチのやりかた」
「は、はい!お願いします!」
「フフッ任せてよ。なのは(にしてもノワール君は罪な男の子だよ。フェイトって子には悪いけど
私の妹の方が大切だからね。この前まで私も悩んで居た悩みに近いしね。
私と同じ悲しい思いはしてほしくない。幸せになってほしい。でも、なんだか・・・)」
「どうしたの?」
「ううん。なんでも♪(家族になった所為か。なぜかノワール君と恭ちゃんって
似た雰囲気があるよね・・・ちょっと鈍感で、女ったらしのところが)」
意外と鋭い美由希の思いで。すぐさま高町家の二人の人間がくしゃみをしてしまう。
「くしゅん!・・・ん?」
「クシュ!・・・アリス!寒いわけじゃないから抱きつくなコラッ!」
今回ちょっと短い目ですがお許しください。
恋心に気づいた、なのは。次回からノワールへのアプローチが始まります。
最近ノワールがヒロインに見えて来た作者は疲れてるのかッ!?
次回更新6月中を予定!!
※読んでくれてありがとうございます!感想などなどはお気軽に!
※誤字脱字などの指摘もどんどんお願いします。
※また誤字脱字や妙な言い回しなど見つけ次第修正しますが特に物語りに大きな影響が無い限り報告等は致しませんのであしからず。
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神様などに一切会わずに特典もなくリリカルなのはの世界へ転生した主人公。原作知識を持っていた筈が生まれ育った厳しい環境の為にそのことを忘れてしまい。知らず知らずの内に原作に介入してしまう、そんな魔導師の物語です。 ※物語初頭などはシリアス成分が多めですが物語が進むにつれて皆無に近くなります。 ※またハーレム要素及び男の娘などの要素も含みます。さらにチートなどはありません。 初めて読む方はプロローグからお願いします。